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エンドウの花のつくりを部位ごとに解説!美味しく食べれる育て方もご紹介!

皆さんは蝶の形が特徴のエンドウの花は知っていると思いますが、この花のつくりがどうなっているかまでは知らないと思います。この記事で詳しく解説します。また、エンドウの種類や美味しい食べ方、エンドウの育て方などもご紹介しますので、自分で育てておいしく食べてください。
2021年4月29日
aakm.yamada
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目次

エンドウの花のつくりの解説

Photo byAnniesPlanet

皆さんの中には中学校の理科の時間に花のつくり/構造について勉強をした記憶がある人が多いことと思います。これからその時の授業のおさらいをしましょう。

今日はエンドウの花のつくりを勉強します。まずエンドウの花のつくりは4つの部分/部位の、花びら(別名というか正式の名称は花弁です)、がく、めしべ、おしべ、に分けられます。これらの各部位について詳しく見ていきましょう。

エンドウの花:花弁とがく

花弁

エンドウの花の花弁は3種類、合計で5枚あります。蝶が羽を広げたような特徴的な大きな花弁が1枚、その内側に見える中くらいの花弁が2枚、さらにその中におしべとめしべを包む小さい花弁が2枚あるのです。

それぞれに名称があり、大きい方から順に旗弁(きべん)翼弁(よくべん)竜骨弁(りゅうこつべん)といいます。上の画像では大きい花弁1枚と中くらいの花弁2枚が見えます。その内側におしべ、めしべが小さい花弁2枚に包まれたものが一体化して見えます。

がく

がくは花弁の根もとの方の外側にあり、とげとげしていて枚数は全部で5枚ありますが根元の方ではくっついています。がくは花弁や花全体の構造を支える働きを持っていて、がくの内側は、花弁、おしべ、めしべの順になっています。

がくは成長して実になったエンドウにもそのままの形で5枚ついていますが名前は「へた」になります。なお、「がく」は漢字では「萼」と書きます。全体が萼であり、一枚一枚を萼片といいます。

エンドウの花:めしべとおしべ

めしべ

めしべは花の中心に1本だけあります。めしべの先端は丸くなっていて「柱頭」と呼ばれ花粉がつきやすくなっています。根元の方はふくらんでいて「子房」と呼ばれ、中には「胚珠」と呼ばれる種の元が入っているのです。めしべが受粉すると子房はさやになり、胚珠は豆/種になります。

おしべ

おしべは全部で10本ありますが9本は根元が一緒でくっついていて1本だけが独立しているという、特徴的な構成になっています。それぞれのおしべの先端には「やく」という名称の部位があり、なかには花粉が入っています。

エンドウの種類と美味しい食べ方

エンドウの種類


エンドウは、マメ科エンドウ属の植物で原産地は中近東から地中海沿岸とされ、古くから栽培されていた野菜です。エンドウの種類としての分類は通常、さやを食べる「サヤエンドウ(別名きぬさや)」、実を食べる「実エンドウ(別名グリーンピース)」、さやも実も食べる「スナップエンドウ」の3種類です。

エンドウの名称については、「うすいえんどう」とか「スナックエンドウ」などもと呼ばれることも。別名なのか別物なのか解説していきます。

うすいえんどう

大阪羽曳野市の碓井(うすい)地区で栽培していたグリーンピース(実エンドウ)を昭和初期に和歌山県が導入し、「紀州うすい」となりました。その関係で関西地方でグリーンピースを「うすい」、「紀州うすい」、「うすいえんどう」とも呼んでいます。

マメが完熟する前の柔らかく青い状態で収穫するという特徴を持つグリーンピース(実エンドウ)と「うすいえんどう」は同じものなのです。

スナックエンドウ

日本では1970年後半くらいから、スナップエンドウの輸入販売が開始されましたが、当時の輸入販売会社が、スナックエンドウという商品名を付けて販売したことから、スナックエンドウの名前が広まりました。

その後はスナック、スナップの両方の名前が混在する状態が続いていますが、混乱を避けるために農林水産省がスナップエンドウに統一するよう決定しました。したがって、現時点の正式名称はスナップエンドウということになります。

エンドウの美味しい食べ方

サヤエンドウの美味しい食べ方

サヤエンドウ(きぬさや)の鮮やかなグリーンは料理の飾りとして欠かせませんが、「きぬさやの卵とじ」が代表的な食べ方です。卵とじ以外では、炒め物でのシャキシャキ感が人気あります。なた、味噌汁に入れても美味しいですね。

実エンドウの美味しい食べ方

実エンドウ(グリーンピース)では豆ご飯に使う人が圧倒的に多いです(その中でも関西は特に多いそうです)。そのためか沢山のレシピが公開されています。実エンドウの彩を良くするために茹でた豆を後から混ぜる人もいます。

豆ごはん以外にはパスタに入れる人もいますし、煮物に使われることもあります。

スナップエンドウの美味しい食べ方

スナップエンドウの美味しい食べ方では、茹でて野菜サラダに使われることが多いです。エッグサラダ、辛子マヨネーズ和えなどいろいろなサラダに使われています。プリッとした食感があり、マヨネーズにも良く合います。

スナップエンドウを卵、ベーコンと一緒に炒めて、塩とバターで味付けしても美味しいです。

エンドウの栽培の仕方

まず、エンドウは連作障害といって、前年と同じ場所で育てると病気になりやすいので、覚えておいてください。4年間は栽培間隔を空けるのが望ましいのです。次にエンドウの発芽適温は15-20度ですし、気温が25度を越えると枯れてしまったり収穫期間が短くなったりしますので、種まき時期を正しく守ることが大切です。

