オオアマナとは
「ベツレヘムの星」という魅力的な別名を持つ花、オオアマナの原産地と、その名前の意味と由来についてまずはご紹介いたします。明治時代に原産地ヨーロッパから観賞用に輸入されたオオアマナは、栽培品種として育てられていましたが、現在では野生化している品種もあります。
原産地
オオアマナの原産地は、ヨーロッパ南部(地中海沿岸地域)、アフリカ、アジア南西部です。品種が約100種類ほどある球根植物で、明治時代に日本に伝来しました。オオアマナの種子や花苗は、園芸店やネットで購入可能です。原産地でもあるヨーロッパでは、花の季節に散歩道などで見られます。
名前の意味と由来
日本語「オオアマナ」の意味と由来
オオアマナは日本語の名前で、漢字で「大甘菜」と書きます。オオアマナの名の由来は、よく似た同じユリ科の植物「アマナ(甘菜)」より花のサイズが大きいため、「大きい花の甘菜」という意味で「オオアマナ(大甘菜)」と呼ばれるようになりました。アマナもオオアマナと同じで、花の季節は春です。
英語「オーニソガラム」の意味と由来
オオアマナの別名は、“Ornithogalum umbellatum”(オーニソガラムウンベラータム)といいます。名前の由来は、ギリシャ語の“Ornithos(オルニス:鳥の意味)”と、“Gala(ガラ:乳の意味)”という言葉です。花の姿が鳥に似ており、飛び出した濃紫色の子房が乳首のように見えることに由来します。
英語の別名「ベツレヘムの星」
オオアマナは英語で“Star of Bethlehem”、ベツレヘムの星と呼ばれます。ベツレヘムの星は、イエス・キリストが誕生した夜、空に輝いていた星で、救世主キリストの誕生を示した奇跡とされる宗教的な星です。星のような6枚の花弁を持つオオアマナの花の形が、この別名の由来となっています。
オオアマナの特徴と栽培のコツ
花の特徴
オオアマナの花弁は6枚で、星のように見えることから「ベツレヘムの星」という別名を持ちます。よく似た花に、アマナやハナニラがあります。オオアマナの花の季節は春で、3月~5月が開花時期です。季節になると直径3cmほどの小さいサイズの花を咲かせます。花の中心部が緑や紫色をした品種も人気です。
葉の特徴
オオアマナの葉は、ハナニラの葉に似たつやのある濃緑色の細長い形が特徴です。オオアマナの栽培品種ウンベラータムは草丈が低く野生の趣があり、花の季節も同じハナニラとよく似ています。切り花向きのオオアマナの葉はサイズが大きいのが特徴です。すっと伸びた茎の先端に、まり状の花を咲かせます。
根の毒性について
オオアマナは日本語で「大甘菜」と書き、まるで甘い味がする野菜のような名前です。が、実際は根に毒性があります。よく似た名前の「アマナ」という植物は、オオアマナと外観が似ていますがこちらは球根が食用です。くれぐれも、アマナと間違えて食さないように注意しましょう。
栽培のコツ
オオアマナには、水はけのよい土を用意します。赤玉土と腐葉土を7対3の割合で混ぜた土がおすすめです。地植えにする場合は、一度掘り返して大きな石などを取り除き、用土を混ぜこんでから栽培します。開花時期が春なので、球根を植えるのは前年の秋です。乾燥を好むので水のやりすぎは控えましょう。
オオアマナの開花時期と種類
オオアマナの花が咲く季節はいつなのでしょうか?また、花の形や香りについても詳しく解説しています。白いオオアマナは、清楚な印象がブライダルブーケとして人気です。よく見かける白色以外に、他の花色もあります。この章では、人気の栽培品種についてもご紹介していますので、ぜひご一読ください。
開花時期
オオアマナの開花時期は、春(3月〜5月)です。秋に球根を植えて準備しておくと、開花時期に一斉に花を楽しめます。残った花へ栄養がいきわたるよう、花がらは早めに茎ごとカットしましょう。花の季節は、こまめに花がら切りをおこないます。花言葉の通り、純粋無垢な白い星形の花が、オオアマナの特徴です。
花の形について
オオアマナの別名でもある「ベツレヘムの星」は八芒星(はちぼうせい)といって、八つの角を持つ星型ですが、実際のオオアマナの花弁は6枚です。どちらかといえば六芒星(ろくぼうせい)に見えますね。六芒星もまた、神聖な意味を持つ星です。オオアマナの花のサイズは小さく、約3cmほどになります。
香りについて
オオアマナ(大甘菜)は、名前に「甘い」という漢字を使います。また、オオアマナのさわやかな容姿はいかにも清純な香りがしそうですが、花に甘い香りはありません。葉の香りについても同様です。オオアマナの花は、葉からニラの香りがする「ハナニラ」と似ていますが、オオアマナの葉にニラの香りはありません。
種類(栽培品種)
オオアマナ(別名オーニソガラム)の主な栽培品種です。ハナニラに似たウンベラータム(地中海沿岸、南アフリカ原産)、花の中心が濃紫色のアラビカム(ヨーロッパ、アフリカ原産)、花の中心が淡緑色のシルソイデス(南アフリカ原産)、切り花やブーケに人気で、花の中心が濃緑色のサンデルシー(南アフリカ原産)、黄色やオレンジ色のダビウム(南アフリカ原産)などがあります。
オオアマナの花言葉と誕生花
花言葉
オオアマナの花言葉は、「純粋」「無垢」「才能」「潔白」です。白いオオアマナの花は、花の季節になると、暗がりでも輝きを放つ星のように明るく目を引きます。また、「ガラスの花」という別名があり、雨に濡れると花びらが透けて見えるそうです。このような特徴から、純粋や無垢といった花言葉が生まれました。
誕生花
オオアマナは、2月27日の誕生花です。花の季節より少し早めに誕生花が設定されています。誕生花を誕生日に贈りたい場合、多くのフラワーショップでは1年を通して購入可能です。自分で栽培した花を摘んで花束にしたり、切り花を買ってアレンジメントを作ったりして、花言葉と共に贈りましょう。
生け花や花束にも使える誕生花
ブーケ・ブルゴーニュ
オオアマナは、その小さなサイズの可憐な花姿と清純な白色が人気の花です。誕生花オオアマナを、生け花や花束にしてお祝いするアイデアもあります。大きいサイズのメイン花を引き立てる、清楚な雰囲気が魅力です。切り花としてはアラビカム、サンデルシーなど茎が細長い品種が花束向きで、人気があります。
おすすめのオオアマナのブーケ
オーニソガラム ブーケ
暖色系の花でまとめられた、オオアマナを使ったブーケをご紹介します。オオアマナを誕生花として贈りたい時にぴったりです。黄色のオオアマナ(オーニソガラム)をはじめ、カラー、ガーベラ、カーネーション、アンスリュームがこのブーケに用いられています。お誕生日プレゼントに喜ばれること請け合いです。
まとめ
オオアマナは、白い星のような花をつける、ヨーロッパ原産の多年草球根植物です。庭植えで楽しむのはもちろん、切り花を購入して花束にするなど、アレンジメントも楽しめます。白い花のイメージがありますが、中心部が濃紫色や緑色の品種もあり、白い花弁との美しいコントラストが魅力です。
オオアマナについてもっと知りたい方はこちらもチェック!
オオアマナの別名はオーニソガラムです。オーニソガラムの育て方や栽培方法について、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事も併せてお読みください。庭での管理方法についてまとめられています。また、オオアマナの別名「ベツレヘムの星」のベツレヘムについての記事もご参考にしてください。
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