水耕栽培に使う肥料について知りたい!
水耕栽培は、その名も土を使わずに植物を育てる方法です。土に入れ替えなどで手が汚れる心配も少なく、室内のちょっとしたスペースがあれば気軽に草花やハーブ、野菜などの栽培に取り組めます。
ただ、土耕栽培と比べて植物が取り込む栄養が少なくなるので、定期的に肥料を与えることがポイントです。 今回は水耕栽培でおすすめの液体肥料や使い方、注意点などをご紹介していきます。
水耕栽培に液体肥料がおすすめな理由
水耕栽培で液体肥料がおすすめな理由は大きく分けて2つあります。
吸収が早い
水耕栽培に使う肥料は、液体のものを水で薄めたり、粉状のものを水に溶かして使用するのが一般的です。 土耕栽培で使う固形肥料は微生物による分解で土に栄養分が溶け込みます。
そうすると植物が吸収するまでに時間がかかったり、肥料を与える場所が悪ければ、植物の根焼けを起こしてしまったり、肥料の効きすぎで苗を弱らせてしまったりすることがあるのですが、その点液体肥料ではそういった心配は少なくなります。
水耕栽培に適した成分が含まれているので腐りにくい
液体肥料には「化成肥料」と「有機肥料」の2タイプがあります。多くは化成肥料型の液体肥料を使用することが多いのですが、これは人工的な栄養素だけを集結させたタイプなので、腐りにくいのが特徴です。 また水耕栽培向けの肥料には、植物の生長に不可欠な根を丈夫に育てるカリウムが多く含まれているのも特徴です。
水耕栽培と土耕栽培の違いは?
含まれている栄養素の違い
水耕栽培と土耕栽培の違いは、水にはほとんど何も栄養素が含まれていないのに比べて、土を使って栽培する場合は、初めからある程度の栄養素が含まれているということです。 水耕栽培の場合は、土を使わずに水だけで栽培することになりますが、水にはほとんど栄養素が含まれていません。
しかし、培養土など土を使って栽培する場合は、植物の生長に多く必要となる栄養素が含まれています。窒素やリン、カリウムなど多量要素の他にもさまざまな要素を持つ肥料が土には含まれているのです。
ですから、水耕栽培でも土と同じように植物が育つためのいくつかの要素を補うには、それらの栄養素を補えるだけの水耕栽培用の肥料が必要になってくるわけです。 また水耕栽培で土耕栽培用の肥料を使用すると、栄養素が不足する可能性もありますので、きちんと使い分ける必要があります。
水耕栽培時の液体肥料の選び方は?
水耕栽培用の液体肥料といっても、種類がいくつかあるので選び方に困ってしまうかもしれませんので、液肥の選び方についてご紹介いたします。
初めての方は1液性を選ぶのがおすすめ
野菜を育てる場合は、野菜の成長段階を観察しながら化学肥料などを追肥していく方法が一般的です。ただ、野菜の栽培が初めての方にとっては、成長段階を見極めるのが難しく、追肥のタイミングを逃してしまうこともあります。
そこで、いくつか種類がある液体肥料の中でも、初心者におすすめの「1液性」という液肥ですが、これは「ハイポ二カ液体肥料」がよく知られています。ハイポニカ液体肥料は栄養バランスの配合が絶妙で、長期間栽培も安定して続けられるというメリットがあります。また濃度も計りやすいです。
特に「ハイポニカ」はトマトの栽培にも優れた効果を発揮します。ハイポニカだけでトマトが木のように大きく育ち、満足できる収穫量も期待できます。
キットを利用すると便利
水耕栽培には、水耕栽培をより手軽にしてくれる「水耕栽培キット」というものも販売されています。 水耕栽培に必要な材料がすべてそろっており、自分で調べたり、別途肥料を用意する必要や液体肥料の濃度を測る手間などが省けます。
こうしたキットにはさまざまな形やデザインが用意されているだけでなく、水と養液がうまく循環する仕組みが作られているものもあるので、忙しくて世話をする時間があまりとれない方なども、途中で挫折する心配が少なく水耕栽培を楽しむことができます。
水耕栽培の液肥の使い方と注意点について
