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楊貴妃も愛した「ライチ」の栽培方法を伝授!みずみずしい果実を自宅で楽しもう!

ライチの栽培方法は、種から発芽を楽しめます。病気にかかりにくく挿し木で増やせるのでおすすめです。品種によって実のかたちや大きさ・味わいが違い、ライチは魅力たっぷりです。ライチの栽培についてのポイントや注意する点などについてご紹介しています。
2021年2月19日
mimichibi
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目次

ライチ栽培の前に

概要

科名・属名 ムクロジ科・レイシ属
学名 Litchi chinensis
英名 Lychee
和名 レイシ
原産地 中国

ライチは世界的によく食べられていて、特に原産地の中国ではあの楊貴妃が愛していたとされています。南アフリカやインドでもライチの品種が栽培・収穫されている人気の果物です。樹高は約10m以上に成長しますが、産地は栽培・収穫しやすいように約2~3mの高さに揃えて栽培されています。

特徴

ライチの木は地植えでは高さ10~20m、鉢植えでは樹高1.5mになる常緑低木です。葉の形状は羽状複葉になっていて、滑らかでツヤがあります。発芽してから育つ若葉は赤色から緑色に変化するので、ガーデニングやベランダに飾ると栽培期間は色の変化がみられる果物です。

5月には開花時期をむかえ、薄い緑色の小さな花が咲きます。ふんわりと咲いている花は、少しの刺激で落ちるほど繊細です。その様子は幻想的なので、実をつける前の時期も飽きずに栽培できます。

実の形状・味わい

ライチの特徴は、直径3cmの実です。まるみがある鮮やかな赤色の実は、栽培して収穫時期になり実と取ると、すぐに変色して茶色くなります。収穫してから2日後には鮮度が落ちてしまうので、新鮮なライチを食べられるのはほんの一瞬です。

新鮮に保てる期間が短いため、昔は冷凍されてものが主に流通していましたが、現在は生の状態で輸入され栽培後に収穫したものが入手できるようになりました。果肉はプルプルとしていてとてもおいしいですよ。

花言葉

ライチの花言葉は「自制心」「節制」「初恋」「恋の喜び」などです。「自制心」や「節制」は、ライチの栽培が簡単ではなく、結実するのは少ないことから連想されています。また育て方が比較的に難しいことも花言葉の由来です。

「初恋」と「恋の喜び」は、情熱的な赤色のライチの実から連想されています。また、栽培は挿し木で増やしてもなかなか実をつけにくく、冬越しも難しいむず痒さも花言葉の由来です。

ライチ栽培時の苗(実生苗・接ぎ木苗)

ライチの栽培手段は、種から発芽させたり購入した苗を使うなどが選べます。種から栽培するにはまず種を購入しますが、苗には2種類があり、育て方や出荷状態によって呼び方が変わります。

ライチの苗の種類は主に実生苗・接ぎ木苗があり、それぞれ結実する期間や育て方に違いがあります。ガーデニングとして楽しみたい方やベランダで観賞したい方、比較的に短時間で栽培したい方など、どんな苗がいいのかみてみましょう。

実生苗

実生苗(みしょうなえ)とは、種から栽培された苗のことです。実生苗は種から成長して出た根が、生育に必要な養分を吸収する力が強いメリットがあります。

ネットや店頭で販売されるまで品質管理がしっかりしていますが、その分栽培の途中で手間と時間がかけられているため販売されている量はあまり多くありません。実生苗はほかの苗よりも価格が比較的に低めなので、時間をかけてゆっくり育てたい方は、実生苗がおすすめです。

接ぎ木苗

接ぎ木とは、別の種類の植物とライチの枝や芽を合体させて栽培した苗です。接ぎ木は自分で行える場合もありますが作業工程は簡単ではないので、あらかじめ栽培されているものを購入するとよいでしょう。

ライチの接ぎ木苗の特徴は、丈夫なことと栽培過程で病気にかかりにくいことです。実生苗と比較的すると、高い値段で販売されていますが、その分メリットはあります。ガーデニング経験者の方や、病気が不安な方は接ぎ木がおすすめです。


ライチの栽培方法

ライチは栽培してしっかりとした樹木になるまで長い期間がかかります。しっかりと結実したら、喜びから来年も大事に育てようと感じるでしょう。ライチの栽培は気温が高めの環境が条件で、寒暖差がある場合は徹底した管理が必要です。とくに東北地方では気温が低くなりやすいので、天候や気候にあわせて育ててあげましょう。

正しい栽培場所で育てて、発芽しやすく病気にかかりにくい株が理想です。ガーデニングとして地植えする場合や、プランターを使ってベランダで育てる場合など、環境にあわせて栽培場所をご紹介します。

