はじめに
カンナの気になる季節のお手入れ方法や花言葉も紹介！
カンナは特徴的な大輪の花を咲かせる植物です。赤い色がポピュラーなこともあり火が燃えているようだとカンナの花姿を表現される方も少なくありません。そんなカンナのお手入れ方法を季節ごとにまとめて解説していきましょう。すべてご一読いただいてから栽培をはじめるのがもちろん一番なのですが、お忙しい方は現在の季節のところだけチェックするという見方も便利にご活用いただけるでしょう。文末には人気の品種や花言葉・誕生花などについても触れていきます。カンナ栽培を難しく感じず楽しそうと思っていただければ幸いです。
カンナの花について
基本情報
科・属：カンナ科カンナ属
原産地：熱帯アメリカ
英語名/学名：Canna lily/Canna
カンナの特徴
カンナの特徴は何といってもその目立つ花でしょう。葉の間からスラッとのびた茎の先端に何ともいいがたい個性的な花びらがあつまった大きな花が咲きます。色は赤が一般的ですがピンクやオレンジ・白(アイボリー)や模様が入ったものも存在します。草丈は矮性のもの50-60cm程度から150cmにもなる大型のものまでさまざま。増え方はおもに球根によっておこなわれますが、実生(みしょう)とよばれる種から栽培することができる種類もたくさんあります。
花の旬・開花時期
花が咲く時期は春から秋。だいたい6-10月が日本の温暖な地域での開花時期です。特にカンナはその色から夏の花というイメージが強い人も多いでしょうが意外と開花時期は長く楽しめる植物となっています。
基本的なカンナのお世話・栽培方法
今回は季節によるカンナのお世話という形でご紹介しますが、カンナの植え付けをしてから枯れるまで季節に関係なく一貫しておこなうこととなる基本的なお世話をまずご紹介しましょう。
カンナの水やり
鉢植えと地植えでは水やりの方法は違って、地植えの場合は植え付け時しばらくの他はよほど雨が降らない時を除き水やりは必要ありません。鉢植えやプランターなど土の量が限られ乾燥してしまう場合は、土が乾いたのを確認してからたっぷりと。また実生苗の場合は鉢の下に水入りの容器を置いて水分を吸わせる方法も有効です。これはカンナが気温が高くなると非常に多くの水を吸い上げる性質によって、夏場にのみこのような方法が効果的といわれているためです。
カンナ栽培で気をつける病気・害虫
カンナはこの点に関しては非常に丈夫で、病気や害虫などが付かない・もし付いたとしても問題にならないとされています。特に気をつける病気や害虫はありません。
季節ごとのカンナの花の育て方：春
さて、それではカンナ栽培を春から順に解説していきましょう。夏に咲く多くの植物は春植え、宿根草などの場合も植え付けることはしなくても春から著しく成長するためお手入れ・お世話の手がかかるようになります。カンナもそんな植物たちと同様に春になるといろいろなお手入れ・植え付け等が必要となるでしょう。
春のお世話の流れ
まずはカンナを1から育て始める場合は、4月ころから植え付けをはじめましょう。実生といわれる種から育てる種類は球根よりも少し遅めの5月ころに種まきをしてください。
春はカンナの植え付けの季節
球根も種まきも高い温度を必要とするのがカンナの特徴で、気温が低すぎると発芽せずにその前に土の中で腐ってしまうこともあります。必ず霜の心配が確実になくなった4月中旬ころを目安に植え付けするようにしてください。
植え付けのやり方
鉢植えの場合は8号鉢に1株程度が球根を植える目安です。植える深さは5cm程度。ちょっと浅いかなと感じるかも知れませんがこれも土の表面の気温の高いところの方が発芽しやすいためです。地植えの場合も同様で5cm程度のところに球根を埋めますが発芽が確認でき大きくなってきたら周りから土を寄せてグラグラしないよう少しずつ深植えになるよう調整してください。
分球や植え替えの時期
株に少しでも早く新しい環境に慣れてもらうために、植え替えなどの作業は成長期開始すぐくらいか直前におこなうのが理想的です。その点でも春は分球・植え替えといった増やし方に向いている季節。やり方は簡単で少し芽ぶいてきた球根を芽をみながらいくつかの株に分けて植え付けます。複数株を並べて植え替える場合は矮性やコンパクトなサイズを除く一般的なサイズのカンナであれば40cmほど株間で余裕をもって植えてください。
