モモの花の特徴
バラ科モモ属の落葉低木
女の子の健やかな成長を願うひな祭りになじみの深いモモの花は、バラ科モモ属の落葉低木。学名は Prunus persica と表記します。「Prunus」とはラテン語の「plum(スモモ)」が語源となり、「persica」は「ペルシャのリンゴ」という意味です。
英名は「peach」。和名は「桃」ですが、昔丸くて堅いものを「桃」と呼んでいた古名より由来しています。1本の木にたくさん実がなるので「百(もも)」という呼び名もあったそうです。
中国では不老長寿の木!
昔からなじみのあるモモの花はピンク色の5弁花ですが、最近は朱色、紅色、白、紅白などの色があります。咲き方も八重咲き、花びらの多い菊咲きなど変わり咲きの品種もよく見かけるようになりました。
モモの花(木)の原産地は中国です。開花期は3月~4月、成長した木は高さ2m~3mくらいの大きさで、冬には葉を落とす落葉低木に分類されます。中国では不老長寿の木、邪気を祓う魔除けの木として、庭に植えられてきました。
3月3日が「桃の節句」となった由来
孫悟空でお馴染みの「西遊記」の話の中で、孫悟空が盗み食いをした不老不死になるモモの実は、西王母(せいおうぼ・中国で信仰されていた女神)が自分の誕生日である3月3日に食べるもので、それにちなみ3月3日が「桃の節句」となったという1説があります。
中国の女神であった西王母のご加護によって、女の子が幸せに成長できるように願いを込める日として、西王母の誕生日の3月3日を「桃の節句」としたのです。モモの花は西王母にちなんで昔から女性のシンボルでした。
日本でもモモの花は邪気を祓う花!
ウメの花が咲き終わる季節になると、サクラの花と共にモモの花が咲き始めます。日本でもモモの花は邪気を祓う花とされていることから、女の子の幸福と成長を願う行事として、モモの花の見ごろの時期に「桃の節句・ひな祭り」が広まりました。
中国や日本で邪気を祓い女の子の幸せと成長を願う「桃の節句」のイメージから、モモの花には親が娘に寄せる期待が現れた花言葉がついています。春に先駆け枝いっぱいに花を咲かせるモモの花は、形も色も幸福感に満たされる姿をしています。
モモの花の花言葉
「気立てのよさ」
モモの花を代表する花言葉は「気立てのよさ」です。由来は中国や日本で「桃の節句・ひな祭り」の行事が行われるようになった話に由来し、昔から女性のシンボルであったモモの花のイメージから生まれた言葉です。
3月3日の「桃の節句・ひな祭り」には、モモの花を飾って女の子の健やかな成長を願い、幸せを見守りお祝いします。その想いをモモの花に託して、年頃の娘を祝福し、娘たちに期待する言葉が「気立てのよさ」という花言葉でイメージされているのです。
中国の詩集で娘を祝した詩がある!
モモの花の花言葉「気立てのよさ」は、中国最古の詩集「詩経(しきょう)」にある古体詩「桃夭(とうよう)」に、「若々しいモモの木の紅い花のようなその娘が嫁げば、きっとその家族は幸せに過ごすことができるであろう」という内容の詩があります。
これはモモの花に託して年頃の娘を祝福した有名な詩です。こんな昔から女性のシンボルとされていたモモの花。若き女性に期待する想いがモモの花の花言葉「気立てのよさ」の由来です。
「天下無敵」
愛らしい花姿とは裏腹に、モモの花には「天下無敵」という力強い花言葉でもイメージされています。「天下無敵」という花言葉の由来は、中国や日本では、モモは邪気を祓う神聖な力があり、不老不死の霊薬と信じられていたことにちなみます。
特に中国では、モモの実は不老不死や長寿、そして繁栄のシンボル。昔話の「西遊記」の中でも「モモの実を食べれば、不老長寿の力にあやかり天下無敵となる」と孫悟空が盗み食いをした話は有名です。
「ももたろう」もモモの霊力を持つ男の子!
