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【基本中の基本!】土づくりの方法を解説!野菜がよく育つ畑を作る材料と手順って?

野菜が良く育つ畑を作るには、まず土作りにこだわることが基本であり究極の方法です。どんなに丁寧に育てていても土作りが間違っていては野菜が健康に育てなくなってしまいます。家庭菜園をするときには、まず土作りの基本を学んで良い土の畑を作りましょう。
更新: 2023年4月6日
Harumachi
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目次

野菜が良く育つ「良い土」とは?

出典:https://pixabay.com/images/id-4036130/

野菜がすくすく育つ良い土とは、栄養になる肥料が豊富で、排水性と保水性のバランスがいい土を指します。排水と保水は一見正反対の意味ですが、どちらかに機能性が偏りすぎると野菜の育成に悪影響を及ぼすのです。

では、良い土の条件を満たすには何を意識して土作りをすればいいのでしょうか。

良い土に欠かせない三要素

良い土の条件を満たすには、物理性、化学性、生物性という3つの要素のバランスが重要です。3つは独立した要素ではなく、それぞれがお互いを支え合って土を作っています。

バランスが偏ると病気や不作の原因となります。土作りによって足りない部分を改善し3つの要素のバランスを良くすることで、野菜がすくすく育つ良い土が出来上がるのです。

物理性とは?

Photo bywalkersalmanac

物理性とは、土は柔らかさや細かさを指します。粒子が細かくふかふかと柔らかい土が出来上がると、野菜の根が地面に深く張れるようになります。細い根まで広げられるので、成長に必要な水分や栄養をしっかり吸収できるのです。

土作りで物理性を改善するには、土をよくかき混ぜたり耕したりすることが大切です。

化学性とは?

化学性とは、土の中の肥料成分やpH値のバランスを指しています。例えば、野菜は種類によって適したpH値が存在します。酸性の土壌を好む野菜をアルカリ性の土で育ててしまうと成長が滞ってしまうでしょう。

これらの成分を野菜に適したバランスに調節することが化学性を改善するということです。土作りでも、科学性の改善を意識して肥料や材料を選びましょう。

生物性とは?

生物性とは、土の中で暮らす微生物の健康を維持することを指しています。微生物と聞くと、野菜に悪い影響を与えるのではと心配になる人もいるでしょう。しかし、土の中の微生物は有機物を食べて野菜の肥料を作ったり、連作障害や病害から野菜を守ったりしてくれるのです。また、ミミズなどの土壌生物も土作りを助けてくれる強い味方です。

土作りを行う際には、微生物や土壌生物が住みやすい環境を意識してみましょう。

団粒構造を意識しよう

Photo byFree-Photos

良い土作りで特に重要な条件が「団粒構造」です。団粒構造とは、大小さまざまな団子状の土が集まっている状態のことです。

団子状の粒が集まっていると間に隙間が生まれ、微生物が住みやすくなります。また、排水性や保水性も高まり根も張りやすいまさに理想の土となるのです。

土作りが成功すれば、畑は自然に団粒構造となります。すぐに団粒構造になるわけではないので、少しずつ改善していく気持ちで土作りを進めていきましょう。

団粒構造の鍵は生物性の改善!

理想の団粒構造を生み出すには、生物性要素が欠かせません。土を団子のように丸めるには「つなぎ」になる物質が必要です。微生物が豊富に生息していると、彼らが有機物を分解する過程で「つなぎ」の材料になる物質を生み出してくれるのです。

微生物を増やすには、土作りの際に有機肥料を混ぜ込む方法が一番の近道です。ただし、肥料を入れすぎると化学性のバランスが崩れてしまうので成分をよく見て使用しましょう。

POINT良い土の条件

  • 排水性・保水性が良く、肥料成分が多い
  • 物理性・化学性・生物性のバランスがいい
  • 土が硬くない「団粒構造」になっている

土作りで役立つアイテムはこれ!

出典:https://pixabay.com/images/id-4217755/

土作りにはいろいろな農機具や材料を使用します。家庭菜園を始めたばかりの人はどんなものを揃えればいいか迷ってしまいますよね。ここでは、土作りをするときに最低限揃えておきたいアイテムをピックアップしました。

まずは以下を参考に準備をして、土作りに慣れてきたら必要なものを買い足していきましょう。

スコップ


出典:https://pixabay.com/images/id-4931739/

土作りでは大量の土を掘ったり混ぜたりするので、大型のスコップは必ず必要となります。刃の上部が平らになっていて足をかけて押し込めるタイプがおすすめです。刃先はスプーンのように尖っているものが土にめり込みやすいでしょう。

一方で柔らかな土を天地返しするときは、大量の土をすくえる刃先が平たくなっているタイプも便利なので本格的に畑の土作りをしたいと思ったら両方揃えておくと便利です。

鍬(くわ)

出典:https://pixabay.com/images/id-1835651/

鍬(くわ)は土を耕すときや畝を作るとき、畑をならすときなどさまざまなシーンで活躍する土作りの必須アイテムです。何かと活躍するので1本は用意しておきましょう。

いくつか種類がありますが、初心者向けなのは1枚の長方形の刃がついた「平鍬」です。畑にする場所の土が硬く、小石などが多い場合は歯が厚い「唐鍬」や刃先がフォークのようになっている「備中鍬」などを使い分けましょう。

