はじめに:スナップエンドウの栽培方法は
スナップエンドウの栽培から収穫まで
スナップエンドウは日本に伝わってそれほど歴史が長くない日本の野菜界のニューカマーともいえる作物。名前もスナックエンドウであったりグリーンピースとして売られているものもあったりとまだまだ定着せずにいろいろな形で食卓やスーパーに並びます。
また豆類は見た目がよく似ているものも多かったりするのも人々が混乱してしまう理由のひとつ。今回はそんなスナップエンドウの見分け方からおすすめの栽培品種・失敗しづらい育て方のコツと詳しく解説していきましょう。
栽培の前に知っておきたい基本情報や特徴
スナップエンドウの栽培をはじめるにあたって、水やりや肥料・病気といったお世話よりも育て方難易度は難しいのかどのくらい大きくなるどんな姿の植物かまた作物ならその旬の収穫時期も気になりますね。スナップエンドウ栽培の前にまずは基本情報や特徴・栽培期間をチェックしましょう。
スナップエンドウの基本情報
科・属:マメ科エンドウ属
原産地:中央アジアなど
英語名/学名:Snap garden peas/Pisum sativum
栽培難易度:病気や害虫対策が必要なためまったくの初心者には難しい
スナップエンドウの見た目の特徴や性質
豆類の多くはツル性植物ですが、このスナップエンドウに関してはつるあり種とつるなし種があります。もちろん見た目も種類により変わってきて、つるあり種は草丈2mくらいにもなりますが、つるなし種は80-100cm程度と幼稚園児の平均身長程度と高くもんく低くもなく栽培しやすいサイズ。
さやごと食べられるのがスナップエンドウの特徴で、そのさやの中の実はふっくらと丸く育ち全体は厚みを持った形まで育てることで食べごたえも感じられるため好まれています。
スナップエンドウは低い気温が得意な植物
多くの植物が日本の寒い冬を苦手としますが、スナップエンドウは小さな株(15cmくらいが冬に強いといわれている)であれば平気で屋外で冬越しが可能です。
栽培に適した気温は15-20度程度。これよりも気温が下回ったとしても成長が止まるだけで春になり適した気温の時期にはぐんぐん大きくなってきますので秋うえにはとても適した育てやすい野菜といえるでしょう。
スナップエンドウ栽培の季節や収穫時期など
スナップエンドウの栽培の季節は秋蒔きで翌年の夏収穫となりますが、温暖地や寒冷地では春まきの夏収穫も選べます。寒冷地の場合は種まきの時期により多少収穫時期にずれが生じ、初夏近くの種まきになった場合は秋ころまでずれ込むでしょう。
寒冷地以外の地域では種まきの時期がズレてもほとんど収穫時期には差が出ず7-8月ころには株を終わらせて片付けられますので、その後空いた畑やプランターで別の秋まき野菜の栽培を始めることが可能です。
スナップエンドウと他の豆作物との違い
スーパーマーケットなど小売店を覗いて見るとたくさんの豆類の野菜が売られているでしょう。有名でスナップエンドウとよく似ているものでは絹さや・さやいんげん・えんどうまめやグリーンピースさや付きで売られているものだけでも常時このくらいの品揃えがあるところは珍しくありません。
基本的にさや〇〇というのはさやがやわらかくまるごと食用にできる種類。いんげんとエンドウはさやの中の豆の大きさで見分けることができます。グリーンピースは中の豆だけを食べるえんどう豆の品種で未成熟または未乾燥のものを差します。
さやえんどうとスナップエンドウの違い
さやえんどうはさやごと食べられるえんどう豆の品種ということでスナップエンドウとは非常に近い分類といえますが、明確な違いはさやの中の実の大きさ。
どこを中心に可食するかで判断するとさやえんどうはさやを食べるために栽培される豆で、スナップエンドウは豆をさやごと食べるという目的で作られる豆ということでさやえんどうとスナップエンドウではさやの厚みに大きな違いが出てきます。
スナップエンドウの基本的な栽培方法3ステップ
スナップエンドウを簡単に栽培するならつるなし種を選んで気温に気をつけ種まきをし日当たりや水やり・肥料など基本的な育て方で収穫まで楽しめるでしょう。まずは基本的なスナップエンドウ栽培の方法からご覧ください。
基本的な栽培1.植え場所や日当たり
秋まきのスナップエンドウ栽培は苗を作らず畑やプランターに地植えする方法です。そのまま収穫まで過ごすため植え付け場所の日当たりには注意してください。好ましいのは日当たりがよく、冬の霜害を受けにくいところ。
霜は株が枯れる原因ともなりますので後述の枯らさないための冬のお世話の項目も合わせて御覧ください。
地植えなら種まきから冬越し栽培をはじめる
秋まきで冬越しからの育て方を選ぶなら、畑やプランターに株間30cm(プランターなら25cmを目安に)に1箇所3-4粒を目安に種まきします。発芽気温が20度以上ですのであまり遅くならないよう特に寒冷地での栽培には種まき時期を選ぶ必要があります。
このとき寒冷紗をかけたり害虫の新芽の食害を防ぐため防虫ネットを掛けて管理してください。スナップエンドウの株の冬越しが難しいと感じる地域での栽培は、春からの苗での植え付けでの育て方を選ぶと良いでしょう。
基本的な栽培2.土づくり
スナップエンドウなど豆類は連作障害がありますのでしばらくはその畑で同種類の植物を育てていないことが前提です。種まきの2週間前には苦土石灰をすきこみ土の酸性度を中和してその後堆肥と化成肥料を元肥として混ぜて準備しておきましょう。プランター栽培の場合は野菜用の培養土を使うと簡単。
スナップエンドウの連作障害
エンドウは豆類の中でも強く連作障害が出る品種で他の豆であれば2年程度でもスナップエンドウを育てる場合はそれよりも多めに3-5年は同じ場所を避けた方が無難です。
