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エンドウの栽培方法!育て方や時期などご紹介!

春のグリーンピースの豆ごはんは季節が感じられるものです。エンドウにはこのほかにサヤエンドウやスナップエンドウなどさやごと食べるものなど種類が豊富です。さまざまな料理にいろどりを加えることができます。栽培がやさしく連作に気をつければ収穫にたどりつけるでしょう。
2020年8月27日
ka123eru
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エンドウとはどんな植物

エンドウは、学名をPisum sativum L. といい、マメ科のエンドウ属の仲間です。メンデルが遺伝学の基礎として「メンデルの遺伝の法則」を築くうえで交雑実験に用いました。 エンドウの原産地は中央アジアから西アジアの地域です。古くから栽培された作物でオリエントの遺跡や地中海地方などから種子が炭化して出土しています。 古代に麦などとともに栽培がはじまったそうです。中国に伝わったあと日本には奈良時代後半には伝わり栽培された記録が残っています。

エンドウの性質

露地栽培や鉢やプランターによる育て方は病気が少なく容易です。ただし連作障害が起こりやすい作物です。自家受精しやすい花の形状ですが交雑することもあります。 エンドウははっきりと区別できる対立形質を持っているのが特徴です。たとえば種皮の色が緑色か黄色かなどの形質です。メンデルはそれらの理由からエンドウを用いたとされています。

野菜としてのエンドウ

エンドウは実を食べるもの、さやごと食べるものにわけられます。いずれも支柱をたてるなどの育て方は共通で、ふつうは未熟な状態で収穫して食用にします。 秋に種まきして春から初夏にかけて収穫する育て方がふつうです。暖地では年内から春にかけて収穫できます。地域によっては春まきすることがあります。豆苗(とうみょう)として若い茎と葉を利用する野菜です。 支柱を立てて栽培するとつぎからつぎに咲く赤や白の花を楽しむことができます。

エンドウの種類

栽培種のエンドウにはいくつか種類があります。実エンドウはグリーンピースとして未熟な種子を食べる品種です。「ウスイ」という品種が有名です。 さやえんどうとして平たい若いさやをまるごと食べる品種としては、さやの小ぶりな「キヌサヤエンドウ」、さやが大きい「オランダサヤエンドウ」、さやがふくれた状態で収穫しさやもマメも甘い「スナップエンドウ」などの品種があります。

まめの色によるエンドウの区別

エンドウの豆にはいくつか種類があり使い方で区別します。種実用のエンドウとしては赤エンドウ、青エンドウが主です。白エンドウはまれな種類です。赤エンドウはゆでた豆やみつ豆などに利用されています。青エンドウは甘く煮て菓子にしたり、ウグイス豆やいり豆にしたりして使う緑色の豆です。

多彩な利用法

グリンピースを例にあげると利用範囲が広いことがわかります。煮豆やミックスベジタブルとして彩りを加えます。豆ごはんの緑はあざやかで食欲をそそるものです。ゆでて冷凍するとさまざま使えて重宝します。 肉じゃがの仕上げにゆでたグリンピースをトッピングすると引き立ちます。しゅうまいの上に一個のせるとアクセントになります。 また、砂糖とともに煮てうらごししたこしあんはウグイスあんといい、ようかんやまんじゅうのあんです。つぶあんにもなるほか、インゲン豆やアズキ豆と同様に甘納豆の素材です。

キヌサヤエンドウとスナップエンドウ

キヌサヤエンドウとスナップエンドウは未熟な状態でさやごと利用します。キヌサヤエンドウはさまざまな料理に使える野菜です。 野菜としてそのまま、あるいはきざんで利用するほか、いためものに彩りを与え食感をたのしめます。スナップエンドウは甘さが特徴です。ゆでてサラダに使ったり、バターといためておつまみとしての活用したりすると持ち味が生かせます。


