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自宅でゆずを育てよう!柚子の木の育て方!栽培環境からお手入れのコツまで解説!

爽やかな香りと酸味が特徴の柚子(ゆず)。日本料理の風味づけに欠かせない柑橘類です。自宅の庭やベランダに柚子の木が1本あれば、必要なときに使えて便利ですね。今回は、柚子の木の育て方について、栽培環境から植え方、剪定など手入れの仕方まで詳しく解説します。
2021年4月1日
komomo39
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目次

柚子の木を植えよう!

Photo by yto

寒い時期になると黄色く色づき、店頭に並ぶ柚子(ゆず)の実。香りの高い果皮と酸味のある果汁が好まれ、広く料理に用いられます。皮を削って汁物や酢の物に入れてもよし、果汁を絞って焼き物にかけてもよし、と優秀な食材として大活躍します。

そんな柚子(ゆず)を自分で育ててみませんか。柚子の木は地植え以外に、鉢植えで育てても収穫が望めます。育て方を知って、柚子の木のある暮らしを始めましょう!

柚子の木の特徴~概観

育て方を知る前に、まずは柚子の木や実についてよく知りましょう。特徴を知ることで、愛着をもって育てていきたいですね。

Photo by merec0

柚子の木は、数多くある柑橘類のひとつで、学名はCitrus junosと言います。科名はミカン科、属名はミカン属。常緑低木で、果実の皮は黄色、若干ぼこぼことして厚みがあります。秋~冬が黄色い柚子の収穫時期です。

枝に鋭いトゲがあるものも多く、手入れの際は注意が必要です。地植えにすると樹高は3m~10mと大きく育ちます。果樹栽培のなかでは比較的育てやすく、失敗が少ない柑橘類になります。

柚子の生産量、日本一は?

世界で見ると、柚子の生産量・消費量はどちらも日本が最大です。日本人がいかに柚子が好きか良く分かりますね。

日本国内の生産量は高知県が第一位で、なんと全国シェアの約5割を占めています。第2位は徳島県、3位は愛媛県と続き、温暖な気候を活かし四国地方で盛んに柚子の木の栽培が行われているのが分かります。

柚子の種類

Photo by 305 Seahill

通年店頭に並んでいる柚子ですが、皮が青いまま、夏~秋の初めにお店に並ぶのが「青ゆず」、秋以降に出回る完熟したものが一般的な「黄ゆず」です。「黄ゆず」の方が果汁たっぷりで香りも高め。「黄ゆず」は「本柚子(ほんゆず)」とも呼ばれます。

柚子の木には、トゲがないもの、種がないものなど異なる特徴をもった種類があります。代表的な柚子の木の種類には「木頭柚子」「山根柚子」「多田錦」などがあります。

柚子の栄養価

柚子には、カリウムなどのミネラル類やビタミン類、食物繊維などが含まれています。とりわけ、ビタミンCの含有量は多く、このため柚子は美容や健康に良いとされます。ビタミンCは果汁よりも果皮の方に多く含まれ、その差は約4倍。柚子は皮ごと食べて正解ですね。

柚子湯

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日本では12月の冬至に柚子湯に入る習慣があります。冬至の日に柚子を入れた風呂に入ると、「その冬風邪をひかずに過ごせる」と言われ、江戸時代ごろから広く行われてきました。

柚子湯には、血行促進、冷え性の緩和、クエン酸やビタミンCによる美肌効果が期待されますので、冬至に限らず、柚子が沢山収穫できたら柚子湯でリフレッシュしたいものです。

柚子の香り

柚子には他の柑橘類とは異なる、個性的な香りがあります。その香りの成分(精油)は、柑橘類に共通するリモネンの他60種類以上の物質が混ざって生まれた複雑なもので、レモンやライムと違う「東洋の香り」として知られます。

精油は、柚子の皮にあるポツポツ、「油胞」に蓄えられていて、柚子の果皮の表面を傷つけたりつぶしたりすることで香りが出ます。柚子の香りをしっかり楽しむためには、果汁だけでなく、皮の精油を逃さないようにしましょう。

