はじめに:チンゲンサイを自宅で栽培
通年栽培が可能なチンゲンサイの上手な育て方
チンゲンサイは葉物野菜なので栽培期間も短くすぐ収穫でるだけでなく、さらに工夫をすることで春夏秋冬季節を問わず育てはじめることができるのも魅力な作物です。
種まきして収穫までにかかる日数やチンゲンサイ栽培の特徴や注意点・成長に必要な気温など育て方レクチャーをおおくりします。
プランターや鉢植えでもできるチンゲンサイ栽培
栽培時期が幅広く収穫までの期間が短い代わりにチンゲンサイやほうれん草などの葉を収穫する野菜は病気や害虫に悩まされることも多いですね。そのためにおすすめなのが家庭菜園なら鉢植えやプランターでの育て方です。
できるだけ小さな範囲で育てた方が収穫量は減るものの農薬を使わなくても管理しやすくなるので初心者にもおすすめのチンゲンサイ栽培方法です。
チンゲンサイ栽培のまえに知りたい基礎知識
それではチンゲンサイ栽培の解説の前に、この植物の特徴等からごらんください。チンゲンサイ栽培のために知っておくと後々役に立つ情報ばかりですよ。
チンゲンサイの基本情報
科・属 | アブラナ科アブラナ属 |
原産地 | 中国 |
英語名/学名 | Pak-choiやChinese mustard/Brassica rapa L.var.chinensis |
栽培難易度 | 簡単 |
チンゲンサイの特徴や性質
この植物の特徴は通年を通して栽培をすることが可能であること。スーパーでも安い値段でいつでも買える野菜としてご存知でしょうが、その値段のやすさはこの栽培の簡単さにも由来します。
栄養価も高い毎日食べたい緑黄色野菜で特にビタミン・カロテンの他に鉄分やカリウム・カルシウムなどのミネラルも豊富です。
チンゲンサイの栽培期間や収穫時期
この作物の特徴として季節を選ばず種まきから育て始められるところ。季節によって多少変化はありますが、だいたい30-40日という短い日数で食べごろとなるのもチンゲンサイ栽培の魅力でしょう。
忘れずチェック!チンゲンサイ栽培の準備
はじめてチンゲンサイの栽培をするという方はまずここからチェックが必要です。チンゲンサイは育て方が簡単ですがそれは準備が整っていることが前提です。栽培をはじめるにあたって必要最低限の準備とあると良いおすすめの害虫対策用品を見ていきましょう。
チンゲンサイの種・苗
種まきから季節を問わず育て始められますが、苗から植え付ければさらに短い日数で収穫までプロが育てた健康な株で楽しめるでしょう。
種まきの方がコストが安いがどのような株が育つかわからない(土の状態や種の遺伝などで病気・弱いものになる場合もいなめない)のが問題となり、市販の苗であればある程度成長したものから選ぶことができその状態までは確実に健康的というメリットがあります。
チンゲンサイ苗の選び方
苗はその地域で植え付けられる時期に販売されます。そのため植え付けに適した季節であることがこのような解説記事を確認しなくても正しく判断できるのでおすすめ。
選び方は徒長(丈が長くひょろひょろとしていない:しっかりとした日当たりで育てられた)しておらず害虫による虫食い・病気や腐った葉などが見られないよく管理されているものからチョイスするのがポイントです。
畑やベランダ菜園用に準備するもの
土 | 野菜用培養土または赤玉土に腐葉土を7:3配合で |
苦土石灰 | 畑で育てる場合に必要 |
化成肥料 | 緩効性肥料を元肥と追肥として |
堆肥 | 化成肥料と一緒に畑にすきこむ |
寒冷紗 | 秋や冬の栽培用に(11-3月くらいまで必要) |
プランターや鉢 | ベランダ園芸など、畑や庭がない場合に |
害虫対策に用意したいもの