季節ごとのカンナの花の育て方：夏
夏はカンナの花の盛りの季節でもあります。そのため通常の水やりの他にいろいろとプラスしてお世話をすることが多くなります。きれいに花を咲かせる目的と、次の世代となる球根を主に育てるためのお世話だと思って丁寧に管理してあげてくださいね。
夏のお世話の流れ
まず夏場は気温が高くなりますので春よりもたくさんの水分を必要とします。鉢植えにしたものの水やりは特に注意をして水切れをさせないようにしてください。ただし、常時湿っているようですと球根が腐ってしまうので緩急を付けながらあげるときはたくさんあげるというやり方が好ましいです。それと同時に花のための肥料やりや終わった花のはながら摘みなど定期的に様子を見てすることがたくさん。少し忙しく感じるかも知れませんが、カンナの花を鑑賞しつつ乾いていたら水をやる・花がもう終わって枯れはじめていたらはながらを摘み取る等できますので楽しみながらお世話できるでしょう。
夏から秋の開花時期には肥料やりがメインのお世話
肥料は植え付け時に緩効性肥料を元肥としてあげてください。その効果が切れるのが1ヶ月くらい。芽が出て育ってきたころです。6月ころからは月に1度を目安して古い残った肥料を取り除き新しいものと取り替えてあげましょう。株元あまり近くには置かない方が良いです。肥料は与えすぎても花の付きが悪くなっていけませんので、月に1度緩効性化成肥料をあげる程度でOKです。
カンナの剪定・はながら摘みのやり方
この植物の花は茎の先端に大きな花房が付きます。枯れはじめて見苦しくなってきたらこの花房を手で下方向へと押すようにすると簡単に花のみがぽきっと折れ取ることができます。ハサミなどは使わずこの方法ではながら摘みをしてあげてください。
背の高いものは支柱を立てる
このほかすべてのカンナに必要というものではありませんが、草丈が伸びてきて倒れそうだと感じたら都度支柱を立てて支えてあげると良いでしょう。
季節ごとのカンナの花の育て方：秋
秋のお世話の流れ
秋になるとそろそろ開花時期も終わりひとつまたひとつと花が終わる株が出来てくるでしょう。これから寒くなる季節ですので冬越しの支度をはじめるとともに、掘り上げをおこない植え替えをされる方には秋は少し忙しい季節になるかも知れません。また暖か地域であれば秋に2回めの植え付けをすることにも。
秋は花後のお世話の時期
花の季節も終わりなので少し早めに残った花も摘み取り球根の充実に養分をあててしまっても良いでしょう。花がらつみの方法と同様にはな房の根元から手で下の方に押すことで残った花を取り除きます。花が終わった株も来年の植え替えのために養分を蓄えさせるため葉は7割から8割終わるまでそのまま残しておきます。
秋に植え付けることもできます
温かい地域であれば、秋に植え付けをしてしまうことも可能。やり方は春の植え方と同じですのでそちらをご参照ください。それ以外の地域では球根を掘り上げて管理したほうが失敗も少なくおすすめ！
季節ごとのカンナの花の育て方：冬
冬のお世話の流れ
冬はまだ残っている株の整理と株の冬越しというお世話の時期となります。気温が低くなりますともうほとんどカンナは休眠してしまいますので、もし葉が残っていたとしてもこれ以上球根の充実は期待できません。暖地ではそのまま丈夫は切り取り冬越し。それ以外の地域では掘り起こして球根の状態で室内管理において冬越しをさせるのが一般的なやり方です。
カンナの冬越しのしかた
植えっぱなしの方は冬場は特に何もすることはありません。球根の掘り上げ・室内での冬越しのやり方はまず球根は乾燥させずに春まで保存することに注力しましょう。具体的には霧吹きなどで湿気を与えたおがくずの中で5度以上10度以下の温度であまり温度変化がないような場所に保管します。一般のご家庭であれば発泡スチロールなどの箱におがくずと一緒に入れると良いでしょう。室内管理で10度以上の温度になると球根が動き出してしまうので暖かくなりすぎないような場所に箱を設置してください。
