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食害の被害はヨトウムシかも
ヨトウムシは葉を食べるアオムシの一種
アオムシというと一般的にモンシロチョウの幼虫を指す言葉ですが、ヨトウムシはヨトウガ、シロイチモジヨトウの幼虫、または成虫を含めた総称で植物の葉を食べる害虫です。成虫の状態ではモンシロチョウと同じで食害を起こすことはありませんが、幼虫のときに駆除や予防などの対策をしないと深刻な被害を受けます。
主に、アブラナ科が被害を受けやすく、アブラナ科の野菜は葉を食べるものが多いため、葉がなくなると野菜としての価値もなくなるため厄介な害虫です。
アブラナ科とは
アブラナ科の野菜は非常に多いです。家庭菜園でも育てやすい野菜はキャベツ、水菜、白菜、大根、カブ、小松菜、菜の花(なばな)などの身近な野菜類が被害に遭いやすいです。ベビーリーフを育てていると対策をしていなければ必ず被害を受ける害虫といえます。
また、食性は幅広くアブラナ科の野菜に限らずネギや菊(花)バラなども被害を受け家庭菜園、ガーデニングの天敵といえる害虫です。稲科の植物だけ被害を受けないといわれています。
漢字で書くと「夜盗虫」・「夜盗蛾」
ヨトウムシ、ヨトウガを漢字で書くと夜に盗む虫、夜に盗む蛾になります。これがモンシロチョウの幼虫とは大きく異なるヨトウムシの特徴を表していますよ。アオムシは朝や昼などの明るい時間帯でも見つけやすいのですが、ヨトウムシは夜に盗む(葉を食べる)虫なので人間が見回れる明るい時間帯では見つにくいです。
そして、知らないうちにどんどん食害が広がり気づけば薬剤や農薬を使わないといけなくなったり、食べる場所が少なくなるというわけです。
ヨトウムシの特徴・生態
成虫の生態・特徴
ヨトウガ、ハスモンヨトウ、シロイチモジヨトウの三種類の蛾がヨトウムシと呼ばれています。
ヨトウガは、体長が1.5~2cm程度で灰褐色の羽をし、境界があいまいで不鮮明な白の斑紋があります。ハスモンヨトウは体長1.5~2cm程度で明るい茶色の羽に縞模様が特徴です。シロイチモジヨトウは他の種類より小型で1.2cm程度で灰褐色の羽にオレンジの色の丸い模様が特徴になります。成虫は葉を食べません。
夜に飛来
蛾に分類されていてモンシロチョウのように昼に飛来するのではなく、夜に飛来します。目的は葉を食べるのではなく産卵です。卵塊の状態で葉の裏に産み付けられます。
卵塊は種類によって異なり、ヨトウガの卵は群生ししていてすぐに何らかの虫の卵と分かる状態です。ハスモンヨトウは淡い黄色い繭(まゆ)の中に卵があり、綿の繊維状の卵塊で外からは卵が見えません。同じようにシロイチモジヨトウも白っぽい毛で覆われた卵塊があり中に100を超える卵があります。
ヨトウムシの幼虫
ヨトウムシは非常に大食漢の害虫で、蛹になる直前になると特にたくさん食べます。初期の頃は葉が虫食いになるだけですが、後期になると葉脈以外すべて食べられて虫食い状態では済まなくなります。白菜などの野菜だけでなく、前述したようにスミレ、マーガレットやバラなどの花、西洋芝にも寄り付き非常に厄介な害虫のため必ず防除しておきましょう。
卵から孵ったばかりは小さいですが、最終的には約2~5cmと大きくなり薬剤が効きにくくなります。
ヨトウガの幼虫
真夏を除き暖かい時期に発生するため年に2~3回も発生する可能性があります。主に見かけるのは6月前後と10月前後です。卵から孵った幼虫は葉の裏に群生群棲し少しずつ葉を食べ大きくなると、それぞれ好きなように散らばります。そして、明るいうちは茂みの中に身をひそめるようになり、暗くなると活動します。まさに前述した夜に盗む虫というわけです。
葉に穴ができていても、虫が周囲に見つからない場合は他の種類もふくめヨトウムシを疑いましょう。
ハスモンヨトウの幼虫
ハスモンヨトウは9月以降11月ぐらいまでに発生しやすいといわれています。基本的な生態はヨトウガと同じでヨトウムシらしい行動パターンといえます。サイズなども殆ど変わりません。また色も褐色だったり緑だったりと個体差が大きく色で見分けるのは難しいです。ハスモンヨトウは頭の後ろに黒い斑紋があるのでその部分で見分けるといいでしょう。
基本的にヨトウムシとしてまとめられているため駆除や予防方法に大きな差はありません。
シロイチモジヨトウの幼虫
