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初心者にもおすすめの剣山登山コース7選!季節ごとに変化する山も楽しめる!

剣山(つるぎさん)は徳島県の中央部にあります。西日本では愛媛の石鎚山に続く2番目に高い山で、標高は1,955m。徳島の最高峰ということで人気が高く、四季を通じて登山者が絶えません。比較的楽に登れる山・剣山への登山コースを詳しく紹介します。
2021年3月2日
カレーパン
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剣山は初級の登山コースから上級向けまで完備

Photo by cotaro70s

剣山は1,955mの高さで、徳島では最も高い山。日本の百名山や花の百名山にランクされます。リフトに乗れば観光客クラスでも楽に登れるし、上級者向けのコースもあって、特に夏の登山シーズン期間中は登山者が多くなる山です。

剣山という名前からは険しい岩山を想像しますが、名前とは違って頂上はお椀を伏せたような形です。立木はなく、一面のクマザサに覆われた広くてなだらかな山頂だけに、そこからの展望はすばらしいものがあります。※この記事は2021年2月の情報によります。


 

剣山の登山コースは複数あって難易度いろいろ

剣山という名前になったのは、山頂下の大剣(おおつるぎ)神社のご神体である尖った大剣岩から、といわれます。もう一つ、屋島の合戦後にここへ逃れた安徳天皇の剣を山頂の宝蔵石に埋めたから、という説もありました。

宝蔵石といえば、イスラエルからの渡来人がソロモン王の秘宝をこの下に埋めたというミステリーめいた伝説もあります。それはともかく、剣山は古来山岳信仰の対象になっていて、神社や寺院が数多く存在するパワースポットなのです。

容易に登れる剣山にはいろいろな登山道がある

日本百名山でみても、剣山の登りやすさはTOP3に入るとか。確かに夏に登るだけなら特別な装備はなくても大丈夫です。でも、冬季は初心者では無理な雪山に変わります。夏山シーズン以外はしっかりした登山装備ででかけましょう。

剣山への登山口で、ほとんどの人が選ぶのはアクセスしやすい見ノ越です。そこから山頂まで登る方法は、難易度によって複数のルートがあります。まずは剣山へのメインルート・見ノ越から山頂へ向かう道を3つ紹介しましょう。

剣山へ登る主要なルートは見ノ越経由の3コース

見ノ越ルート①初心者には早くて楽なリフトがおすすめ

登山口の見ノ越と西島の間約800mにはリフトがあります(冬季期間中は休止)。高度1,420ⅿの見ノ越から、15分で1,750ⅿの西島まで引き上げてくれるリフトです。リフトを降りたら、あとは200ⅿの標高差を登れば頂上に到着します。

リフトから降りると、すぐに頂上のヒュッテが視界に入ります。そのままメインルートを進めば、約35~40分で頂上です。登山道は多くの人に踏み固められて歩きやすく、無装備の初心者にはおすすめの登山方法になります。

見ノ越ルート②見ノ越から徒歩で大剣神社・稜線から頂上へ

徒歩で見ノ越から西島へ登り、そこで右寄りの道を通るルートもあります。このルートは大剣神社を経由して剣山と隣の次郎笈(じろうぎゅう)の間の尾根まで登り、そこから山頂へ向かいます。大剣神社から二見展望所を通って、山頂まで1.5時間の道のりです。

このルートでは、ご神体の大剣岩を拝観して大剣神社へお詣り。そのまま頂上へ行けますが、ここは二見展望所へ寄って剣山と次郎笈が一望できる景観をおすすめします。やや長めのコースですが、初心者でも危険はありません。

見ノ越ルート③西島から行者場へ分かれると上級者向けコース

この道は最も難所が多く距離も長いのが特徴で、装備がしっかりした中・上級者向けでしょう。見ノ越から徒歩で刀掛けの松の前を通って、行者道を東の一の森へ向かいます。

行者道の分かれ目から200mほど行くと、信仰の山・剣山の特徴でもある胎内くぐりなどの修行場、神社がある行者場です。ここから一の森の稜線に出るまでは、転落する事例が多いコースなので注意して行動してください。

登山コースは自分に合わせて使い分け自由


剣山の登山ルートで、メインになる見ノ越登山口からのコースは分岐が多く、紹介した3コース以外にも登山道がいろいろあります。それぞれ特徴があるので、地図でショートカットを探したり、登りと下りで使いわけるのがおすすめです。

例えば登りは楽な直登コースで頂上へ行き、帰りは次郎笈への稜線途中から展望所・大剣神社を回って下りる方法など。なお、行者コースは下りより登りが安全なので、先にこちらから登りましょう。

なだらかな剣山山頂は全方向が見渡せる絶景スポット

剣山は登りやすいとはいえ、坂道の連続には息が切れます。やっとたどり着いた剣山の山頂は、なだらかな草原です。一面のクマザサに覆われた丘陵なので、周囲は360度すべてが見渡せる大絶景が広がります。

