ロードバイクのパンク修理の方法を徹底解説
パンクはサイクリング中に発生しやすいトラブルがパンクです。万が一パンクしてしまった際、近場でのサイクリングなら押して帰宅もできますが、長距離や遠方でサイクリングを楽しむ場合は、その場で自分でパンク修理を行う必要があります。
そのため、タイヤの直し方は最低限必要な知識ともいえるのです。そこでパンク修理に必要なものや直し方の手順、パンク修理の際の注意点について解説します。やり方さえ分かれば誰でも簡単にできるのでぜひ覚えてください。
主に発生するパンクの原因と事前の対策
ここではパンクの原因とその対策について紹介します。対策を行えばパンクを格段に減らせられるのでロードバイク初心者の人はぜひ参考にしてください。
タイヤに異物が刺さる
走行中のパンクのほとんどが異物が刺さることが原因です。釘やガラスなどは踏めばパンクすることがあるのは理解できますが、砂利や小石など少しでも尖っているとその上を走行中にパンクすることがあります。
これらの砂利や小石は走行中に見えづらいことが多いため、無意識のうちに踏んで、パンクするのです。対策は、砂利や小石があるような場所はできるだけ避けて走行することでパンクの可能性を減らせます。
また、雨の日や路面が濡れている日は特にパンクしやすいため、パンクを予防する注意点としてこういった日はサイクリングを控えることをおすすめします。
リム打ちパンク
空気圧が低いとリム打ちパンクが発生しやすくなります。リム打ちパンクとは段差などでタイヤがつぶれた拍子にチューブに穴が空いてしまうパンクです。主に空気圧が低い時に勢いよく段差を乗り越えると発生します。
このリム打ちパンクではチューブに2か所同じような穴が空くため、パッチでの修理では手間がかかります。そのため修理は新しいチューブに交換しましょう。事前対策としてはサイクリングの前に空気圧をチェックしてみることです。
バーストパンク
バーストパンクは高い空気圧であるスポーツサイクルに起こりやすいパンクの種類です。発生する確率は低めですが、万が一発生してしまうと、タイヤが破裂して自転車がコントロールできずに事故につながる危険性があります。
また、チューブに大きな穴が空くこともあるため、そのように大きな穴が空いた場合にはパッチでの修理はできません。そのため、サイクリングを行う際には必ず予備のチューブを用意しておくようにしましょう。
ノーパンクタイヤについて
ロードバイクなどのスポーツサイクルの中にはノーパンクタイヤと呼ばれるタイヤがあります。タイヤの中にシリコンなどが入っているタイプのタイヤで、空気を入れないためパンクすることがないのです。
しかし、タイヤ自体重量が重くなってしまう上、衝撃をほとんど吸収しないため、乗り心地が悪くなる、というデメリットもあります。パンクすることはありませんが、ロードバイクの最大の特徴でもあるスピード感が衰えてしまうため、ロードバイクにはおすすめしません。
ロードバイクのパンク修理に必要なもの
ここからはパンク修理に必要なものについて説明します。サイクリングを行う際には必ず所持しておきましょう。
携帯ポンプ
携帯ポンプはタイヤに空気を入れる際に必要なものです。様々なタイプがありますが、空気圧が計測できるタイプを選ぶようにしましょう。また、空気の入れ方も通常の空気入れとは異なり、コツが必要となります。
一般的にスポーツサイクルのタイヤの空気圧は高くなっています。そのため、空気を入れれば入れる程、力が必要です。力が弱い女性の方などは適切な空気圧にするのは難しいかもしれません。
エアボンベ
携帯ポンプで空気を入れるのは煩わしい、という人にはこのエアボンベがおすすめです。このエアボンベを使用すれば、携帯ポンプよりもはるかに簡単かつ短時間でタイヤに空気を入れることができます。力も必要ないので女性の方にはおすすめの道具です。
しかし、使い捨てなので、ボンベ内のエアが無くなってしまうと捨てるしかなく、必然的に荷物が増える、というデメリットもあります。
タイヤレバー
タイヤレバーはホイールから簡単にタイヤを取り外す際に必要なものです。パンク修理の際はこのタイヤレバーを使用してタイヤを取り外し、中にあるチューブを取り出します。基本的に2本から3本のレバーを使用するため、その個数がセットで販売されています。
チューブ
ロードバイクのパンク修理のほとんどが新しいチューブへの交換です。サイズはタイヤの側面に記載されているサイズのチューブを購入すれば問題ありませんが、バルブの長さは自分で把握しておく必要があります。
バルブが短いと、空気入れができなくなりますし、長いとバルブが破損してしまう可能性が高くなります。
修理キット
ゴムのりとパッチとやすりが入っている道具が修理キットです。予備のチューブを持っていない時やすでに使ってしまった場合に必要なものです。具体的な修理の手順は後記にて紹介するのでぜひ参考にしてください。
