靴紐がほどけない結び方
靴がすぐにゆるんでしまう
楽しいアウトドアの最中に頻繁に靴紐がほどけて面倒な思いをした…。そんな経験はありませんか。
特に登山などのハードなアウトドア活動の時には靴の果たす役割は大きいものです。しかしどんなにいい靴を履いてもすぐにほどけてしまっては機能を発揮できません。
結び方の工夫で解決
それに何度も靴を結びなおすのは面倒だし手間がかかる作業です。それにブーツでは屈むのも大変ですよね。同行者にも迷惑をかけてしまいます。ほどけない結び方に変えることで、その煩わしさから解放されましょう。
この記事では蝶々結びに代わる結び方として、簡単に結ぶことができてほどけない、強固な結び方であるイアン・セキュア・ノットという結び方を紹介します。
靴紐がほどけてしまう原因
靴紐には多くの衝撃と負荷がかかる
歩いている時に結び目が受ける衝撃は想像以上に強く、多方向から力が加わります。特にトレッキングシューズなどのアウトドア用シューズは疲労軽減のためにソールが硬く、耐久性のために素材が厚く丈夫に作られているため、スニーカーなどに比べてかかる衝撃と力は強くなるのです。
また歩く場所も起伏とバリエーションに富んでいるためにより一層結びはほどけやすくなります。これは登山靴のようなブーツでも同じことがいえます。
蝶々結びは繰り返される衝撃に弱い
靴紐は歩いたり動くことによって結び目にかかる張りの強さが常に変化します。つまり、紐を引っ張ったり緩めたりされ続けているのです。硬い結び目を解こうとしたときに、結び目を引っ張ったり緩めたりして色々な方向から力をかけますよね。これと同じことが動いているときの結び目に起きています。
私たちが普段靴を結ぶために使う結び方は蝶々結びがほとんどです。しかし実は蝶々結びは繰り返される衝撃に弱く、負荷がかかると簡単に緩んでほどけてしまいます。
緩まない、ほどけない結び方
強い結び方ときいて皆さんが思い浮かべるのは本結びでしょう。しかし本結びでは結んだあとほどくのがとても大変ですよね。水に濡れて紐が締まってしまうとほどくのにとんでもない時間と労力を費やすことになります。
そうなるといいとこどりの結び方が欲しくなるでしょう。そう考える人は多く、蝶結び後に堅結びをしたり、通す回数を増やすなどしてほどけにくくする方法もあります。
色々な靴紐の結び方
また、二重ハナ結びやベルルッティ結びといったほどけにくい結び方で靴紐を結ぶ方もいます。
今回解説するのは本結びの強さと蝶結びの使いやすさを兼ね備えた結び方です。「最強の蝶々結び」と呼ばれることもあるイアン・セキュア・ノットについて写真で図解しながら解説していきます。
イアン・セキュア・ノットとは何か
強い結び方イアン・セキュア・ノット
イアン・セキュア・ノットはオーストラリアのコンピュータ・グラフィッ・デザイナーであるイアン・フィーゲン氏の考案した結び方です。イアン氏は他にも様々な靴の結び方を考案しており、アスリートを始め多くの方から支持を得ています。
イアン・セキュア・ノットの特徴
イアン・セキュア・ノットは蝶々結びの利点である簡単にほどける所と、どんなに歩いてもほどけない強固さを持っています。
ハードな使用環境でも緩まない「最強の蝶々結び」とも呼ばれることもあり、実際にその実力はマラソンランナーで使用している人もいるほどです。
アウトドアシーンで役立つイアン・セキュア・ノット
アウトドアシーンでは靴紐がすぐほどけてしまうと靴が脱げてしまい危険です。それに加えて靴紐を結びなおすという余計な手間やかかった時間がストレスになります。
ひとたび完成すれば緩まないイアン・セキュア・ノットは、どんなシーンでも安心して使うことが出来る結び方です。
安全のために、そしてせっかくの楽しい時間に水を差されないためにもイアン・セキュア・ノットを覚えて使ってみてください。
イアン・セキュア・ノットの結び方
では実際に写真を交えてイアン・セキュア・ノットの結び方を写真を使って図解しながら解説していきます。
結び方はとても簡単です。蝶々結びに一工程加えるだけで簡単にイアン・セキュア・ノットにすることが出来ます。写真を交えて段階ごとに解説していきます。
イアン・セキュア・ノットの結び方1
まずは靴紐を交差させ、上になった紐を下の紐にくぐらせます。蝶結びでは一回くぐらせるだけですが、イアン・セキュア・ノットではもう一回くぐらせましょう。
イアン・セキュア・ノットの結び方2
左右の紐をそれぞれ折り、輪っかを作ります。出来た輪っかになった紐を交差させます。ここまではおおむね蝶々結びと同じ結び方です。
イアン・セキュア・ノットの結び方3
交差させると中央に輪ができます。ここからがイアン・セキュア・ノットのミソです。出来た中央の輪に交差させた紐の上側は奥から、下側は手前からそれぞれ通します。
