美しくて丈夫な花木「コバノズイナ」
クリーム色の花が咲く藤のような花木の名前をご存知ですか。その花木は開花後に紅葉もする美しく可憐な庭木になります。名前はコバノズイナと呼ばれ、北アメリカを原産とする落葉低木で下はアメリカのフロリダ州から上はカナダのオンタリオ州まで生息しているのです。
耐暑性と耐寒性のどちらも持ち合わせた特徴があることから丈夫な花木です。そのため日本でも幅広い地域で育てることが可能で、庭でのガーデニングをはじめ、鉢植え栽培や庭木として人気が高い花木です。
多岐にわたる鑑賞の仕方
コバノズイナとは近年庭のガーデニング以外でも楽しめる花木に発展している花木です。可憐な美しさとは別に、風情があり趣ある姿からコバノズイナを盆栽として植える方もいます。
落葉樹のため四季を感じられ、楽しめる特徴が盆栽になる理由の一つです。剪定もあまり必要もなく、冬の寒さにもたえられるので初心者でも盆栽にできる花木でしょう。盆栽だけではなく、庭木としての育て方や栽培管理が楽な植物なので、非常に育てやすい花木と言えます。
コバノズイナの実態
コバノズイナとはアメリカからカナダまで生息している花木ですが、中国が原産の種類や品種があり、日本が原産の種類や品種もあります。コバノズイナは明治期に渡来されたされています。名前の由来は日本にすでにあったズイナの葉から由来されているのです。
コバノズイナを漢字表記で表すと「小葉の髄菜」となるのですが、これは日本のズイナの種類より葉が小さい特徴から由来されています。とても花が大きく見える花木で、日本のズイナの種類よりも豪華さがあるでしょう。
コバノズイナの特徴
大きさも1m〜2mまでの大きさにしかならず、非常にコンパクトに育つ特徴があります。剪定も容易にできるので、夏場や冬場に手入れがあまり必要がない花木です。丈夫で手入れをあまり必要ないことから初心者向きの庭木になるでしょう。
剪定をあまり行わずに、ありのままの姿で自然樹形を楽しむことがよいです。種類や品種も数多くあるので、さらに楽しみ方は広がり、花見を楽しんだ後は、紅葉も楽しめる魅力ある花木になります。
花の特徴
コバノズイナの花の特徴は藤の花のように大きさ花が密集した花房をつけるところです。花の付き方は藤の花のように分類される総状花序で、種類それぞれ花の特徴があります。花の色はクリーム色のような黄色味がかった白色です。
花房の花一つ一つ観察してみると花弁は5枚で形成されており、5つの雄しべと1つの雌しべで成り立っています。香りも甘く、5月から6月に開花をしその香りを漂わすのです。開花後の秋には葉が赤く紅葉するので栽培をより楽しめます。
コバノズイナの育て方重要項目7選
丈夫で可憐な花を咲かせるコバノズイナですが、育て方や手入れの仕方でいくつか注意する必要があります。特に夏場や冬場を心配される方が多いとは思いますが、コバノズイナは思っている以上にストロングな花木です。耐暑性もあり、耐寒性もあるので他の植物や花木と比べたら、非常に楽と感じるでしょう。また、他の植物と寄せ植えもできるので、よりガーデニングの幅が広がるのではないでしょうか。庭木、寄せ植え、盆栽と多岐に渡って楽しめる花木です。
コバノズイナの育て方①置き場所
暑さにも寒さにも強いですが、置き場所はなるべく日当たりのよい場所で管理してください。これは、鉢植え、庭での地植えのどちらの場合でもです。枯れることはまずありませんが、多少の耐陰性があるので、むしろ半日陰でも育ちます。
しかし、5月6月の開花時期になると花付きが悪くなるでしょう。また、枝だけが伸びて、見た目が悪くなるので、なるべく日差しが当たる場所で管理してください。乾燥には弱いので、真夏の日差しの当てすぎはよくありません。
コバノズイナの育て方②用土
用土は水はけがよいことだけで十分です。たくさんこだわってブレンドした用土は、コバノズイナに必要ありません。比較的に庭で地植えをする方が多いと思います。庭に植える場合でしたら、掘り起こした土に腐葉土を混ぜると水はけがよくなるので、土と同量の割合で腐葉土混ぜましょう。
