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お浸しや炒め物に!つるむらさきの栽培の仕方!種まきから収穫まで一挙ご紹介!

つるむらさきの栽培は、地植えやプランター・鉢など、環境にあわせて選べます。冬越しは難しいですが、種取りすることで翌年も楽しめる植物です。種まきから苗を育てられて、栽培方法も難しくないので初心者の方にも十分楽しめます。つるむらさきの栽培方法を詳しくご紹介します。
2021年2月19日
mimichibi
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つるむらさき栽培の前に

つるむらさきとは、ツルムラサキ科・ツルムラサキ属のつる性植物の総称です。つるむらさきは中国南部や東南アジアで栽培され、2000年以上前から存在します。紫色の茎やつるが名前の由来となりました。江戸時代からある書物によると、観葉植物や紫色の染料の原料として使用されていましたが、高い栄養価が注目されて今では広い地域で栽培されています。

地植えやプランター・鉢など、栽培方法は環境にあわせて選べることも、人気の理由です。茎が緑色のものも多く栽培されていて、食べたときに味にクセがなく食べやすく人気があります。

基本情報

学名 Basella rubra
英名 malabar nightshade
原産地 熱帯アジア

学名の「Basella」 はインド(マラバー地方)の現地名です。「rubra」 は「赤色の」という意味をもちます。味がほうれん草に似ているため、別名「インドホウレンソウ」や「セイロンホウレンソウ」とも呼ばれ、沖縄では「地紅」と書いて「じゅびん」や「じーびん」の名前で親しまれている植物です。

生産・旬の時期

つるむらさきの生産は、主に福島県・宮城県・山形県の東北地方で行われています。今ではハウスを利用した栽培方法が主流のため、多く生産・収穫されて一年を通してネットや通販で購入可能です。

つるむらさきは基本的に6月~8月の湿気と気温が高い時期収穫されます。気温の高い時期に多く収穫・販売される葉物野菜は重宝され、夏野菜として需要が高くあります。クセのある味ですが食感や風味は調理方法によって変えられるので、どの世代からも人気です。

花言葉

つるむらさきの花言葉は「頼りにします」「頼りにしすぎ」です。つるむらさきは高い栄養価が含まれ、昔から薬草として使われていたことから花言葉がつけられました。また一度の種まきや苗の植え付けから、挿し木や種取りによって新しい芽をだしてたくさん収穫することができるほど繁殖力が強いことも由来です。

つぼみや花も食べられるので、無駄がないことも語源とされています。植物のすべてを味わえて栄養満点なところも、つるむらさき人気の理由です。

つるむらさき栽培の難易度

つるむらさきの栽培方法はそこまで難しくないので、ガーデニング初心者の方でも栽培時期を楽しめます。栽培に不安がある方は、種まきからではなく苗を購入して植え付けから初めてみましょう。

つるむらさきは冬越しには向いていませんが、挿し木や種取りで増やせます。つる性を活かして育てるとさまざまな栽培方法・観賞方法があるのでおすすめの植物です。丁寧に摘心をしてお手入れすることで、ボリューム感を自分好みに調整できます。

つるむらさきの育て方①苗を選び方

つるむらさきの苗を購入する場合は、葉が全体的に濃いつるむさらきを選びましょう。色が濃いのは、日光が苗にたくさん当たっている証拠です。葉の一枚一枚がしっかりしていて間延びしておらず、触ったときにみずみずしくて肉厚なものをがよいでしょう。葉の裏の状態もしっかり確認します。

さらに、本葉が4~5枚で茎が太く根がしっかり張っているものは比較的に栽培しやすい苗です。丈夫な苗を選び、正しく栽培しましょう。

つるむらさきの育て方②好む栽培環境

つるむらさきは比較的にガーデニング初心者でも育てやすい植物ですが、育てる際に栽培環境で気をつけなければいけないポイントがいくつかあります。まずは日当たり・風通しのよい栽培場所で育てましょう。地植え栽培をする場合は、春夏秋冬の日光の当たり具合や風通しのよさなどを重視して場所を選びます。またつるむらさきは耐陰性が若干弱いので、明るい木陰がベストです。

プランター・鉢で栽培する場合は、様子をみて栽培場所を変えたり生育温度を調整したりして育てましょう。


寒さには弱い

つるむらさきは熱帯アジア原産なので、栽培環境は25度~35度の高い気温を好みます。また熱帯で育つ植物なので、寒さにはとても弱いです。東北地方や北海道で栽培する場合は、秋や冬の時期の気温に気をつけなければなりません。地域によっては寒い時期になったら室内で栽培させるか、翌年も観賞できるように種取りをしておきます。

つるむらさきを育てる際に、栽培環境で気をつけなければいけないポイントをしっかりおさえておくとよいでしょう。

つるむらさきの育て方③栽培前の土の準備

つるむらさきを地植えで栽培する場合は、植え付ける約2週間前に苦土石灰を1平方mに約100g、その1週間後に完熟たい肥を約2kg・有機配合肥料を60gを土にしっかり混ぜておきましょう。種まき・苗の植え付けをするとき、土の状態でつるむらさきの生育状態が大幅に変わります。

