はじめに
ブラキカムの寄せ植えで楽しいガーデニング
ブラキカムという植物の育て方をお探しですか?キク科の花ですが栽培方法に少しだけコツが必要です。この植物の基本的な育て方やちょっと進んだ剪定方法や、自分で挿し木などをして増やす方法・夏越し・冬越しや気をつける害虫とガーデニングスキルや季節に合わせて狙ったお世話が探しやすいよう詳しくご紹介していきます。
ブラキカムの基本情報・特徴や開花時期
育て方の前にまずは基本情報や植物の特徴・開花時期をチェックしましょう。基本情報や特徴などには栽培のヒントとなることがたくさん詰まっています。
ブラキカムの基本情報
科・属:キク科ブラキカム属
原産地:オーストラリア
英語名/学名:Brachyscome/Brachyscome
ブラキカムは多年草
植物には1年ごとに種や苗を植え付けて花が咲いたり種や実を収穫したら終わりという1年草から、一度植え付けたら何年も楽しめるものもあります。ブラキカムは秋になると地上部は枯れるのですが春になるとまた芽吹いてくる多年草と呼ばれている種類。寄せ植えとして楽しんだあとは地植えに植え替えれば翌年もまた花が咲きます。
ブラキカムの草丈や花姿などの特徴
特徴1.草丈
小さなものから少し大きな品種もありますが、大きくても30cmくらいの背の低い植物です。キク科特有のギザギザが目立つかわいらしい葉が下の方について、そのうえにスラリと花を付ける茎が伸びてくるのをイメージしていただけるとわかりやすいでしょう。
特徴2.花の色や大きさ
花色は紫色のものがポピュラーですが、最近は白やピンクなどの変わった色のものも品種改良で園芸種として販売されていて、紫だけでなくカラフルな庭飾りが可能。ひとつひとつの花の大きさは1-2cmほどの小ささですが、非常にたくさんの花が付くため株全体は緑の葉と紫の花コントラストがとても綺麗なこんもりとした姿にまとまる植物です。
特徴3.開花時期
キク科の植物は開花時期が長いものが多く、このブラキカムも例外ではありません。ひとつひとつの花の開花時期も長いですが次々と花芽があがってきて春から秋(3-11月)まで花の季節も長く、ほぼ冬を除く通年楽しませてくれるでしょう。
ブラキカムの育て方環境づくり
植物には好む日当たりや苦手とする湿度・気温などが存在します。ブラキカムの育て方にはどのような場所・土を用意してあげたら良いのかここではご説明しましょう。
日当たり
ブラキカムが好む日当たりは
日当たりが良い方が花の付きが良いですが、日本の夏は暑さよりも土が乾燥するところがこの植物には合っていません。真夏は土の乾燥を抑えるという意味で鉢植えや寄せ植え鉢ならば日かげになるような場所に移動させたり、花壇や通路脇など地植えの場合はすのこなどでひさしを作って直射日光が土に当たることを避けてください。
土づくり
土に関しては通常の草花用培養土が使用できますが、やや水はけが良いほうが向いているでしょう。
ブラキカムの土の配合
赤玉土中玉6に対して腐葉土を1割混ぜたものに、水はけのための鹿沼土や保水のためのピートモス2割とパーライトを1割と少し混ぜる土が多めとなっています。
初心者には市販の培養土もおすすめ
上記の土の配合はあくまでもブラキカムの性質を考えた理想的ともいえる配合例です。通常の赤玉土と腐葉土の配合でも花は咲きますし、面倒だと感じる方や初心者の方は市販の草花用培養土でも問題なく栽培することができるでしょう。
ブラキカムの基本的な育て方
ブラキカムを育てる環境ができたら植え付けをして早速栽培をしていきましょう。ここでは水やりや肥料・病気や害虫といった栽培していくにあたって定期的に繰り返す基本的な育て方について解説します。
ブラキカムの水やりと肥料
水やり方法
