検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

アジサイの育て方まとめ!植え方のコツやお手入れ方法の注意点なども徹底解説!

梅雨の時期に花を咲かせるアジサイは、日本ではお馴染みの花木です。日本在来種のほか、近来では交配品種も多く植栽される様になりました。丈夫で育てやすいので、洋風、和風どちらの庭でもマッチさせることができます。アジサイの植え方のコツやお手入れ法などをご紹介します。
2021年4月14日
Meigen Oka
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

目次

アジサイの概要

Photo by wanko

アジサイの漢字表記は「紫陽花」。アジサイ科アジサイ属の落葉低木で、多年草木の一種です。開花時期は5~6月。日本が原産地とされるアジサイは育てやすく交配も盛んなことから、近来では世界に数千種に及ぶ園芸品種が栽培されています。

広義には、椀状及び円錐状に花序を付ける植物の総称とされます。狭義としてのアジサイは、原産地である日本原種の“ガクアジサイ”を改良させた、手毬(てまり)状の花形をしたアジサイをいいます。

ガクアジサイという名の意味はドーム状の花序の周りに、額縁の様に装飾花を付けますが、手毬咲きは花序全体に装飾花で覆う咲き方をします。

変化する花色

Photo byCouleur

アジサイの特徴として、花寿命の長い開花時期中徐々に花色を変化させます。人間と同じ老化によって起こる現象です。開花時期には葉緑素による花色ですが、徐々に分解されて、含有しているアントシアニンと補助色素が生合成(生物体内で行われる化学変化)されて色が変化するのです。

また、アジサイの花の色は土壌の酸性度(ph)によっても咲く花色が変わり、酸性土壌では青色、アルカリ質では赤い色と変わる規則性を持ちます。ですから、硫安や過リン酸石灰を施すと青色に、消石灰、苦土石灰を施すと赤色が発色します。

アジサイの植栽環境

Photo byHeidelbergerin

多くの花木類は、花が終わると剪定をして樹姿を整えることが一般的です。アジサイだけは例外で、毎年良い花を咲かせるには、伸び伸びと育て、邪魔だからと伸びた枝を切り詰めたりすると、翌年には花芽が付かなくなってしまいます。

開花時期に大きく立派な花を咲かせたいなら、手を加えずに伸ばし放題にさせるのが一番。という事から、アジサイは狭い場所には向きません。大きく育てるには、他の植栽物や毎年花を咲かせる多年草などとのバランスを考慮して、なるべく広い場所に植えることがベストです。

アジサイの育て方

アジサイの植え方

Photo byTanteTati

アジサイは日当たりの良い場所を好みます。風通しが良く、西日が直接当たらない場所が最適でしょう。耐寒性はありますが、日陰で寒風がまともに当たる様な所は、芽吹く前の葉や花芽に悪影響を及ぼし冬越しが難しくなります。植え付けは葉の落葉した秋から冬、または、3月から4月頃が適期です。

用土

アジサイの植え込みは、日当たりと水捌けの良い場所で、やや弱酸性の土壌が適しています。土壌が赤土の粘土質であった場合は、予め、植えたい場所の土を根回りがすっぽり入る広さと深さ(W30×H30程度)に掘り起こします。

水捌けを良くするために、底面にひゅうが土の大粒を敷き詰めておき、赤玉土(小)6:不要度4の混合土に苦土石灰を少量混ぜ込んで、植穴に従来の土とも混ぜて2週間ほど寝かせておいてから植え込みます。

アジサイの植え替え


Photo byInstagramFOTOGRAFIN

アジサイの植え替えについては、地植えの場合は植え替えの必要はありませんが、鉢植えの場合は、鉢のなかで根が混み合って、いわゆる根詰まりを起こしてしまい、根腐れの原因となってしまいますので、1年に1度程度植え替えが必要となります。植え替え適期は花後の6~7月、休眠期の11~3月です。

植え替えの手順

一回り大きめの植木鉢を用意。水捌けを良くするために、底面に軽石(大)を敷き、旧鉢から抜いた根をあまり解さずに鉢に入れ、赤玉土(小)7:腐葉土3の用土を入れて、園芸用ヘラか割りばしで用土を良く突き込みます。

新しい鉢に植え替えたら、半日陰の場所で管理し、水をたっぷりと与えて下さい。  

アジサイの水やり

Photo by sorarium

地植えにしたアジサイの水やりはほとんど必要ありません。但し、乾燥する日が続いたり、真夏の高温時は水を与えましょう。特に夏場は朝夕の涼しい時間帯にたっぷりと潅水します。