これから、土つくり、種まきから始まり、収穫までエンドウ栽培のすべてを解説していきます。寒冷地以外の一般地での露地栽培を想定しています。


栽培時期

一般地では気温の低下する秋の季節(10月中旬から11月中旬)に種まきをして、翌年の 春の季節に収穫します。種まきのタイミングが早すぎると厳冬期までに生育が進みすぎてしまい寒さで枯れてしまいます。エンドウの苗は小さい方が耐寒性があるので、小さい状態で越冬させるのです。

逆に種まきのタイミングが遅すぎると収穫時期の気温が高くなりすぎて収穫量が減ってしまいます。買った種の袋裏に書いてある播種時期を正しく守るようにすることが大切です。

土つくり

まず、連作障害を避けるために、エンドウや他のマメ類を3~4年間栽培していない場所を選びます。次いで、植えつけの約2週間前に1㎡当り堆肥2kgと苦土石灰120gを施します。植え付け前に、化成肥料を1㎡当り50g施してよく耕します。

エンドウは、根が深く張るのでできるだけ地中深くまで耕し、1列植えの場合は幅90cm、高さ15cmの畝を作ります。マルチは雑草を抑え、水分と肥料分を保持してくれますので露地栽培の場合はぜひ利用しましょう。

肥料

マメ科の植物の根には、空気中の窒素を固定する根粒菌が共生して自分で栄養分を作り出しますので、マメ科の植物には窒素肥料を少なめにします。窒素分が多すぎるとツルボケになってしまいます。

エンドウは、秋の季節の種まきから春の季節までは越冬するだけですので栄養分はあまり必要ありません。元肥が多くて秋に成長しすぎると越冬でダメージを受けて枯れたりします。

春先になって成長期を迎えると、多くの養分が必要になりますので、定期的に追肥をして養分を補います。

種まき

種まきは1か所に3,4粒の種を深さ2cmくらいの深さにまき土を被せ、たっぷりと水をやります。次の場所まで30cmの間隔を空け、同じように3,4粒の種を撒きます。

種まき直後は、カラスなどが豆や芽を食べてしまうことが多いので、本葉が出るまでは「不織布」などをベタ掛けしたり、防鳥テープを畑の周囲に張ったりしましょう。本葉が1〜2枚出たところで、生長のよい苗を1、2本残すように間引きをします。

越冬対策

正しい時期に種まきして順調に生育した苗でも、直接に霜にあうと傷んでしまう恐れがあります。次のような越冬対策Check Pointを参考に、畑の環境、費用や手間などを考慮して適宜実施しましょう。

POINT越冬対策

  • 笹の枝、ワラやもみがら、落ち葉などを株の上やまわりに敷いて霜よけをします。
  • うねの風上のところに20cm位の高さで何らかの(土や木材などで)風よけを設けます。
  • トンネル支柱を立て寒冷紗や不織布をかけて直接の霜をよけます。この方法が最も効果があります。

追肥と水やり

追肥は2回行います。1回目の追肥は冬を越して生長しはじめる3月初めに行います。株の周りにひとつかみづつ撒きます。2回目の追肥は生長が盛んで花が次々と咲いている時期に行います。この追肥によりエンドウの実つきが良くなるのです。

水やりは、特に開花後には乾燥させないように注意します。雨が降らず乾燥気味になったら適時に水やりをしてください。開花後の時期に乾燥が続くとおいしいエンドウができません。

支柱建て


冬を越して、つるが伸び始めた頃に支柱を立ててネットを張り、ツルをネットに誘引するとつるがネットにからみつきます。伸びてきたら30~40cm間隔で横にひもやビニールテープを張って全体的に制御してつるが横に広がらないようにします。

ネットを使わずに1株毎に支柱を立てたり、上からわら束をつるしたりする方法もあります。

収獲

サヤエンドウは花が咲いてから15日程度で、日に透けて豆がうっすら見え、さやの中の実が少しふくらみ始めたころに収穫します。

スナップエンドウは開花後20~25日後で実が十分ふくらんで、さやが鮮やかな緑色になってきたころに収穫できます。採り遅れるとさやも豆も固くなりますのでさやがみずみずしいうちに収穫しましょう。

実エンドウは開花から約1ヶ月、さやの緑がうすくなり、光沢がなくなり、表面にしわができてきた頃が収穫適期です。

プランターでの栽培

最後にプランターでの育て方について、説明しておきます。畑を持たない初心者の人でもプランターでのエンドウ栽培が可能です。その場合は「つるなし種」のエンドウを選んでください。つるなし種ですと草丈が80cm程度です。

プランターでは1箇所に2株、あるいは30cm離して2か所で4株の栽培になると思いますが、栽培区域の4隅に1m程度の支柱を立て、周囲にひもを20~30cm間隔で巻きつけ、つるが広がらないようにします。

おわりに

ここまでお読みいただき有り難うございました。いかがでしたか?

キュウリ、なす、トマトなどの野菜では雄花と雌花があって、雌花に必ず実がつくとは限りませが、エンドウでは花が咲いたら100%実がつきますね。これはエンドウの花は両性花といって花の中にめしべとおしべがあって必ず受粉するからなのです。

エンドウの栽培方法が気になる方はこちらの記事もチェック!

エンドウの育て方については他にもいくつかのサイトがあります。いろいろ読み比べて、最適な栽培方法を見つけてください。