この植物の水やりは少し気をつけてあげてください。多湿は嫌うのですが、水不足にしてしまうと枯れるためです。多くの一般的な植物は一度水切れをしてもその後たっぷりと水を与えることで復活するものもあるのですが、ブラキカムに関しては乾燥しすぎが目で見てわかるようになったときには遅く復活させるのは非常に難しい、ほぼ無理と思った方がよいでしょう。多湿にならない程度で水も切らさないそんな水やりを求められます。
肥料の時期と種類・与え方
この植物は肥料はほぼ不要です。特に地植えであれば現在土に含まれている微量な養分でまかなえますので肥料はまったくあげなくてかまいません。鉢植えの場合はごくごく薄めた(目安として規定量の半分程度)液体肥料を成長期にあたる3-4月ころに月3回を目安に数度与えてください。
ブラキカムの病気と害虫
病気も害虫も植物にとってよくないものです。草花の種類によっては虫もよってこず病気にもかからないという強いものもありますが、まわりの環境などによって(近所のお宅が農薬を散布して虫が近所の家に避難してくるなどがよくある理由)まったく病害虫の心配がないとは一概にはいいきれません。ブラキカムはどのような病害虫に注意したら良いのでしょうか。
かかりやすい病気
ブラキカムがかかりやすい病気にうどんこ病や灰色かび病があります。どちらも風通しが悪いと発生したらあっという間に広がって植物の光合成を阻止し最悪枯れることも。予防は風通しをよくすること。発見したら病気の葉はすぐに取り除きビニール袋などに入れしっかり口を縛って処分してください。スプレー式などの薬剤散布をしても良いでしょう。
気をつける害虫
真夏の時期をのぞいて、この植物にはナメクジが発生しがちです。つぼみや新芽が食べられていて虫を発見できなかったらほぼナメクジでしょう。夜行性ですのでなかなか見つけにくいため、なめくじ駆除の置き薬なども活用して駆除してください。
ブラキカムの一歩進んだ育て方
一歩進んだ育て方とは、年に1度あるかないかのお世話や特にガーデナーさんが望まなければする必要がないお手入れのことです。ブラキカムの場合は植え替え・剪定・増やし方・夏越しと冬越しをご紹介しています。
ブラキカムは植え替えが必要
ブラキカムの特徴として成長しながら横に広がるように増えていきます。そのためだんだんと株が混み合ってきますので、自身の風通しが悪くなったり周りの草花の成長に影響を与えてきたと感じたら鉢植え・地植えに関係なく掘り起こして株分け植え替えが必要となるでしょう。
植え替えの時期とやり方
ブラキカムの植え替えは真夏と真冬を除くいつでもおこなうことができますが、失敗しづらく適しているのは成長期序盤である春です。まず根をいためないよう広めに土を掘り株を土からあげます。手で軽く根鉢を崩して、大きな株の場合は株分けもおこない新しい場所・ひとまわり大きな鉢に植え替えます。
ブラキカムの剪定
ブラキカムの剪定のやり方は2種類です。花がら摘みと風通しをよくするための枝の整理。これらをすることで夏があまり得意でないブラキカムが快適に夏越しできるようになったり、灰色かび病の予防にもつながります。
剪定の時期とやり方
花がら摘みは開花時期であれば継続しておこないます。花の旬が終わったものをいつまでも付けておくとそこから灰色かび病が発生するため、できるだけ早く取り除くようにしてください。枝の整理は夏前までに済ませておきます。内側に向かっている枝を中心に混み合っているところをカットしておくことで風通しがよくなり花芽もあがってきやすくなるでしょう。
ブラキカムの増やし方は2種類
ブラキカムの一般的な増やし方は挿し木と株分けとなりますが、こぼれ種から芽が生えて自然と増えているということもあります。寄せ植えなどに使用するため苗をほしい方は購入しなくても今ある株を増やして楽しみましょう。
増やし方1.挿し木