それぞれのシーズンごとに、ここからの景色は変化します。特に秋の紅葉時期は、周りの四国山地は息を飲むような極彩色。見事な景観は、言葉が出ないほどの美しさです。条件がいい晴れた日には、遠くに瀬戸内海、西には三嶺から石鎚山の姿も見られるでしょう。

見ノ越以外にコリトリ橋からの登山口が1コース

コリトリ橋 ・ 富士ノ池登山口は昔の参拝本道

剣山北側からのの登山道は、もう一つあります。信仰の登山では主参道だったコースで、国道438号の垢離取(コリトリ)橋から林道へ入った富士の池が登山口です。ここから一の森へ登り、そこから稜線をたどると1時間で剣山の頂上に到着します。

登山口からすぐ山道ですが、途中の眺めは今一つ。2時間ほど登り続けて笹原に変われば間もなく一の森になります。この稜線から見えるのは剣山と次郎笈の美しい姿で、これがこのコースの大きな魅力です。

危険なところがなく難易度が低いコース

富士の池には20台ほどの駐車場とトイレもあります。コースには特に難しい部分はありません。地図なしでも迷わないしっかりした登山道で、装備が弱い初心者でも問題なく登れるでしょう。

ただ、垢離取の標高は760mで、山頂までの高度差が1,200mあります。急こう配なので、初心者が日帰りするとかなり疲れるかもしれません。見ノ越ルートよりは登山道らしい道で、経験がある登山者なら山に登った満足感が味わえます。

南からの剣山登山・奥槍戸登山口などの3コース

剣山南面からの登山コースは、四国山地・剣山山系の南側を走るスーパー林道沿いにあります。徳島市から国道498号・193号を経由して県道295号に入り、その先でスーパー林道に出会う部分にある登山口が大ぼら橋です。

そこから左方向に4.2㎞行ったところが奥槍戸登山口、林道を右方向に4㎞行ったところが槍戸山登山口、といった位置関係になります。

①次郎笈を通る奥槍戸登山口ルートは中級以上向け

剣山南側から登る登山道の一つ目は、奥槍戸から入って剣山の隣の次郎笈へ登り、そのまま前に見える剣山の頂上へ向かう登山道です。登山口は剣山スーパー林道の剣山トンネル近くにある休憩施設「山の家奥槍戸」の脇から伸びています。

駐車場があり、トイレや食事もできる休憩所です。ここから登山道に入り、次郎笈まで1.5時間、もう1時間歩いて計2.5時間で剣山着のルートになります。危険はありませんが、体力的・装備的にある程度の経験者向けコースでしょう。

②ほら貝の滝経由の登山コースも体力勝負

この登山口は大ぼら橋登山口からスタートです。沢に沿って斜面をひたすら登り、沢の渡渉もあります。ほら貝の滝まで1.5時間ですが、その間ザレている部分、ロープ場、はしご場など難所が多いので注意してください。

滝を過ぎてから頂上までは登るにつれて笹原になり、ひざから下が濡れてしまうかもしれません。滝から山頂の観測施設まで1.5時間が目安です。技術的にも装備面でも中・上級者向けでしょう。上級者なら日帰りが十分可能です。

③槍戸山からの登山口は登山の熟練者向け


このコースは登山口から2時間かけて1,824mの槍戸山に登り、そこから1時間稜線をたどり、高度を50m上げて一の森に着きます。それからまた1時間稜線を通って剣山に到達です。延べ4時間かかるロングコースなので、ここも初心者には厳しいでしょう。

このコースの魅力は、2時間たっぷりの稜線歩き。そこからは一の森から剣山、次郎笈、三嶺と、美しい山が常に見られる絶景コースです。コース上の眺めは登頂にも劣らない登山の醍醐味ということが実感できるでしょう。

槍戸山登山口は初心者にはおすすめできない

槍戸山登山口から登る方法は初心者には少し厳しいでしょう。登山口自体がわかりにくく、登山道もはっきりしない特徴があります。中・上級者なら地図を読んだり尾根を目指すなどで対応できますが、初心者では困難です。

登山道にはロープ場もあるし体力的にも厳しいので、経験豊富な人と同行してください。ベテランになれば余裕があり、たいていは大ぼら橋か奥槍戸へ下りる周回コースを日帰りでこなします。

剣山登山口へのアクセスは季節運休に要注意

公共交通機関で登山口へアクセスする

またJR徳島線の穴吹、貞光、土讃線の阿波池田各駅より、バスによる見ノ越登山口へのアクセスから紹介していきます。
 

【JR穴吹駅】~滝宮乗換~見ノ越 1日1往復:冬季運休
【JR貞光駅】~見ノ越 休止中
【JR阿波池田駅】~久保乗換~見ノ越 1日2往復:冬季運休

富士の池登山口は穴吹駅から滝宮で乗り換えず、終点の川上で下車、徒歩40分です。

奥槍戸、大ぼら橋、槍戸山の各登山口へは、シーズンに関わらず 公共交通機関の運行はありません。

公共交通機関(バス)は季節運休に要注意

剣山があるのは徳島県でも特に過疎が進んだ地域です。人口が少なく、登山に使える公共交通機関は期間限定の季節運行が多くなります。

登山バスの運行期間は例年4月~11月下旬の観光シーズン限定です。シーズン中でも季節によっては運休期間があるので、利用前には確認をおすすめします。

徳島県HP

  • 公式サイトURL
    https://www.pref.tokushima.lg.jp/ippannokata/kyoiku/kanko/5037288/