水耕栽培の液肥を使用する場合は、既定の濃度を守るなどをはじめ、いくつかの注意点がありますので、しっかり守って安全で確実な水耕栽培を行いましょう。
肥料の規定量や濃度を守る
液体肥料の使い方で注意することは、各メーカーが指定する規定量を正しく守って使用する必要があります。 規定量はあくまで規定量で、栽培している植物の株数や容器の大きさによって変えなければいけません。
仮に、植物が吸収しきれない量を入れた場合、吸収されなかった肥料が水中にたまり、コケが生えたりボウフラなどの虫がわく原因になることがあります。 こうなると、見た目もよくありませんし、コケが植物の根に絡んで生長が妨げられるなどのデメリットが発生してしまいます。
大事なのは「水量何リットルに対して液肥を何ミリリットル加えるか」ということで、植物に直接必要な栄養素の量ではないということ。 栽培する植物の量に合わせて、適切な量の液肥を使用するよう心がけましょう。
肥料の保管はしっかりと行いましょう
液肥には安全性の高い原料しか使用されていないので、成分変化は起こりにくいものの、キャップが開いたまま長期間放置していたり、直射日光のあたる場所に置きっぱなしにしてたりすると成分が変化することがあります。
こういった成分変化を咲けるにも、使用した後の液肥はしっかりとキャップをし、直射日光のあたらない室内で保管してください。 また肥料の種類によっては使用期限がある場合もあります。使用期限が切れた液肥は効果を十分に発揮しないこともありますので、使用期限が切れたものは新しいものに取り換えて使いましょう。
与えるタイミングを見極める
液肥の多くは化学肥料でできており、速効性があります。植物の状態によっては適切に使用しないと反対に植物を弱らせてしまうこともあります。 例えば液体肥料を始め、肥料は植物が弱っているときに与えると刺激が強すぎて、もっと状態を悪くしてしまうことがあります。
液肥を与える前に確認したいのは、栽培環境がその植物に合っているのか、日当たりや温度は適切であるのかをチェックしてみましょう。 植物が液肥を必要としている生育状況であるのかどうかを見極めたうえで、適切な量の液肥を与えるようにします。
水耕栽培におすすめの液体肥料3選
水耕栽培の肥料の役割は人間でいうと主食と副食で取り込む栄養分のことです。 肥料といっても製品によって、成分や配合量が違いますので、適当に選んだ肥料を水に溶かしただけでは、該当する植物にとって必要な栄養分がうまくいきわたらず生長を促すことはできません。 そこで、水耕栽培におすすめの液体肥料を3つご紹介いたします。
液体肥料 ハイポニカ
水耕栽培用の肥料としてよく使われている製品です。そのまま挿して使える1液式と、水にそれぞれ溶かして使う2液式があります。 このハイポニカシリーズは、どれも長期間栽培を続けるうえで、安定して必要な肥料を与えられるので、植物においてどの生長段階においても安心して使用することができます。
微粉ハイポネックス
液体ではありませんが、粉状の肥料です。素早く水に溶けて速効性の高い肥料です。 植物を丈夫にするカリウム成分を多く含んでいることや、株全体を強くするカルシウムが含まれていることで、苗が病害虫や気温の変化などに対する抵抗性を付け、丈夫に育てることができます。
ベジタブルライフA
こちらは1本で野菜や草花に必要な栄養が十分に含まれているため、混ぜ合わせる手間が省けて使いやすい液体肥料です。通常ですと100倍~300倍に薄めて使います。水耕栽培にはもちろんですが、プランターや畑での土耕栽培の追肥として使うのにもおすすめです。
液体肥料は水耕栽培で欠かせないアイテム
水耕栽培を始めるにあたって液体肥料はなくてはならないアイテムですが、種類や成分を見極めて、育てていく植物に適切な肥料を選ぶようにしましょう。水耕栽培に興味を持たれた方は液体肥料を購入するところから始めてみてもいいかもしれません。