ライチの育て方①日光・風通し

ライチ栽培で大事なポイントは、日当たり・風通しがよいところを選ぶことです。栽培場所の生育温度が15度~30度を保てるように管理しましょう。また、直射日光が当たると葉が焼けたり枯れたりする原因となるので、夏の日差しが強い時期は明るい木陰で育てます。特に木がしっかり育っていない期間は繊細なので気候の変化に注意しましょう。

低い気温のなかだと生育が悪くなり、実がつきません。特に実生苗から育てる場合は、日光や風通しは重要ポイントになります。

ライチの育て方②栽培するときの管理方法

ライチは、基本的に高温多湿の環境を好みます。気候の変化が激しい日本では地植えよりも、気温や温度によって環境管理をしっかりするとよく育つので、すぐに移動できるプランターや鉢植えを使いましょう。

ライチは寒さに弱いので、15度以下の気温になったら最低でも5℃以上の環境で育てます。また霜にあたると株が弱るので、地域の気候や天候にあわせてこまめに置き場所を変えることがおすすめです。そうすることで害虫や病気を防ぎます。

ライチの育て方③土の配合・肥料の与え方

ライチは、弱酸性の土壌だとよく育ちます。配合は赤玉土6・ピートモス2・川砂2か、園芸用培養土7・鹿沼土3のどちらかで配合しましょう。その後は化成肥料・有機肥料どちらかを均等に混ぜて約1週間ほど放置したら土壌の完成です。

ライチの肥料は、生育がよくなる4月・7月・9月に一度、固形の有機肥料か、化成肥料を与えましょう。肥料を与えても生育がよくない場合は、窒素が多い可能性があり実がつかなくなります。肥料の成分をよく確認して栽培しましょう。

ライチの育て方④水の与え方は気候にあわせる

ライチの水やりは、土壌が乾燥したころを目安にたっぷりと与えましょう。多湿を好む植物ですが、水を与えすぎると湿気がこもって根腐れを起こし枯れてしまいます。気候や温度にあわせて水の量は調整しましょう。

果物の成長がよくなる6月~7月の期間は、通常より多めに水やりをします。1日に3回が目安です。雨が降った日は水やりを控えます。秋や冬の気温が下がる期間は少しずつ水の量を少なくしていきましょう。

ライチの育て方⑤苗を植え付ける手順

苗を植え付けるは、穏やかな気候の3月~4月がちょうどよい時期です。

まずは大きめの鉢を準備して、鉢底石を全体に敷きます。均等に敷き詰めることで、苗を植えたときにぐらつかないので、丁寧に作業します。鉢植えの約3割の高さまで敷いたら、最初に苗を鉢の中心に置いて、優しく土壌をいれていきましょう。苗がぐらつかず、しっかり安定したのを確認したら多めに水を与えます。日光がよく当たる場所で栽培しましょう。

ライチの育て方⑥種から栽培

ライチを購入して種を手にいれたり収穫後の種は、再度土壌に埋めて種から育ててみましょう。種まきの時期は6~8月です。

種から発芽させる方法は、育苗ポットに種まき用培養土をいれて1粒ずつ種をまきます。約1週間で発芽しますが、その期間は種が乾燥しないように水やりをこまめに行いましょう。芽が15cmまで大きくなったら鉢に移します。

ライチの育て方⑦増やし方(挿し木)


ライチは4月~9月の期間に挿し木で増やせます。梅雨の時期がおすすめです。挿し木の時期になったら、清潔なハサミで元気な枝を約5cmの長さにカットしましょう。植え付けと同じ土壌を準備して挿し木します。

ライチを挿し木で増やすときは管理を徹底しましょう。肥料を一定に与えることで発芽率が上がるので忘れずに行いましょう。挿し木をしてから約7年後に収穫時期を迎えます。

ライチの育て方⑧お手入れ(剪定)

ライチを栽培してから長い期間放置すると約10m以上大きくなります。樹高が高すぎると育て方や収穫が難しくなるので厄介です。剪定しようとしてもなかなか枝を整えられないので、常に2m程度になるように剪定しておきましょう。

剪定の適した時期は、7月下旬~8月の気候が穏やかで温かくなる期間です。上に伸びていく枝をどんどん切りましょう。全体的に日光が当たるように調整することで害虫や病気を防ぎます。

ライチの育て方⑨植え替え

ライチの植え替えは、1~2年に1回のペースで行いましょう。植え替えをすることで根詰まりを防げます。用意する鉢植えは、一回り大きめのサイズにしましょう。

ライチの木がコンパクトにおさまっている場合やベランダで栽培する場合は、同じくらいのもので植え替え可能です。土壌は最初の植え付けと同じもので栽培できるので、新しいものは必要ありません。苗を入れ替えるときは優しく扱い、無理に土を落とさないようにしましょう。

ライチの育て方⑩注意する害虫と対処法

ライチは、病気にはかかりにくい果物ですが、注意する害虫が多くいます。害虫は、一度植物に発生してからそのまま放置すると、株を腐らせるだけではなくほかの植物まで被害を拡大させるため、はやめの対処が好ましいです。また発芽の時点で害虫の予防をしていても、かならず発生しないわけではないので、害虫駆除がいつでもできるように準備しておきましょう。

