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食すことができる意外な植物!あざみ(薊)特集!その特徴や気になる食べ方もご紹介!

日本だけでも100種類以上あるあざみ(薊)とはキク科アザミ属の多年草。開花時期は春と秋で、タンポポをピンクや紫にしたような花が咲きます。あざみには山ごぼうと呼ばれ栽培されている品種もあります。そんなあざみの花言葉や栽培方法、食し方などをご紹介します。
更新: 2021年5月27日
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目次

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あざみの特徴

あざみとは

出典:https://unsplash.com/photos/jSMIKN1YDPs

あざみ(薊)とは、茎の先端にタンポポに似た毛糸玉のような集合花をつけ、葉の縁にギザギザの切れ込みとトゲを持つ植物です。花の色はピンク、白、紫があり、葉の縁には鋭いトゲがあり、刺草(シソウ)という和名も持ちます。

語源には、驚きあきれるという意味の古語「あざむ」に由来するという説や沖縄八重山地方の方言でトゲを意味する「あざ」に由来するという説も。英名はThistle(シスル)です。
 

品種・種類

あざみはキク科アザミ属の総称で、Cirsiumという学名はアザミ属という意味です。北半球に広く自生していて約300種類あり、東アジア原産の品種が多いです。北アメリカやヨーロッパ原産の品種も知られています。

日本で単にあざみと呼ばれる場合は、日本の山野に自生するノアザミとその変種を指していることが多いです。ノアザミは和名で学名はCirsium japonicum、日本のアザミ属という意味になります。

日本の代表的なあざみ

出典:https://unsplash.com/photos/zoNwYA7oKiM

ノアザミは和名で、英名はJapanese thistle(ジャパニーズシスル)です。日本が原産のあざみは約150種類が知られています。

切り花や花束に使われるアザミには、ノアザミの改良品種のドイツあざみが有名です。日本原産の園芸品種ですが、ドイツ風の華やかなあざみということで名付けられました。英名はノアザミと同じJapanese thistleで、鮮やかな紅色の花もあり、花束を華やかに彩るでしょう。

あざみの見分け方

開花時期による見分け方

あざみは種類が豊富で自然に交配した変種も多く、見分け方が難しい植物となります。山野で見つけたときには、まず花がいつ咲いているかを見てみましょう。

大部分のあざみは秋に花が咲きますが、ノアザミは5月から7月頃に開花しますので、開花時期がポイントです。ただし、標高の高い地域では7月から開花する地方もありますので、観察地も考慮する必要があります。

花の色や形による見分け方

出典:https://unsplash.com/photos/hRDls15NwZE

和名フジアザミは日本の自生種の中で最も大きい花を咲かせ、花が下向きに垂れて咲くのがポイントです。色はピンクのほかに白が見られます。

和名ナンブアザミは、直径2cm程度のピンクの花がたくさん横向きに咲いているのが特徴。ピンクの花がたくさんついていても、茎が直立して枝分かれしていたらアメリカオニアザミ、英名はbull thisytleと呼ばれる品種です。

草丈や葉による見分け方


ノアザミの葉
出典:ライター撮影

あざみの草丈は、さまざまです。フジアザミは草丈50~150cm、ナンブアザミは1~2mですので、大人の身長より高く伸びていたら、ナンブアザミの可能性が高いです。

開花時期に根出葉が残っていたらフジアザミ、残っていなかったらナンブアザミ。根出葉(こんしゅつよう)とは、茎の基についた葉のことです。いずれにしても、花が咲いていない季節や冬の地上部が枯れている時期には判別が難しいです。

ヨーロッパ原産のあざみ

出典:https://unsplash.com/photos/cibb12L_kUA

最近ではヨーロッパ原産のあざみも野原で見かけます。和名をアメリカオニアザミと言い、英名はbull thistle(ブルシスル)、アメリカと名前についていますがヨーロッパ原産です。

牧草とともにアメリカから持ち込まれ、北海道に多く見られます。牛や馬も食べず繁殖力も強いので、要注意外来生物に指定されています。

あざみの花の意味

花言葉

出典:https://unsplash.com/photos/74QmIJDTD-c

あざみは強いトゲを持つためか、「復讐」という花言葉が良く知られています。特に赤いあざみが復讐という花言葉を示していますので、プレゼント用の花束には向かないかもしれません。「私に触れないで」という花言葉も葉のトゲを連想させます。

紫色のあざみには「高貴」、白いあざみには「自立心」という花言葉があります。赤のあざみには「復讐」のほかに「権威」という花言葉があり、青は「満足」を意味します。

国による違い

イギリスでのあざみの花言葉は「厳格」「独立」で、すっとまっすぐな茎の先端に花を咲かせる姿を思わせます。英名のJapanese thistleのthistleとはトゲのある植物という意味ですので、人を寄せ付けない印象が由来になっているようです。

一方フランスでは、あざみには「批評家」という意味があります。トゲのある言葉で文句をつける様子を連想させるのでしょうか。

誕生花

3月19日、4月19日、9月18日、10月21日の誕生花はあざみです。この日付の頃がちょうど開花時期になっています。

ヨーロッパでは、キリストが磔刑にされたときの釘を埋めた場所からあざみが生えたという伝説もあり、誕生花として祝福にふさわしい花です。誕生花を花束に加えて贈るといった使い方もできます。

あざみの栽培方法

あざみ栽培の目的

出典:https://unsplash.com/photos/iu3MkDoQXDM

日本の山野に多く自生しており暑さ寒さに強いので、育てやすい植物と言えます。花壇にも鉢植えにもおすすめです。

あざみを栽培するときには、お花を見て楽しむか食用にするか目的をはっきりさせておくとよいでしょう。食用では、若葉や根を取りますので、花の季節は諦めることとなります。