鉢植えの場合でしたら、赤玉土と腐葉土を7:3の割合で作ると水はけがよい用土になります。しかし、市販で売っている培養土でも問題ないので、ご自身にあったものを選んでください。
コバノズイナの育て方③水やり
水やりは日当たり場所で頻度がかわりますが、先ほどにも記述したように、比較的に乾燥に弱いコバノズイナなので、それだけは意識してください。気づかないうちに水切れになっている場合が多いです。
特に庭で栽培している方は、夏場の雨が降らな日続くと水切れを起こしやすいので、注意が必要になります。夏場には開花時期を終えて、葉だけの状態ですが、秋には真っ赤な紅葉が見れるので、枯らさないようにしっかりとケアをしてあげてください。
鉢植えと地植えでの与え方の違い
乾燥な苦手なコバノズイナですが、与え方は鉢と庭で直に地面に植えている場合とで、多少の違いがありますので、注意して水やりを行ってください。
鉢植えでの場合は、土の表面が乾いていたら、底の穴から水が滴れるまでたっぷり与えましょう。庭に直に植えている場合は、日差しが高くなる前の午前中の朝にたくさん水をやって、日中も日照が続くような暑さでしたら、夕方にも水を与えましょう。基本的には涼しいうちに水やりをすることです。
コバノズイナの育て方④肥料
コバノズイナの肥料は比較的に多くは必要ありません。逆に多くあげてしまうと、葉ばかりが生い茂ってしまい、花付きが悪くなり、見栄えも悪くなるので過剰な肥料の与え方は控えましょう。
肥料があまり必要ないコバノズイナですが、1年を通して2回肥料を撒くことをおおすすめします。冬の時期の1月、2月に暖効性化成肥料を施し、開花時期が過ぎた6月に同様肥料を施してください。肥料はゆっくり効き目が現れるものを使うとよいです。
コバノズイナの育て方⑤植え替え・植え付け
コバノズイナは多くの植え替えを必要としませんが、最大2mほどまで大きくなるので、鉢植えで育てている方は2年に1回は植え替えを行ってください。健康状態を把握するためや、根詰まりが起こってないかのチェックも含めて行うとなおよいでしょう。
植え替えはかなり冷え込む時期の1月2月上旬は避けてください。葉が落葉する頃の11月、12月か2月下旬から3月を目安に行うとよいです。庭に直に植え付ける方も、植え替えの時期は同じです。
植え替え・植え付けの注意点
コバノズイナを庭に植える方は、鉢から出したコバノズイナの土の表面が、穴に埋めた時に2〜3㎝地上に出るように植えてください。その後は、足で株の周りを踏んで安定させましょう。鉢植え地植え共に、植え替え時は根には気をつけて慎重に行うことです。
植え替え、もしくは植え付けえをした後は、土にしっかりと定着させるために水を多く与えてください。また、土についても用土で解説した水はけのある土を用意してあげることです。
コバノズイナの育て方⑥剪定
コバノズイナを管理する上で、一番気をつけなければならないことは、乾燥の次に、剪定の仕方ではないでしょうか。少し間違えただけで、コバノズイナをダメにしてしまう場合や、もしくはそのまま枯らしてしまう恐れもあるのです。
剪定をする場合には、気をつけることがあるコバノズイナですが、実は剪定をあまり行わない方がよい落葉樹でもあるのです。切らずに自然樹形を楽しむべきでしょう。しかし生育を悪くしそうであれば、剪定を行って整えてあげることは大事です。
開花時期を終えたら
コバノズイナが開花時期を迎え花や香りを楽しんだ開花後に、剪定を行うのがよいです。時期は6月かた7月の頃で、その頃は紅葉を迎える前で、葉だけの状態でしょう。
必要に応じて切ることが推奨されているのですが、上部の30%は新しい芽が出ているので、それ以上切ってしまうと枯死する原因になるので気をつけてください。また、4月が新芽を出す時期なので、その時期の剪定は決して行わないことです。これも生長が著しくなってしまう原因となります。
