山梨の七面山の山頂から富士を見に登山に出かけよう!
七面山は山梨を代表する神山のひとつ
山梨県南巨摩郡に鎮座する七面山(しちめんさん)。標高1989mの日本二百名山に数えられる霊山です。法華経の聖地としても知られる見延山を東に、山頂の一部は久遠寺に属し、法華経を守護とする七面大明神が祀られています。そんな山梨県の七面山、登山ルートは、まったくの初心者にとってはいささかハード。しかし、初心者でもある程度の経験のある初心者の方であれば日帰りでき、登詣する登山者も多くいらっしゃいます。標高1700mあたりにある敬慎院から山頂までのルートは富士の展望地としても有名です。
山頂からのダイヤモンド富士を目指して
富士山の真西に坐する七面山。山頂までの道中、敬慎院からうかがう富士の姿は、まるで絵にかいたように美しく、夏や冬には見られません。しかし、彼岸のころには山頂から太陽が昇るダイヤモンド富士の姿を拝むことも可能です。この絶景を見るために多くの登山者が七面山を目指し、そのすばらしさを称えます。ぜひ次なる登山者になるべく、七面山を目指してみてはいかがでしょうか。
七面山の日帰り登山往復ルート2選
七面山の登山ルートは2つ、表参道ルートと裏参道ルートとなります。いずれかのルートを通って七面山の山頂へと向かい、いずれかのルートで下山するというのが、七面山の登山ルートです。今回はこのふたつのルートについて細かくご紹介します。行きの登山ルートは表参道、帰りの登山ルートは裏参道、あるいはその反対、あるいは往復で同じルートなど、さまざまな組み合わせで登山を楽しんでみてください。
表参道ルート【富士の絶景を拝んでから山頂を目指す】
表参道ルートを使って七面山山頂までの登山時間は、だいたい4~5時間ほどです。距離にしておよそ6km、険しい登り道となりますが、この登山こそが修行であり、山頂まで時間や距離をかけていくことが大切だと考え方もあります。なお、七面山を日帰りで登山する場合、距離も時間もギリギリで行くことに。登山に慣れていない初心者の方は、無理に日帰り登山をせずに、前泊して翌日に日帰り登山をすることをおすすめします。
一丁おきに灯篭が設置されている登山道
表参道登山のスタートは、羽衣地区と呼ばれるエリアです。元丁目と称された七面山登山口から登山開始、2丁目の神力坊、13丁目の肝心坊、23丁目の中適坊、36丁目の晴雲坊と、4つの坊を通ります。ここでは登山の安全祈願や休憩などが取れる場所となっていますので、適宜、休みを入れたいです。30丁目の見晴台からは北側の眺望が楽しめます。
富士山の絶景ポイントで一休みしたい
46丁目の和光門を通り、50丁目に鎮座するのが敬慎院で、手前にある随身門の遥拝台が富士山の絶景ポイントとなっています。富士の手前に三つ峠、黒岳、毛無山、見延山などが広がり、山頂へ。なお、大崩落のナナイタガレから七面山の山頂までは急登で、最後の踏ん張りが必要です。なお、山頂は木々が邪魔して展望がありません。
山頂では七つの池の伝説を感じよう
七面山には七つの池という伝説があります。この伝説によると、七面山には7つの池があるといわれていますが、7つ目の池はだれも目にすることはないのだとか。その理由は、いささか怖い話ですが、七つ目の池を見たものは必ず目がつぶれると言われているからなのだそうです。伝説が生まれるほど神秘的で美しい七面山の山頂に着いたらぜひ思い出してください。なお、登山道中の敬慎院にはふたつ池があります。
裏参道ルート【パワースポット満載の緩やかな下り】
裏参道ルートは、距離はおよそ9km、時間はだいたい3~4時間程度です。車で日帰り登山を考えてらっしゃる方は、表参道ルートか裏参道ルートをピストンで往復することになりますが、裏参道コースの方が傾斜が緩く、距離も短くなっています。ただし、表参道ルートのほうが木道などで整備され、急斜面があるものの、表参道の方が歩きやすいとも。しっかりと計画を立てて登山に臨みましょう。
七面山からの恵みをいただく立ち寄り箇所が多い
