栄養満点の野菜「ケール」
ケールの素晴らしさ
日本ではケールは青汁のイメージがあり、毛嫌いしている人少なくないでしょう。「栄養価は高いけど、苦くておいしくない」そのように捉えている人は多いです。ケールは栄養価が高く、「野菜の王様」と呼ばれたスーパーフードとして野菜界に君臨しています。ケールの栄養価は他の野菜や食物と比べると群を抜いており、体の機能と免疫力の向上・改善や、美容や健康に繋がることばかりです。今回はスーパーフードケールの育て方を見ていきましょう。
ケールを栽培する魅力
栄養満点のケールは、栽培する価値があります。またケールは青汁だけではなく、さまざまに調理して食べることが可能です。海外では健康で美容に繋がるオーガニックフードとして、人気が高く、身近な野菜とされています。そのようなケールを自宅でも栽培できることは、とても魅力あることです。ぜひ自分で育てて、スーパーフードを収穫しましょう。
ケールの育て方重要項目8選
ケール栽培①育てる季節
ケール栽培の基本として、育てる地域と季節を考慮したうえで栽培をしなければなりません。ケールは寒冷地と暖地またはその中間地帯で育て方が異なります。春夏秋冬の季節ごとの種まきや収穫などの栽培時期や栽培行事が変わってくるので、上質なケールを栽培できるよう、まずご自身が住まわれている地域や季節にあわした栽培を試みましょう。
寒冷地でのケール栽培
住まわれている地域が寒冷地の場合、まず梅雨入りにかけて夏のお盆ぐらいまでが播種時期、つまり種まきの時期です。この時期でしたら、種まきに適した温度(15〜30℃)で行うことができ、収穫の季節に合わせられます。そしてその収穫の季節は本格的な暑さ手前の夏から秋ごろまでです。寒冷地では1年のうちに1回限りの栽培となりますが、1度の播種期間と収穫期間がそれぞれ長いことが挙げられます。
寒冷地での栽培時期
- 播種時期:5月中旬〜8月中旬
- 収穫時期:7月下旬〜11月上旬
- 栽培回数:1年に1度で播種・収穫期間が共に長い
暖地でのケール栽培
住まわれている地域が暖地でしたら、まず春先から梅雨入り前までにかけての1回と、初夏から初秋ぐらいまでの計2回が播種時期で、寒冷地同様種まきに適した温度です。そして収穫の季節は梅雨ぐらいから夏の終わりぐらいまでの1回と初秋から翌年の年明け後までの2回とあり、2つの季節の間隔は短くなります。暖地では寒冷地と違って1年のうちに2回の播種期間と収穫期間があり期間も長いです。
暖地での栽培時期
- 播種時期:4月上旬〜5月中旬、7月中旬〜9月下旬
- 収穫時期:6月中旬〜8月下旬、9月中旬〜翌1月中旬
- 栽培回数:1年に2度の播種・収穫期間があり共に長い
中間地でのケール栽培
住まわれている地域が中間地でしたら、まずまだ肌寒い春手前の時期から暖かくなり始めた春にかけての1回と、夏真っ只中から秋が始まる頃までの計2回が播種時期です。収穫の季節が梅雨の時期から初秋の1回と肌寒くなる秋から年末ぐらいまでの計2回となります。中間地でも暖地と同じように1年のうちに2回の播種期間と収穫期間がありますが、播種期間がそれぞれ短く、収穫期間は長い特徴があります。
中間地での栽培時期
- 播種時期:3月中旬〜4月中旬、8月中旬〜9月中旬
- 収穫時期:5月中旬〜9月中旬と10月中旬〜12月下旬
- 栽培回数:1年に2度の播種・収穫期間で長さは異なる
ケール栽培②栽培場所
ケール栽培でケールにとって最も好ましい温度は15〜20℃です。そのぐらいの気温となる場所を確保し、さらに風通しや日当たりのよい場所で育ててください。
ケールはキャベツの原種なのですが、キャベツ同様に寒さに強く、また夏の暑さにも耐えられる野菜です。育て方はずいぶん苦労することが減るでしょう。初心者でも育て方が簡単で楽に栽培でき、育てやすい野菜なので野菜栽培の初心者におすすめです。
連作障害には気をつける
ケールやキャベツ、ブロッコリーなどの植物はアブラナ科に属されるのですが、それらの野菜は連作障害を起こしやすい種類の野菜とされています。連作障害の原因は同じ種類の野菜を植えてしまうと、土の中の栄養素などが偏ったり、過剰になったりしてバランスが崩れ起こるのです。同じアブラナ科の物を前作で植え収穫した土は2〜3年は使用してはなりません。
ケール栽培③用土
ケールを栽培する土は、弱酸性のものがよいですが、ホームセンターで買える培養度でも問題ありません。しかし植える前にはアルカリ性や微量のマグネシウムを含む、苦土石灰を土に配合しましょう。1㎡に100gが基準です。根のトラブルを避けることができ、ケールも長く保てられます。
プランターなどで育てる場合は、市販の培養度でもよいですが、土を用意したら苦土石灰と化成肥料を一緒に混ぜわせるとよりよいです。