畑で栽培するならマルチがあると良いです。これは土の乾燥・雑草の繁殖・地温を暖かく保つ効果があり管理しやすくなるでしょう。そのほか寒冷紗をご紹介しましたが、プランターや鉢の場合100均で売っている大きめの目の細かい洗濯ネットで代用可能です。
すべてをすっぽり包んで虫が入らなければ良いわけですので、寒さ対策が必要な季節でなければこれで十分です。(害虫ネットのない場合の対策方法は後述で)
種まきからのチンゲンサイの栽培5ステップ
それでは早速チンゲンサイの栽培方法について解説したいと思います。ここではできるだけ簡単にできるようにチンゲンサイ栽培を5つのステップに分けてご紹介!順番に考えたり実行したりすれば良いので、はじめてという人にとっても迷わないで野菜づくりが楽しめることでしょう。
チンゲンサイ栽培方法1.日当たり
畑で路地栽培できる野菜は基本的に日当たりのよいところで育てるのがセオリーです。ただしチンゲンサイの育て方で気をつけて欲しいのが、土の温度と気温です。
最低でも20度以上、発芽の場合25度を上回らないような地温が必要。冬ならトンネル栽培夏なら涼しい風通しが良い場所を選ぶ等工夫してみてください。
日当たり注意点
日当たりが良ければ特に注意するところはありませんが、もし半日陰程度の日当たりしかないベランダで育てたい時には午後よりも午前中に日が当たるところの方が家庭菜園には適しています。
また周りに置くものにも注意してできるだけ風通しを良くして、エアコンの室外機の風は当てないようにしてください。
チンゲンサイ栽培方法2.種まきと植え付け
お住まいの地域の環境によってチンゲンサイの種まきや植え付けの時期は決まってきます。温暖地であれば春3月から晩秋11月くらいまで種まきは可能ですが、寒い地域では十分に暖かくなってからでないと種まきはハウスや育苗箱で苗を作ってという作業になります。それらがない場合は気温を見ながら20度を目安に作業をはじめましょう。
種まき植え付け注意点
チンゲンサイの種は育てる土で直まきにするのが簡単。株間を15cmとってひとつの場所に4-5つぶ程度まき軽く覆土をして手で押さえてから水やりして完了です。苗を植え付ける場合の株間も同じく。
発芽が確認できたらその時と本場2-3枚で1回の計2回の間引きをして最終的に育てる立派な健康的な株を1本残した状態で育ててください。
チンゲンサイ栽培方法3.日常管理
畑でマルチを敷いた上でチンゲンサイを育てる場合は、よほど雨が降らない限りは水やりは不要。鉢やプランターなら土が乾いたら水やりしましょう。育成期間が短いので追肥は必要ありません。むしろ肥料過多になると虫を呼び寄せたり病気の原因ともなるので注意してください。
追肥時期など注意点
株を育てていくうちにどうしても肥料不足と感じた場合は、水溶性肥料をパッケージどおり水で薄めて水やりのときに与えてください。こちらもあげすぎは厳禁です。
チンゲンサイ栽培4.方病気と害虫
この作物には根こぶ病という病気の心配があります。こちらは連作障害としても多く現れやすいものなので、新しい土を使ったり一度チンゲンサイの仲間を栽培した土は2-3年ほど使わないことで対策できます。
害虫被害で多いのがハモグリバエ。こちらは種まきや植え付け後すぐに防虫ネットをかぶせてお世話することでハエの産卵をシャットアウトして簡単に防げます。
ハモグリバエが発生したら
もし葉に上記画像のような白いラインが見えたら、できるだけ早くその葉だけ取り除きビニール袋などにしっかり入れて破棄してください。
農薬などの注意点
病気や害虫のために農薬を使う場合は必ず収穫前何日までは散布できるか確認することが大切です。ミニ種など早ければ1ヶ月くらいで収穫できるものなので、農薬はまず使う必要はありません。健康的な株を使う・新しい土で丈夫な株に育てることを意識しましょう。
