はじめに
通勤や街乗り、さらにはサイクリングやロードレースなど幅広く使われて愛好家の多いロードバイク、そんなロードバイクのタイヤの大きさや太さはどうなっているのかを知るためにタイヤサイズの見方・選び方を紹介します。
ホイールやロードバイクに合う大きさのタイヤを購入するために必要な情報満載の記事です。これからロードバイクに乗り始める人や、タイヤを新調しようと考えている方、必見です。
ロードバイクのタイヤサイズ表記方法
WO規格を採用
ロードバイクのタイヤサイズ表記方法にはWO規格が採用されています。ロードバイクのタイヤサイズ表記方法であるWO規格はイギリス式とフランス式の2つの規格からなる際表記方法で、イギリス式ではインチでフランス式ではメトリックのサイズ表記となっているのが特徴的です。
スポーツバイクの購入を検討されている方でしたら、WO規格を理解すればタイヤサイズの選び方で困ることはありません。
それぞれの大きさ表記
WO規格のタイヤ表記ではイギリス式とフランス式で違ってきます。イギリス式では、タイヤ外径 x タイヤ幅(インチ)、フランス式ではタイヤ外径 x タイヤ幅・リムサイズ(メトリック)と表記させるのが特徴的です。
日本国内のロードバイク事情では後者のフランス式が普及しています。
数値単位がミリになるのでこれに慣れ親しんだ日本人にとってはわかりやすい・計算のしやすい規格の種類でしょう。
インチやミリ単位の両方が存在するのは大きさを確認する際に少し手間であることに変わりはありません。
ロードバイクのタイヤサイズの見方
見方の例その1:700 x 23c
ロードバイクのタイヤサイズの見方を定番サイズの700 x 23c で紹介します。これはタイヤ外径700mmでタイヤ幅23mm、リムサイズはCタイプのタイヤです。
リムサイズの種類を表す記号が載っているのでこれはWO規格のフランス式であり、ミリ単位で表されているという見方がすぐにできます。700 x 23c はロードバイクのタイヤサイズでは非常にポピュラーな大きさ・太さですので、覚えておきましょう。
見方の例その2:28 x 7/8
2つ目のサイズ例は28 x 7/8 です。サイズ表記に分数が使われているのでこの規格はWO規格のイギリス式とわかります。イギリス式の単位はインチのため、このタイヤ大きさは外径28インチのタイヤ幅7/8インチであるとの見方ができるのです。
ロードバイクではこの種類のサイズ表記を見ることはほとんどありませんが、現在でも一部の自転車、例えばママチャリのホイールに組むタイヤなどはWO規格のイギリス式となっています。
ロードバイク以外のタイヤサイズ
HE規格
ロードバイクのタイヤサイズ規格であるWO規格以外にも、他の種類の自転車に使われている規格となるのがHE規格です。HE規格の発祥地はアメリカで、元々はマウンテンバイクに採用されるタイヤの大きさ・太さを示すものになります。
現在だと子供用自転車などにも使われる規格です。あと、BMXのタイヤサイズもHE規格が使われています。
HE規格のサイズ表記
ロードバイクに使われることのないHE規格のサイズ表記方法はインチ単位で、タイヤ外径 x タイヤ幅(小数点点)となっています。26×1.75というサイズのタイヤだったら、タイヤの大きさ(外径)は26インチでタイヤの太さは1.75インチです。
小数点を使ったタイヤサイズ表記はHE規格しかありませんので、これを理解しておけば三方を間違える心配はありません。
ロードバイクのタイヤサイズに便利なETRTO規格
ヨーロッパで誕生した規格
The European Tyre and Rim Technical Organisationと呼ばれるヨーロッパの団体が定めた自転車のタイヤサイズに関する規格がこのETRTO規格です。ETRTO規格の表を見れば、イギリス規格のインチサイズとフランス規格のミリ(メトリック)サイズのタイヤの互換性を確認できます。
独自のサイズ番号がある
ETRTOナンバーとでも呼ぶことのできる番号が定められていて、その番号のタイヤがイギリス式ではどのような太さ・大きさなのか、フランス式ではどの太さ・大きさであるかを示しているのです。
ETRTOのサイズの見方
ETRTOに沿ったタイヤサイズ例を紹介すると、23-622というものがあります。この場合、23はタイヤの太さすなわちタイヤ幅で622はリム径(ビード径とも)です。
このタイヤサイズと互換性のあるタイヤは、イギリス式なら28 x 7/8 でフランス式なら 700 x 23C となります。このように、ETRTOのタイヤサイズを基準にすれば、間違えることなくホイールに適合するタイヤ購入を行えるのです。