柚子の花と花言葉

出典:http://www.photo-ac.com/main/detail/1590223?title=%E3%82%B9%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%87%E3%83%B3-252&searchId=3137338135

実にばかり注目しがちですが、花の楽しみも忘れてはいけません。小さな柚子の花は、芳香があって可愛らしいですよ。花色は白色で、花が咲く時期は5月~6月です。この花の花粉が風や虫によって運ばれて受粉し、花が終わった後に実が成ります。

ちなみに、柚子の木は自身の花粉で受粉して、1本だけでも結実する性質をもっています。これを「自家結実性」と言います。何本も植える必要がないので、スペースが限られていても安心ですね。

柚子の花言葉

柚子の花の花言葉は「健康美」「汚れなき人」「恋のため息」。「健康美」いずれも柚子の花の素朴な可愛らしさが表れていますね。

栽培に適した環境を知ろう!


ここからは、柚子の木の育て方を具体的に解説していきましょう。まずは育ちやすい環境についてです。

柚子の木を栽培しやすい地域

Photo by duck75

その他の多くの柑橘類と比べると、柚子の木は耐寒性が強い方です。東北より南の広い地域で栽培することが可能です。しかし、マイナス7℃以下の気温にさらされると、さすがに枯れてしまい、幼木は成木以上に寒さに弱いのでさらに注意が必要です。

お住いの地域が寒い地方の場合は、その地域の冬時期の最低気温を確認して、柚子の木が育つかどうか見極めましょう。

柚子の木がよく育つ条件とは?

好ましい日当たり・置き場所

柚子の木は通年よく日が当たる場所を選んで植えましょう。日当たりが悪いと花のつきが悪くなり、実があまりつかなくなってしまいます。冬の寒風が苦手なので、寒い時期に風当りがあまり強くない場所が良いでしょう。

鉢植えにしてベランダで育てる場合は、日当たりが良く、エアコンの室外機の風が当たらない場所を選びましょう。

好ましい土はどんな土?

Photo byJing

柚子の木が好む土は、水はけと保水性の良い土です。地植えにする場合は、植え付け場所に植え穴を掘り、掘って出た土に堆肥、腐葉土、苦土石灰などと、元肥として肥料をすき込んでおくと良いでしょう。

鉢植えの場合は、市販の果樹用培養土を利用すると簡単で便利です。自分で配合する場合は赤玉土(小粒)7:腐葉土3などの割合で混ぜ合わせます。また、市販の配合肥料を用意し、元肥として植え付けの際混ぜ込みます。

柚子の木の育て方!

まずは苗を選ぶ

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植え付けに先立ち、園芸店等で柚子の木の苗を購入しましょう。柚子の木の苗選びのポイントは、幹が太くがっしりしたもの、枝の節が間延びせずにつまっていて、葉が沢山ついたものを選ぶことです。

また、柚子の木は品種によってはトゲのないものや大玉の実が成るもの、病気に強いものなど特徴があるので、よく確認して選びましょう。
 

植え付ける

植え付けの適期は3月~4月になります。地植え・鉢植えどちらの場合でも、植え付けの際に根をできるだけ広げるようにして植え、浅植えにするのが植え付けのポイントです。接ぎ木部分を埋めてしまわないように気を付けます。

植え付けが終わったら、たっぷりと水を与えましょう。

柚子の木のお世話をする

Photo byMonikas_Wunderwelt

頑張って植え付けた柚子の木は、日々お世話をしながら育てていきます。水やりや剪定、植え替えなど、柚子の木を結実させ、実を収穫するまでにはやるべき作業が沢山あります。育て方のポイントをそれぞれご紹介しましょう。