鉢植えの場合は、用土の表面が乾いていたら、たっぷりと底面から水が溢れ出るまで与えます。夏場は陽射しも強く、高温になりますから、日中の水やり、特に葉水を与えることには注意して下さい。高温で葉焼けを起こすからです。

アジサイの肥料

地植えのアジサイには、花後と休眠期の2月頃に寒肥として施肥します。花後は翌年の花付きを良くするために、寒肥は春からの生育を良くするために与えます。適切な施肥は良い花を咲かせ、花寿命も長くします。

株元から離れた枝周りの土をぐるりと少し掘り返し、有機質の緩効性固形肥料を施して土を被せておきます。鉢植えも同様の時期と肥料を根元から離した鉢の縁に施肥します。

アジサイの剪定

Photo byfotoblend

アジサイは剪定などをせずに、伸ばし放題にした方が大きく良い花を咲かせる性質があります。ですが、大きくなりすぎて場所塞ぎになったり、枝が混み過ぎて風通しが悪くなったりすると、病害虫の発生も懸念されますので剪定を行います。

アジサイを小さくしたい剪定

大きくなり過ぎたアジサイを小さくしたい場合、翌年の花を我慢するつもりであれば、株元から全て切り取り、初めから育て治すことも有りです。花を見られないのは残念であれば、半分は切らずに残しておき、次の年に半分切るという2年越しの方法です。

草丈も幅もこじんまりと仕上がります。剪定は、今年咲いた枝を切り、花を付けなかった枝を残す様にし、株元から伸びている勢いの良い枝も良い花を付けることが多いので、切らずに残しておきましょう。

その他の剪定の仕方

アジサイのその他の剪定では、花後に、咲いた花の下部2節目の葉の下で切り取ると、翌年にその下の芽が花芽になります。枝の半分ほどで切る強剪定は、勢いの良い枝が出ますが花芽が付きにくくなります。

アジサイが落葉した後の冬越し中の剪定は、枝の混み具合が良く分かりますので、風通しを良くするために混みあった枝を、株元から切り取ります。同時に枯れた枝や、細く勢いのない枝も冬越し中に剪定しておきます。


アジサイの増やし方

アジサイは簡単に増やすこともできる植物のひとつです。方法は、挿し木、取り木、株分けのほか、花を見るのに3~5年を経ますが、種まきをして育てるやり方もあります。簡単なのは挿し木や株分けが良いでしょう。

挿し木の方法

挿し木は6~7月頃が適期で、新芽が1番良いのですが、開花する前の枝でも良く、挿し穂は枝先でも中ほどの枝でも良いでしょう。枝の3~4節部分を残して切り取り、先端の葉を4枚ほど付けたまま、以下の葉は取り除きます。

葉を半分に切り、基部を斜めに削いで2時間ほど水に浸けて水揚げをしてから、赤玉土(小)5:鹿沼土(小)3:バーミュキライト2の用土に挿します。30日ほどで発根しますので、鉢に移植し、水を切らさない様に管理します。

取り木・株分け

アジサイの特徴として、咲いた花の重みで枝が垂れ下がって地に付くと、節の部分から根を出して伸ばします。取り木はその性質を利用して、枝を地に誘導させて発根させ、根が張ったら枝を切り、掘り取って移植します。

株分けの適期は、落葉時の11~3月に行います。大株は大変ですので、あまり大きくない株や鉢植えで行うと良いでしょう。掘り上げた株や鉢から抜いた株の根の部分を等分に切り分け、用意した用土を使って植え込みます。

種まき

種まきのやり方では、アジサイの種子は両性花(ひとつの花に雄花、雌花を持つ事:ガクアジサイ)にしか生成されません。秋11月に熟した種を持つ花を切り取り、湿らせた用土の上で花を叩いて種を落とします。

覆土をせずに、室内の暖かい場所で常に湿らせた状態で管理します。2~3月に発芽しますので、本葉が4枚の頃にヘラかピンセットを使い、上手に掘り取りビニールポットに移植します。種まきでは、順調に育生できれば3~5年で花が咲きます。

アジサイの病害

アジサイは比較的病害には強い植物と言われていますが、枝間の風通しが悪かったり、土中の病菌などによる病害が発生します。主に発生が見られるものに、ウドンコ病、炭素病、灰色カビ病、モザイク病があります。