イアン・セキュア・ノットの結び方4
輪になった紐と余長をそれぞれ左右に引っ張って締めます。形が左右でそろい、紐の長さが同じになると見栄えがいいです。しっかりと締めれば、これでイアン・セキュア・ノットの完成です。
失敗してしまったら
もしもこの時結び目が縦になっていれば、結び方は失敗です。手前と奥側の紐を通す方向を逆にすると正しく結べます。文章だと分かりづらいですが、やってみると案外簡単なので、図解を参考にしながら何度か結んでみてください。
結び方以外のほどける原因
紐の質もほどけやすさに関わる
結んだ紐がほどけるのは、結び方の他に紐の質も関わります。紐が劣化してつるつるになったり油分がつくと、生み出される摩擦が減りほどけやすくなります。
靴紐の寿命は毛羽立ちが目立ってきた時です。また、切れたりほつれたりした時も交換時期です。登山の時は靴紐にとってもハードコンディションです。予備の靴紐を一組は持っていくようにしましょう。
靴紐の通し方で緩みやすさが変わる
靴紐の通し方次第でも、実は靴紐の弛みやすさが変わるのをご存じですか。通し方は目的によって多種多様な組み合わせがあり、通常は穴の裏から表に向かって通すものですが、途中から表から裏に向かって通し方を変えると緩みづらくなります。
日常生活にも生かせる
イアン・セキュア・ノットはほとんど蝶々結びと形が変わりません。そのくせ解けないのでアウトドア以外にも普段使いのスニーカーやランニングシューズに使うと便利です。
足元を気にしなくていいということは想像以上に気持ちを楽にします。ぜひイアン・セキュア・ノットを習得して生活に役立ててください。また段ボールや新聞紙をまとめるときも、結び直しやすいので使い勝手がいいです。
結ばない靴紐
イアン・セキュア・ノットを使うことで靴紐がほどけることを抑えることが出来ます。しかし結び方を工夫するほかに靴ひもが解けないようにする方法があります。それは結ばない靴紐を使うということです。
現在、色々なタイプの靴紐が販売されています。普通の靴の靴紐のみを交換するタイプとしてはコブがあるタイプや穴に引っ掛けるタイプなどがあります。靴とセットで使うタイプではBOAシステムというダイアル式の調整機能付きの靴がアウトドア向けで多く出ています。
BOAシステム
正確な名称はBOAフィットシステムといいます。アメリカのメーカーであるBOA社が開発したシステムです。
現在ではストリートユースだけでなく、アウトドア、スポーツ、などのハードな分野にも広く使用されており、新たな靴の締め方として注目されています。
BOAシステムの特徴
BOAシステムはダイアルで調整するため、グローブをつけた状態でも締めることが出来ます。緩める場合はダイアルを引っ張ると外せます。締め付けも緩めも片手で簡単に出来るので頻繁に靴の脱ぎ履きをする人や片手がふさがりやすい場合ではとても便利です。
靴をほどけにくくする方法まとめ
イアン・セキュア・ノットで結ぶ
アウトドア活動で靴紐がほどけやすいのは靴の違いや環境の違いによって普段よりも靴に負荷がかかっているためです。強い結び方であるイアン・セキュア・ノットを使えば解けにくくすることが出来ます。
結ばない靴紐を使う
BOAシステムなどの結ばない靴紐を使うと靴紐を結ぶ手間なく靴を履くことが出来ます。ですが、選べる靴が減るなどが悪い点といえます。
楽しいアウトドアは足元から
しっかりした靴選びは登山やハイキングには重要です。しかしどんなに良い靴を履いたとしてもすぐ脱げてしまったり緩んでしまってはいけません。
今回解説したイアン・セキュア・ノットだけでなく、解けにくい結び方にはユニークで機能的なものがたくさんあります。また、靴紐を結ぶのが面倒な方には結ばない靴紐を使うなど多様な解決策があるので、ぜひ色々と試して、ご自分に最適な方法を見つけてください。
アウトドアに便利な知識が気になる方はこちらをチェック!
当サイトではイアン・セキュア・ノットの結び方を解説!簡単でほどけない方法をマスター!以外にもキャンプやアウトドアに役立つ記事をたくさん掲載しています。もっとアウトドアを便利に、快適に楽しみたい方は是非参考にしてください!くらしーのではみなさんのアウトドアライフがより充実するような情報をお届けします!
ブヨ対策!刺されないためのノウハウや治療方法をご紹介!
澄んだ空気と清らかな大気に満ちた自然は、登山の大きな楽しみです。 でも、自然の番人でもあるブヨとの遭遇は避けられず、どう対処するかで楽しみ...
登山靴の紐の結び方とは?ほどけない結び方を動画付きでご紹介!
登山靴の紐はどうやって結ぶのが良いのでしょうか?今回は、ほどけにくい靴紐の結び方をご紹介します。たかが靴紐と思うなかれ。登山において靴紐の結...
https://pixabay.com