はじめに:アセビの花言葉と元ネタをご紹介
アセビの花言葉は美女にまつわる伝説が由来
アセビは季節でいうと冬2月という寒い時期から開花時期を迎え3月4月と春の季節まで開花が長くその愛らしい姿を見せてくれる低木の庭木・花木としても人気がある植物。
丈夫な樹木で育て方もほぼ放置でOKなため、街の景観植物や開花時期に公園を訪れるひとを楽しませるための植木としてもよく利用され目にする機会が多い花ですが、この花にはロマンチックなギリシア神話がモチーフの花言葉が付けられています。
アセビの名前には注意喚起の意味も
アセビの育て方難易度は先程も軽く触れたとおり放置していても野生でも開花時期には必ず花を咲かせているような花木ですので、環境が合う地域であればそれほど難しくありません。
しかしこの木には少しやっかいな性質があり庭木としての育て方には多少の注意が必要となってくるでしょう。こちらも花言葉にも関係してくるお話なので一緒にご紹介していきます。
花言葉の前に知りたいアセビの基礎知識
まずはアセビの花言葉の前にこの植物はどのような分類でどんな特徴があるのかという基本情報と、贈り物にする場合は気になるその有毒性についてもご覧いただきましょう。
アセビの基本情報
科・属 | ツツジ科アセビ属 |
原産地 | 日本などアジア地域 |
英名/学名 | Japanese andromedaなど/Pieris japonica |
育て方難易度 | 簡単 |
アセビの花色など見た目の特徴
アセビは白やピンクのかわいらしいベル型の花が枝に連なり咲く姿が庭木としても愛される植物で、日本では本州より南(四国や九州までの範囲)で野生でも見られます。
花だけでなく新しい葉は美しい赤い色をしていてこれも庭木として鑑賞するのに値するとしてとても人気が高い植物です。盆栽などには剪定をして小さく仕立てられていることも多いですが、放置しておくと4mほどの高木になってしまいますので育て方にはご注意ください。
アセビが有毒なのは本当か
アセビという和名は悪し実(あしみ)から変化した名前と言われており、口にすると下痢・腹痛・嘔吐・呼吸困難・神経麻痺などの怖い症状を起こす有毒植物です。
草食動物もアセビの葉だけは食べず他の木が丸坊主になるくらい食べられていてもアセビだけはきれいに残っていることからも動物も知っている毒性の高さであることがわかるでしょう。
アセビの花言葉は「献身」
アセビの献身という花言葉は日本で付けられた日本語の花言葉となっています。しかしその花言葉の付けられ方が少し変わっていて、日本から海外へまた日本に戻ってきて英語の名前からイメージされたものという複雑な由来をもっている植物です。
アセビの花言葉は英語名から付けられている
アセビは英語圏ではJapanese andromeda(日本のアンドロメダ)と呼ばれています。これは海外に日本のアセビが入ったときによく似た花で知名度も高かったアンドロメダにあやかって英語名が付けられたためといわれます。
日本でアセビに花言葉を付ける際にこの英語名の中の星座として知られていたアンドロメダの神話をモデルにするという逆輸入のような形になったのが面白いところですね。(画像はアンドロメダでアセビの花とそっくり)
アセビの花言葉の由来となったギリシャ神話
アセビに付けられた献身という花言葉だけでなく犠牲・清純な心という花言葉についても由来となったアンドロメダ。このお話には同じく秋の星座として見つけやすいペルセウスやカシオペアも登場します。これらの星座にはロマンチックなギリシア神話のエピソードからのちに、アテネに天にあげられて星座となったという逸話があります。
ことのおこりはカシオペアの娘自慢
カシオペアはアンドロメダの上にあるWのような形をした星座で母にあたります。とても美しかったアンドロメダはカシオペアの自慢の種でついうっかりとネレイド(ポセイドンの孫の妖精たちで非常に美しいとされていた)よりもうちの子の方が美人だという言葉を発してしまいました。
その言葉を聞いたポセイドンは怒ってクジラの化け物にエチオピア(カシオペアはエチオペアの王妃)を襲わせ、それを鎮めるためにアンドロメダは生贄にされることになってしまいます。