チンゲンサイ栽培方法5.収穫
ミニ種なら15cm・普通の大きさならば20cmくらいが美味しい目安です。チンゲンサイはとうが立ちやすい野菜なのであまり大きく育てると硬かったりつぼみが付いて葉が不味くなってしまいます。
はじめてならばスーパーで売られているものよりも早め(小さめ)だと感じるくらいがちょうど食べごろかも知れませんね。あまり長く畑やプランターに置きすぎないのが上手に収穫するコツです。清潔なはさみで根元から切るか株ごと抜いてしまいましょう。
収穫時期などの注意点
収穫は種まきの時期によりほぼすべての季節でおこなえます。栽培日数目安は30-40日ですが、品種や季節・地域の環境によっても変わってきますので、種袋の裏面でチェックしてください。
スーパーのチンゲンサイから再生栽培する方法
種まきからの栽培方法の他にも実はこの植物は初心者の方でも手軽に試しやすいスーパーの野菜の再生栽培ができる作物です。
売り物の野菜のようには成長しませんが、育てる楽しさやちょっとした具材としての食べ方は十分味わうことができますよ。本格的な野菜栽培でなくもっとライトな感覚で植物栽培に挑戦したい方におすすめです!
チンゲンサイも捨てる部分から再生栽培・収穫可能
チンゲンサイの再生栽培に用意するもの
スーパーで購入したチンゲンサイの根元部分をお好きなだけとその株を入れることができる容器を必要個数。あとは水だけですが水にコケを付けないためアルミホイルで巻いたり追肥として水溶性肥料をあげるとなお良いでしょう。
食べる目的ではなくキッチンのグリーンとして楽しむのであればある程度根が出てきたら小さな鉢植えにするのもおすすめ!見て楽しむ野菜なのでかわいい植木鉢を100均や園芸店で探して使ってあげましょう。
栽培方法のポイントとコツ
やり方は簡単で根元から3-4cmのところからカットして上の茎から葉は食用として使ってしまってください。あとは水をごくごく浅く入れた容器にうつし窓際の日の当たる場所に置くだけです。
数日すれば小さな緑の葉が伸びてきますが、根元の外側から腐るのでその都度腐ったものを1枚ずつはぎとっていくため株は小さくなってきます。
動画では12日くらい置いて根が伸びたものを土を入れた鉢植えに植え替えていますが食べてしまうならここは不要でしょう。
再生栽培チンゲンサイの収穫時期と食べ方
種まきや購入した苗からではないこの育て方ではそれほど葉は大きく成長しません。また水耕栽培であることから根元の方がどうしても腐るのは避けられないため栽培期間も短く早めに食べてしまうのがコツ。
腐る前に小さな葉のうちに少量でも存在感が主張できる味噌汁や中華風スープの具材などに使ってしまうのがおすすめの収穫時期と食べ方です。
まとめ:簡単なチンゲンサイの栽培方法
春夏秋冬楽しめるチンゲンサイ栽培
季節を問わず少ない日数で野菜が作れるので初心者にもおすすめのチンゲンサイ栽培の特徴や気になる病気情報はいかがでしたか?チンゲンサイ栽培の簡単さや手軽さ・再生栽培のやり方がおわかりいただけたのではないかと存じます。
栄養も豊富で自宅で楽しく作って美味しい家庭菜園!チンゲンサイがうまくできたらほかの野菜づくりにもチャレンジするのも新しい発見や楽しさを感じられるでしょう。
チンゲンサイ栽培が気になる方はこちらもチェック
今回はチンゲンサイの栽培に的をしぼって解説してきましたが、暮らしーのではチンゲンサイ以外の野菜の育て方もたくさん発信しています。野菜の栽培方法で迷ったらこちらもぜひ参考にしてくださいね。このほかにも検索窓から気になるワードを入れれば欲しい情報が手に入るかもしれませんよ!
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