山と高原地図 雲取山 両神山 2022
SUUNTO スントTRAVERSE トラバース
雲取山は日本百名山のひとつ
雲取山は、日本百名山のひとつとして名高い山です。日本百名山とは、作家の深田久弥氏が、同名の著書の中で日本全国から選出した山々を指します。
登山家としても精力的に活動していた深田氏が、実際に登った経験から選んでおり、どれも甲乙つけがたい魅力的な山ばかり。各都道府県から満遍なくピックアップされているのですが、実は東京都では雲取山が唯一の百名山なのです。
雲取山は東京都最高峰
雲取山の標高は2,017M、東京都で一番高い山です。低山の多い東京都において、唯一2,000Mの大台を越えています。先に紹介した通り、都内唯一の百名山でもあり、まさに名実ともに東京を代表する名峰と言えるでしょう。
標高の割には登りやすい、登山初心者にもおすすめの山です。東京から電車でもアクセスしやすいのもポイントでしょう。
山頂からの絶景は必見
雲取山は、山頂からの眺望がよいことでも有名です。天気がよければ、富士山や南アルプスまで見渡せます。苦労して登った先で目にする絶景は、何物にも代えがたいもの。低山しか登ったことのない登山初心者にこそ、見て頂きたい景色です。また、雲取山で宿泊するなら、ぜひ満点の星空もお見逃しなく。
雲取山は日帰りで登山できる?
雲取山には大きく3つの登山コースがありますが、いずれも体力があれば、初心者でも日帰り可能です。ただし、どのルートも、登り・下りともにコースタイムは約5時間、往復で最大10時間程度かかる計算になります。
これに休憩や食事などの時間がプラスされるので、早朝からスタートするなど、十分に余裕のある登山計画が必要と言えるでしょう。それほど複雑なルートではありませんが、地図はもちろん必須です。
雲取山の日帰り登山の難易度は?
雲取山は、コースによっては鎖場や岩場などもありますが、全体的に難所は少なく難易度はそれほど高くなく、初心者でも十分踏破できる山でしょう。ただ、ご説明したようにコースタイムはどれも長くなっているので、ある程度の体力は必要になります。
また人の常駐している山小屋は、それほど多くないこともあり、特に日帰りするなら、地図が読めて柔軟にルート設定できるなど、相応の登山経験はマストと言えるでしょう。
雲取山の日帰り登山ルートは3つ
雲取山の日帰り登山ルートは、大きく分けて鴨沢コース・三峰神社コース・三条の湯コースの3つがあります。鴨沢コースと三条の湯コースは、雲取山の南側にある奥多摩駅方面から登るルートです。
一方、三峰神社コースは、反対の北側、埼玉の秩父方面の三峰神社の方からスタートします。いずれもコースタイムや難易度にそれほど違いありません。
雲取山の日帰り登山では地図は必携
もちろん雲取山に限ったことではないですが、登山において地図は必須です。雲取山は難易度も低く、道もわかりやすいですが、鬱蒼とした林道も多く深い山なので、道迷いによる遭難も十分起こりえます。最近はいろいろなツールも出てきていますが、やはり安全登山の基本は紙の地図です。
特に雲取山を日帰りで登る際には、コースタイムが長くなりがちで、下山が遅くなることも多いでしょう。暗い中での登山は大変危険ですので、途中のルート変更の可能性も考慮し、必ず地図を持参してください。
山と高原地図 雲取山 両神山 2022
地図と併せてスマホのGPSアプリやGPS機能搭載機器を持参するのもおすすめ
最近は専用のGPSロガーだけでなく、GPS機能を搭載したスマホアプリや登山時計も多く出ています。地図よりも優れている点としては、マップやルートの確認だけでなく、現在位置の取得や登山行程の記録も可能なことです。
また、スマホアプリに関しては、緊急時に現在位置情報をメール送信する機能もあります。GPSは、機内モードや圏外でも機能するのがメリットですが、電池が切れてしまえば元も子もありません。いずれにせよ、必ず紙の地図は持参するようにしましょう。
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雲取山の日帰り登山ルート①鴨沢コース
【登山行程】
鴨沢→小袖乗越→堂所→七ッ石小屋→ブナ坂→奥多摩小屋→小雲取山→雲取山(帰りは登ってきた道を戻って下山)
【コースタイム】
登り:5時間20分、下り:3時間30分
登山口である鴨沢には駐車場があり、奥多摩駅からバスも出ています。アクセスがよいので人気のあるコースのひとつです。体力は必要ですが、それほど傾斜のきつくない林道が中心で、途中に山小屋などの休憩ポイントも多いので、最も初心者向けと言えるでしょう。
