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春の花、一初(いちはつ)の特徴や育て方を徹底解説!

いちはつとは春の季節に開花するアヤメ科の多年草で青紫色の花です。乾燥した夏や寒い冬にも強く初心者育て方が簡単です。今回は、いちはつならではの特徴や品種、水やりの頻度、日当たり、アイリスとの見分け方、適切な植え付けや植え替えの時期などを紹介していきましょう。
2021年5月1日
tsumiki7
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いちはつの特徴とその魅力とは

見た目は可憐なのに強いので育てやすい

いちはつは、アヤメ科の多年草であり、4~5月頃の春の時期に淡い青紫色や白色の花を開花させる可憐な花です。花の大きさは約10cm程度で外側に3枚、内側に3枚の花びらがあるのですが、外側の花びらには白色のトサカのような突起物があるのが最大の特徴でもあります。

冬の耐寒性・夏の耐暑性が高いうえ、一昔前は大風を防ぐためにかやぶき屋根の上に植え付けられていたほど乾燥にも強いため、失敗の少ない花だと言えるでしょう。

いちはつの名前の由来と意外な花言葉について

いちはつは漢字で「一初」と書きますが、アヤメ科の中で一番先に開花することが由来で、俳句の世界では夏の季語にもなっています。また、花言葉は「使者」「火炎」「知恵」「火の用心」「付き合い上手」です。

中でも興味深いのは「火の用心」ですが、花言葉としては珍しく、一昔前にかやぶき屋根に植え付けられて火災や大風などの災害から家を守るとされていたことが由来となっており、説得力を感じるエピソードだと言えるでしょう。

アヤメとはどう違うのか

いちはつはアヤメ科の植物ということもあり、アヤメと外見の特徴がよく似ていると言えるでしょう。花びらは紫か白であり、高さも30~60cm程度と同じくらいです。

しかし、アヤメはいちはつの最大の特徴でもある外側の花びらに突起はありません。また、アヤメの花びらの根元が黄色であることに対し、いちはつの花びらの根元は淡く明るい紫色です。開花時期が若干いちはつの方が早いことも見分け方のポイントだと言えるでしょう。

いちはつを育てる7つの手順

いちはつの育て方の手順①土作りをする

いちはつは基本的に水はけのよい土を好みます。菌や虫が寄り付きにくいとされ、水はけや肥料持ちがよいとされる赤玉土と通気性や水はけをよくする腐葉土2:1の割合で配合しましょう。市場に出回っている草花用培養土でも問題なく使用できます。


特別な土を用意しなければならないわけでもなく、手に入りやすい土を配合するだけなので難しく考える必要もなく、初心者でも簡単に土づくりができると言えるでしょう。

いちはつの育て方の手順②適した場所に置く

いちはつは、日当たりがよい場所や水はけがよい環境を好みます。しかし、いくら乾燥に強いと言っても、さすがに夏の強い日差しでは乾燥しすぎてしまいますので、日当たりがよい場所よりも半日影に置くなど工夫することをおすすめします。

迷った時は、強い西日が当たる場所よりもちゃんと育つ半日影を選ぶようにしてください。また、冬の霜よけは必要ありません。初心者のうちは、地植えよりも場所を移動しやすい鉢植えだと失敗が最小限で済みます。

いちはつの育て方の手順③適切に植え付け


いちはつの植え付けをするなら適切な時期にすることが望ましく、一般的に考えて5月中旬頃~6月頃がよいでしょう。しかし、その時期を過ぎた9月頃でも問題なく植え付けすることができますので、一般的な植え付けの時期を過ぎたからと言って諦める必要はありません。

鉢なら上記で紹介した土作りの方法で配合土を作るか、市販の培養土を使用しましょう。庭なら約20~30cm前後掘り起こしたところに、腐葉土を混ぜ込み植え付けます。

いちはつの育て方の手順④肥料を少量まく

いちはつは、肥料は基本いりません。しかし、肥料を与えると花がうまく咲く場合もあるので少量与えるとよいでしょう。多く与える必要はありませんので、肥料の与えすぎに注意してください。

夏や冬は与えなくても問題はありません。肥料の種類は使いやすい液肥でもゆっくり栄養が届く固形肥料でもよく、パッケージに記載されているとおりに与えるとよいでしょう。

いちはつの育て方の手順⑤必要最低限の水やり

いちはつは、頻繁に水やりを必要としません。鉢に植え付けたなら、鉢の中が乾燥しきらない程度に水やりをするだけで十分です。やや湿った環境を好みますが、乾燥に強い特徴があるので、表面が乾燥したら水やりをするという認識で問題ありません。

庭植えでも、水やりはせずに雨だけでよいのですが、雨が降らない日が続くなど土の乾燥が強いと判断した場合は水やりが必要になります。

 

いちはつの育て方の手順⑥早めに植え替えをする

いちはつの植え替えの時期にも適時があります。花が咲き終わった初夏の5月中旬~6月末頃まだ芽を出していない2~3月頃が理想です。植え替えを頻繁にしなくてはならない花ではなく、庭植えの場合は3~4年に一度、鉢植えの場合は2年に一度のペースで植え替えをするとよいでしょう。

植え替えのペースはあくまで参考であって、株が混んできたタイミングで植え替えをしてください。根づまりを起こしやすいいちはつですから植え替えや株分けは大事な工程だと言えるでしょう。
 