暑さが厳しくなる8月でも見かけやすいヨトウムシです。生態などの他の特徴はヨトウムシとひとくくりにされているだけあって、あまり変わりません。見分け方は体の横にオレンジの点があると本種になります。オレンジの点がない場合はヨトウガになります。簡単にできる予防方法や駆除方法は変わりませんが、薬剤、農薬を使うときは、見分けられるようになっておく必要があります。
発生するサイクル
幼虫が発生する時期は前述したように暖かくなってからとなります。ヨトウムシは寒さが苦手なため越冬は蛹の状態で土の中でします。春に蛹の状態で越冬した成虫が飛来し産卵、幼虫の発生というサイクルになります。時期問わず温かな場所では発生する可能性があるため厄介ですよ。
ヨトウムシの天敵
生物農薬ともいわれる害虫の天敵を利用した防除、駆除方法もありますが、ヨトウムシの主な天敵はアシナガバチとなるため生物農薬はありません。アシナガバチは臆病ですが巣の近くで作業すると襲われることもあり危険。他にも天敵となる虫はいますが、アブラムシに対するてんとう虫のように有効的なものでもないので益虫や天敵に頼ることはできません。
これからヨトウムシの予防方法などを紹介していきます。発生時期に合わせてしっかり予防しましょう。
ヨトウムシの予防方法
防虫ネットの活用
農薬などの薬品を使わず対策するには成虫を植物に近づけさせないようにしましょう。大きい植物、大きな家庭菜園畑では難しいですが、鉢植えやプランターでは対策しやすいですよ。方法は3つありまずは物理的に植物に寄れなくする防虫ネットの活用です。
ネットの目はできるだけ細かいものを用意して逆U字型の支柱をプランターでは、3本程度差し込みトンネルのようにネットを被せましょう。大きいものを使って余った部分はプランター下に入れれば完成です。
隙間なく丁寧にかける
ヨトウムシは1cmを超えるため、多少目が荒いネットでもいいのですが、防虫ネットで物理的に植物に近く付けなくするとコナガ、モンシロチョウ、ナメクジ、アザミウマ(スリップス)などの害虫も防げることから体の小さなアザミウマに合わせて目の細かいネットを用意しましょう。
隙間ができないようにプランターに敷き込むことで地面を這うナメクジにも対応できますよ。畑の場合はネットの裾を埋め込むことで隙間がなくなりヨトウムシなどを防げます。
罠を仕掛ける
ヨトウムシ用のトラップを仕掛けて産卵する前に駆除するという防除方法です。一般的に虫は黄色いものに寄り付きやすく、黄色の粘着シートなどを使う罠が多いですが、ヨトウムシは夜行性のため黄色テープや銀色のテープで寄り付けなくするという方法ではなくフェロモン薬剤を使ったトラップが有効的です。
ただしすべてのヨトウムシに有効的なフェロモン薬剤があるというわけではなく、ハスモンヨトウにしか効力が出ないため過信は禁物です。
仕掛けるだけで安心に予防・駆除
ファネルトラップ1個+フェロディンSL 2個セット
フェロモンによりハスモンヨトウのオス成虫を罠に集めて、トラップで捕獲、駆除することで受精卵を減らして被害を抑える、減少させるためのトラップです。すべてのヨトウムシに有効ではありませんができるだけ農薬を使いたくないという方に有効的な予防方法といえます。
トラップにフェロモン剤をいれて設置するだけのため管理の手間が不要で、誰でも使いやすいアイテムです。半径60m前後まで効果があり広い範囲からヨトウムシを集めてくれます。
吊るす手作り罠
自作トラップでも駆除できます。やり方は酢、焼酎、砂糖を混ぜたものを用意し、ペットボトルの側面に切れ込みをいれヨトウムシ(蛾)が入れるようにして1.5mていどの吊るすだけです。設置型で前述したフェロモントラップのような効果が期待できますよ。また、特定のヨトウムシを狙い撃つフェロモンではなく、食べ物の臭いで誘い出すトラップのためヨトウムシ以外にも効果が期待できる手作りトラップです。
埋める手作り罠
豆腐の容器などに生の米ぬかをいれて容器の口と地面が平行になるまで容器を埋めていきます。これだけでトラップは完成です。ヨトウムシが米ぬかを食べに集まるという罠になります。そのまま集まったら廃棄という形になりヨトウムシは米ぬかが消化できないため、米ぬかを食べるだけで弱る場合も多々あると言われている優秀なトラップです。
ただし、ナメクジなども集まるため注意しましょう。また生の米ぬか以外ヨトウムシは食べないと言われています。
コーヒーを混ぜる・撒く
コーヒーの出がらしを土に混ぜたりコーヒーを土にかけて混ぜることでさまざまな虫が臭いや成分を嫌って寄り付かなくなります。ヨトウムシもコーヒーによる忌避剤(きひざい)が有効と言われていますよ。
