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【連載】釣っ食べ第23弾!「お正月くらいは豪華海鮮丼を喰う」の巻

年に一度のお正月(当たり前)がやってきました。ええもちろん南の島にもやってきました。お正月は殺生を嫌うという理由で生ものを食べない地域があると聞きますが、家が漁師だった関係でお正月は海鮮丼をがっつり食べるのが我が家の流儀。今回は釣ったものも使っての海鮮丼です。
2021年1月8日
kuma10
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お正月は豪華に海鮮丼で!

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ふだん自分で釣ったものを新鮮なうちにいただくのを最高の贅沢だと思って生きておりますが、さすがに遠洋漁業や現地調達でしか手に入らないものはガマンするしかありません。ですがお正月くらいはそういったものも含めて贅沢をしたいものです。そこで当家では毎年お正月の三が日は毎晩海鮮丼をいただくのを常として参りました。南の島で手に入る食材にお取り寄せ食材をプラスして作るのですが、今年はとりわけ良いマグロが手に入ったので紹介していきたいと思います。

お正月は手抜きで旨いが一番!

おせちに飽きたらこれもアリ

お正月の料理と言えば当然「おせち料理」と「お雑煮」がメインになると思うのですが、おせち料理をきちんと作ろうとすればとんでもない手間が掛かります。お正月の三が日くらいはゆっくりしたいということで腐らない物(煮物など)をメインに、おめでたい理由をつけて黒豆を煮たりゴマメを炊いたりしますが、これを上手に大量に作るのはなかなか大変なことです。ですから一昔前、いやふた昔ほど前になりますか、コマーシャルで「おせちも良いけどカレーもね」などとインスタントカレーのコマーシャルがテレビで流れると世のお母さん方はほっとしたものです。

最近ではレトルトや通販も

おせち

出典:楽天

そこで近年は手抜きでもお金さえかければ正しい日本の正月が迎えられるよう、レトルトおせちがコンビニで手に入ったり、有名料理店の監修したおせちが通販で購入できるようになりました。それを否定するものではありませんが、お正月らしくて簡単で美味しい手抜き海鮮丼を作っていきます。

実はお刺身が一番楽ちん!

料理で何が一番楽ちんかといえば、実はお刺身が一番楽だったりします。もちろん丸のままの魚をさばくにはそれなりの手間や知識がいりますが、柵で購入したものなどはただ切ればそれなりのものになります。今回使用するお魚は「ミナミマグロ」「ビンチョウマグロ」「イクラ」「アオリイカ」になります。この中で自力で手に入れたものはアオリイカのみですが、他の食材は私の住む南の島の海では手に入らない物ばかりですので、「釣っ食べ」とはいえないかもしれませんがご勘弁ください。


お正月用海鮮丼の作り方①「イカをさばく」

エギングでアオリイカを釣って冷凍しておく

奇しくも前回の連載でエギングでアオリイカを釣って冷凍するところまでをやりました。今回は遂に晴れてそのイカをいただけることになりました。毎回エギングやイカ関係の記事を上げる時には書いているのですが、イカは冷凍してから食すことをおすすめします。一つは甘味が増すこと。そしてもう一つが(これ大事)アニサキス対策です。冷凍してから24時間以上生きているアニサキスは居ないと考えられていますので、ぜひ一旦冷凍してからお召し上がりください。アニサキス中毒はひどい痛みを伴いますからね。

アオリイカを解凍する

釣りたてのアオリイカをさばき、部品に分けたら丁寧にラップをして冷凍しておきます。生ものの鮮度を保ち、かつ美味しく解凍する基本は「急速冷凍・ゆっくり解凍」なのですが、ここで豆知識。イカとエビは直接水に漬けて解凍しても味は変わりません。エビの場合、できれば水に漬けたまま冷凍します。つまり「海老氷」。こうすれば驚くほど長く保存が効きます。イカはお刺身に切る前に薄皮を剥いてしまうので、直接口に入る部分が水には触れないので味変わりはありません。

花切りにしていく

盛り付ける時、上に来る面に直角に飾り包丁を入れます。太さは2~3mm間隔でしょうか。裏面にはハス(斜め)に浅めに飾り包丁を入れておきます。アオリイカの表面に斜めに削ぎ切るように包丁を入れていきます。すると切り身の縁が花びらのようになります。こうするとイカの甘みや旨味が強くなるだけでなく、ちょっとの醤油がよく身に回り美味しくいただけます。

