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【難易度別】船形山(御所山)の登山ガイド!神秘的なブナの森で癒されよう!

船形山(御所山)登山をと考えている方に、船形山(御所山)の登山ルートを初級から上級まで詳しくルートを解説したいと思います。その前に船形山(御所山)の場所と、名前が二つある理由などを紹介しましょう。場所は宮城県と山形県の県境で、登山は両県からルートがあります。
2021年3月16日
おわっシー
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はじめに「船形山(御所山)」とは

船形山は北の栗駒山、南の蔵王山と並ぶ宮城・山形両県の県境にそびえている名峰で「日本に百名山」に名を連ねています。山頂までは奥深くアクセスは大変ですが、初心者でも登れます。宿泊は出来ませんが避難用山小屋が山頂に設置され、荒天候でも安心して登山できます。

かっては広い山塊全域を樹齢200年を超すブナの原生林が茂ってましたが、無秩序な伐採が横行し結果ブナの原生林は激減しました。1985年に「船形山のブナを守る会」を創り立ち上げた結果、宮城県や東北の「ブナを守る運動」へと広がりました。

ブナの原生林は健在

山の奥深さとブナ林の美しさは今でも健在です。レベルの低い登山の初心者も可能な升沢コースは、登山口の駐車場から4時間25分で登頂でき、高いレベルが求められる小栗山コースは1時間30分で登頂に立つ事ができます。

船形山は船形連峰の主峰で、南北に25km、東西に30kmの山稜が続き、1200mを越える山を20ほど数える事が出来る一大山塊です。名の由来は、宮城県側から見ると「船を伏せた形」に見える事から船形山の名が付いた言われています。

 

登山口近くには美しい沼が

大滝キャンプ場のすぐ傍らににるり沼と呼ばれる鈴沼があります。この沼は前船形山の地すべりによってできた堰止湖です周囲の山々からの伏流水が多量に流れ込んでおり、澄んだ美しい水をたたえ湖底より再び地下水となって遥か遠くに湧水しています。

浅く広がる湖底には寒冷地特有のでアオミドロが生えそれが瑠璃色を呈しています。湖畔にはサワグルミ林が、湖面には朽ちたサワグルミの根株が点在し、松島のような風情を醸しています。

 

船形山登山(難易度初・中)升沢コース

船形山升沢コースアクセス情報

旗坂キャンプ場

  • 住所
    〒981-3625
    宮城県黒川郡大和町吉田
  • 公式サイトURL
    https://www.town.taiwa.miyagi.jp/map/kanko/1544.html
  • 電話番号
    022-345-1184
  • アクセス
    車利用: 東北自動車道:大和IC~凡そ40分・距離は約26kmバス利用:JR仙台駅~宮城交通バス(吉岡町行き)吉岡上町下車
         吉岡町~旗坂キャンプ場・タクシーで40分
  • 駐車場
    あり
    無料(40~50台)
  • 定休日
    4月下旬~11月下旬
    ※天候によって期間が変更される場合があります。

船形山登山・升沢コース概要

船形山(御所山)登山の升沢コースの概要は下記のように、出発してから下山まで5時間15分の日帰り登山コースです。初心も可能な登山ですが無理をしないように注意しましょう。

POINT船形山(御所山)登山・升沢コース

  • 旗坂キャンプ場(130分)
  • 三光の宮(100分)
  • 千畳敷分岐(25分)
  • 船形山山頂(60分)
  • 旗坂キャンプ場

①船形山登山・升沢コース往路

升沢コースは宮城県側から入り、途中にあるブナ林の中を抜けて歩く、往復約8時間のロングコースです。安全な山登りを目的に、登山道には番号標識が1番から30番まで設置され初心者レベルの登山者も安心して登山できます。

このように登山としての難易度は低い山の為、高い登山レベルは要求されません。ただし駐車場を出てから頂上までは距離があり体力や持久力が要求されます、常にマップで現在位置を確認しながら安全に登る事が大切です。

 

②船形山登山・升沢コース往路

駐車場のある旗坂キャンプ場に設置された標識の番号は30番です。この登山口をスタートすると直ぐに道は急な登り坂になります、その為11月を過ぎて冬の時期に入ると、登山道に雪が積もり初心者レベル登山者では歩行が困難となります。

このスタート地点を出発した後、きつい登り坂が続きますが、28番標識を過ぎると緩やかな道に変わります。登山道の周りの光景は、新緑の時期は爽やかな緑で、秋の時期には美しい紅葉が11月迄楽しめるます。