またプランターや鉢での栽培も可能です。土は野菜用の培養土を準備しましょう。プランター・鉢に土をいれる前に鉢底石を底に敷きます。プランターの縁の2cm下の高さまで土をいれましょう。

つるむらさきの育て方④種まきの方法

つるむらさきは種まき前に準備が必要です。種は皮がとてもかたく、そのまま種まきしても発芽は期待できません。かたい皮には吸水性がほとんどないので、土に埋める前に一晩水につけて水をたくさん吸収させましょう。最初の段階で水をたっぷり含ませて種まきをします。

種まきの適期は4月下旬~5月で、気温が高くなる前の時期に行いましょう。種まきを終えて無事に発芽したら、定植までに1本に間引きをすることがポイントです。

つるむらさきの育て方⑤苗の植え付け

つるむらさきは発芽温度と生育温度が高いとよく育つ植物です。種まき・植え付けは気温が高い時期に行いましょう。適期は5月~6月です。苗が傷つかないよう丁寧に作業します。

苗の間を約40cmあけて苗を植え付けるので、まずは高さ10~15cm、畝幅が60cmの畝を作りましょう。苗を植え付ける場所に根鉢が十分にはいる大きい穴を作ったら、根鉢を傷つけないように植え付けます。土と根の間が埋まるように手で優しく押さえましょう。

プランター・鉢

プランター・鉢に苗を植え付ける場合は、サイズによって異なりますが、だいたい2株を目安に植え付けます。小さめのプランター・鉢に植え付ける場合は、かならず1株ずつ植え付けましょう。株同士のあいだに余裕をもたせないと、成長する過程で根腐れを起こす場合があります。

その後は地植えの方法と同じように、苗を植え付ける場所に大きめの穴を作って中心に優しく置き、土をかぶせます。最後に土と根の間が埋まるように手で優しく押さえることを忘れずに行いましょう。

つるむらさきの育て方⑥水やりの頻度

つるむらさきを地植えする場合は、土が乾かない程度に水やりをしましょう。土の表面が乾いていたらたっぷりと水やりします。栽培場所はすぐに移動できないので、季節や天気にあわせて土の状態をみながら水の量を調整しましょう。

またつるむらさきをプランター・鉢で栽培する場合も、土の表面が乾いたときに底から水が流れるくらい水を与えましょう。気温が寒くなる秋や、東北地方・北海道で育てる場合は、あまり乾燥させないように様子をみながら行います。

つるむらさきの育て方⑦肥料の分量

つるむらさきを栽培するときは、成長過程で肥料の効果が切れないように、程よい量を与えていくことがポイントです。肥料は、水溶性肥料を与える場合は2週間に1度・固形肥料を与える場合は1ヵ月に1度のペースで追肥しましょう。これはあくまで目安です。

生育状態をみながら調整していくと、つるむらさきの栽培をより楽しめますよ。必要以上の肥料を与えると病気になったり枯れたりする原因となるので、その一点を注意しましょう。


つるむらさきの育て方⑧支柱・ネットの使用方法

つるむらさきの栽培は、支柱を準備して支えてあげるとたくさん収穫できます。つるむらさきを鑑賞用にする場合やお手入れ(摘心)をあまりしない場合は、支柱やネットを使いましょう。草丈が30cmになったら約2mの支柱を比較的に広い場所に立てます。

支柱やネットを使うメリットは、つるを這わせるように栽培することでグリーンカーテン(目隠し)や見栄えがよくなることです。初心者の方がどちらかを使う場合、支柱の方を選ぶと扱いやすいのでおすすめです。

支柱・ネットを使わずに栽培

つるむらさきは、つる性の植物なので支柱やネットを使うといろいろな楽しみ方ができますが、比較的広い場所が必要です。栽培場所があまり広くない場合は、支柱やネットを使わずに育ててみましょう。

つるむらさきを支柱やネットを使わずに栽培するときのポイントは、こまめに摘心や収穫をして全体のサイズをコンパクトにしておくことです。もし全体的に日光が当たらなくて生育が悪い場合は、小さめの支柱を使ってみてはいかがでしょうか。

つるむらさきの育て方⑨挿し木

つるむらさきの増やし方は、挿し木で行えます。挿し木として選ぶ茎は、よく日光があたり、枯れていない丈夫なものを選びましょう。まずは丁寧に消毒したはさみで、長さが約15cmになるようにカットします。きれいに切り取った茎は、水あげをして清潔な土をいれたプランター・鉢で挿し木にしておきましょう。

はやければ10日ほどで根が出てきます。繁殖力が強いので挿し木という方法で簡単に増やせるところもつるむらさきの魅力です。

つるむらさきの育て方⑩摘心の方法

つるむらさきは生育期の夏になるとどんどんつるを伸ばしますが、放置すると全体に日光が当たらず枯れてしまいます。害虫の被害にあったり病気にかかったりするので、適度な摘心が必要です。草丈が約30cmになったときか、本葉が5枚~7枚になったころを目安に摘心をしましょう。