POINT株分けとは

  • 根を枯らすことなく、毎年必ず適切な季節に花を咲かせる宿根草の場合、株がどんどん大きく成長し、大きくなりすぎて密になってしまいます。そのことで通気性が悪くなり、成長に悪影響を及ぼすため株分けが必要になります。

    株分けとは、1つの親株から根や茎を切り離して複数にすることで、1つの株の密がなくし生育をよくする方法のことを言うのです。

いちはつの育て方の手順⑦開花後は花茎を摘む

開花したいちはつの茎は、そのままにしておくと株が弱ってしまう可能性がありますので忘れずに切り取るようにしてください。また、種を作ってしまうと株が弱るので、種が必要でないのなら早めに摘んでしまいましょう。

せっかく株分けができるいちはつなのですから、株が弱る前に花茎を摘んでうまく増やせるようにしてください。
 

いちはつの育て方の手順⑧害虫対策も考慮する

いちはつは、基本的に病害虫に対する耐性が強いという特徴があるため病害虫の心配をすることはありません。しかし、病害虫がまったく発生しないとは限りませんので、定期的に薬剤を少量まくとよいでしょう。

例えば、ガであるニカメイチュウの幼虫が茎を食べることにより枯れることもあります。ニカメイチュウの幼虫はイネ科の植物につく特徴があるため、イネ科の植物が近くにあるなら取り除いておきましょう。


いちはつの品種ごとの違いについて

シロバナイチハツ

「いちはつは青紫色」だと思っている人も多いですが、実は青紫色の品種だけではありません。有名な「シロバナイチハツ」はいちはつの中でも可憐な白色の珍しい品種であり、開花の時期は4~5月頃の暖かくなりだした春の季節です。

特徴としては、外側の花びら3枚に黄色い筋が入っているところで、白色と黄色の透き通るようなコントラストがとても美しいと言えるでしょう。

斑入りイチハツ

「斑入りイチハツ」はネーミングどおり斑模様がありますが、花びらではなく葉に斑が入っています。淡い青紫色の花びらと白色の斑が入った葉がよく合い、美しいいちはつの品種だといえるでしょう。

開花の時期が終わったら、カラーリーフとして楽しめるため、年中楽しめる花でもあります。

いちはつと間違えやすい「アイリス」の特徴

いちはつとの共通点と相違点

淡い青紫や可憐な白の花が咲くジャーマンアイリスですが、赤、ピンクの他に、オレンジ、黄色の花もあります。開花の時期がいちはつより少しだけ遅い初夏の5~6月頃ですが「耐寒性が高い」という特徴は、いちはつ同様です。

現代では品種改良がなされ、フリル咲きの品種やフリンジ咲きの品種も人気があります。また、1mほどの高い品種から10~20cmほどの低い品種まであり、品種の多さもジャーマンアイリスの魅力だと言えるでしょう。

変種株「ニオイイリス」も間違えやすい

ニオイイリスは別名「シロバナイリス」と呼ばれるように可憐な白い色合いが特徴であり、ジャーマンアイリスと比較しても花びらや葉の特徴はほぼ同じため、ニオイイリスもいちはつと間違われやすい花であることに間違いありません。

いちはつとアイリスの見分け方

いちはつと似たアイリスは見間違えやすいものの、見分け方があります。まず、いちはつには外側の花びらの付け根に白いとさか状の突起があり、内側の花びらは斜め上に伸びているのが特徴だと言えるでしょう。

一方、アイリスは外側の花びらの根元がブラシ状で、花びらがそのものが垂れ下がっていることが特徴であり、さらに内側の花びらは上で抱え込むように湾曲しています。また、アイリスは緑の葉、いちはつは黄緑の葉という分かりやすい違いもあります。

いちはつの花がうまく咲かない時の原因とは

根づまりをしている


いちはつの花が咲かない場合に、まず考えてほしいのは「根づまりの可能性」です。いちはつは丈夫でこまめにお世話をする必要もなく、つい放置してしまいがちですが、株分けはしておきましょう。

株分けをせずにそのままにしておくと、どんどん株が密になり、根詰まりを起こしてしまうのです。株が混みあってきたと感じたタイミングで株分けをしてください。

日当たりに問題がある

いちはつが日当たりのよい場所に適しているのは事実ですが、夏の強い日差しの中、放置し続けるのは望ましくありません。夏は日当たりが強すぎない半日影のような場所を選ぶようにしてください。

また、花を咲かせるためにはある程度の日光が必要ですから、まったく日が当たらないのも良くありません。それらを考慮しながら植え付ける場所を選ぶようにしましょう。

魅力的ないちはつを育てて春を感じよう

いちはつとは、可憐で美しい花である一方、とても強く初心者でも育てやすい花であります。鉢植えにすると、日当たり環境によって簡単に移動させることもできるため、まずは鉢植えで挑戦するとよいでしょう。

頻繁な水やりや病害虫の対策をほぼ必要としないことなどから、失敗の少ない花です。多忙な人や初心者でも、美しく、それでいて強いいちはつなら育てられるのではないでしょうか。

いちはつ以外の春の花も気になる方はこちらをチェック!

寒い冬が終わり暖かい春が訪れると、草花だけではなく、草花に群がる虫たちも活動を始めます。春の花は生命の神秘を感じることができるものだと言えるでしょう。いちはつ以外の春の花ついても詳しく知りたい人は、こちらの記事も併せてお読みください。