柚子の木への水やり

水やり作業は、主に鉢植えの場合に必要です。土の表面が乾いたら鉢底からあふれるほどたっぷり水やりしましょう。春~夏は水切れしないように特に気を付けます。秋になったら水やりを少し減らします。収穫前の時期に乾かし気味に育てる方が、味が引き締まるからです。柚子の木の様子をよく観察し、季節に応じた水やりをしましょう。

根付いた後、地植えの柚子の木には基本的に水やり不要です。

年3回の追肥を忘れずに

しっかり結実させるためには、肥料の施し方を押さえましょう。追肥は年3回施します。1回目は3月です。柚子の木の生長を促すため、油粕などの緩効性の有機質肥料を追肥しましょう。

2回目の6月の追肥と3回目の10月の追肥は速効性のある化成肥料を与え、実を充実させます。肥料の与え過ぎにならないよう、ラベル等をよく読み、適切な量を追肥するようにします。

植え替え

Photo bydeborahmiller56

どのような木でも鉢植えで育てていると、生長に従って根が鉢の中で一杯になってきます。土の栄養もなくなってくるので、植え替えを行いましょう。

植え替えの目安は2年に1回、植え替えに適した時期は3月~4月です。柚子の木の苗を引き抜いたら、古い土を落とし、ひと回り大きな鉢に新しい土で植え直します。植え替え後は鉢底からあふれるほどたっぷりと水やりしましょう。

地植えにした場合は、特に理由がない限り、植え替える必要はありません。


柚子の木の剪定作業は?

Photo byblickpixel

3月~4月が柚子の木の剪定の適期です。家庭栽培の柚子の木の場合、植え付け後数年は込み合った枝を間引く程度の弱めの剪定のみとし、あまり積極的な剪定は行いません。

植え付けから5年ぐらい経った株は、伸びた枝の剪定を行います。葉を落とす際は全体の2割程度にとどめ、邪魔な枝を切ります。ポイントは、前年に伸びた枝を切らないことです。

また、その年に実がついた枝を切り、実がつかなかった枝は残すようにしましょう。

枝の誘引をする

植え付けから2~3年が経ち、柚子の木の枝が育ったら、ロープなどを使って枝を横方向に誘引する作業を行います。垂直方向ではなく、地面と平行な、横方向の枝に柚子の実がつきやすいからです。鉢植えの場合は支柱を使ってもいいでしょう。これを3月までに行い、邪魔な枝は切ります。
 

柚子の木の摘果

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柚子の木には実がなってもある程度自然に実が落ちてしまう現象があり、これを「生理落果」といいます。人間による摘果はこの生理落果が落ち着く7月頃に行いましょう。

植え付けから2年までは実が成ってもすべて摘果してしまいます。株自体が生長する方に栄養を回しましょう。

3年目以降、葉80~100枚に対して実1個を目安に実を間引きます。これにより、ひとつひとつの実が充実したものになります。また、夏以降に結実したものはすぐに摘果します。

収穫

3年目以降、黄色くなるまで育てた実をいよいよ収穫します。色づいたものから順に、早めに収穫するようにします。長期間そのままにしておくと、翌年花つきが悪くなり、収穫量に影響が出るので気を付けましょう。

病気や害虫に気をつけよう

気になる病害虫

Photo byBabaMu

柑橘類のなかで、柚子の木は比較的病気に強い植物です。まれに黒点病やそうか病が見られるので、発生したらすぐに病斑部分を取り除くなどして対処しましょう。

害虫としては、蝶の幼虫アオムシやハモグリバエに注意が必要です。大量に発生すると葉が落ちてしまうので、卵などを見つけたら葉ごと取り除き、幼虫は見つけ次第駆除しましょう。普段からよく観察して、風通しと日当たりが良くなるように心掛け、病害虫の予防に努めましょう。

柚子の木を増やすには?

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株が弱ってきた時に気になるのが、柚子の木の増やし方です。よく「桃栗3年柿8年、ゆずの大馬鹿18年」と言われるように、柚子の木は種から育てると実が収穫できるようになるまでにとても長い時間を要し、あまりおすすめできません。柚子の木を増やす方法には接ぎ木が一般的に知られています。

接ぎ木とは?

