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カブラハバチってどんな虫?特徴から対策まで一挙ご紹介!もう作物は荒らさせない!

アブラナ科の野菜を育てる時に厄介な、カブラハバチを知っていますか?この昆虫は手塩にかけた野菜を食い荒らしてしまうので、家庭菜園づくりでは厄介な害虫。特徴や駆除方法などを含めて、カブラハバチの被害から野菜を守る知識をご紹介します。
更新: 2021年6月4日
はぐれ猫
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目次

カブラハバチとは

野菜を食い荒らす昆虫

いま身近な害虫として知られるカブラハバチ属は、ハチ目ハバチ科に含まれている昆虫です。世界にカブラハバチは7種類が確認され、その中でも日本で見られるのはカブラハバチ、ニホンカブラハバチ、セグロカブラハバチの3種類。

この昆虫は、繁殖力が強く自然界で数を膨大に増やしていく特徴を持っています。しかも北海道の極めて寒冷な地域まで生息できる適応力の高さも持ち合わせ、生命力、繁殖力、食欲がとても強いことが、菜園を営んでいる人々から厄介視されている理由です。

駆除の方法が知りたい

いったいどうすればカブラハバチの防除や駆除ができるのかは、菜園の初心者にとっては知りたいところでしょう。実はカブラハバチの効果的な駆除方法は、幾つか存在しています。

その害虫駆除の方法を組み合わせていけば、厄介なカブラハバチから大切な野菜を守る助けになるのは間違いなし。その具体的な方法を把握して実践するためにも、まずはカブラハバチの特徴から解説していきます。

カブラハバチの幼虫の特徴

幼虫の見た目

まずカブラハバチで気になるのが、ナノクロムシとも呼ばれている幼虫です。その体長は15~20mmとたいへん小さく、ほぼ指先のサイズ。幼虫の胴体を見れば側面に黒紋と呼ばれる模様が並び、全体に黒紫色をしています。

一方でニホンカブラハバチの幼虫は、胴体に突起がある黒色の姿です。そしてセグロカブラハバチは、体色が薄い灰藍色をしています。3種類は微妙に見た目の特徴が異なっているので、覚えておくと見分けるのも可能です。

幼虫の発生

平野部に見られるカブラハバチの幼虫は、春の時期になると草地や畑で一気に増殖し始めます。夏の猛暑の時期にはいったん少なくなるも、涼しい秋に再び目に付きだすでしょう。高原や寒冷地の場合には、夏から初夏にかけての時期によく見かけられます。

カブラハバチの発生は、年間に5~6回起こります。ニホンカブラハバチは年間に2回ほどすが、セグロカブラハバチの場合には年間で6回以上発生することも。いったん畑に定着すると、間違いなく厄介な害虫になります。

幼虫の気になる生態

幼虫は早朝夜まで、野菜や雑草の葉っぱをよく食べながら、1日を過ごし、よく集団でいる姿も目撃されます。ちょっと怖い見た目のカブラハバチですが、イモムシ同様にいずれの種類にも毒性はまったくありません。

幼虫の時にはとても弱々しく、周囲に対する攻撃性もまるでない幼虫です。噛みつくといった被害もないので、人が触っても問題ありません。ちょっと幼虫に触れるだけで、すぐに落下して丸まるという身を守る生態があります。


土の中に繭を作る

よく食べて成長した幼虫は、やがて手近な地面にもぐって繭を作り上げます。繭はカブラハバチの幼虫より一回り大きいくらいのサイズ。繭の中で徐々に蛹(さなぎ)の姿になって、やがて羽根を持つ成虫の姿に変わります。

秋の幼虫が土の繭の中に入ると、幼虫の姿のままで冬越しをするのも特徴です。幼虫のまま冬を越える時、カブラハバチの幼虫は冬眠状態になります。そして繭の中で蛹になるのは、冬を越した後のこと。上手いこと、春にタイミングを合わせているようです。

カブラハバチの幼虫の天敵は

カブラハバチを食べる動物としては、スズメやメジロなどの野鳥の全般、アシナガバチ、寄生バチ、アリ、クモなどの昆虫、カエルなど両生類がいます。

しかし明確にカブラハバチの天敵となる動物は、自然界に存在していません。それはこの害虫は、食べても美味しくない体に進化しているからだとか。唯一天敵と言えるのは、いつも畑を守っている人間しかいません。

カブラハバチの成虫の特徴

成虫の見た目

春から秋の時期に確認できるカブラハバチの成虫は、体長が約7mmとかなり小さな姿をしています。カブラハバチやニホンカブラハバチの頭部とハネは黒く、胸が朱色。セグロカブラハバチは胸部の背面が黒い色です。

カブラハバチの脚を見てみれば、白黒のまだらな特徴を持っています。一方でニホンカブラハバチの脚は、全体的に黒色。こうした違いを覚えておけば、日本国内のカブラハバチを見分けることも難しくありません。

成虫の生態

土の中から羽化したカブラハバチの成虫は、草地や畑を好んで生息します。成虫の姿になっても、幼虫と同じように好物は葉っぱ。このような特徴を持つハチの種類は、世界でも珍しいと言われています。

メスは産卵をする時、主にアブラナ科などの葉っぱの柔らかい部分の葉肉の中を選びます。そのため日当たりの悪い場所の株、栄養不足の株などが狙われる傾向が高め。カブラハバチは、葉の内側に1つづつ小さな卵を産み付け、それを周辺で繰り返します。