ロードバイクのタイヤの選び方その1
ロードバイクの使用目的にあったタイヤを選ぶ
ロードバイクのタイヤの選び方その1はロードバイクの使用目的にあったタイヤを選ぶ方法です。ロードバイクのタイヤは性能面においていくつか種類があります。
ロードバイクをより速く漕ぎたいユーザーがいれば、少しだけ速く走りたいユーザー、そして速く走るよりもある程度の速度や耐久性に優れたタイヤを履きたいユーザーなど、そのニーズは様々です。
良いタイヤを良いホイールにつけたいユーザーもいることでしょう。用途に合ったタイヤの選び方がロードバイクを楽しむために必要になります。
ロードバイクのタイヤ性質
ロードバイクのタイヤの性質には、オールラウンド、スピード重視、グリップ力重視という3種類に分けられるのが主流です。
オールラウンドタイプは平均以上の性能をいつでも発揮できるタイヤ、スピード重視タイプは軽量性に優れている路面抵抗の少ないタイヤ、そしてグリップ力重視タイプは路面状況・気候を問わず高いグリップ性能を発揮するという特徴をもっています。
スピード重視タイプのタイヤはレースに使われるようなタイヤですが、耐久性が低いというデメリットがあります。
ロードバイクのタイヤの選び方その2
純正タイヤと互換性のあるタイヤを選ぶ
ロードバイクのタイヤの選び方その2は純正タイヤと互換性のあるタイヤを選ぶことです。ロードバイクの販売方法は2種類で、1つは完成車状態での販売方法、そしてもう1つはフレームセットのみの販売方法になります。
完成車セットの場合、ロードバイクに組まれているタイヤサイズと互換性のあるタイヤに交換可能です。その際に、少なくともタイヤ外径とリムサイズ表記を確認しましょう。
タイヤ幅に要注意
ロードバイクのタイヤ選びの場合、タイヤ外径とリムサイズ規格さえ間違えなければホイールへの組み付けを問題なく行うことが可能です。
しかし、タイヤ幅によってはフレームにホイールを組み付けたときにクリアランスがなくなってフレームやブレーキにタイヤが接触する可能性があります。
純正サイズの太さを細くする場合には問題ありませんが、太さをより大きくする場合には事前に各部のクリアランスを確認してどれくらいならタイヤの太さを大きくできるのかチェックしましょう。
ロードバイクのタイヤの選び方その3
チューブの種類・有無で選ぶ
ロードバイクのタイヤの選び方その3はホイールの種類で選ぶ方法です。ホイールの種類によって組み付けられるタイヤの種類が決まります。
クリンチャー・チューブレス・チューブラーという3つのタイヤがロードバイクに使われるもので、それぞれが違う特徴を持っているのです。
ホイールとタイヤだけでなく、チューブの有無などにも関わってくる、大切な項目です。
用途に合ったものを選ぼう
3種類のタイヤの特徴を順に説明すると、クリンチャータイプはチューブと別になっているタイヤで、走行性能や重量面で他のタイヤに劣りつつも、低コストなのがメリットです。
チューブレスタイヤはチューブを必要としないタイヤで、パンク時にタイヤごと交換のリスクがありながらもグリップ性能や基本的な耐パンク性能が高くなっています。
チューブラータイヤはタイヤとチューブが一体になっているタイヤで、舗装路走行に打ってつけのタイヤです。
ロードバイクのタイヤの選び方その4
タイヤのトレッドパターンで選ぶ
ロードバイクのタイヤの選び方その4はタイヤのトレッドパターンで選ぶ方法です。タイヤが地面に接する主な部分をトレッドと言い、そのトレッド面に入っている溝の形状をトレッドパターンと言います。
ロードバイク(自転車)の場合、トレッドパターンはデザイン性を決める要素になっていて、車のタイヤのように排水性能やグリップ性能にそれほど影響していません。
一部限定的な効果がある面も
ロードバイクのタイヤのトレッド種類は、そのため、デザイン性としての付加価値が高くなっています。気に入ったトレッドパターンのタイヤを履かせたいというユーザーの需要に応えたものです。
しかし、多少は走行性能にも影響していて、砂粒などによるタイヤのパンクを防ぐ役割やタイヤ摩耗・消耗の判断材料にすることができます。
色々試すと面白い
タイヤのトレッドは自転車の見た目を決める要因の1つでもあります。サイクリングの時のモチベーションにもつながる可能性もあるので、いろいろ試して好きなトレッドパターンを見つけましょう。
ロードバイクの定番タイヤサイズその1
700c x 25c
ロードバイクの定番タイヤサイズといえば700c x 25cになります。タイヤ外径700mmにタイヤ幅25mmのリムサイズ規格Cのタイヤで、数多くある自転車メーカーの純正タイヤサイズはこの大きさ・太さを採用しています。