植え付け

苗を植える季節は2月から3月。ノアザミなど低地に自生する品種は草花用の培養土で、フジアザミなどやや高い山に生える品種は高山植物用の培養土に植え付けます。

園芸店で販売されている苗は、おもにノアザミの改良品種のドイツアザミや花アザミで、育てやすく花も大きく鮮やかです。鮮やかな紅色のテラオカアザミやピンク色のアーリーピンクなど品種もさまざま。開花時期はノアザミと同じ春となります。

アザミ

出典:楽天
出典:楽天

シロバナノアザミの苗

水やり

鉢土の表面の水が乾いたらたっぷり水やりをします。庭に植えた場合、乾燥する季節以外は水やりの必要はありません。

春から秋の開花時期は成長が早く、水をたくさん必要とします。下のほうの葉の色が黄色くなってきたら水不足ですので、気を付けましょう。冬は休眠する季節なので、水やりを控えめにします。

栽培中の管理

出典:https://unsplash.com/photos/fGrye_1iBoI

日当たりが良く風通しの良い場所が向いていますが、乾燥しすぎる場所は避けましょう。開花時期は、効果が早く出る花用の肥料をやると、次々と開花を楽しめます。背丈が高くなる品種は支柱を立てるといいでしょう。

病気や害虫の心配はあまりありませんが、うどんこ病やアブラムシが発生することもあります。アブラムシを見つけたら早めに取るといいかもしれません。

増やし方

多年草で冬に枯れてもまた春に新芽が出てくるあざみですが、新芽が出ずに枯れてしまうこともあります。秋に種を取っておいて翌年の2月から3月に蒔くのも良い方法です。

株分けに挑戦するのもいいかもしれません。うまく冬を越したら2月か3月に、大きくなった株を茎を折らないように注意しながら元から2つに分けて、別々に植えます。

注意点

あざみと言えばトゲというほど、鋭く固いトゲが葉の縁全体についていますので、苗を扱うときは軍手や園芸用の手袋が必要です。植え付けるときには、茎を持つようにします。

小さいお子さんやペットがトゲに触れて怪我をすると危険ですので、花台の上など鉢の置き場所を工夫するといいです。花壇では、通り道から離れた場所に植えたり、あざみの周りに草丈の低い植物を植えたりすると庭のデザインも素敵になります。

あざみの食し方

食用に向くあざみの種類

出典:https://unsplash.com/photos/qqThVHqcpgA

あざみは鉄分とカルシウムが豊富で、古くから食用にされてきました。若葉や茎、根を食べます。葉や根を採取するときには、トゲに触れないように軍手を用意するといいかもしれません。

良く食べられる種類は、日本原産のノアザミやナンブアザミ、モリアザミです。東北地方ではスーパーマーケットなどで販売されていて、早春の季節を感じさせる山菜となります。

葉の食し方


早春の若芽の根元をナイフで切り取り、茹でておひたしやゴマ和えにします。生のまま天ぷらにしたり、味噌汁の具にしたりという調理法もおすすめ。トゲは火を通せばあまり気にならなくなりますが、調理前にはさみで切っておくと食べやすくなります。

えぐみが強いときは、重曹を入れた湯で茹でて、あく抜きするとよいでしょう。茹でてから冷水に数時間漬けて、あく抜きする方法もあります。

茎の食し方

5月頃の伸び始めの茎を茹でて水にさらして皮をむきます。辛子マヨネーズをつけていただくか、鶏肉などと一緒に煮物にするのがおすすめです。鮮やかな緑色になり、季節を感じさせる一品が簡単に出来上がります。

茹でて皮をむいたものをチャック袋に入れて、冷凍保存も可能。すぐにお惣菜にできる保存食と言えます。

根の食し方

ヤマゴボウとは、日本原産のモリアザミの根のことで、山菜として栽培されています。モリアザミの学名はcirsium dipsacolepisで英名はありません。収穫時期は秋、花が咲く前に堀り上げます。

茹でてあく抜きをして、味噌や醤油に漬けたりきんぴらもおすすめ。ヤマゴボウの味噌漬けはお土産で売られていますので、道の駅などで探してみるといいですね。
 

ヤマゴボウ

出典:楽天
出典:楽天

食すときの注意点

Photo byGoranH

ヨウシュヤマゴボウの実

和名モリアザミとは、学名 Cirsium dipsacolepis、別名はゴボウアザミです。ヤマゴボウと呼ばれていますがアザミ属で、ヤマゴボウ科ヤマゴボウ属の和名ヨウシュヤマゴボウと違います。ヨウシュヤマゴボウとは英名をpokeweed(ポークウィード)と言い、有毒となっています。

アザミ属は毒が無くどの種類も食べられます。ただしアメリカオニアザミは、トゲが鋭く食用には向きません。

古来から親しまれてきたあざみ

あざみは江戸時代から品種改良されてきて、栽培種としても身近なものでした。開花時期に野山を歩くときは、初夏の季節を感じさせる鮮やかな色が目印にもなってくれます。

トゲの多いあざみが食べられると聞くと意外に感じることもあるかもしれませんが、イタリア料理でお馴染みのアーティチョークは、アザミ属と近縁のチョウセンアザミ属となります。こちらは食用としてお馴染みですね。

あざみの花言葉や栽培方法が気になる方はこちらをチェック!

あざみの花について詳しく知りたい方は、こちらも参考にしてみてください。色別の花言葉や学名の由来が紹介されています。