また、ナメクジ(カタツムリ)にもコーヒーは有効的でカフェインの作用により厄介なナメクジが駆除できます。少し薄い程度のコーヒーをスプレー容器に入れてプッシュするだけでいいと言われているため効果が期待できますよ。
木酢液を使う
木を燃やした煙を冷やして生成する木酢液には殺菌作用や忌避剤のような効果があると言われています。強酸性の液体のためそのまま撒くと植物にもダメージが及ぶため100倍程度に薄めたものをスプレーで散布するとさまざまな虫が寄り付かなくなったり、カビが生えなくなったりして病気にもなりにくくなるといわれていますよ。木酢液は自作もできますが、市販されています。
殺虫効果は期待できないため活動時期に合わせてあらかじめスプレーしておきましょう。
畑が大きいなら
家庭菜園ではあまり行わない方法として専用のLEDライトで明るくする方法もあります。ヨトウムシは夜行性で暗くなると活動する特性があるのでライトを付けることで暗くならないようにして活動を鈍らせる効果が期待できます。他のトラップと比べると活動を鈍らせるだけしか効果はなく、畑や花壇に侵入したままになるため被害を受ける可能性もありますよ。
また、一般的には農家向けの方法となり家庭菜園や趣味でガーデニングをしている方には向きません。
薬剤をあらかじめ使う
被害を抑える予防方法としてあらかじめ農薬などの薬剤をスプレーしたり、土の中に混ぜるという方法があります。薬剤を使うため無農薬にはならないので注意しましょう。あらかじめスプレーしたり土の中に薬剤を植えることで植物が殺虫成分を吸い上げ、害虫が葉を食べた時点で殺虫成分が効き予防できるというものになります。
農薬などの薬剤を使うときは使用できるか必ず確認し、説明書に表記されている使用回数などを必ず守るようにしてくださいね。
ヨトウムシの駆除対策
葉の見回り
被害を未然に防ぎ、楽に駆除する方法は葉の見回りです。卵が産み付けられていないか葉の裏まで丁寧に見ていきましょう。畑では非常に大変な作業になりますが、孵化(ふか)するまえに卵塊を発見できたら卵塊部分だけ葉ごと取り除いて処分するだけで駆除ができます。
孵化した場合でも初期の頃は散らばって行動せず集団で葉の裏にいることから、葉の裏までしっかり確かめて小さなアオムシがたくさんいたら葉ごと取り除いて駆除しましょう。
初期なら駆除しやすい
ヨトウムシは成長するとより大食漢になり、それぞれ別行動し、ヨトウムシの名前の通り夜に活動するようになります。発生初期のヨトウムシは明るいうちでも発見でき駆除しやすいですよ。散らばる前なら大食漢ではないので被害も少なく枯死することはないでしょう。虫食いの葉があったら裏まできちんと確認してくださいね。
ヨトウムシを農薬などの薬剤で駆除しない場合、発生初期の段階が唯一のチャンスと言えます。
農薬を使う
ヨトウムシ広範囲に広がった状態では捕殺が難しくなります。前述したトラップでの対処も難しくなるため発生初期に合わせて農薬などの薬剤を使う方法もおすすめです。トラップとして紹介した土などに混ぜ込むタイプの他に被害に気づいたときに水と混ぜて散布する水和剤などもあります。
大きなヨトウムシは茂みの中に隠れていて、薬剤にも強くなっているため丁寧に散布しましょう。葉の裏なども忘れないように散布しないと農薬によっては効果が薄くなります。
ヨトウムシにおすすめ薬剤
ベニカXネクストスプレー
スプレー(霧吹き)タイプの薬剤でさまざまな花に対して使えるヨトウムシにも効果のある農薬です。また、野菜にも使えて家庭菜園なら持っておくと非常に便利で病気にも虫にも効きます。
農薬を使用する際は必ず説明書を読んでから使用しましょう。
家庭園芸用GFオルトラン粒剤
土に混ぜ込んだり、株元に散布することで有効成分が植物の中に移行して効果を発揮する浸透移行性の農薬です。事前に撒いておくと被害を最小限に防げますよ。用法用量をきちんと守って正しく使いましょう。
まとめ
ヨトウムシは発生初期がポイント
夜に活動し普段は隠れていて大食漢のためヨトウムシは非常に厄介な害虫です。体長も大きくなり薬剤が効きにくいため発生初期に駆除、発生する前の予防が重要になります。ヨトウムシは体が大きいため防虫ネットが有効です。さらに、発生初期だとヨトウムシは葉の裏に群棲しているため一網打尽にできますよ。できるだけ初期対応をするように心がけるといいでしょう。
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