キチジョウソウの特徴って?
毎年花を咲かせてくれる多年草
つぼみを寄せ合い少しずつ下から花を開花させ、楽しませてくれるキチジョウソウ。花色は薄紫色で、つんつんと出た黄色の雄しべを引き立たせています。花を咲かせたら1年で枯れてしまう「一年草」とは違い、毎年開花する「多年草」の部類です。開花の時期の秋になると、葉の根元に控えめに花を咲かせるので、見過ごさないようにしましょう。
グランドカバーとしても人気
キチジョウソウの背丈は約30㎝ほどで、細長い葉が特徴です。根は自由に伸びていき、害虫などの心配なく丈夫でよく増えます。そのため、花壇のすき間や、雑草を生えにくくするグランドカバーとしても人気です。
土の表面を覆い、見た目を美しくしてくれるグランドカバー。適した植物はほかにもいろいろあるので、何種類か組み合わせて、四季折々の庭づくりを楽しんでみてはいかがでしょうか。
キチジョウソウは可愛らしい実をつける
花色の薄紫色とはうって変わって、キチジョウソウの実は、5ミリ~10ミリくらいの大きさで、まん丸で赤い実をつけるのが特徴です。艶もありとても可愛らしい実ですね。人は食べられませんが、動物には好まれます。開花した花と同様に、葉に隠れて見えにくく、見つけたらほっこりするような癒しの赤い実です。
キチジョウソウの春夏秋冬
春と秋の育て方
キチジョウソウの植え付け時期は、春もしくは秋がベストです。花壇や庭に植える場合は、水はけを良くするため、植える場所の土に腐葉土を2~3割程混ぜるとよいでしょう。水やりのタイミングは、雨が降らない日が続き土が乾いてきたときです。鉢植えの場合の土は、赤玉土7:腐葉土3程度の割合が適しています。水やりのタイミングは同じく土の表面が乾いてきたときです。
涼しくなる秋口ごろになると、花を咲かせますので、葉っぱの間をのぞいてみてくださいね。
夏の育て方
キチジョウソウにとって夏の場合、害虫の心配はありませんが、日当たりが強すぎると水分不足で葉が白くなり、葉焼けをおこしやすくなります。予防策として遮光ネットやすだれなどで日陰を増やしてあげましょう。庭に背の高い木があれば、根元に植えてあげるのもおすすめです。乾燥に弱い植物なので、水分不足にならないよう注意が必要となります。
冬の育て方
キチジョウソウが薄紫の花を咲かせ、赤い実をつけたら冬がやってきます。もともとは自然に自生し耐寒性のある丈夫な植物なので、特に冬越えに関する心配事はありません。ですが乾燥に弱いため、土が乾ききっているようならお水を与えてあげましょう。
キチジョウソウの株分け・増やし方
株分け・増やし方の時期やタイミングは?
キチジョウソウの株分けや増やし方の時期は、苗を植え付ける時期と同じく春と秋が適しています。庭植えの場合は、ほったらかしても増えていきますが、鉢植えの場合は、根が窮屈そうにはみ出してきたら、株分けをして増やしてあげましょう。
株分け・増やし方の手順
庭に植えている場合
丈夫なキチジョウソウは庭に植えている場合、ほったらかしても増えますが、ほかの植物の根っことぶつかってしまい発育が悪いようなら株分けをしてあげましょう。土の中に茎があり株が出来ているので切り離し、夏でも影ができる半日陰のある場所を選んで植え替えるといいでしょう。
鉢に植えている場合の株分けや増やし方
キチジョウソウを植えている鉢から根っこをなるべく傷つけないようにとり出します。泥を取りのぞき絡まった根を少しほぐし気味に整えます。なるべく新芽が均等につくよう株をとりわけましょう。大きな株なら園芸ばさみでやさしく切り分け、分け目があればそれにそって分けてあげます。
根の色が悪かったり長すぎたらカットしても大丈夫です。あとは植え付けと同じように新しい鉢を用意してあげます。植えたあとは日当たりが良く風通しの良い場所へ移しましょう。
鉢に植えている場合の植え替え方
キチジョウソウの植え替えも、基本的に株分けと同じ要領で、ゆっくりと鉢から抜き出して泥や傷んだ根っこをカットします。そのあと一回り大きめの鉢を用意して、植え付けと同じく赤玉土7:腐葉土3程度の割合の土で植え替えてあげましょう。
株分けと同じく、植えたあとは日当たりが良く風通しの良い場所へ移しましょう。
キチジョウソウへ肥料のやり方