左右に脇芽を生やすようにすると、バランスがよくてボリュームのある株になります。つるむらさきをボリュームのある観葉植物にしたい場合は、全体に日光が当たるように調整しましょう。

つるむらさきの育て方⑪病気

つるむらさきはあまり病気になりませんが、日当たりや風通しが悪く、栽培環境が偏ると葉が黄色に変色するべと病にかかることがあります。病気にかかったら追肥で栄養を与えて日当たりや風通しを再確認してみましょう。

またうどんこ病はにかかる可能性もあります。原因は日光が当たらなかったり風通しが悪かったりすることです。特に発生しやすい時期は春と秋で、土や葉が乾燥することで発生しやすいので、水やりをこまめに行いましょう。

つるむらさきの育て方⑫害虫

ヨトウムシはヨトウガの幼虫です。長い間放置すると葉を食べられ、最後には株ごと食べつくします。ヨトウガの卵が葉につかないようにネットで覆い予防しましょう。防虫スプレーも効果的で葉の裏を重点的に噴射しましょう。水やりや挿し木をするもよく観察しておくことが重要です。

またアブラムシはつるむらさきの汁を吸って成長し、最後は枯らせてしまいます。肥料の与えすぎや葉が密集してることが原因です。歯ブラシでこすって駆除しましょう。

つるむらさきの育て方⑬収穫

つるむらさきの収穫は、適期の6~11月の間に行いましょう。収穫の時期を過ぎて大きく育ちすぎたつるむらさきは、茎や葉がとてもかたくなるのであまりおいしくありません。つるむらさきが一番おいしくなる6月~11月の時期に、脇芽の先から約15~20cmを目安に収穫しましょう。

またつるむらさきの収穫は、子づる・孫づるが育ちやすいように行います。一度収穫しても成長が速くて伸びてくるので、どんどん収穫しましょう。

つるむらさきの育て方⑭種取りの方法


つるむらさきは、熱帯が原産なので低い気温や霜に弱く、冬越しが比較的に難しい植物です。特に冬の気温が高い東北地方や北海道は、冬越しがほぼできません。

つるむらさきを翌年も栽培して観賞を楽しみたい場合は、挿し木で増やすよりも種取りをおすすめします。つるむらさきの花が咲いて実がついたら、実が黒色になるのを待ちましょう。実を収穫したら種取りをして、水できれいに洗いましょう。よく乾燥させてから冷蔵庫で保管します。

つるむらさきと似ている植物

ほうれん草とつるむらさきは見た目がそっくりですが、味や食感は別物です。冬に旬をむかえるほうれん草に対し、夏が旬のつるむらさきは「夏のほうれん草」とも呼ばれます。和風や洋風など、ジャンルを問わずさまざまな料理に使われるため、つるむらさきよりも親しみを持つ方は多いのではないでしょうか。

見た目はそっくりなのに味わいが全く違うつるむらさとほうれん草を食べ比べてみると、違いがはっきりするので面白いかもしれません。

モロヘイヤ

つるむらさきと似ている野菜に「モロヘイヤ」があります。濃い緑色の葉や茎の状態などの見た目や、旬の時期、栄養素が豊富に含まれていること、独特の粘り成分があるところなど、多くの共通点がある野菜です。

モロヘイヤも、つるむらさきと同じようにシンプルに茹でて食べたりスープの具材などにして食べられます。栽培環境や挿し木で増やすところなどがよく似ていますが、つるむらさきの方が食べたとき風味を強く感じるでしょう。

アシタバ

アシタバは、セリ科シシウド属の野菜で、香りや風味がさわやかなでさっぱりしていることが特徴です。またつるむらさきと同じように、ビタミン類やミネラル、鉄分などの栄養価が豊富で、大島・八丈島では特産野菜として多く栽培されています。

「アシタバ」という名前は、たくさん摘んでも次の日になれば新芽が生えてくるほど生命力が強いことが由来です。アシタバも独特の粘りがありますが、クセがあまりないので食べやすいでしょう。

つるむらさきを栽培してみよう

つるむらさきは一度栽培すると、どんどん増えていくのでたくさん収穫できます。また栽培方法も種まきから挑戦したり植え付けから始められたりできるので、初心者の方にも育てやすくおすすめの植物です。

地植えをして広い場所で観賞を楽しんだり、プランターや鉢で育てたり、栽培場所の範囲を選ばずに育てられます。つるむらさきは冬越しは難しいですが、挿し木や種取りで翌年も楽しめるので、ぜひ栽培してみてはいかがでしょうか。

つるむらさきと一緒に育てよう

つるむらさきのつる性を活かして、ほかの植物も一緒に育ててみてはいかがでしょうか。どの植物も育てやすく、挿し木や株分けなどの方法で増やせます。さまざまなつる性植物を栽培し、支柱やネットを使って家の壁をおしゃれに飾れるときっと楽しいですね。栽培方法や植物の違いをみてみましょう。