エンドウの栄養

エンドウは緑黄色野菜なみに栄養価に優れています。タンパク質、でんぷんや食物繊維などの炭水化物、カリウム、リン、ビタミンB2、ビタミンC、鉄が豊富です。アズキやインゲン豆と同様にタンパク質と炭水化物が多く、脂質が少ないのが特徴です。 大豆よりも油脂が少ないエンドウは豆類ですが、野菜としての性質もあわせもっています。とくにサヤエンドウはそうで緑黄色野菜のひとつです。大豆とともに日々とり入れたい野菜です。 豆苗として若い茎や葉を炒めたりスープの具として利用したりすると、カロテンやビタミンCが得られます。

エンドウの育て方

エンドウは作りやすい種類の野菜ですが暑さは苦手です。そこで秋に種をまいて苗で冬越しさせ、春に花を咲かせて未熟なまめやさやを収穫する育て方がふつうです。

栽培場所

エンドウの生育の適温は10~18度とされています。エンドウを育てる場所は日当たりのよい場所が理想です。それでも半日でも日当たりがあればほぼ育ちます。 寒さには比較的耐えますが、冷たい北風がじかに苗にあたらない場所がのぞましいです。北側に麦をまいて風よけにしたり、北側に土を盛ったりしておくとよいでしょう。支柱を立てて栽培しますから支柱の設置に支障のない場所を選びます。

エンドウ栽培に適した土壌

栽培には水はけのよい場所を選びます。pHは酸性をきらい、弱酸性から中性がよいです。連作には敏感です。野菜の中ではもっとも連作障害の起こりやすい野菜のひとつです。エンドウ(マメ科も含めて)を4,5年作っていない場所を選びます。 マメ科ですので窒素の肥料分の残肥がある場所は施肥の際に注意が必要です。極端に乾燥する場所をさけるか、わらなどでマルチをします。

エンドウの育て方の実際

ここからはエンドウを実際に育てる方法について示します。複数の種類のエンドウを一度に種まきするときには区別がつきにくいので、札などをつけておくようにしてください。 それから種まきの際には鳥にねらわれやすいので、ネットをかぶせてください。種まき時に種のそばに肥料があるとカビが生えやすく病気になることがあり注意が必要です。

栽培の時期

どの種類のエンドウについても霜が降りるよりも前に種まきするようにします。あまりに小さい苗は寒さで枯れる恐れがあるからです。早すぎると大きくなりすぎて、こちらも寒さ(氷点下5℃以下)でいたむことがよくあります。

栽培場所の準備

酸性に弱いので1平方メートルあたり苦土石灰ふたにぎりほどを、バケツ1杯の堆肥ともにまいて耕しておきます。そのまま10日間おいて種をまきます。まえもって畝の準備とともにポットに種まきをして育てることもできます。

ポットに種まきする場合


ポットに種まきすれば、定植までのあいだ畝の準備を行えます。3号のポリポットの底の穴にナメクジなどをふせぐあみなどをかぶせます。そこへ種まき用土を7分目ほど入れます。 じょうろで水をかけ土を湿らせます。棒や指で2センチほどの2つの穴をあけて1粒ずつ種をまきます。土をかぶせ芽が出るまでは水やりをします。 不織布か新聞紙をかぶせて明るい日かげにおきます。乾燥しないようにしますが、芽の出たあとは土の表面が乾いたら水やりをする程度のほうがよいです。

直まきする場合

準備できた畝に種まきする方法を示します。上記の苦土石灰とたい肥を入れてじゅうぶんなじませたところに種まきします。うすくわらなどでマルチをすると雨で土が流れることがなく、土の表面がかたくならずに土の中への空気の流通がよい状態を保てます。