鴨沢コース:鴨沢~七ッ石小屋まで
鴨沢からしばらくは、針葉樹林帯の緩やかな山道を進みます。傾斜はそれほどありませんが、展望はあまりなく、登りが続くので、少々きつく感じる可能性も。少し先にある小袖乗越まで車で入れ、駐車場もありますので、少しショートカットしたいという方は、そちらを利用するのもおすすめです。
鴨沢コース:七ッ石小屋~雲取山山頂まで
七ッ石小屋からブナ坂までは2つに分岐します。平将門ゆかりの七ッ石神社にお参りしつつ七ッ石山を通るルートと、直接ブナ坂に向かう眺望良好なトラバースの巻き道がありますが、どちらを選んでもいいでしょう。
ブナ坂を越えると稜線に出ます。気持ちのいい尾根道を進んで、奥多摩小屋、小雲取山を過ぎれば、雲取山山頂です。帰りは登ってきた道を使って戻りましょう。
雲取山の日帰り登山ルート②三峰神社コース
【登山行程】
三峯神社→霧藻ヶ峰休憩所→お清平→白岩小屋→大ダワ→雲取山荘→雲取山(帰りは登ってきた道を戻って下山)
【コースタイム】
登り:5時間20分、下り:4時間50分
埼玉の秩父側にある三峰神社から山頂を目指すルートです。登山口となる三峰神社は、パワースポットとして有名で、登山客だけでなく、参拝を目的とした人でいつも賑わっており、駐車場やトイレなどの施設も充実しています。他のコースに比べて登山道も整備されていて、初心者でも歩きやすい人気ルートです。
三峰神社コース:三峰ビジターセンター~地蔵峠まで
登山口である三峰ビジターセンターでは、周辺の草花や生き物の情報が入手できます。予備知識があると、一層登山が楽しめるのでおすすめです。登山口からしばらくは、丸太の階段などよく整備されており、歩きやすい道となっています。
次第にブナの林道が傾斜を増してきますが、特に難所はありません。その先の地蔵峠は、両神山や浅間山など、周辺の山々が見渡せる眺望良好なスポットです。
三峰神社コース:地蔵峠~雲取山山頂まで
地蔵峠からは、分岐を南に進みます。地図を確認して間違えないようにしましょう。霧藻ヶ峰を通って、その先のお清平からは傾斜がきつくなり、登山らしくなります。斜面のトラバースが続き、途中鎖場もありますが、特に高度感はなく危険はないでしょう。急登を登りきって稜線に出ると、緩やかな尾根道になります。
白岩山を通って、その先の分岐を大ダワ方面へ。雲取山荘を過ぎれば、間もなく雲取山山頂です。下山も同じルートですが、意外と時間がかかるので注意しましょう。
雲取山の日帰り登山ルート③三条の湯コース
【登山行程】
お祭り→塩沢橋→三条の湯→青岩鍾乳洞分岐→三条ダルミ→雲取山(帰りは登ってきた道を戻って下山)
【コースタイム】
登り:6時間20分、下り:5時間00分
鴨沢から西に少し歩いたところにある、お祭り登山口から山頂を目指すルートです。途中経由する三条の湯は、まさに秘湯と呼べる風情溢れる温泉で、日帰り入浴や宿泊が可能。初心者でも問題ない難易度ですが、林道が通行止めになっていることも多く、鴨沢コースに比べると登山者は少ないようです。
三条の湯コース:お祭り~三条の湯まで
登山口となるお祭りは、鴨沢と同様、奥多摩駅からバスが出ていますが、本数が少ないのが難点です。鴨沢から徒歩10分ほどの場所にあるので、時間が合わなければ、鴨沢までバスで行って歩くといいでしょう。
お祭りからしばらくは緩やかな林道ですが、土砂崩れなどで頻繁に通行止めになるので、事前に情報を確認してください。橋を過ぎると本格的な登山道です。谷側が切れているトラバース道で、少々高度感はありますが、それほど難易度は高くありません。
三条の湯コース:三条の湯~雲取山山頂まで
三条の湯は日帰り入浴も可能ですが、山頂まで日帰り登山するとなると、残念ながら利用している時間はないでしょう。ここから先は尾根道ですが、角度的に日当たりが悪く、眺望もあまりよくありません。
しばらく進むと、平坦で開けた三条ダルミに出ます。少し休憩して、最後の岩場を登り切れば、雲取山山頂です。帰りは登ってきた道に戻りますが、全体的にコースタイムが長めなので、時間には注意してください。
雲取山の日帰り登山・鴨沢コースへのアクセス
鴨沢は、車でも公共交通機関でもアクセスのしやすい登山口です。
車でのアクセス
登山口となる鴨沢には、無料駐車場があります。ただし、駐車スペースが12台ほどしかなく、繁忙期の休日はいっぱいになっていることが多いので、注意してください。