剣山登山口へ車でアクセスする

剣山へ登るには車が便利です。どの季節でも使えるし、時間の制約もありません。登山はどの季節でもオンシーズンなので、制限があるアクセス方法は困ります。

最初は北側から見ノ越登山口への車によるアクセス方法です。

徳島市内から:国道438号で見ノ越 約2時間半
徳島道脇町ICから:国道492号で見ノ越 約1時間50分
徳島道美馬ICから:国道438号で見ノ越 約1時間20分
徳島道井川池田ICから:国道32・439号で見ノ越 約1時間40分



 

剣山南側からのアクセスはほぼ1本道

剣山の南側・槍戸山側からは、車でしかアクセスできません。徳島市から約90㎞で、ルートは途中まで2つあります。

まず国道438号で神山町経由→193号→県道295号→スーパー林道との合流点が「大ぼら橋登山口」です。林道を左へ4㎞行くと「奥槍戸登山口」、右へ約4㎞行くと「槍戸山登山口」に到達できます。

もう一つは県道16号で勝浦町経由→国道193号→県道295号で先のルートと合流します。時間はどちらも3時間あまりかかる長丁場です。

剣山登山でこれは押さえたい観光スポット3選

剣山の登山コースはバリエーションがとても豊富でした。自分で工夫すれば、もっと楽しいコースが実現できるでしょう。そのコース沿いにはぜひ見ておくべき、特徴的なものがいくつもあります。その一部を紹介しておきますので、登山の時には忘れないで見てきてください。


剣山のおすすめスポット①剣山頂上ヒュッテ

見ノ越から登ると、必ず見えるのが山頂にあるヒュッテです。ここがおすすめなのは、窓から眼下を眺めて飲むコーヒーがすごくおいしいから。晴れて見通しがいい日は、四国山地の主だった山がほとんど視界に入ります。そして、秋は全方向に広がる紅葉の絶景が必見です。

冬は休業なので、期間中の雪景色が見られないのが唯一残念ではあります。四季折々で移り変わる景観を見ながら、ヒュッテで飲むインスタントコーヒーをぜひ味わってください。

頂上ヒュッテはできれば泊まりたい

頂上ヒュッテでは、ほとんどの人が一時休憩で立ち去ります。でも、ここでは食事はもちろん、宿泊も可能です。希望すれば個室でゆっくり眠れるし、風呂もトイレも使えます。

剣山の夜は、日本でも有数の暗さと評価されているのも特徴です。そこのテラスで満天の星空を眺めてゆっくり眠り、翌朝はご来光をありがたく拝みましょう。非日常の一夜が過ごせる、ヒュッテでの一泊をおすすめします。
 

剣山のおすすめスポット②宝蔵石

山頂脇にある大きな岩が宝蔵石です。壇ノ浦で入水したはずの安徳天皇が生きていて、宝剣を収めたというミステリーが語られる場所。もう一つ、ソロモン王の時代に消えた聖櫃(アーク…神からの授かり物の容器)が、実はここに埋められているというミステリーもあります。

剣山の山名由来の場所でもあるので、宝蔵石神社へ参拝して御朱印(土日のみ)をもらいましょう。ミステリー好きの女子におすすめで、500円です。

剣山のおすすめスポット③キレンゲショウマの群生地

登山コースの途中のある刀掛けの松から、行者場への道に入りましょう。行者の修験場を過ぎたあたりに、希少な高山植物・キレンゲショウマの群生地があります。旧暦のお盆頃が見頃で、草丈が1mあって明るい黄色の花なのですぐわかるでしょう。

剣山は花の百名山にも数えられる山なので、他にもシコクフウロやツルギハナウドなど珍しい植物が数多く見られます。先を急がずゆっくりと花を眺めて歩く登山もいいものです。ロマンチックな女子におすすめします。

まとめ・剣山は名前とは違うおだやかな高山

西日本第二位の高峰・剣山のなだらかな山頂からは、剣のイメージは出てきません。名前の由来は記事に書いた通りですが、そこへ行く道がバリエーション豊かなのも剣山の特徴です。

徳島県民が親しみを感じるのも、その登りやすさからでしょう。その気になればスニーカーで出かけて夕方には帰ってこられます。その一方で、山好きの人には心ゆくまで登山が楽しめる山でもあるのです。

誰でも登れてその景観・楽しさは一級品。そんな上質な山が剣山です。アクセス良好な剣山へ、ぜひ一度登ってみてください。

四国にいったら見逃せないお楽しみスポットはここ!

四国は小さなエリアという印象がありますが、橋を渡ってみれば見どころがとても多いところです。景色もいいし移動のしやすさも特長の四国で、おすすめしたい観光スポット記事を挙げておきます。これを参考にぜひ訪ねてみてください。