増やし方としても有名でやっている方も多いのが挿し木です。挿し木のやり方は葉を少しだけ付けた状態の茎を土に差し乾燥しないよう1ヶ月ほど管理します。このとき日光は必要ありませんので土の乾燥を防ぐため日かげにおくのがポイント。1ヶ月後を目安にだんだんと明るいところへ移動してきて、ある程度の大きさの苗まで育ったら寄せ植え用の苗や花壇への植え付けなどに使用しましょう。
増やし方2.株分け
株分けの方法は植え替えの項目でもご紹介したとおりです。株分けは大株になったときだけできる増やし方です。小さな株を無理に株分けしようとすると、両方とも枯れることがありますので十分大きくなったと感じたらするようにしてください。
こぼれ種から自然に増えることも
挿し木や株分けの他にも種でも増えるのがブラキカムなどキク科の植物。種のみ売られていることは珍しいので、自家採種により種まきするか放置したこぼれ種からの発芽苗をポットなどに移し大きくして苗として使用すると良いでしょう。
夏越しと冬越し
日本は四季があり美しい国ですが、一部の植物にとっては気温差や湿度の差が激しくて手をかけてあげないと弱ってしまうものも少なくありません。ブラキカムの場合も夏と冬はどのようなところに気をつけてあげると良いのか解説します。
夏越しのやり方
耐暑性は強くもなく弱くもなく。普通に夏を越すことができるでしょう。ただし水切れには弱く、一度乾かしてしまうのと復活させるのが難しく枯れることも。そうならないために、夏越しとしては半日陰で風通しがよい場所に移動させてあげるのがおすすめ。
冬越しのやり方
耐寒性が弱いため冬越しは霜がおりるようなところは避け、寒い地方であれば室内に置いて管理してください。地上部は枯れてしまっても春になるとまた新芽が出てきます。暖地であればそのまま屋外で冬越しさせることも可能。
参考にしたい!ブラキカムの寄せ植え・仕立て方例
小さな花を集めた魅力的な寄せ植え
少し寒くなったくらいの時期まで開花が続くのでビオラなどと組み合わせて寄せ植えにされることが多いブラキカム。こちらも小さな花同士を組み合わせたかわいらしい寄せ植えですね。ただ鉢に一列に植え付けるのではなく立体的なデザインが目を引きます。
ブラキカムの2色植えもかわいい
寄せ植えは一見難しそうですが、何を組み合わせるかは自由です。同じブラキカムの色違いを植え付けてもそれは寄せ植えといってもいいでしょう。同じ植物を植え付けるメリットは色が増えてもごちゃごちゃしづらい・生育環境が同じなので作ったあとに管理しやすい。花の旬も同じなためひとつずつ枯れていき寂しくなることがないなどよいことがたくさんです。まずはこのような2色使いの寄せ植えからチャレンジしてみてはいかがですか?
寄せ植えポット苗もある
苗を購入するときこのようなアリッサムとすでに寄せ植えにしているものを見つけました。これならそのまま植え付けるだけで寄せ植え(の一部)が完成します。小さな鉢で楽しんだり、大きな寄せ植えの前方を埋めたりといろいろな使い方ができそうですね。花と花の組み合わせの参考にもなるでしょう。
葉を楽しむ寄せ植えにも
ブラキカムの中にはゴールドマットといって少し黄色が強くでた葉色の種類もあります。このような葉に特徴がある品種は花ではなく葉を楽しむ植物同士合わせた寄せ植えにも使えるでしょう。
まとめ
寄せ植えや花壇にかわいいブラキカムを育てよう
ブラキカムは小さな紫の花をたくさん付ける花で、難しい剪定をしなくてもこんもりと自然に丸い形に整うのが特徴。夏の過湿や耐寒温度が高いので冬の霜などが苦手です。その反面、剪定から切り取った枝での挿し木ができたり、こぼれ種から自然に新しい株が増えたりと株の更新がしやすいのも特徴でした。癖はあるものの絶えてしまいにくく、お庭で何年も咲いていてくれます。初心者の方も臆せず気軽に育てることができるでしょう。
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