ケール栽培④種まき
種まきの仕方
ケールの栽培において、種まきをする際は、先ほどに解説した通り、場所によって季節が異なりますので確認してください。発芽に適した温度が15〜30℃ですので、春先や春の終わり頃で暖かくなり始めたら種まきをしてください。
種まきはまず育成のための播種用ポットで行って、ある程度成長してから鉢やプランターまたは畑に植えていきましょう。目安としては葉が5枚以上になってからです。
種まきのコツ
ケールの種まきは、育成のための播種用ポットで行うことがベストですが、鉢植えでも行うことが可能です。種をまく際は、種をペットボトルのキャップなど小さな容器を用意すると、こぼさずにやり易くなります。
指先で土に穴を開けて、1つの穴に4粒ほど入れ土を被せます。また鉢植えやプランターに直接種まきをする場合は、種と種の間隔を30㎝〜50㎝空けてることがよいです。
発芽後にすること
播種用ポットにケールが数本発芽し始め、育ちが悪そうなものは取って間引きをしていきます。その後葉が大きくつき始め、数本立ってる場合は、ポットの中を一本だけにするためにさらに間引いていきましょう。取ったものは予め用土を用意した別のポットに移して増やすことができます。傷つかないよう土も払い落さず、慎重に行ってください。
ケール栽培⑤苗植え
苗植えのコツ
ケールの葉が5枚以上に育ったところで、播種用ポットからケールを植え替えし育て方を変えていきます。畑などの地植えでは、苗同士の間隔を50㎝ぐらい空け、苗を植えてください。ケールは大型の植物です。間隔が十分出ないとケール同士がぶつかり、栄養の取りあいっこになってしまいます。そうならないためにも、余裕のある間隔を空ける育て方が重要なのです。
虫除け対策
ケールは虫の被害が多い野菜です。ケールはアブラナ科の植物ですが、アブラナ科の植物は虫の被害が多く、虫除けの対策が必要になります。ケールを移植した後は、必ず虫除けの設置を行ってください。虫除けも様々な種類がありますが、防虫ネットや防虫トンネルなどの種類で問題ないです。移植の早い段階で虫除けをしていれば、今後の栽培に大きな影響がありません。
スペースに余裕のある育て方
プランターで育てている場合も、同じように間隔空け少なくても30㎝ですが、上質なケールを栽培するためにも45㎝以上の間隔が必要になります。ケール同士が大きくなったときにぶつからず、栄養も均等に分け与えられるので、ケール1つ1つがよいできばえとなります。ケール栽培のこういった育て方が上手な育て方に繋がるので、今後の栽培にも取り得ていきましょう。
ケール栽培⑥水やり
種を播種用ポットにまいたあとは、直ぐに水をたっぷりと与えて、土が乾かないようにします。また土が乾ききってしまうのは当然よくなく、ケールが発芽するまでは土は湿った状態でキープしてください。
苗をポットから、鉢植えやプランター、畑に植え替えた際でにも水はたっぷりと与えて、土に定着するようにしましょう。
ケール栽培⑦肥料
ケール栽培において、育て方で特に重要なことは肥料です。肥料を定期的に与え、追肥していくことが上質なケールの育て方のポイントとなります。苗を移植してから、約2週間後それから2週間ごとのペースで肥料を与え続けます。ケールはキャベツのように球体にはなりませんが、大きな葉を重なってつけ、なお背の高さも高いです。その分栄養も必要となり、上質なケール栽培をするには肥料がとても欠かせません。
どのような肥料が必要なのか
先ほどから、肥料が大事と説明していますが、ではどんな肥料が必要なのかというと、窒素やリン酸、カリウムが含まれる化成肥料です。化成肥料は短期間で土に溶け込み、植物が直ぐにそれらを吸収できます。ケールの株はへたれやすいので、常に肥料を吸収できるためにも、化成肥料がよいのです。肥料を与える際は、ケールの周辺一体に与えてください。これは方で大事なことです。
ケール栽培⑧収穫
越冬する前に
ケール栽培の最後の要となる収穫ですが、基本的に寒冷地、暖地、中間地のどこの地域でも、越冬する前に、または真冬の寒さが訪れる直前に収穫時期が訪れます。しかし、ケールは比較的寒さにも耐えられ、1年を通してどの季節でも栽培が可能です。冬の寒さには問題ないため越冬もできます。なので越冬した後に収穫は可能なのです。
花が咲く前に
基本的にケールは越冬する前に収穫すると前述で述べましたが、実はもう1つ訪れる前に収穫する必要があります。それは開花です。通常花が開花する前にケールの葉を収穫します。なぜかと言うと、花が開花する頃には、ケールの葉は大きくなり過ぎて、硬くなり、苦味をより増し、味の質を落としてしまうからです。ですので、葉が大きくなり過ぎる前に収穫しましょう。
収穫する
