はじめに:タンドール窯の仕組みと作り方
タンドール窯は自作できる!
インドの独特な形の薄いパン・ナンはお好きな人も多いでしょう。焼きたてのものをそのまま食べても、カレーなどを付けて食べても美味しいですね。本格的な作り方はタンドール窯という窯の壁部分に生地を貼り付ける焼き方で作るのもご存知の方も多いでしょう。
その様子を見るのも珍しく楽しいものなだけでなくタンドール窯なら薄いナンならほんの数分で完成してしまうためアウトドアでもご飯を炊いたりダッチオーブンでパンを作るよりも手軽に主食づくりができます。
タンドール窯の作り方と活用レシピを紹介
本格的なタンドール窯は大きく重たいものなのでキャンプなどで作るのは難しいですが、植木鉢などを使って作る小型のタンドール窯と似た仕組みの焼き窯であればキャンプでも材料さえあれば簡単に作ることができます。
今回はこの窯の作り方だけでなくそれを利用して作るナンとタンドリーチキンのレシピとともにご紹介していきましょう。手に入りやすい材料ですぐできるので今までDIYをしたことがないという方でも作れる簡単レシピです。
タンドール窯とは?仕組みとメリット
手作りタンドール窯のDIYを紹介する前に、まずはタンドール窯とはどのようなものでどんなメリットがあるのかをお話しましょう。ナンのレシピにはフライパンやピザ窯で作る作り方もありますが、タンドール窯で作る方法とはまったく違うということがおわかりいただけます。
タンドール窯の仕組み
窯としてはとてもシンプルな作りとなっているのがタンドール窯の特徴です。形的には下の方が広く上の方が狭くなっていてそのまわりを石や耐熱モルタルなどで覆うことで窯の中の温度をあげるような作りが一般的。
本格的な作りでは空気を送り込むための空気穴が下の方に付いていますので密封しても中の火が消えることはありません。内部の熱が逃げないようにして、より効率的に熱を食材に伝えるために上部の穴に蓋がついているものもあります。
タンドール窯の使い方と特徴
タンドール窯は写真のように穴状になった窯の内側に貼り付けたり金串に差した食材を入れて加熱します。窯の下に入れて熱源とするのは炭なので、まず炭火焼きの美味しさが味わえるような調理方法です。
またタンドール窯の焼き方のひとつに壁面に食材をくっつけるという焼き方があるのはよくご存知でしょう。このように窯そのものも熱せられたフライパンのような役割をしてくれるため、調理道具をわざわざ別に用意する必要もなくキャンプなどのアウトドア調理にも向いているでしょう。
タンドール窯のメリット
タンドール窯を使うメリットはまず調理時間が早いこと。同じような調理用窯といえばピザ窯が有名ですがそれと比べると下に熱源があり窯の壁面の熱も無駄なく使うタンドール窯はひっくり返したり向きを変える必要もなく圧倒的に食材への火の回りが早いです。
また炭を使うことで炭火焼きの遠赤外線効果とオーブンのような両面焼きで美味しさをぎゅっと閉じ込めて焼くため、肉料理においてはさらにそのメリットを感じやすくなるでしょう。
【DIY】簡単なタンドール窯の作り方2種
本格的なタンドール窯もレンガを積み上げ中に瓶などをさかさまに入れて耐火セメントでまわりを覆うことでDIYして自宅に設置することは可能ですが、今回は比較的簡単で持ち運びも可能な作り方をふたつご紹介しましょう。ホームセンターで買えるものやお宅によっては家にあるような手軽な材料でできているのでぜひ作ってみてくださいね。
ペール缶と植木鉢で作る作り方
自作タンドール窯の作り方としてポピュラーなのがこちらの方法です。キャンプに持ち出すのには少し重いですが自宅の庭などで調理するならおすすめの作り方。
しっかりと鉢の外側が覆われていて熱が逃げにくいのでより本物のタンドール窯に近い作りとなっています。
材料と作り方ポイント
材料は植木鉢など素焼きの鉢ひとつと空き缶2つ・植木鉢を入れて周りに余裕のある大きさのペール缶・丸い網・バーミキュライト。熱源として炭も忘れずに。
作り方ポイントはからのペール缶に空き缶を置きそれがちょうど埋まる場所までバーミキュライトを入れて網を置き、底に手の入る大きさに穴を開けた植木鉢を逆さにかさねて鉢とペール缶のすき間をバーミキュライトで埋めるだけととても簡単です。
植木鉢と七輪で作る作り方