連作障害により立ち枯れ病という病気を発症することも多いため、すくすくと成長していた株が突然枯れてしまうという悲しい事態になりがち。土の使いまわしには十分ご注意ください。
基本的な栽培3.水やりと肥料
植物の栽培には欠かせない水やりや肥料。スナップエンドウの育て方としては水やりは畑の場合はほとんど必要ありません。プランターなど限られた少ない土で育てる場合のみ乾いたら鉢底から水が出てくるくらいまで十分に与えるようにすると良いですよ。
肥料はマメ科の植物は根粒菌というものと共存しているため窒素分がそこから吸収できます。与えすぎるとつるぼけと呼ばれるつるばかり伸びて花が咲かずに実がならないという現象がおこりますのであげるのは3回ほど。
スナップエンドウの追肥タイミング
スナップエンドウの追肥は支柱立てが必要となった大きさで1回、花が咲き始めたタイミングと収穫をはじめるタイミングで各1回ずつの計3回を目安としてください。
春になって株が枯れないための冬のお世話
冬の間は元気にしていたのに春になって気温が高くなると急に枯れてしまう株というのも珍しくありません。その原因としては2通りあってひとつが立枯病。これは連作障害対策により解決しますので、豆類を5年以上育てていなかった場所に植えるか新しい土でプランター栽培をしてください。
もうひとつが霜により土が持ちあがり根まで地上に出てしまったための水分養分不足による枯れです。これは冬の間のお世話として持ち上がった土を踏みつけてしっかり株を地中に固定することで対策することが可能となるでしょう。
もっと詳しいスナップエンドウの栽培方法3選
ここからはワンステップ進んだスナップエンドウの栽培方法となります。品種による支柱立てや剪定方法の違いや病気・害虫対策などスナップエンドウ栽培で悩みやすいポイントの説明をしていきましょう。
詳しい栽培方法1.病気と害虫
スナップエンドウで気をつける病気といえばここまででも何度か登場してきている立ち枯れ病。栽培で気をつける害虫といえば、ハモグリバエ被害が多く報告されているので事前に発生したときの対策を知っておくといざというときに慌てずにすみます。
ハモグリバエはハエの幼虫が葉を食い荒らす被害となります。成虫の飛来を防ぐためネットで囲む・見つけ次第捕殺する(1枚あたりの数が多ければ葉ごと取り除く)が効果的です。また黄色を好むというハエの性質を利用した黄色い粘着シートで取るのもひとつの方法。
詳しい栽培方法2.支柱やネット立て
スナップエンドウ栽培にはどんな品種であっても必須なのが支柱・ネットへの誘引作業です。支柱・ネットの設置が必要になる目安は株が自立するか倒れてくるかを目で確認してください。
あまり株元近くではなく少し離れた位置に支柱・ネットを設置、若いうちは茎も折れやすいため紐などでソフトに誘引(8の字かけなど)するようにしてください。その詳しいやり方は以下の通り品種や日当たりなどの環境により異なってきます。
スナップエンドウの剪定と誘引
スナップエンドウの剪定方法は支柱で1本立てにするか、ネットなどで広範囲に誘引するかでやり方が変わってきます。どちらを選ぶかは日当たりによって決定するのがおすすめ。
場所が広く株間も十分であればつるあり品種の株をネットなどで全体に日当たりがよくなるよう誘引するとたくさん収穫できるので真ん中の茎を摘心して脇芽を増やします。逆に十分が株間が取れず葉や作物への日当たりが不十分になる心配があるならばつるなし種を選び脇芽を剪定してしまい1本立てにした方が収穫量が安定するでしょう。
詳しい栽培方法3.収穫の目安と時期・採り方
スナップエンドウは他のさやごと食べる品種と比べると実が大きくなってもさやが柔らかいという性質を持つためそれほど神経質にならずに、見た目で美味しそうに膨らんださやから収穫していく栽培方法でOK。
収穫目安としては花が咲いてから30日ほどといわれていますが、あまりその日にちにこだわるよりも見た目やさやの表面のみずみずしさで採った方が満足いく作物に仕上がっているでしょう。ただしあまり置きすぎるとさすがのスナップエンドウでもさやが硬くなってきて味が損なわれるためほどほどの実の膨らみで収穫しましょう。
スナップエンドウ冬越しのコツ
スナップエンドウは冬の寒さに当たることによって花芽を作ります。ハウス栽培などで育てている場合は、常に温かい一定気温にしていると花つきが悪くなることも。
越冬する他の植物にも言えることですが霜の心配がない日中は冬の空気(気温)に当ててあげることがメリハリの効いた植物の自然な性質・特徴を引き出す栽培方法です。冬の間は特にあまり過保護にしすぎないよう注意してください。
まとめ:スナップエンドウ栽培のポイント
自分で栽培した旬のスナップエンドウを味わおう
スナップエンドウは季節の野菜としてスーパーでも花形的な作物で人気が高いものです。自分で栽培すればもっとその野菜の旬の美味しい時期を身近に感じることができるでしょう。このような豆類の栽培のコツは何といっても害虫対策や肥料の選び方や時期などの与え方となってきます。
そのほか連作障害などによる立ち枯れ病という病気も気になる植物ですので土作りからじっくりと栽培していくことにより、野菜や畑・プランターなどの自然と向き合う良い機会ともなってくれるでしょう。
家庭菜園は室内で管理できる簡単なものもありますが、もっとやりがいを感じたい・豆が好きで自分で作ったスナップエンドウを食べてみたい!という方はぜひとも栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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