③船形山登山・升沢コース往路

マップで現在位置を確認しつつ、緩やかな道を歩いて行きます。やがて、15番標識を越えた辺りにある三光の宮に到着します。少し外れた場所に展望スポットがあり、そこからは遮るものが無い360度のパノラマが楽しめます。

そこで見える光景には、登山初心者だけでなく何度も訪れた経験者も、思わず歓声を上げてしまう場所です。そこから遠望する北泉ヶ岳や七ツ森の光景は、まさに絶景そのもので疲れが吹き飛ぶ感覚を覚えます。

④船形山登山・升沢コース往路


三光の宮を出発し升沢小屋を過ぎた頃から、道は沢伝いになり足元が悪くなります。足元のぬかるみに注意しながら登り切れば視界は開け、遠くに船形山の頂や山小屋が見えますが、この山小屋は避難用の為宿泊はできません。

船形山の山頂は、遮るものが一切無いという360度の大パノラマが広がっています。船形連峰の名峰である北泉ヶ岳に白髪山そして、黒伏山などの山々を一望のもとに見渡すことができ、山を征服した満足感が味わえます。

下山はルートを変えて大滝キャンプ場の駐車場へ

ここで少し休憩してから下山ですが、下山ルートは来た道を下りるか、蛇ヶ岳経由のルートで下りるのも一考です、違う景色が楽しめるためおすすめですが、常にマップで現在位置を確認しながら下山しましょう。

下山時は山を登るときと違って、膝への負担が相当なものとなります。一歩一歩確実に歩を進め安全に下りる事が大切です、途中には不安定な石が置いてある場所もあります。誤って、浮き石を踏むことが無いよう気をつけてください。

船形山登山(難易度中)早春の色麻コース

大滝キャンプ場が基点ですが、このルートを春に登るにはスタート地点のキャンプ場まで続く、保野川林道と小荒沢林道の冬の時期に積もった雪が融け道が開通して初めて可能です、雪解けまでは登る事ができません。

雪が融けこれら林道が開通するのは例年5月の連休あたりですが、雪が多い年は数週間も遅れる事があり事前の下調べが重要です。駐車場からの春の日帰り登山ですが、相当な悪路を覚悟する必要で初心者には困難なルートです。
 

登山口までのアクセス情報

大滝キャンプ場

  • 住所
    〒981-4151
    宮城県加美郡色麻町小栗山字大船形山地内
  • 公式サイトURL
    https://www.nihon-kankou.or.jp/miyagi/044440/detail/04444ca3430054751
  • 電話番号
    【色麻町産業観光課】TEL:0229-65-2128
    FAX:0229-6-4400
  • アクセス
    マイカー:東北道大和ICを下りて、国道3号線及び147号線経由、小荒沢林道経由で約30km鉄道:  東北新幹線古川駅~宮城交通バス利用(約35分)~色麻町役場到着
         色麻町役場~登山口・タク...
  • 駐車場
    あり
    普通車20台
  • 営業時間
    営業期間;6月~11月

船形山登山・色麻コース概要

船形山(御所山)登山の色麻コースの概要は下記の通りです。大滝キャンプ場出発して下山まで6時間10分の、冬季の日帰り登山コースです。冬のの登山ですが無理をしないように注意しましょう。

POINT船形山(御所山)登山・色麻コース参考コースタイム(冬期)

  • 大滝キャンプ場~1時間30分
  • 三光ノ宮~1時間
  • 升沢小屋~1時間
  • 千畳敷分岐~30分
  • 船形山~1時間10分
  • 夕日沢コース分岐~1時間
  • 大滝キャンプ場到着

①船形山登山・色麻コース往路

大滝キャンプ場を出発し、色麻コースを西に100mほど進むと三光ノ宮分岐に出ます。そこで南の方角に進み、折れて下ると小荒沢の徒歩点に着きます。川の中の石の上を伝い渡りますが、雪解け水が多く流れも速いので注意が必要です。

稜線まで約200mの登りで、千本松山と呼ばれる「キタゴヨウ)や「クロベ)の林の中を進み、三光ノ宮の直下で升沢コースと合流です。三光ノ宮は船形山火山の溶岩流末端の小岩頭で、そこには月日星を祀る石碑が置いてあります。
 

②船形山登山・色麻コース往路

三光ノ宮から蛇ヶ岳の北斜面を西に約2km進めば、山小屋の升沢小屋に到着です。その山小屋は高度1200mの地点にある避難小屋用のため宿泊はできません。升沢小屋を出て小沢を下り、尾根に出て続いて歩けば千畳敷への分岐に出ます。