ウドンコ病・炭素病・灰色カビ病

表記の病気はどれも湿度が高い時期に発生しやすく、土中などに潜んで冬越しをする糸状菌というカビによって発生します。葉や茎に白いウドンコをまぶした様に覆う“ウドンコ病、周りが灰色で中央部分が暗褐色になる炭素病、灰色のカビが広く密生するのが灰色カビ病です。

繁殖が広がると光合成が不良となって生育不良になります。風通しをよくすることが一番の予防です。早期に発見することが被害を防ぎます、見つけたら病害の枝を切り取って廃棄し、殺菌剤を散布しておきます。

モザイク病

モザイク病は、ウイルスによって発生する病害です。発生すると葉の表面や花弁に斑(まだら)な斑点が生じ、モザイク模様に見えるのが特徴。進行すると葉がカスリ状になったり、縮れてきたり、株全体が委縮してしまいます。

アブラムシが媒介するとされていますので、予防するにはアブラムシを駆除することです。発生してしまうと残念ですが治癒(ちゆ)は難しいので、株ごと抜き取って焼却するなどの処分が必要です。


アジサイの害虫

アジサイに発生する主な害虫には、アブラムシ、ハダニ、アザミウマなどが挙げられます。いずれの害虫も放置すると、アジサイの生育を阻害し、見た目も良くありません。早期に発見して駆除することが大切です。浸透性殺虫剤を株元にばら撒きしておくと予防に効果があります。

アブラムシ・ハダニの防除

アブラムシは5~9月の気温が高い時期に発生し、葉や茎に群生するのが特徴で、養分を吸汁して生育を阻害します。排泄物によるスス病や、モザイク病を誘引することがあります。発見次第殺虫剤を噴霧して駆除します。

ハダニも5~9月の乾燥時期に発生します。葉裏などに寄生して、養分を吸汁して生育を妨げ、浸食させて葉をカスリ状にして落葉や、酷い場合枯死させてしまいます。発見次第、被害枝を切り取って廃棄し、殺虫剤を噴霧しておきます。

アザミウマの防除

別名をスリップスと言い、主に菊などの花に被害を与える“花の害虫”と呼ばれ、特徴として夏の高温時に多く発生し、花が奇形したり、葉にも被害を及ぼします。蕾や葉裏に寄生して養分を吸汁して生育を妨げます。

体調1~2mmの極小の昆虫で、葉に卵を産み付け、幼虫になると葉を食害します。葉に褐色状の斑点やカスリを見つけたら、被害の葉や茎を取り除いて廃棄します。長期間効力のある“浸透性殺虫剤”を株元に撒いておくと効果があります。

アジサイのまとめ

Photo by ixxxxi

日本が原産地ということもあり、日本的な情緒と風情もあり、育て方も容易なことから日本では一番親しまれ、どのご自宅の庭園でも植栽されているのを見かける花木といって良いでしょう。そんなアジサイの管理や育て方を主にご紹介しました。今では多種の品種が出回っていますので、鉢物で購入されたり、プレゼントされたりしたら、花後にはぜひ地植えにして楽しむのも良いですよ。

アジサイについてもっと知りたい方は!

日本が原産地のアジサイについて、もっと詳しい情報を知りたいという方は「暮らし~の」のWEBマガジンでも色々なアジサイの特徴的な情報を発信していますので、ぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。

アジサイの種類は?人気や新種の品種12選をご紹介!気になる花言葉なども | 暮らし〜の
シトシトと雨の降るなかに咲く「アジサイ(紫陽花)」。日本の美を象徴する景色です。日本を原産とするアジサイは西洋で人気に火がつき「西洋アジサイ」が生まれます。今では世界中に2000種類もの品種があるそう。アジサイの種類や花言葉、育て方をご紹介いたします。 
アジサイの花言葉まとめ!色によって全然違うアジサイの花言葉をご紹介 | 暮らし〜の
初夏を彩るアジサイ。日本で生まれ、江戸時代に海外に紹介されました。今ではヨーロッパ、アメリカと、広い世界で愛されています。あなたの好きな色は、どんな花言葉でしょうか?ピンク、青、白・・・花の色によって変わるアジサイの花言葉をご紹介していきます。
長谷寺のあじさいの見ごろは?見ごろの時期や人気のスポットをご紹介! | 暮らし〜の
鎌倉長谷寺では毎年開花のシーズンになるとあじさいが見られる人気定番スポットです。鎌倉長谷寺のあじさいについて開花季節と時期や見ごろ状況、周辺のあじさいや観光スポットなどを紹介します。鎌倉長谷寺であじさいを楽しみたい方はぜひチェックしてみてください。