植物栽培では全般的に言えますが、居場所をかえてしまうと植物は少し元気がありません。丈夫なキチジョウソウとはいえ、新たな場所にお引越しをしたら、やはり元気がなくなります。そんなときは肥料を与えてあげましょう。肥料をあげる時期は、株分けや植え付けと同じく春と秋が適しています。
肥料の種類
肥料といってもお店には数多くの肥料が並んでいて、どれが適しているのかわかりませんよね。肥料には大きく分けると即効性のある液肥とゆっくりと土に溶け込んでいく置き肥の2つの種類があります。キチジョウソウは基本的に肥料が無くても育ちますので、元気がなくなる株分けなどでは、置き肥を選んで与えてあげるといいでしょう。
肥料の効き方
肥料の効き方には3種類のタイプがあります。まず1つ目は緩効性化成肥料で、与えてすぐに効果を発揮し、長く持続するタイプです。植物の根元に置き、水やりでゆっくり溶け出します。2つ目は、即効性のある液肥タイプの速効性肥料です。3つ目に、土に混ぜ根から吸収されてゆっくりと効果を発揮する遅効性肥料があります。
キチジョウソウには、1つ目の置き肥でゆっくりと効果を発揮する「緩効性化成肥料」を与えてあげましょう。
キチジョウソウの害虫や病気
育てるときの害虫や病気の注意点
害虫の心配はとくにありませんが、まれにキチジョウソウ炭疽病という葉に小さな斑点ができる病気になることがあります。この病気にかかってしまうと、葉先などから黒っぽく焼けたように枯れていってしまいます。多湿になるとこの病気にかかりやすくなるので、湿度を避け風通しの良いところに置いてあげましょう。
植物の敵「炭疽病」って?
炭疽病とは、炭疽病菌というカビが原因で発生する病気の1つです。キチジョウソウだけではなく、果実や野菜、植物全般に発生しやすい病気です。葉っぱだけではなく、茎などにも広がり徐々に枯らしてしまいます。水はけが悪かったり、湿度が高いとかかりやすいので、雨が多い6~7月と9~10月は注意が必要です。
炭疽病の対策
キチジョウソウの症状がある葉は、カットしたあとゴミとしてすぐに処分しましょう。残っていればそこから新たに発生してしまう可能性があります。カビの一種なので、胞子がひろがってしまうからです。初期段階であれば対策として殺菌剤が効果的です。
せっかく育てて枯れてしまわならないように、日頃から観察しながら気をかけてあげたいですね。
キチジョウソウの楽しみ方
盆栽風に
庭に植えたり、鉢に植えたり、育つ過程を見ているだけも楽しめるキチジョウソウですが、ほかにも上級者の方々は、ワンランク上の楽しみ方をしています。こちらは、盆栽風なキチジョウソウの楽しみ方です。花色と実の色のコントラストがとても美しい鉢植えです。
シンプルに花瓶に生けてもOK
葉が力強く凛として伸びる様子がうかがえる植物と、その下にキチジョウソウが顔をのぞかせています。2種の特徴を生かしたバランスが素敵ですね。
お菓子に添えて
和の雰囲気に合うキチジョウソウ。抹茶とお菓子のそばでこっそり顔をのぞかせています。季節を感じながらいただく抹茶とお菓子はきっと格別な味でしょう。
まとめ
丈夫で初心者でも育てやすい植物キチジョウソウ。とても控えめですが毎年かわいらしい花を咲かせてくれる多年草です。実をつけてくれると、それだけでも吉が訪れたような気分を与えてくれる花ですね。その花言葉は、「吉事」や「よろこび」「祝福」などです。
上手に育てて、吉が訪れますよう想いを込めた贈り物にしてみてはいかがでしょうか?
庭づくりが楽しくなる植物たち、気になる方はこちらもチェック
ガーデニングの初心者さん向けの鉢植え方法やコツ・ポイントなど、ほかにもいろいろ役立つ情報をご紹介しています。気になる方はぜひ、のぞいてみてください。

【連載】室内でも楽しめる鉢植えはどれ?初心者にもおすすめの春の花鉢をご紹介
室内でも鉢植えを楽しみたいけれど、室内ではお花を咲かせるのは結構難しいもの。今回は管理がしやすいくお花が咲きやすい、室内ガーデニングで楽しめ...

コバノズイナの特徴と育て方とは?鉢植えの方法から開花の時期まで詳しくご紹介!
北米を原産とするコバノズイナは、豪華な花房をつけ栽培者を魅了させてくれます。また秋には紅葉もし、葉は鮮やかな緑から真っ赤な色へと変化すします...

縁起がいい!ヤツデの育て方!剪定や鉢植え、挿し木の方法をご紹介!
ヤツデという植物を知っていますか?ヤツデは庭木のイメージがありますが、実は鉢植えでも育てることができます。魔除け効果もあるといわれていて、古...