③船形山登山・色麻コース往路

この分岐点から夏の尾根を歩きます、周囲は低木となっている為見晴らしが良くなり、やがて舳先ノ峰(へさきのみね)にでて、そのまま尾根を進めば船形山の山頂に到達です。山頂に一等三角点や、南側に御所神社の小祠が祀られています。

東側には避難用の山小屋が建っていますが宿泊はできません。山頂から南側には蔵王連峰が、北には鬼首(おにこうべ)の山々や栗駒山が、西の方角には朝日連峰、月山、葉山、鳥海山などの山々が余すことなく眺められます。

船形山登山・色麻コース帰路

船形山の山頂を後にして、帰路は色麻コースを下ります。この色麻コースは山頂から北に続く「艫の峰(とものみね)」(薬師森)から雪の斜面を降り、融水の遮る(さえぎる)急な登山道を下りるので慎重に行動しましょう。

この斜面から船形山と鏡ヶ池を眺める事が出来、斜面を下れば夕日沢コースの分岐に出ます。ここからは再びブナ林の中を通る道となり、小さな登り下りを繰り返しながら、宿泊のない日帰り登山のゴール大滝キャンプ場に着きます。
 

船形山登山(難易度中)観音寺コース


山形県側からアプローチする観音寺コースは、他の登山コースと違って、登山口の標高が1000mを越えた地点からのスタートとなり、他コースより標高差が少ないコースで、スタート地点からはほとんど標高の同じ登山コースを歩きます。

登山コースの中盤から後半にかけて急な登り坂が続き、コースの所要時間は5時間25分です。登山装備が必要な事と、登山経験とマップを読み取る能力が求められるルートです、登山の難易度はとしては中級レベルの登山コースです。

 

山形県側の御所山の名の由来

山形県では御所山呼ばれ、古くから水神を祀る霊山として信仰の対象となってきました。又水源の森として大切にされ、水上弁財天を祀っています。名の由来は、佐渡に流刑された順徳天皇の落ち延びた為、この名がついたとされています。

登山口までのアクセス情報

柳沢小屋

  • 住所
    〒999-3723
    山形県東根市観音寺
  • アクセス
    自動車:東根市から20km、黒伏高原スノーパークを通り過ぎ、観音寺コースの方へ進んだ林道上
  • 営業時間
    通年(無人)
  • 駐車場
    あり
  • 電話番号
    なし

観音寺コースの概要

船形山(御所山)登山の観音寺コースの概要は下記の通りです。柳沢小屋を出発して下山まで休憩時間も入れて6時間18分の、結構ロングな登山コースです、無理をしないように注意しましょう。

POINT船形山(御所山)登山 観音寺コース概要

  • 観音寺コース登山口・柳沢小屋~30分
  • 栗畑~56分
  • 仙交小屋跡分岐~1時間5分
  • 升沢・観音寺コース分岐~1時間30分
  • 船形山
  • 升沢・観音寺コース分岐~40分
  • 仙交小屋跡分岐~51分
  • 栗畑~26分
  • 観音寺コース登山口・柳沢小屋到着

①船形山登山・観音寺コース往路

登山口の標高はすでに1000mを越えた地点からで、他の登山コースとの大きな相違点は標高差が少ないことです。ただこのコースの半ばまでほぼ平坦は道を歩きますが、登山コース後半になると急な上り坂が頂上まで続くことになります。

登山口には木製が看板が設置してあって、そこが登山口である事を表示してます。そこからの歩行は、樹林帯の中を続く緩やかな山道を、周り一帯に茂っているブナ林の美しさを鑑賞しながら、マップを片手に登山道を歩いて行きます。

②船形山登山・観音寺コース往路

ブナ林の中を歩きだしてから約1時間半を過ぎたころに到着する定義分岐点跡から、緩やかだった登山道は急坂に変わります。その登山道の勾配の激しさを表現するなら、2km歩行で高度が500mも上がるという激しさです。

荒れた急な登山道は、山頂の直下まで続きます。それまでの緩やかな登山道が嘘のように急変し、登山に不慣れな「登山初心者」を悩ませますが、山頂には避難する山小屋も有り安心ですが宿泊はできません。

③船形山登山・観音寺コース往路

登山コース後半に待ち受けている急な坂道に難儀しながら登り続けると、やがて目の前には大きく視界が広がる山頂に到着します。定義分岐点跡から1時間半ほどマップを片手に歩けばやがて山頂に到着します。