自然樹形樹を楽しむこと
形を整えてあげるだけなので、強く剪定しないでください。無駄に伸び切ってしまった枝や、葉が重なった箇所のみ切ります。また、株の根元から生えてくるひこばえも切ることがおすすめです。生長の妨げになるものだけ処理することがポイントになります。また、必ず枝分けれしている部分を切ることです。
コバノズイナをあまり切らずに、放置して自然樹形を保つことが剪定のコツとも言えます。逆に切ってしまうことで、樹形が崩れるのでよく注意し切ってください。
コバノズイナの育て方⑦増やし方
増やし方はいくつか方法があり、コバノズイナの果実からの種からと、直接根元から分ける株分け、剪定で切った後の挿し木からです。種、株分け、挿し木と増やし方はありますが、各それぞれご自身にあった増やし方を選んで、栽培を楽しんでください。
種まきをするまでは時間がかかり、株分けの増やし方は株分けをするまでの時間の長さと株分けの際に根に傷を負う恐れがあるのでおすすめしません。今回は種まきや株分けより安心で簡単にできる挿し木での増やし方を記します。
挿し木
挿し木を行う時期はコバノズイナ開花後の梅雨明けごろの6月から7月がよいです。やり方は枝の先端を10〜15㎝ほどに切り落とし、それをそのまま挿し穂にします。土に挿した後に水をまく方法もよいですが、切った直後に、水に浸しておくこともおすすめです。
十分に浸した後は、用意した挿し木用の土に挿し、日があまり当たらない木陰などで管理します。その際、水は切れないように注意して、水やりを行ってください。また、切り口はきれいにカットすることです。
コバノズイナを栽培する魅力
コバノズイナの育て方について解説したところで、その栽培のよさについてお伝えしたいことがあります。育て方をよく見てみて、とても簡単そうではなかったでしょうか。これは本当にそうで、コバノズイナは手間がかからず、夏冬にも問題ない植物なのです。
また、栽培に手間がかからないこととは別に、1年を通して四季をふんだんに楽しめる魅力があるのが特徴的といえます。初心者からでも栽培が始められ、栽培を楽しみながら時間を過ごせるのでおすすめの花木です。
開花時期と紅葉時期
開花時期は5月から6月ごろの時期で、白色の豪華な花房をつけるコバノズイナですが、秋の時期の10月上旬ごろからは葉を真っ赤に紅葉させるのです。豪華な白さから灼熱の赤さへと変わるこの大きな差はとても魅力的といえます。
花は開花時期前が暖かければ暖かいほど、花の付き具合はより増します。また、それは紅葉の時期でも同じなどです。比較的に暖かい気候で育つコバノズイナは紅葉時は赤く色付くのです。栽培する際は、暖かい環境下で育ててみましょう。
病害虫の被害がない
植物を栽培するにあたって、大きな心配事でもあり、栽培者を困らせることは病害虫です。これらの被害は、被害にあってからは当然大変ですが、防虫や予防対策も大変でしょう。しかしコバノズイナは病害虫の心配が特になく丈夫に育ってくれるのです。
まれにカイガラムシの被害もあるので、予防対策に水やりをする際は、葉にも水をかけます。日常の栽培管理から予防対策していれば、無駄なコストも時間もかからず、他の植物への危害も減るので、しっかりと徹底しましょう。
コバノズイナのまとめ
自分にあったコバノズイナ栽培
今回コバノズイナの栽培と育て方と、その魅力について解説しましたがいかがだったですか?ご自身でも栽培できると思いましたか?コバノズイナと同じ品種のズイナは日本でも自生していますが、比較すると豪華さが全く違います。
乾燥と剪定にだけ気をつければ、比較的に初心者の方でも栽培ができて開花もみれます。また鑑賞や管理の方法がさまざまに広がってることから、楽しみ方が人それぞれです。ご自身が行いたいコバノズイナの鑑賞方法をぜひ選択して試してみてください。
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