害虫①カイガラムシ

カイガラムシはライチに限らず多くの果物に発生する害虫で、主に葉や茎につきます。植物の汁を吸うことで栽培に悪影響を与え、発芽しなかったり根腐れしたりする厄介な害虫です。

おだやかな気候を好み、春になると活動する害虫なので、その期間はよく注意しましょう。カイガラムシを発見したら、歯ブラシで優しくこすって駆除します。このとき、葉の表面だけではなく、葉の裏もしっかり確認しましょう。

害虫②ハダニ

ハダニは、3月~10月の期間に多く発生する害虫です。ハダニはダニではなくクモの仲間で、群れをつくって行動します。発生する原因は、主に乾燥や温度が高いことなので、ハダニをみつけたら、対策として環境の改善が必要です。またハダニは繁殖力が高く、ほかの果物や植物に被害を拡大させてしまうので、発見したらすぐに殺虫スプレーで対処しましょう。

ライチの育て方⑪収穫

ライチの収穫時期は7月~8月です。6月~7月には、実が育ちどんどん大きくなります。その期間は適度に摘果して栄養を全体に巡らせましょう。収穫時期になると、実がまるみを帯びて皮が深い赤色になり、完熟してきます。徐々に収穫していきましょう。結実年数は接木苗から育てると約3年、実生苗では約8~12年です。

ライチに関する病気

ライチの甘い果実は、飽きずに何個でも食べられそうですが食べすぎには注意が必要です。短期間に大量に食べると体調を悪化させる可能性があります。それはライチ病と呼ばれ、気をつけなければならない病気です。

新鮮なライチを一日に約300個食べると、めまいや動機、喉の渇きなどの変化がでる場合があります。病気が悪化すると手や足が異常に冷えたり血圧が下がったりする恐ろしい病気です。特に空腹時の大量摂取は要注意なので、たくさん収穫できても食べすぎないようにしましょう。

ライチの種類


品種①クェイメイ・ピンク

クェイメイ・ピンクはオーストラリア原産の品種で、名前は中国のクェイメイという品種に似ていることが由来です。実の重さは平均すると約30gなのであまり大きくありませんが、果肉の中にはいっている種は小さめで食べやすく、収穫量も多いことから人気があります。甘みと香りが強いので、デザートとしてそのまま食べてみてはいかがでしょうか。

品種②サラシエル

サラシエルは、ライチの品種のなかでは耐寒性があり、約−5℃の温度まで耐えられます。そのため日本の温度差でも冬越しできる品種です。発芽してからは成長スピードがはやく、約1週間で枝や葉が大きくなります。実の重さは約15g~50gまでで個体によって差がありますが、挿し木で増やせるのでいろいろな楽しみ方ができます。また樹高もあまり高くならないので、ベランダでの栽培やガーデニングでも人気です。

品種③チャカパット

チャカパットはほかの品種よりも実のサイズが大きめで、ハートのようなかたちをしています。可愛らしい果物で、縁起がよいことから贈り物としても喜ばれる品種です。チャカパットの収穫時期は7月~8月で、食べてみると酸味があり、さっぱりしています。

そのまま食べるのもおいしいですが、料理でソースに使ったりサラダに混ぜたりできるので人気です。ほかの品種よりも耐暑性が非常に弱いため、日本では種から発芽させることは難しいでしょう。
 

品種④妃子笑(ひししょう)

妃子笑は、ライチの品種のなかでも楊貴妃が最もよく食べたとされています。ライチのなかでは珍しく皮が緑色なことが特徴で、さわやかな味と風味で果汁が多く、ジューシーな味わいです。とても食べやすい果物なので人気がありますが、耐寒性が非常に弱いので種から栽培して丈夫な樹木に育てるのは簡単ではありません。実生苗から栽培して、挿し木でどんどん増やす栽培方法が一般的です。

ライチを栽培してみよう

ライチは、丁寧に剪定することでガーデニングやベランダで栽培できる果物です。栽培方法は、種から発芽させたり実生苗、接ぎ木苗を購入したりできて、自分のライフバランスにあわせられます。また、熱帯地域で育つ果物なので冬越しは難しいですが、挿し木で増やして長いあいだ栽培を楽しめるのでおすすめのです。正しい育て方をすれば、病気や害虫に悩む心配はありません。ぜひライチを栽培してみましょう。

種から果物を栽培してみよう

ライチのように、種から発芽させて栽培できたり挿し木で増やせたりできる果物は豊富にあります。実がつくまで数年かかるものもありますが、毎年結実する種類もあるので、環境にあわせて栽培してみてはいかがでしょうか。以下の記事は、冬の果物や伝説の果物の栽培について掲載している記事です。