タイヤ幅23mmタイプと比べてパンクの心配なども少なく積極的な走り込みやロングツーリングに向いています。
700c x 23c
700c x 23c サイズのタイヤは、本格的にロードレースに参加して記録を狙うロードレーサーの方々が使用します。太さ25mmのタイヤと比べて軽量かつ摩擦面積が少ないのでより軽快な運転が可能です。その反面、タイヤがパンクしやすいというメリットはあります。
ロードバイクのタイヤ価格
安いタイヤなら3,000円くらい
ロードバイクのタイヤ価格は安いもので大体3,000円くらいになります。1本3,000円ですから、前後で1セット揃えるとなると約6,000円と考えてくと良いでしょう。
安いタイヤのメリットは何と言ってもその価格帯にありますが、価格が安い分性能はそれなりです。タイヤにもよりますが、3,000円でも十分良い性能を発揮するタイヤもあります。
中間価格のタイヤで5,000円くらい
タイヤ価格帯で中間くらいに当たるタイヤでも、1本5,000円くらいです。前後1セット分揃えると10,000円、前後6,000円のタイヤと比較すると4,000円も高く、その差額でヘルメットや空気入れに工具といったものを購入できるほど。しかしタイヤの性能もそこそこ高くなるので乗りやすく、運転をより楽しむことができます。
高級タイヤなら10,000円を超えるものも
高級タイヤですと10,000円を超える者も出てきます。10、000円を超えずとも8,000円くらいするタイヤもあり、高い分だけグリップ性能が高い、雨でも高い性能を発揮する、パンクしにくいといった値段相応の効果を備えているのです。
前後で揃えると20,000円、ロードバイクに乗り始めたばかりで安全装備や整備アイテムをこれから揃えるという方よりは積極的にレースに参加して入賞を狙っている方向けと言えます。
ロードバイクのタイヤメーカー
知っておきたい高級タイヤメーカー
ロードバイクのタイヤメーカーで必ず知っておきたい高級タイヤメーカーといえば、ミシュラン・シュワルベ・コンチネンタルの3社です。
これらのタイヤはロードレースでも積極的に使われるタイヤメーカーで、レースで勝つために必要なグリップ・耐久性・軽快さなど全てを追求したタイヤを日々開発しています。価格も高いだけあって性能も高いのです。
コスパの良いタイヤメーカーといえばヴィットリア
しかし誰しもが1セット20,000円近くするタイヤを購入するわけではありません。コスパが良く前後揃えても7,000円前後で購入できるタイヤを提供しているのがヴィットリアというメーカーです。
ロードバイク初心者ならスペアのチューブなどでも必ずお世話になるメーカーですので覚えておきましょう。
ロードバイクのタイヤサイズ選びの注意点その1
細いタイヤサイズへの交換時はパンクに注意
ロードバイクのタイヤサイズ選びの注意点その1は細いタイヤへの交換時はパンクに注意するということです。
すでに説明したように、ロードバイクであればタイヤ外径とリムサイズ規格が適合するタイヤ同士の交換が可能ですので、現在履いているタイヤよりもより細い・太いタイヤを同じホイールに履かせることができます。
ホイールに細いタイヤを取り付けると、摩擦が減って速度を上げられる一方で段差などでのパンク率が高くなるので注意が必要です。
そもそも段差に危ないロードバイクのタイヤサイズ
純正タイヤサイズより細くするとタイヤのパンク率は高くなりますが、そもそもロードバイクに使われるようなタイヤサイズは段差などでパンクしやすいです。
ロードバイクのタイヤ幅は23mmや25mmが多く、それに比べてクロスバイクのタイヤ幅は28mmが主流になっていることを見れば、ロードバイクの走行中に段差に要注意ということがよくわかります。
ロードバイクのタイヤサイズ選びの注意点その2
予算を決める
ロードバイクのタイヤサイズ選びの注意点その2は予算を決めることです。予算を決めずにタイヤを購入しようとすると、多額の費用がかかったり、ショップ店員に言われるがままにタイヤを購入してしまう可能性があります。
自身の予算や走る頻度、距離などを相談したうえでタイヤを選ぶようにしましょう。これはホイールや部品などに関しても同じです。
まとめ
ロードバイクを走らせるうえで必ず必要なタイヤは、大きさもさまざまです。
しかし、ロードバイク以外の自転車のタイヤサイズ表記方法と比較すると、同じタイヤなのにインチ表記であったりメトリックだったりと、複雑になっています。
タイヤサイズ正しい見方や選び方を理解してロードバイクをもっと楽しみましょう。