接ぎ木とは他の植物、柚子の木の場合はカラタチなどを台木にして木の一部をつなげ、育てたものです。接ぎ木をするとそれぞれの植物の長所を引き継ぎ、短い年数で多くの収穫を望めます。園芸店等で販売されている柚子の木の苗の多くがこの接ぎ木でできた苗です。

挿し木はできる?

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柚子の木の挿し木はあまり一般的ではありませんが、可能です。沢山増やしたい方は挿し木に挑戦してみましょう。

挿し木は3月頃行います。若く勢いのある枝を10㎝程度切り取って挿し木用の挿し穂にし、切り口を清潔なナイフで斜めに切り直しましょう。葉からの蒸散を防ぐため、葉を2分の1程度切ります。数時間吸水させた後、発根促進剤を塗り、挿し木用土に挿しましょう。

水を与えながら、風の当たらない日陰で管理し、発根を待ちます。

柚子の木をもっと楽しむ方法

柚子を余すところなく食べる

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自分で育てた柚子の木から収穫した柚子を色んな方法で楽しみましょう。生の果実の皮を削って薬味として使ったり、果汁をそのまま絞って使うことが多いですが、他にも色々な使い方があるのでご紹介しましょう。

自家製調味料

ひと工夫して、より日持ちする自家製調味料を作ってみましょう。青柚子を使って作れるのが、柚子胡椒。材料は青柚子、青唐辛子、塩のみといたってシンプルなので、摘果した青柚子を使って挑戦してみたいですね。

すりおろした柚子の皮と果汁を使って柚子味噌もできます。白みそと砂糖・みりんを火にかけ、最後に加えるだけ。薫りの良い柚子味噌が出来上がりますよ。

その他、柚子果汁を使ったサラダドレッシングも香り高くおすすめです。

お菓子やお茶に

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新鮮な柚子をレモンのように輪切りにしてお茶に浮かべれば、爽やかな柚子茶に。

他の柑橘類と同様に、柚子を丸ごと使ったジャムもできます。甘酸っぱく、パンやヨーグルトにぴったりです。ジャムの状態にしておけば、お湯で溶いてホット柚子湯として飲んだり、他のお菓子への応用もききます。

柚子の皮を砂糖漬けにして乾かせば、柚子ピールのできあがり。長期保存が可能で、ほろ苦い、大人向けのお菓子です。
 

柚子の保存方法

柚子が沢山収穫できたら、冷凍保存して、余すことなくいただきましょう。

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皮と果汁を分けて冷凍

まずは皮と果汁を分けて冷凍する方法をご紹介します。ポイントは、皮を2㎝幅程度の大きめにむいた状態で冷凍することです。最初から細かく刻んでおくより、フレッシュな香りがキープできます。使うときに小さく刻んで使います。

果汁はアルミカップや製氷皿などを使って、小分けにして冷凍します。使う直前に常温にしばらく置いて自然解凍します。これらの方法で約1ヵ月保存できます。

丸ごと冷凍!

柚子が丸ごと冷凍できるのをご存知でしょうか。洗って水気を切り、一個ずつラップで包んで、さらに冷凍用保存袋に入れましょう。冷凍庫で約3ヵ月と長い間保存できますよ。

この方法で保存しておけば、必要なときに皮をすりおろし器ですって粉状になった柚子を使うことができます。また、自然解凍した後、皮を削いだり、果汁を絞ることもできますよ。(一度解凍した柚子をもう一度冷凍することは避けましょう。)

おわりに

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柚子の木について植え方、剪定方法など育て方のコツと楽しみ方をまとめてご紹介してきました。柚子は実も皮もすべて使えます。ビタミンCなど体に良い栄養素を豊富に含んでいるのも嬉しいですね。自宅で育てれば無農薬栽培も可能ですし、1本あれば重宝します。柚子の木の栽培にぜひ挑戦してみましょう!

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