カブラハバチの被害

被害にあう野菜

名前がカブラ(カブ)の葉っぱを食べることに由来する通り、このハチはカブをとても好んでいます。しかし幼虫や成虫はカブだけに寄生するわけではなく、被害はアブラナ科の全般に渡っているのが通常です。


アブラナ科を代表する大根は、カブラハバチがもっともお好みの野菜。葉野菜の種類では、白菜、コマツナ、ミズナといった美味しい種類が狙われます。また野菜のほかにも、アブラナ科であれば雑草もよく好んで食べる昆虫です。

 

被害の様子


幼虫や成虫は、白菜の葉っぱの新葉など、柔らかいところを中心に食べます。カブラハバチは古い葉や固い葉はほとんど食べないなど、ちょっと食通な昆虫です。白菜の場合で見ても、必ず硬い葉脈だけを残すという食害痕が見られます。

集団のカブラハバチが野菜に付いたまま放置すれば、地上の葉っぱはほとんど食べ尽くされてしまうほど猛烈な食欲です。カブや大根の場合、白い根っこのほうまでも食べてしまうので、畑に与える被害は甚大になるでしょう。

全体的に食害にあった野菜は、生育状態が一気に悪くなります。新たに葉を出す力も弱くなるので、野菜が大きく成長することも望めません。そうした不幸な事態を防ぐためにも、種まきの時期からの対策が急務です。

また、食べられた葉っぱは、ほとんど売り物にはなりません。菜園家にとっても農家にとっても、深刻な被害となるのは確実です。しかし毒がない昆虫なので、売り物にしない場合は葉の虫食いの見た目を気にしなければ、食べてもなんら問題ありません。

カブラハバチの対策

①手作業での駆除

栽培している野菜の数が少ないなら、カブラハバチの幼虫は手作業で駆除していくのが先決です。白菜などに幼虫が付いたばかりの段階なら、葉っぱにかじり跡が付いたばかり。かじり跡を探すことで、この害虫をみつけやすいでしょう。

この時には葉っぱの表面だけでなく、裏側、根っこに近い場所など、隅々まで見ていくことが大切。そして栽培の株数が多い場合や、あるいは食害が酷い場合には、葉っぱを丸ごと除去する方法も効果的です。

手作業の駆除の要点

手作業で駆除する時には、幼虫の特有な、触ると落ちてしまう生態に気をつけましょう。いったんカブラハバチの幼虫が地面に落っこちてしまうと、じっとして動かないために、暗い地面では探し出すのに苦労します。

見逃してしまうとあとで幼虫はこそこそと動き出し、葉っぱによじ登るので厄介です。そこで手作業の時には、葉っぱの下にトレイなどの容器をかざすことも必要になります。幼虫の動きが遅くなりがちな、早朝からの作業がおすすめです。

②防虫網を張って防除

幼虫の防除を目指すなら、防虫網を使ってみるのもおすすめです。防除用網には、網の目が2mm以下の細かいものがあり、小型なら通販でも安く、大きめのかまぼこ型でも高額になりません。防虫網以外には、目の細かい寒冷紗を選ぶのもよいでしょう。

防虫網を防除に使うことによって、アブラナ科に誘われて来たカブラハバチの成虫が、葉っぱに卵を産み付けることを阻害できます。防虫網と支柱などのセットならば、初心者でも簡単に取り付け作業ができるのでおすすめです。

防虫網の要点

防除の上で重要になるのは、防虫網に隙間を作らないことです。野菜と地面の間に隙間が少しでもあれば、そこからカブラハバチの成虫が入って卵を産み付けてしまいます。さらに隙間があると、幼虫が這って来て中に入むこともありえます。

ネットは支柱にしっかり固定するのが必須。また鉢植えならばネットの下部でヒモで縛り、畑ならばネットの余りを地面に埋めることで隙間を無くすしてください。防虫網を張っても何故か幼虫がいることもあるので、日々のチェックも怠ってはいけません。


③殺虫剤や農薬で病気・害虫の対策

駆除をする時は、カブラハバチによく効く殺虫剤や農薬を使ってみるのもおすすめです。殺虫剤の場合には、野菜の病気と害虫に効くものもあります。スプレー式殺虫剤ならば、初心者でも簡単に使いこなせる上、分量を間違いません。

農薬の場合、カブや大根に効き目が高いのはマラソン乳剤という薬剤の種類です。またプレバソンやモスピランといった薬剤も使えます。農薬は何度も使うと薬剤抵抗性が上がってしまうもの。だから複数の薬剤をローテーションで使うのがおすすめです。

②周辺の雑草の除去が必要

さらに野菜畑でカブラハバチの被害を食い止める方法として、周辺の雑草除去も大切です。それははカブラハバチの発生原因は、野菜栽培だけはないため。周辺に生えているイヌガラシなどの雑草も、害虫の繁殖原因に含まれています。

家庭菜園の周辺の雑草は、手作業などで全て取り去ることです。これによってカブラハバチが寄り付くことや、繁殖を防除することにつながります。除草が面倒なら、防草シートなどを地面に張って雑草を防ぐ方法も有用です。

カブラハバチ対策してみよう

有効な対策で健康な野菜を育てたい

何処にでも発生するカブラハバチは、野菜の栽培にとっては害虫にしかなりません。せっかく畑で育てているのに、いつのまにか食べられてしまっては残念この上ないことです。収穫量にも響くのだから、防除などの対策はして損はありません。

これからカブや大根を育てるなら、対策をしっかりとして大きな野菜に育てて行きたいものですね。

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