発芽後の世話

寒くなりはじめる時期に苗を育てます。冬越しは小さめの苗でおこなうことで寒さをしのげます。 そのため小さな苗は風雨に弱いので根元に敷きわらをして根もとを保護します。畝の北にあたる場所に土を盛っておくと、冷たい北風がじかに苗にあたるのをふせぐことができます。 そのほか笹などを畝の北側に立てて風をふせぐ方法があります。このあいだも根は生長してのびています。したがって乾燥を防ぎつつ防寒につとめることがなによりたいせつです。

つるが伸びはじめたら

冬を越すと少しずつつるがのびはじめます。つるの巻きひげがからむための支柱をたてて、ひもかネットを張ります。 最初の巻きひげはうまく固定できないことがあるので、ひもやネットに8の字でつるや茎を固定してもよいでしょう。そして根元の周囲へ有機質肥料をひとつまみ追肥し土寄せをおこないます。 つるがのびてくると重量がかかり風の影響を受けます。しっかりとひもやネットを固定します。目の高さ程度までにしますとのちの収穫は楽です。

花が咲き始めたら

ある程度茎が伸びたら花が咲きはじめます。この時期からしばらくすると収穫間近ですのでよく見まわるようにします。

エンドウの収穫の目安

エンドウは実を取り出して食べるグリーンピースと、さやごと食べるサヤエンドウやスナップエンドウに分けられます。したがって収穫の時期や目安が異なります。

サヤエンドウの収穫の目安

サヤエンドウを栽培している場合には開花から2週間ほどですぐ収穫します。収穫に適したサイズは2,3日ですので、1日おきに確認するとよいです。 収穫が遅れますとふくらんできてかたくなってきます。そのために最初のうちは早めに収穫しておくとよいです。


グリーンピースの収穫の目安

グリーンピースは実が膨らむまでには開花から1か月ほどかかります。実が充実してさやのつやがなくなってきたら収穫時期です。

スナップエンドウの収穫の目安

スナップエンドウについては実がふくらんでから収穫します。若どりもできます。品種によって収穫時期にはばがありますが、開花から30~40日かかります。 あまり収穫が遅れますとさやにすじが目立つようになります。その場合でも実についてはおいしく食べられます。

エンドウの病気と害虫

エンドウの病気は連作によるものをのぞけばそれほど多くはありません。病気以上に対策したいのが鳥や虫による害です。こちらは少なからず被害が見られます。そのための対策が必要になります。

エンドウの病気

乾燥がすすみますとどの種類のエンドウでも葉や茎にうどんこ病がでることがあります。病変部を取り去るか薬剤で防除します。 この病気の防止には乾燥させ過ぎない育て方が望まれます。またエンドウは連作による病気や発育不全が起こりやすい作物です。したがって連作にならないように、作物を作る場所を区分けして計画的に輪作を行うようにするといいです。

エンドウの虫害・鳥害

つるがのびはじめるとモグリバエが葉に黒くもぐりこみ、葉に模様を描くように食害します。この虫をトラップできる市販品があります。これによって軽減できます。 甘いスナップエンドウのさやは鳥の好物です。したがって甘味がのってくると多くの鳥が集まりさやをあっという間に食べてしまいます。そこで防鳥(虫)ネットを張り、エンドウ全体をしっかり覆います。 ネットにすきまがあるとそこから侵入します。ネットでおおってもネットの表面のさやを食べられてしまうことがあります。

まとめ

エンドウは寒い時期の育苗とつるが伸びはじめてからの支柱の準備ができれば、あとは収穫を待つばかりです。ひんぱんに畑に出てエンドウが収穫できるようになります。苗は同じ種類をたくさん植えるよりも少しずつ種類を変えて育てるとよいでしょう。 エンドウは病気が少ない一方で虫や鳥の食害が見られます。病気と虫や鳥への対策を払うことが最後のポイントになります。とくに連作による病害を輪作によって防ぎましょう。どの種類のエンドウも育てやすく、こうした基本の作業ができれば収穫できます。 収穫したてのエンドウはどれも味がよいものです。家庭菜園ならではの味といえるでしょう。