山頂から敬慎院に下りたら、開祖の日郎上人が竜の姿をした七面大明神が現れたと伝わる一の池、池を守る池大神宮へと進みます。さらに、二の池、ここからご神木である大イチイへ行くことも可能です。そして、パワースポットの影嚮石(ようごうせき)が祀られた奥の院へ。願い事をしながら、石の周りを回るとよいとされています。展望台からは富士の眺望を楽しむことができますので、ぜひお立ち寄りを。
奥の院から裏参道登山口へ
奥の院からの裏参道ルートにも、表参道と同じように丁目石が設置されています。たとえば、30丁目が明浄坊、19丁目が栃之木安住坊です。栃之木安住坊は、開祖である日郎上人が植えたとされる大きなトチノキがあることで知られています。山梨県指定の天然記念物なので、ぜひ足を止めて見学を。なお、裏参道登山口は、神通坊の奥に位置し、角瀬(すみせ)と呼ばれるエリアとなります。表参道の入口とは異なりますので要注意。
難易度が高い見延山・七面山の縦走ルート
ロープウェイもある身延山から登山開始
七面山のとなりに鎮座する見延山。敬慎院は見延山久遠寺に属するなど、両坐は法華経の聖地として知られています。このふたつの神山を縦走するルートは、初心者ではかなり厳しいルートとなりますが、見延山にはロープウェイが。いつか縦走してみたいという方はぜひ参考にしてみてください。
身延山と七面山を結ぶ赤沢宿がポイント
登山のスタートは見延山久遠寺の登山口となります。ここに有料駐車場があり、ロープウェイで奥之院思親閣まで登ることも可能です。ここから西コースで追分感井坊まで進むと、七面山への道標があります。その後も標識を進んでいくと赤沢宿という宿場町へ。中世からの宿場町で、国の重要伝統的建造物群保存地区となっています。ここから七面山の標識に従って羽衣へ。羽衣が表参道の登山口となります。
難易度は高いので無理せずに
このルートは難易度が高いため、赤沢宿などで宿泊をして、余裕を持って登山に臨みたいコースとなっています。奥之院思親閣から七面山の表参道登山口のあたりまで、およそ3時間。登山道も修行道だという認識から、登山に赴く方も多いため、興味のある方は余裕をもって登山計画を立ててみましょう。
七面山登山で立ち寄りたいポイント
羽衣白糸の滝のお萬の方の尽力に感謝
七面山の表参道登山口の近くにある羽衣橋の東側にある滝、白糸の滝。滝の前に立っている女性は、徳川家康の側室であったお萬の方で、七面山の女人禁制を解いたといわれる女性です。登山前にぜひ頭を垂れましょう。なお、この白糸の滝、さらに奥にある雄瀧と対をなす女瀧としても有名です。マイナスイオンを存分に浴びて、滝からエネルギーをいただきましょう。
七面山の由来ともなったナナイタガレ
七面山の山頂のすぐ下の東側に位置するナナイタガレ。江戸時代に起こった安政東海大地震によって大崩壊した場所です。七面山には、古く大崩落地が7カ所あることから、七面(なないた)ガレの岳と呼ばれたことから、七面山の名がついたという説もあります。落石などには十分に気をつけて通るようにしたいです。
無理な日帰り登山よりも敬慎院で宿泊もあり
標高1700mに位置する敬慎院。身延山の裏鬼門を守る七面大明神が祀られ、富士の絶景が拝める展望地としても知られています。こちらでは宿泊も可能で、宿泊者は、名物の長い敷布団に並んで横になることで有名です。無理せずにゆっくりと七面山を登山しようと考えてらっしゃる方は、こちらでの宿泊も検討を。
敬慎院
- 住所〒409-2524
山梨県南巨摩郡 身延町身延4217-1 - 電話番号055-645-2551
- FacebookページURLhttps://www.facebook.com/%E4%B8%83%E9%9D%A2%E5%B1%B1%E6%95%AC%E6%85%8E%E9%99%A2-1382285298494274/
七面山へのアクセス方法や駐車場情報
七面山登山で利用する登山口はふたつあります。ひとつは羽衣エリアに位置する表参道の登山口、もうひとつは角瀬エリアにある裏参道の登山口です。両者はおよそ4kmほど離れており、車で10~15分ほどの距離に。なお、初心者の方でも健脚の方のために、日帰りで身延山から七面山へと縦走する方のために、見延山の登山口へのアクセス情報も付しておきます。登山初心者の方も、経験を積んで登山に慣れてきたら、ぜひ見延山と七面山の縦走も計画してみては。