マジック
パンクした箇所に印を付けるために使用します。マジックが無いと、パンクした箇所を見失うことがあるため必ず用意しておきましょう。チューブは黒色なので、見やすいように白色など明るい色のマジックを用意しておくことをおすすめします。
ロードバイクのパンク修理の方法
ここからはロードバイクのパンク修理の方法を解説します。チューブを交換する方法とパッチを使用して穴をふさぐ方法の2種類の方法について解説するので、パンク修理の方法が分からない、という人はぜひ参考にしてください。
ロードバイクのパンク修理の方法①チューブ交換
パンクの直し方の1つであるチューブ交換の手順について解説します。この直し方は新しいチューブと交換するだけなので最も手っ取り早く簡単にできる直し方でもあります。そのため、初心者の人は必ず把握しておきましょう。
以下のポイントに従って手順を説明していくのでぜひ参考にしてください。
チューブ交換の手順
- パンクした方のタイヤをロードバイクから外す
- タイヤを確認する
- ナットを外しタイヤレバーを使ってタイヤを外す
- チューブを取り出しタイヤ内を確認する
- 新しいチューブをタイヤ内に入れる
- 空気を入れて完了
パンクした方のタイヤを取り外す
パンクに気が付いたらまず安全な場所に自転車を停めてパンク修理ができるスペースを確保します。その後タイヤを取り外すようにしましょう。周りの状況を確認せずにいきなりパンク修理に入ると思わぬ事故に遭う危険性があります。
安全な場所を確保したらパンクした方のタイヤをロードバイクから取り外します。取り外す際は必ずブレーキレバーを外してから行いましょう。基本的にロードバイクのタイヤは前輪でも後輪でもクイックレバーを緩めるだけで簡単に外せるタイプがほとんどです。
しかし、タイプによっては六角レンチなどを使用しなければ外せないタイプもあるため、必要に応じて六角レンチなども所持しておくことをおすすめします。
タイヤを確認する
パンクしたタイヤを取り外したら一度タイヤ全体を確認してパンクの原因を探しましょう。穴を見つけたらその箇所をバルブの位置を基準に覚えておくと、チューブの損傷個所を見つけるのが容易です。
注意点は異物を発見したら必ず取り除くことです。この時点で異物を取り除かないと、予備のチューブがすぐにパンクしてしまいます。そのため、確認した際に異物を発見した際は必ず取り除きましょう。
ナットを外しタイヤレバーを使ってタイヤを外す
タイヤを外す前にバルブの根元にあるナットを外しましょう。ナットを外さないと、バルブが抜けません。ナットを外したらタイヤレバーを使用してタイヤを外します。
チューブの中に空気が残っている場合は抜いておくと、より外しやすいです。またタイヤを外す際はバルブの近くから行いましょう。タイヤレバーを差し込む際のコツは指でタイヤを広げて隙間を作ることです。
差し込んだ後は真下のスポークに引っ掛けます。そしてそのすぐ隣のスポークの真上に2本目のレバー入れます。これを繰り返すとタイヤがポコッと外れます。外れたらレバーを差し込んでスライドさせれば外すことが可能です。
チューブを取り出しタイヤ内を確認する
タイヤを外せたら、チューブを取り出します。コツはバルブの反対側から取り出すことです。同じチューブを長期間使用するとタイヤがチューブに張り付いて外しにくくなっていることがあるので、ゆっくりと外しましょう。
チューブを取り出した後、タイヤ内の異物の有無を確認します。注意点として異物は鋭利である可能性があります。そのため、怪我には十分注意が必要です。
冒頭でのタイヤの確認で異物が見つかった際でもタイヤの内部の確認が必要です。
新しいチューブをタイヤ内に入れる
タイヤ内の異物の有無を確認したら、バルブの方から予備のチューブを入れます。入れる際はチューブがねじれに注意する必要があります。ねじれている状態で、入れるとバーストする可能性があります。
また、入れる前にチューブに少量の空気を入れておけば、ねじれにくくなる上、チューブが曲がることも少なくなります。しかし、エアボンベを使う人は空気を少しずつ入れることができないので、チューブを入れる際には注意が必要です。
空気を入れて完了
予備のチューブを入れたら、バルブの根元にナットをはめましょう。はめた後に所持している携帯ポンプやエアボンベで空気を入れて、漏れていないか確認します。正しくチューブが交換できていれば、空気漏れなどはないはずです。
ロードバイクのパンク修理方法②パッチでの修理
ここからはパンクした際の応急措置であるパッチを利用した直し方について解説します。予備のチューブが無くなってしまった際や、用意していない場合にはパッチなどを利用して自分で応急措置を行う必要があります。