誰もが知っている日本の昔話の「ももたろう」。桃から生まれそして鬼退治に行く話です。これも不老不死の霊力を持つモモの実から誕生したため、強い男の子に成長した昔話です。「ももたろう」も「天下無敵」の花言葉を象徴した話だといわれています。
「私はあなたのとりこ」
日本や中国だけではなく、欧米でもモモの花は女性の象徴とされています。欧米では「私はあなたのとりこ」という花言葉で桃の花をイメージしているのです。由来は、愛らしいモモの花は「見ると釘付けになるほど可愛い」とたとえられているからだという説があります。
また日本でも中国でもそして欧米でも、モモの花は女性のシンボルとされていることに由来し「私はあなたのとりこ」という言葉で単にイメージされている説もあります。
花言葉に由来する日本の伝承
「魔除け」という花言葉
モモの花には魔除けのパワーがあることは、今の時代にもその風習が残っています。たとえばモモの花を描いたものを門の両脇にかけると、門の神様が悪鬼を退治してくれるという伝承もその1つです。
またモモの形をした饅頭をお祝いの席で食べると幸福が来るという伝承から、結婚式のテーブルや、出産祝いに振舞われるのも、モモの花の「魔除け」のパワーにちなむ伝承です。これは中国の女神である西王母の誕生日の祝いの席に出された不老不死のモモの名残とも言われます。
モモの木で作った刀は仙力が宿る!
女性のシンボルとされるモモの花ですが、モモの木の「桃」とは音読みで「刀」という字と同じ「トウ」と読み、昔は音が似ていることから、モモの木で作った木刀には仙力が宿るとされていました。
そんなことで男の子が生まれたときは、モモの弓をお祝いに贈る風習が昔の日本にありました。モモの花を咲かすモモの木の持つ「魔除け」のパワーは女の子だけではなく男の子にもパワーをもたらせていました。
モモの切り花を長持ちさせる方法
切り口の断面を大きくカット
モモの木がある庭では、サクラの咲く季節と前後しながら、優しいモモの花の香りと共にモモのお花見も待ち遠しいです。切り花にした場合の花持ちは3~5日くらいですが、ちょっとした工夫で少し長くモモの花を楽しめます。
たとえば水に浸かる部分の葉っぱをすべて取り除き、細い枝なら切り口を斜めにカットします。太い枝であるなら、よく切れるハサミなどで十文字に枝の切り口に切り込みを入れてください。このように切り口を処理することで水揚しやすくなります。
切り口を焼く
木の切り花は樹液が出ないように切り口を軽く焼きます。熱でダメージを与えないように、予め少し湿った新聞紙で切り口を包んでしばらく置きます。それから先端より2cm~3cmのところをガスバーナーで炭化するまで焼きましょう。
炭化するとは軽く墨ができる状態です。炭化した後は、固まった墨の樹液の塊を歯ブラシなどで取り除いてください。そうすることで長くモモの花を楽しむことができます。
水に栄養剤を入れる
器に飾るときは水を少なめにし、水には市販の栄養剤を入れてあげるとよいでしょう。切り花にとって栄養剤は「ごはん」のような存在です。栄養剤を入れてあげると養分がもらえるので、元気に長持ちしてくれます。
切り花は器の中の水に細菌が繁殖してしまうと枯れてしまいます。そのために水は毎日替えましょう。また水に浸る部分にぬめりがあれば、その部分を水でよく洗うか、カットしてください。栄養剤には殺菌剤も入っているので水が腐らない優れもの!ぜひご利用ください。
花言葉を知ってモモの花を飾って祝おう!
3月3日は桃の節句・ひな祭りです。花言葉でもイメージされているモモの花を飾って、女の子の健やかな成長と幸福を願ってお祝しましょう。またモモの花には不老不死、魔除けのパワーがあり「天下無敵」という花言葉もあります。
女性のシンボルとイメージされているモモの花ですが、日本の昔話である「ももたろう」のように男の子もモモの花にあやかり天下無敵の力強さにあやかれる伝承があります。モモの花言葉を知って、春を迎える季節にはモモの花を飾り観賞してください。
花言葉についてもっと知りたい方はこちらもチェック!
当サイト「暮らしーの」では、花言葉についてほかにもまとめています。特に月曜日は連載して季節の花を紹介しながら、その花の花言葉や名前の由来、その花にまつわる伝説を解説中!花を贈るときにはメッセージの代役ともなる花言葉についてもっと知りたい方はこちらもチェックしてみてください。

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