七面山の表参道の登山口へのアクセスや駐車場
車でのアクセス
中部横断自動車道の中富ICより国道52号、国道410号、県道37号を経て、七面山郵便局から春木川沿いを入ります。しばらく進むと駐車場が点在しますので、ここに駐車することをおすすめします。なお、この先に七面山の表参道の登山口となり、春木川を渡ると白糸の滝・お萬様の像が見えてくるはず。
公共交通機関でのアクセス
JR見延駅から早川町の乗り合いバスで七面山登山口バス停で下車。こちらは裏参道の登山口となるため、ここからタクシーなどで表参道の登山口まで向かいます。バスを利用して登山に行かれる方は、バスの時間には注意を。
七面山の裏参道の登山口へのアクセスや駐車場
車でのアクセス
裏参道の登山口へのアクセス方法は、表参道の登山口へのアクセス方法と同じです。中部横断自動車道の中富ICより国道52号、国道410号、県道37号を経て、七面山郵便局から春木川沿いに入ると、神通坊が見えてきます。近くに早川町役場の駐車場がありますのでこちらを利用すると便利。
公共交通機関でのアクセス
JR見延駅から早川町乗り合いバスで七面山登山口バス停を下車し、歩いて3分で神通坊となります。裏参道の登山口は、この神通坊の裏手です。バスを利用する場合、本数が少ないため、時間には注意して。無理せずにタクシーで身延駅まで向かうことも考慮しておきましょう。
見延山の登山口へのアクセスや駐車場
車でのアクセス
中部横断道の下部温泉早川ICより県道9号、国道52号、国道300号、国道52号、県道804号を経て久遠寺入口の交差点から道標に従っていきます。駐車場は有料ですので、最新の料金などは公式サイトで確認を。
公共交通機関でのアクセス
JR見延駅より見延山行の路線バスにて15分ほど、終点の見延山バス停留所を下車、徒歩15分でロープウェイの入口となります。なお、JR見延駅まではJR甲府駅からもJR富士駅からも、だいたい1時間です。
七面山の登山でおすすめの季節
夏の酷暑時や冬の積雪期は避けたい
七面山への登山は、しっかりとした登山装備や服装で赴きましょう。冬の積雪期をのぞいた4月ごろから夏、秋の終わりごろまでがおすすめです。七面山は、日本二百名山に数えられる山で、標高も1989mと、ほぼ2000m級の山となります。冬に雪が降ると、アイゼンなどを使う本格的な登山となりますので、初心者の方は避けたほうがベター。真夏も体調管理がむずかしく、かなりきつくなりますので、春や秋など過ごしやすい時期を選んだほうがいいでしょう。
ダイヤモンド富士を狙うなら春か秋
富士山の山頂から太陽が昇るダイヤモンド富士を拝みたいという方は、夏や冬の時期ではなく、春や秋の彼岸ごろがねらい目です。ただし、このころになると、多くの登山者が訪れますので、人出の多い登山となります。自らのペースで無理なく登山するようにしたいです。なお、彼岸のころは天候が変わりやすくなります。雨具などの準備、脱着しやすい服装など、しっかりとした準備をしておくことがおすすめ。
策道に頼んで荷物なし登山も可能
標高の高い七面山登山に行きたいけれど、荷物を持って登るのに自信がないという方、七面山登山では、索道に預けて登ることが可能です。索道とは、山の上に必要なものw運搬するゴンドラで、休憩処・山田屋や増田屋旅館などで荷物を預け、荷札を受け取り、敬慎院で料金を支払うことになります。なお、運行状況などについては敬慎院に事前に確認を。
登山初心者こそ七面山で多くの恵みをいただこう
山梨を代表する霊山、七面山。登詣するルートでは、絶景を楽しめる展望があり、パワースポットも点在し、春夏秋冬、それぞれの富士の姿を拝むことができます。気軽に登れる山ではなく、登山それ自体も修行というほど厳しい登山となりますが、立ち寄れるスポットも多いので、無理せず山頂を目指してみてはいかがでしょうか。
山梨の登山スポットが気になる方はこちらもチェック!
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