ガーデニングにおすすめなカンナの種類！
おすすめ種類：F1サウスパシフィック
人気の実生系品種としてアイボリー系の落ち着いた白い花を咲かせるサウスパシフィックはじわじわと人気が出てきている種類。初夏くらいから咲き始め40-50cmの草丈の矮性品種なのですが、秋にももう一度花を咲かせそのときには100cmほどまで成長をします。多く枝分かれして丈夫な性質を持っていますので初心者でも扱いやすいでしょう。
おすすめ種類：バンコック
オレンジやイエロー系の花に中央に白い点が入る花姿で咲く大輪種のカンナ。何より特徴的なのは斑入りとなるその葉の様子です。花は大輪種で見事ですが、草丈はそれほど大きくならず60cm程度が標準となっています。
おすすめ種類：トロピカルシリーズ
種から育てる育てやすい標準的な種類といえばトロピカルシリーズが手に入りやすくおすすめです。カラーも明るい元気がでる花色が揃っていたり、種袋にはミックスカラーも封入されているため1袋で花壇をカラフルに彩ることもできるでしょう。40-50cmの草丈の矮性品種なのであまり広くない花壇でも他の夏咲き植物の邪魔になりにくいというメリットもあります。
カンナの花言葉は「情熱」
見事に咲いたカンナの鉢植えはプレゼントとしてもおすすめです。それには情熱といったポジティブな花言葉があるとともに、この花の旬の時期に誕生花として設定されているためです。もちろん贈り物だけでなくご自身のラッキーフラワーとして大切に育てて運気をいただくという使い方もおすすめですよ！
花言葉の意味と由来
情熱とは感情が高まり熱く燃え上がるような感情のこと。そんな意味がある情熱というカンナの花言葉は夏の花というところから来ています。夏といえば熱い季節ですね。その中でも元気にパッションあふれる赤い花を鮮やかに咲かせるこの植物はまさに情熱の花。色と花姿のふたつからこの意味が付けられました。
この他の花言葉とその意味
そのほかには快活や妄想という花言葉も付けられています。快活は情熱と似ているのですが、夏の暑さにもめげず元気な花の様子から。妄想は個性的な花びらの形などから連想された花言葉の意味があるといわれています。
そんなカンナの誕生花は8月
花言葉とセットで考えられることも多い誕生花というものをご存知でしょうか。花の意味だけでなく自分や他の方の生まれた日にちなんだ花を贈ったり飾ったりすることで運気をあげようという意味で使われます。カンナが誕生花となる人は8月2日・8月3日・8月13日・8月19日生まれの人。誕生花は月がバラバラなこともあるのですが、カンナはすべて8月。このお誕生日の人や親しい人の誕生日である方はカンナの花を贈り物などに使ってみてはいかがですか。
まとめ
カンナは花壇だけでなく鉢植えの室内栽培でも楽しめる！
カンナの花は球根植物ですので植え付けや増やし方(分球)に注意すれば初心者の方でも簡単に花を咲かせることが比較的容易な植物です。耐暑性が非常に高いので真夏の熱い日差しの下でも明るくきれいな花を見事に咲かせてくれます。秋ごろまで咲き続けるという開花時期が長いのも花壇や鉢植えとしてご家庭で楽しむのにおすすめな理由。この記事でご興味を持たれましたら是非栽培にもチャレンジされてみてはいかがでしょうか。
植物栽培・育て方が気になる方はこちらもチェック
今回は夏の花の女王ともいえる、情熱的な花カンナについての植物栽培・育て方をご紹介してきました。暮らし～のではこのほかにもたくさんの馴染みの深い植物のお世話の見直しに役立つ記事やちょっとめずらしい植物の育て方と幅広く解説・ご説明しています。気になる方は是非こちらの記事をはじめとしたガーデニング記事をご覧くださいね。
庭のデザイン特集｜庭づくりのコツを押さえてガーデニングを楽しもう！
今回はガーデニング初心者にも簡単な、庭のデザインのコツについてご紹介します。デザインを考える順番を抑えれば、出来上がった時の庭の雰囲気がぐっ...
ベランダガーデニング入門！初心者でも始められる方法とコツをご紹介
ベランダガーデニングを初心者の方がおしゃれにデザインできるコツをまとめました。プランターなどのガーデニング用品を利用してベランダガーデニング...