ケールの収穫時期は地域それぞれで変わりますが、苗を植え替えた後から、1ヶ月後や1ヶ月半後にケールは収穫できるサイズになります。葉の大きさが30〜45㎝ほどの大きさが収穫するサイズに丁度よい大きさです。
ケールの葉が大きく開き、濃い緑色で、育ちのよい葉から、なおかつ、外側の葉から収穫していきます。収穫した生のケールはサラダとして食べることが可能です。大き過ぎずに、苦味のないものを選ぶと、サラダに適した味わいです。
ケール栽培で特に注意すること2選
ケール栽培での注意①連鎖障害
ケールは連作障害を起こしやすい野菜と説明しましたが、アブラナ科だけではなく、マメ科やナス科、ウリ科の植物たちも連作障害を起こしやすいのです。ケール栽培またはアブラナ科の種類の野菜栽培では同じ場所に2〜3年の間隔を置いて、栽培を行ってください。また、土壌の中の栄養が偏ることで、連作障害が起きるので、同じ種類でない別の種類の植物を植えて、栽培することで連作障害を避けられます。
ケール栽培での注意②害虫
アブラナ科のケールは害虫被害が多いく虫除けが必要な野菜です。栽培で気をつけなければならないことの1つです。アブラムシや青虫などさまざまな種類の害虫が発生します。ケールと同じアブラナ科の野菜は菜の花を始め、キャベツやブロッコリー、大根などたくさんの種類の野菜があります。これらの野菜は虫除け対策がどうしても必要になります。
虫除け用品
畑などでの地植えでしたら、防虫ネットや防虫シート、防虫トンネルなどといった種類の虫除け用品で対策が可能です。しかし、プランターや鉢植えなど家庭菜園として栽培しているのであれば、米酢や唐辛子などを使った自家製の虫除けスプレーなども効果があります。もちろん、防虫ネットや防虫ネットのボックスタイプなど虫除けで対策は可能です。ぜひさまざまな種類別の虫除けを使って、各ご家庭にあった虫除け対策を行ってください。
ケール栽培の質を上げる越冬栽培
ケール栽培は越冬せずに収穫を迎えるということでしたが、実は越冬をしたケールは夏に栽培・収穫されたケールよりも栄養価が高く、葉も分厚く、苦味も少ないケールになります。それは、春キャベツと同じように、越冬したキャベツは冬を乗り切るため栄養をつけるのです。それが甘くなる元であると同じように、越冬したケールは非常に栄養価が高くなり、美味しさも増します。
越冬させたケール栽培のメリット
越冬したケールは上質のある野菜に変化しますが、栄養や味覚だけではないメリットがあるのです。それは、栽培してるときの被害が少ないということが挙げられます。害虫被害がないことや、農薬被害が起きないことです。夏よりも虫たちの活動が減り、農薬を使うことも減り、ケールはより自然に近い状態で栽培ができます。確かに冬を超えることは簡単ではありませんが、越冬ができるよう対策をすれば、上質なケールが栽培できるのです。
ケールを栽培して健康な食事を
ケールは日本では青汁としてのイメージがどうしても強いです。手に取ることは少なく、各家庭の食卓に並ぶことはあまり目にしません。しかし海外ではサラダやバケットに挟むように生で食べることはもちろん、スープやグラタンなどの料理に調理して食べます。また、カールしたケールや紫のケールなど種類も多く一般のスーパーに陳列していることが多いです。
効果のあるケールの食べ方
日本では青汁として販売していますが、青汁として飲むことは、ケールの栄養をとても効果的に摂取できる方法といえます。しかし、ケールを青汁以外で摂取したい方は、やはりサラダのように生で食べることをおすすめします。サラダとして、ケールを細かく切って、苦味をサラダのアクセントにして食べるのです。また、ケールは油と一緒に食べることで、吸収率を高めてくれます。オリーブオイルやドレッシングなどをかけて、効果的な食べ方をしてみましょう。
紫色のケールを食べる
ケールを生で食べることに抵抗ある人や、苦くて食べれない方は、紫色の種類のケールを選ぶとよいでしょう。紫ケールの品種名を「カリーノケール・ロッソ」という名前で店に陳列しています。紫のケールは生で食べれるように改良されており、苦味や青臭さがなく、むしろ甘く、普通のケールよりもさらに食べやすいです。紫色のほかに、鮮やかな緑色の「カリーノケール・ヴェルデ」もあります。
ケール栽培のまとめ
ケール栽培の方法はいかがだったでしょうか?比較的に初心者でも栽培が可能なので、案外簡単にスーパーフードは手に入るのです。収穫が終われば、ケールは春の季節に見られる菜の花のような黄色い花を咲かせます。それを受粉させて、また新たに種を収穫することも可能なので、もし根気があれば花を楽しんだその後は、また別の場所で栽培してみましょう。
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