そんなパッチを使用した際のコツや注意点を解説します。
パッチを利用した修理方法
- チューブを外すまでは前期と同様
- パンク箇所に印をつける
- チューブの表面をやすり掛けして汚れを落とす
- パッチを張り付ける
- タイヤにセットし空気を入れて完了
チューブを外すまでは前記と同様
まず前記と同様に安全な場所を確保した後、パンクした方のタイヤを外します。チューブを取り出したらタイヤ内に異物がないか確認します。
異物があればその場所をバルブの位置を基準に覚えておくとチューブの損傷箇所を確認しやすくなります。異物を取り除きチューブの損傷個所を探します。
確認の方法は空気を入れて耳を近づけ、シューと音がしている場所を探します。音がする場所を見つけたら、次は感覚で空気が漏れている場所を正確に探す必要があります。コツは手の甲や顔の感覚を活用することです。
パンク箇所に印をつける
ある程度損傷個所が絞れたら印を付けます。コツは音がする箇所を広めに円で囲みます。その広めの円から徐々に小さくしていくと、穴の箇所を正確に絞れます。
チューブの表面をやすり掛けして汚れを落とす
チューブのパンク箇所に印をつけたらチューブの表面を紙やすりでこすり、汚れや凹凸をならします。チューブ表面の光沢が消えてきたら程よくならせたといえるでしょう。注意点はやすり掛けした箇所にゴミなどが付着しないようにすることです。
パッチを貼りつける
チューブの表面をやすり掛けしたら、最初にゴムのりと呼ばれるのりを塗ります。その際、パンクした箇所周辺をできるだけ広範囲に塗ることがコツです。ゴムのりを使用することによりチューブ表面のゴムが溶けてゴムのりと一体化しパッチが貼り付けやすくなります。
ゴムのりを塗ったらしばらく放置して乾くのを待ちましょう。乾いたらパッチを貼るのですが、接着面にゴミなどが付着しないように注意が必要です。パッチを貼ったら、指で押さえつけて、フィルムをはがします。
この時しっかりと押さえつけなければチューブに張り付かないこともあるため注意しましょう。タイヤレバーの平らな部分を使用して押さえつけるのも有効です。
タイヤにセットし空気を入れて完了
パッチを貼ったら、空気漏れがないか水の中に入れたり、耳を近づけたりして確認します。空気漏れがないことが確認出来たら、チューブを戻し空気を入れます。前記の方法と同様に入れていけば問題ありません。適正な空気圧になったらパンク修理は完了です。
パンク修理ができない場合の対処法
予備のチューブもパッチも使い切ってしまい、修理することができない、もしくは手元で修理できない程破損してしまった場合の対処法について解説します。パンク修理の方法を誤ったり、運悪く連続して異物を踏んでしまったりすることもあるのでどうしようもない場合の対処法も理解しておきましょう。
近くの自転車ショップまで押していく
歩いて数kmの場所に自転車店があるようであれば歩いていくことも対策の1つです。ロードバイクを押しながら数kmも歩くのは大変ですが、自転車店まで歩けば修理することができます。
ロードバイクの押し方はハンドルではなくサドルの後部を持って押すと、初心者d芽生簡単に押すことができます。曲がるときはロードバイクを倒せば倒した方向に曲がることができます。
助けを求める
人気のサイクリングコースでは他の人がサイクリングを楽しんでいることが多いです。そのような人に助けを求めるのも1つの対処法です。パンク修理のための道具をすでに使ってしまったという旨を伝え、道具を使わせてもらいましょう。
近くの駐輪場に停めて後日持って帰る
やむを得ない場合は近くの駐輪場に停めておき、後日車などで持って帰るという手段もあります。その場合は駐輪場を所有する施設に必ず一言伝えておきましょう。伝えておかないと、無断駐輪ということで撤去されてしまう可能性もあります。
パンクはいつどこで起こるかわからない
ロードバイクはパンクと常に隣り合わせです。いつどこでパンクが発生しても不思議ではないのです。そのため、パンク修理の知識は必ず把握しておかなければなりません。近くにサイクリングショップがある際は持っていけば見てくれることもあります。
しかし、周りに何もない場所でパンクした際はすべて自分で修理しなければなりません。そのため、いつでも自分で修理できるようにパンクの直し方の手順は必ず把握しましょう。
パンク修理の際に役立つ知識が知りたい人はこちらのチェック
今回パンク修理の基本的なやり方を紹介しましたが、実はタイヤのサイズ表記の見方ややりやすい空気の入れ方などパンク修理の際に役立つ知識もあります。そんなパンク修理の際に役立つ知識が知りたい人はこちらの記事もチェックしてみてください。

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