ペール缶の中に耐火効果が高い素焼き鉢(植木鉢)を入れてまわりを石や耐火モルタルで埋める方法もありますが、キャンプなどのアウトドアではもっと簡単につくれるのが七輪と鉢2つで作る方法でしょう。
材料と作り方ポイント
材料は同じ大きさの大きな植木鉢2つ・植木鉢の円周と同じかそれ以上の丸い網・七輪と熱源となる炭も準備してください。網は食材の落下防止のために置くのでなくても大丈夫です。
作り方ですが鉢はさきほどのレシピ同様底の部分に穴を開けて準備し、炭をおこした七輪の上に通常の向きで植木鉢・丸い網・逆さまにした植木鉢と重ねます。やることといえば鉢の底に穴をあけるくらいであとは重ねるだけと非常に簡単な作り方であるのが嬉しいですね。
タンドール窯で作る料理レシピとコツ
作ったタンドール窯を使って作るのにおすすめなナンとタンドリーチキンの材料と焼き方をご紹介しましょう。わかりやすいように動画でご紹介しますが、焼き方はフライパンを使用しています。
ナンのタンドール窯での焼き方と出来上がり目安については別途焼いている動画もありますのでそちらも参考にしてください。
ナンの生地レシピと作り方ポイント
強力粉 250g
きび砂糖 25g
ドライイースト 3g
塩 4g
水 75g
豆乳 100g
ナンはほぼパンの生地の作り方と一緒です。ただしこちらのレシピはパンのようにこねる必要がまったくないので材料を混ぜるだけで作ることができるためおすすめとなっています。
作り方のコツ
まずは材料に記載してあるものを上から順にボウルなどに入れよく混ぜてください。そのあとはこねる必要はなく丸くする必要もありません。そのままボウルにラップなどをかけ乾燥しないようにして20分の1次発酵してください。
20分たったら取り出しできるだけきれいになめらかな表面になるよう成型して今度は倍の大きさになるまで2次発酵させたものを切り分け成型してあとは焼くだけです。
自作タンドリー窯でナンを焼く様子とコツ
レシピ動画ではフライパンで焼いていたのでタンドール窯での焼き方もご覧いただきましょう。インド料理店などでご覧になったことがある方も多いであろう焼き方です。中は熱いのでやけどに注意しながら素早く壁に生地を押し付けて固定しましょう。
中の温度にもよりますがこのような外側をしっかりとしたモルタルなどで埋めてあるタイプであれば入れて1-2分でみるみるうちに膨らんできつね色に焼き上がり食べることができます。
ナンと一緒に!タンドリーチキンレシピ
鶏もも肉 1枚
塩・おろしニンニク・おろしショウガ 各少々
カレーパウダー 大さじ1
無糖ヨーグルト 大さじ4
パプリカ お好みの量
ナンを焼いてレトルトのカレーを食べるでも良いのですが、せっかくのタンドール窯なのでタンドリーチキン作りにもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
こちらもチキンを食べやすい大きさにカットしたら材料表の上から順に入れて混ぜ合わせ寝かせて焼くだけで、本格的なタンドリーチキンが作れる簡単で美味しいレシピとなっています。
作り方のコツ
動画ではフライパンで焼いていますが、タンドール窯で焼く場合はチキンを長い金串に差して窯の中に立ててください。ナンよりも焼き時間がかかるので一緒に召し上がる場合はチキンから調理して出来上がり時間に合わせてナンを焼くと良いでしょう。
使用した素焼き鉢の大きさや窯の作り方、入れる炭の量などによっても焼き時間は変わってきますので時々様子を見ながら中心まで火が通ったら食べごろです。
まとめ:手作りタンドール窯作りは簡単
タンドール窯でキャンプ飯も盛り上がる!
いかがでしたでしょうか。とても簡単に作ることができるタンドール窯のDIYレシピふたつとそこで焼きたいナンと一緒に食べたいタンドリーチキンの作り方も一緒にご紹介しました。どちらも家で仕込んで持っていけばキャンプ場所でタンドール窯を作りおしゃれで美味しいアウトドア飯が楽しめるでしょう。
直火の焚き火ではありませんが一応キャンプ場で使用するときは下にレンガや石などを積んでその上に窯を設置、周りに引火するようなものがないことを確認して念のために消火用の水やバケツなどをご用意の上使うことをおすすめします。
タンドール窯が気になる方はこちらもチェック
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