そこには目に出来るのは、船形連峰が大パノラマとなって広がり、急坂を登ってきた登山客をねぎらってくれます。特に秋にもなれば、全山が一面紅葉になった景色が現れ登山者の疲れを癒してくれるでしょう。

④船形山登山・観音寺コース往路

この観音寺コースは、升沢コースや小栗山コースのように東からの登山コースと違い西側(山形県側)から登ります。そのため登山途中には、船形山山頂の光景が他のコースと違っており、このコース特有の形を見る事が出来ます。

船形山登山(難易度中・上)小栗山コース

最後に宮城県側からのルートで「小栗山コース」の紹介します。このコースのスタートは色麻町を出発地点とするコースで、登山口にある大滝キャンプ場を出発、小野田コース分岐を経てご来光岩に到着し山頂に至るコースです。

コースタイムは全行程2時間50分と色麻コースより短く、しかも登山口の大滝キャンプ場から山頂までは1時間40分で到着します。ただ、岩場が多くかなりの難コースの為、地図の読み取り能力を必要とします。

登山口までのアクセス情報


大滝キャンプ場

  • 住所
    〒981-4151
    宮城県加美郡色麻町小栗山字大船形山地内
  • 公式サイトURL
    https://www.nihon-kankou.or.jp/miyagi/044440/detail/04444ca3430054751
  • 電話番号
    【色麻町産業観光課】TEL:0229-65-2128
    FAX:0229-6-4400
  • アクセス
    マイカー:東北道大和ICを下りて、国道3号線及び147号線経由、小荒沢林道経由で約30km鉄道:  東北新幹線古川駅~宮城交通バス利用(約35分)~色麻町役場到着
         色麻町役場~登山口・タク...
  • 駐車場
    あり
    普通車20台
  • 営業時間
    営業期間;6月~11月

船形山登山・小栗山コース概要

船形山(御所山)登山の小栗山コースの概要は下記の通りです。大滝キャンプ場出発して山頂まで1時間40分と短い時間で登山できるコースです。途中には急な岩場を登るかなりのハードな登山コースです。

POINT船形山(御所山)登山小栗山コース概要

  • 大滝キャンプ場~50分
  • 小野田コース分岐~43分
  • 御来光岩~7分
  • 船形山山頂

①船形山登山・小栗山コース登路

小栗山コースはスタートから大変な道ですが、船形山へ最短の時間で登頂できる登山ルートの出発地点です。スタート地点の大滝キャンプ場へのアクセス道路は相当な悪路で17kmも続くダートの為、車高の低い車では通れません。

四輪駆動車か、車高の高い車をおすすめします。大滝キャンプ場の駐車場は整備され、駐車も20台ほど可能です。設備として炊事場やトイレも完備され、キャンプ場の周りは一帯がブナの原生林です。

②船形山登山・小栗山コース登路

キャンプ場では「人名水」という名水が出ており、船坂山から湧きでるため日本一の霊泉と人気があり、大変美味しい味の為ここまで水を汲みに来るほど人気がある評判の名水が湧き出ています。

コースの前半は升沢コースと同じくブナ林の中を歩いて行き、その先の「小野田コース分岐」からは、岩場を登る大変険しい道のりに変わってきます。しかもこの岩場の道は、急な登り坂が続く困難な道です。

③船形山登山・小栗山コース山頂~下山

急な岩場のぼり坂を登り切ったところには、ご来光岩と呼ばれる巨大な岩があります。この場所から山頂までの距離は300mと近く、登山コースのゴールは目前です、視界が大きく開いた見晴らしの良い稜線を歩き山頂を目指します。

山頂から見えるのは、名峰の鳥海山や月山、蔵王山、大朝日岳が遠望できます。11月の頃の晩秋ともなれば素敵な紅葉も眺められます。山頂からの下りは升沢コースで下山するのも楽しみがあっておすすめです。

船形山登山のまとめ

最後までお読みいただきありがとうございます。宮城・山形両県にまたがっている「船形山・御所山を紹介しました。一度、紅葉の時期や、新緑の時期などに挑戦されてはいかがでしょう。

なお今回は4つのルート(宮城県側から3ルート)そして山形県から1ルートの紹介ですが、雪の積もって「冬の船坂山登山コース」や、山形県側からの「沢登コース」もあり、年間を通じて登山者を楽しませている山です。

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