もし、鴨沢の駐車場に空きがなければ、その先の小袖乗越付近にも無料駐車場があります。こちらは60台ほど停められますし、コースタイムを短縮できますので、特に日帰り登山をする場合は、小袖乗越の駐車場を利用するのがおすすめです。
電車・バスでのアクセス
公共交通機関を利用する場合は、電車でJR青梅線の奥多摩駅まで、登山口の鴨沢までは奥多摩駅からバスで行きます。始発も早朝5時台にあり、6時過ぎには登山をスタートできるので、日帰りでも登山できる計画を立てられます。終発も比較的遅くまでありますが、乗り逃すことのないよう、時間には十分注意してください。
雲取山の日帰り登山・三峰神社コースへのアクセス
三峰神社には大型の駐車場がありますが、休日は混雑するので注意してください。
車でのアクセス
登山口となる三峰神社までは、関越自動車道の花園ICから車で2時間ほど。三峰神社は、有名なパワースポットということもあり、200台以上の駐車スペースが確保された大型駐車場があります。
電車・バスでのアクセス
電車で西武秩父駅まで行き、そこから三峰神社行きのバスが毎日運行しています。ただ、車でアクセスする人が多いためか、本数は意外と少ないので注意してください。
西武秩父駅から歩いていける隣の御花畑駅から電車で三峰口駅まで行き、そこからバスで三峰神社まで行く方法もあります。時間によっては、そちらも併せて検討するといいでしょう。
雲取山の日帰り登山・三条の湯コースへのアクセス
車でのアクセス
登山口となるお祭り周辺には、残念ながら駐車場はありません。そのため、鴨沢コースで紹介した無料駐車場を利用することになりますが、お祭りからも近いので、特に問題はないでしょう。
こちらに空きがなければ、山上の湯コースの林道が抜けたところに10台ほどの駐車スペースもあります。コースタイムも短縮できていいですが、道が狭く、危険を感じる崖もありますので、十分に注意して進んでください。
電車・バスでのアクセス
鴨沢と同様、電車で奥多摩駅まで行き、そこからお祭りまでバスでアクセスすることが可能です。しかし、本数が少ないので、時間が合わなければ、鴨沢までバスで行って、お祭りまで歩くといいでしょう。所要時間は15分ほどです。帰りもバスに乗り遅れないように、事前に時刻表を忘れずに確認してください。
雲取山の日帰り登山は登山口と違うルートの下山もおすすめ
おすすめは三峰神社~鴨沢ルート
上記では、登山口と下山口が同じピストンコースを紹介しましたが、登りとは違うルートで下山するのもいいでしょう。電車やバスなどの公共交通機関利用の場合に限られますが、行きと帰りで二度も同じ道を通るのはつまらない、という人にはピッタリです。
また、登山口が近い鴨沢コースと三条の湯コースならば、車でのアクセスした場合も、登りと下りで別ルートを取ることが可能。通る道が多くなるので、しっかりと地図を確認しながら登りましょう。
雲取山は日帰りだけでなく、1泊2日での登山もおすすめ
雲取山は、日帰りでの登山も可能ですが、日程に余裕があれば、1泊2日での登山がおすすめです。早朝からスタートしなくても、無理のない登山計画が立てられますし、特に電車やバスなどの公共交通機関を利用する場合は、1泊するのが無難でしょう。雲取山で宿泊利用できる山小屋は、雲取山荘・三条の湯の二か所となっています。
初めての宿泊登山にもおすすめの雲取山荘
雲取山荘は、雲取山山頂近くにある山小屋です。午前中から登山をスタート、登頂したのち雲取山荘で1泊、翌日に下山というのが、雲取山登山の最も一般的な行程でしょう。雰囲気ある建物ですが、メンテナンスが行き届いており、水場やトイレなどもきれいに整備された山小屋です。
テント場はそれほど広くありませんが、地面は平坦で柔らかく快適。登山の難易度も低いので、テント泊登山デビューにもおすすめです。
まとめ
雲取山はマイカーだけでなく、電車やバスなどの公共交通機関でもアクセスできる人気の山です。それなりの体力と登山経験があれば、日帰りでも登れるでしょう。初心者で自信がなければ、山頂の雲取山荘に宿泊する1泊2日の行程がおすすめとなります。
コースタイムは長いですが、難易度は高くないので、初心者でも十分登頂可能です。電車とバスで行く場合は、登山口と下山口を別にするルートを選ぶと、いろいろな景色が見れて一層楽しいですよ。くれぐれも地図は忘れずに!
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