お正月用海鮮丼の作り方②「魚をさばく」

ビンチョウマグロを漬ける


今回購入したビンチョウマグロはけっこう脂乗りが良く、そのままいただいても充分に美味しいものでしたが、(いつものクセで)ヅケにしました。適当にお刺身やブツに切って「醤油2対お酒1対みりん1、すり生姜・練わさび、お酢ほんの少し」の漬け汁に漬け込みます。10分以上置けばもういつでもいただけます。

ミナミマグロの中トロを切り付ける

いやあ、参りました。今回購入したミナミマグロの中トロのなんと素晴らしいことか。昔はミナミマグロとは呼ばれずにインドマグロと呼ばれていたこのマグロは、クロマグロと双璧をなす「うまうまマグロ」なんです。今はどうか知りませんが、私が子どもの頃は、腹身の部分をトロと名乗って良いのはホンマグロとインド(マグロ)だけでした。遠洋の船からマグロを買い付けていた親父情報なので、まあ間違いはないでしょうが、「トントロやトロサーモン」など最近のなんでもトロと付ける風潮を天国で苦々しく見ていることでしょう。

室温で溶け出しそうな天然中トロ

マグロの刺身は厚めがいいとか薄めがいいとか、人によってさまざま言われますが、今回はこれくらい。端っこを少し食べてみて刺身の厚さを決めます。美味いマグロは後味が大切で、鼻に抜ける僅かな酸味を楽しみます。その酸味が一番感じられる厚みにカットしますので、こればかりは人それぞれです。ちなみにこの酸味、ホンマグロの方がきついです。ですから(負け惜しみではなく)私は中トロに関してはインドの方が好みです。

いよいよ盛り付け

酢飯と材料を用意する

何も味付けしていない飯派と酢飯を使う派の二派に分かれる丼派閥ですが、前述したようにお正月の三が日の間、晩飯は毎日海鮮丼をぶちこむので当家ではどちらも作ります。この日は酢飯でいただきました。二杯分のご飯に大さじ2の酢、小さじ1のみりん、小さじ1の砂糖、塩一つまみを混ぜ酢飯を作りました。

味見(つまみぐい)が止まらない

何種類かの具材を用意する時一番気を付けなければならないのが「つまみぐい」です。特に私のようにキッチンで飲むのが好きな人種は本当に気を付けなければなりません。嫁や猫の顔を思い浮かべながらグッと我慢しながらの作業になります。


盛り付ける(イクラをまぶす)

切ったり漬けたり解凍したりした具材を酢飯の上に盛ります。お正月だからという外国人には理解不能な理由で紅白の部分を必ず作るようにします。紅白のカマボコでも良いですし桜デンブにシラスでもいいのですが、今回はアオリイカにイクラをまぶしてみました。ご飯を覆い尽くすように具材を乗せると普段使いのドンブリでは小さかったのでなぜか中華ドンブリによそいました。今まで「正しい日本のお正月」を語っていたのは何だったのでしょうね。

年に一度くらいは贅沢に!

https://www.photo-ac.com/main/detail/791018?title=%E7%A9%BA%E3%81%A8%E3%83%8F%E3%83%83%E3%83%94%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%BC%E6%94%BE%E5%B0%84%E7%B7%9A%E3%81%82%E3%82%8A&searchId=238441221

皆様あけましておめでとうございます。2021年最初の記事になりますが、昨年より続けて参りました「釣って食べる(釣っ食べ)シリーズ」をメインに今年も記事を書いて行こうと思っております。外出や人出の多い場所を自粛しながらも楽しく暮らせるよう、人気(人目)を避けつつ美味しい魚を釣って食べていきたいと思います。また、その記事で釣り好きの方も食いしん坊の方も笑顔になっていただきたいと僭越ながら思っている次第でございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

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「暮らし~の」のサイトで【火曜連載】を担当させていただいております。釣りと料理が趣味で、その両方を満足させつつ皆様に記事をお届けしたいと考えております。当然「釣って食べる(釣っ食べ)シリーズ」がメインになりますが、手作りの漁具や魚場、釣り方、郷土料理などの紹介記事も手掛けておりますので、興味を持たれた方はぜひそちらもご覧ください。