ロマンチックなアンドロメダ救出劇
美しいアンドロメダの命もこれまでかと思われたところにさっそうと現れたのがメデューサ討伐の帰りであったペルセウスです。
手にもったメデューサの首でクジラの化け物を石に変えて救ったのち、アンドロメダはペルセウスの妻となり子宝にも恵まれて幸せに過ごしたというのが花言葉の由来となったギリシャ神話のあらすじとなっています。
国の生贄となった献身的な姫という花言葉
このギリシャ神話からアンドロメダとは母のうっかりのために襲われた自国のために生贄を余儀なくされた献身的な姫君=献身という花言葉になったといわれます。
このほか犠牲という花言葉もアセビにはあるのですが、こちらもアンドロメダが由来の言葉です。
アセビには「危険」の花言葉もある
ギリシャ神話とは関係ない花言葉として危険という言葉があります。こちらはアセビに毒性があり口にしてはいけないという注意喚起の意味が由来となっています。
この毒性は和名のアセビの漢字=馬酔木にもあらわれており、馬がうっかり食べて酔っ払ったようになったことからこの漢字があてられました。庭木として植える場合はペットや小さなお子さんがあやまって口にしないよう注意してください。
アセビの誕生花は3月9日他
花言葉と一緒に使われることもある誕生花についてもご紹介します。誕生花は花言葉よりもまだまだ知名度は低いものの、花をプレゼントする場合に何を贈ったらよいか迷った場合に役立つでしょう。
誕生花とは
誕生花が考えられたのはギリシャ・ローマ人の花に対する考え方から来ているといわれています。占星術ではその人の生まれた年月日に対応する星が決められているものもありますね。
それと同じように季節の花にはその時に咲く意味があるのではないかという考え方をもとにして割り当てられているいわば生まれに深く関係する運命の花と思えば良いでしょう。
誕生花はひとつの花にいくつもある
誕生花はひとつの花にひとつの誕生日ではなくまた同じ日にいくつかの花が割り当てられている場合もあります。アセビの場合3月9日だけでなく3月23日と4月4日生まれの人にとっての誕生花と決められています。
誕生花の使い方例
前述の通り例えば3月9日生まれの方の誕生日に花を贈りたいと考えたとします。相手の方が好きな花を知っていれば選ぶのは簡単ですがそうでない相手の場合どうやって選びますか?
花言葉で選ぶのもひとつの方法ですがより誕生日にジャストな花を選びたいならばその日の誕生花と花言葉を組み合わせてより気持ちが伝わるものを選ぶというように使うと良いでしょう。
まとめ:アセビの花言葉と誕生花
英名から花言葉が付けられたアセビ
和名では少し怖いアセビの花言葉は清純な心を持つ献身的な美しい姫君をモデルにしたものでした。日本から海外に渡り付けられた名前が日本原産でもあるアセビの花言葉になったというのはとても興味深く面白い話だったのではないでしょうか。
2月3月4月とこのアセビの花が咲く季節には、花言葉のモデルとなった清純な心を持ち献身的な精神で母親の失敗から自分の身を差し出す覚悟をすることとなったアンドロメダ姫のことを思い出しながら美しく可憐な花を鑑賞してみてはいかがでしょうか。
花言葉や誕生花が気になる方はこちらもチェック
今回は庭木や公園の植木としても見かける機会が多い身近なアセビの花の特徴・花の季節・花言葉の意味・由来や誕生花と詳しく紹介してきましたが、暮らしーのではアセビの他にも有名な花から珍しい植物までいろいろな花言葉の意味や誕生花も掲載しています。花言葉・誕生花が気になる方はこちらもご覧になってみてはいかがですか。

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出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/3222163?title=%E3%83%94%E3%83%B3%E3%82%AF%E8%89%B2%E3%81%8C%E9%AE%AE%E3%82%84%E3%81%8B%E3%81%AA%E9%A6%AC%E9%85%94%E6%9C%A8