土壌酸度計

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土壌酸度計は土の中のpH値を計測する測度計で土作りで科学性を改善するのに欠かせません。

土の中に直接刺して測るタイプや、土と水を混ぜ合わせて試験紙に塗るタイプなどいろいろな種類があります。野菜を育てるときの土作りではpH値がとても大切なので、事前に準備して測り方を確認しておきましょう。

石灰・ピートモス

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石灰やピートモスは、土作りで土のpH値を調節するときに混ぜ込む材料です。土壌酸度計でpH値を測り、育てたい野菜に適さない数値が出た場合は任意の材料を混ぜ込んで土の酸度を変えなければなりません。

土をアルカリ性に変える場合は「石灰」を使用し、酸性に近づけるにはピートモスを使用しましょう。

堆肥・肥料

出典:https://www.amazon.co.jp/dp/B0099JP38C/

堆肥や肥料は土作りの最終段階である、栄養の添加時に使用する材料です。土の中の栄養分が足りないとせっかく出た芽が大きくならず、実の付きも悪くなってしまうので土作りの段階で充分な栄養を補給しておく必要があります。

土作りの要となり野菜の育成を支えるアイテムなので、それぞれの用途をチェックして事前に用意しておきましょう。

堆肥

堆肥とは、枯れ草や藁といった植物や家畜のフン、生ゴミなどを発酵させたものです。土作りの時に堆肥を混ぜ込むと有機物が増え、それを餌にする微生物の活動も活発になります。その結果、土の団粒構造化が進み土壌の改善がうまく進むようになります。

土作りに堆肥は欠かせない存在です。とはいえ、自分で生ゴミやフンを集めて作らなくてもいろいろな堆肥が市販されているので安心してくださいね。

化成肥料

化成肥料とは、窒素や鉱石など自然界にある物質を混ぜ合わせ化学的に作った肥料です。植物は、「葉を育てるための成分」「実を育てるための成分」など品種によって必要な栄養成分のバランスが違います。土作りの時には、植える野菜に適した化成肥料を混ぜることで成長を支え、収穫量を増やすことができます。

土作りの段階では必須成分である、窒素・リン酸・カリが同じ割合で配合された化成肥料を使うケースが多くなっています。

土作りの基本的な手順をチェック!

出典:https://pixabay.com/images/id-865294/

必要な道具を揃えたら土作りをスタートさせましょう。土作りは野菜の植え付け時期から逆算してスケジュールを作っていきます。

ここでは基本的な作り方の手順をどのタイミングで行えば良いのかをまとめました。どのアイテムをどこで使うのかも一緒にチェックしていきましょう。

2〜3週前:土を耕す

出典:https://pixabay.com/images/id-2047314/

畑として使っていなかった土は小石や雑草が多く、全体的に硬く固まっている場合があります。そのまま種や苗を植えても根が張りにくく上手く成長しないので、土全体を耕して柔らかい土壌を作りましょう。

順番としては、まず土作りの前に雑草や小石を取り除き、全体を掘り起こしてから土の粒を細かくしていきます。それぞれの手順を詳しく見ていきましょう。


雑草や石を取り除く

Photo byphotoAC

土作り最初の手順はゴミの除去です。表面に見えている雑草や小石をできるだけ取り除きましょう。

これらが土に混ざると根の成長を邪魔するだけでなく、耕すときにクワやスコップにぶつかって弾け飛び、怪我をする恐れがあります。目に見える部分のゴミを取っておくだけでその後の作業が楽になるので、なるべく念入りに探しましょう。

土を掘り起こす

ゴミが取り除けたら次はスコップを使って土を掘り返していきます。大体表面から30㎝程度掘り起こせば畑として十分な深さになります。次の手順で細かくしていくので土の塊が残っていても問題ありませんが、なるべく細かく掘り返すことで耕す作業が楽になります。

土を耕して細かくする

Photo byMemoryloon

最後に、クワを使って耕していきます。クワを使う時は土の塊を砕いて細かな粒にするようなイメージで少しずつ進めましょう。一気にやろうとすると土が耕し切れず野菜が育ちにくい畑になってしまいます。

ここでしっかりと耕すことで、土の中に空気が混ざり込み微生物の成長が促進され、水分や肥料も浸透しやすくなるのです。

2週間前:酸度を調節する

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植え付けの2週間前くらいになったら、土のpH値を調節しましょう。土壌酸度計を使ってもともとの酸度を測り、植える野菜に合わせて石灰やピートモスを混ぜ込んでいきます。野菜を植える場所全体にいきわたるように適量を撒いてから均一になるようにクワで混ぜ合わせてください。

1週間前:元肥を入れる

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土の酸度が調節できたら、野菜の栄養になる元肥を混ぜ込みましょう。微生物の餌になり、土のに保肥力や排水性などを整えてくれる堆肥は1平方メートルに対して2、3kgが適切です。

加えて、化成肥料も1平方メートルに対して100〜200g程度混ぜ込んでください。均等に混ざるように念入りにクワで耕しましょう。

土作りでpH値を調節する方法

出典:https://pixabay.com/images/id-2654157/

日本は雨が多く、雨に含まれる二酸化炭素などの物質によって土壌が酸性に傾きやすいという特徴があります。

そのため、屋外の畑で土作りをするときは酸性値を調節して、育てる野菜に合うように中和しましょう。それでは、実際にどうやって土作りのときに酸度調節すればいいのか、野菜ごとの適したpHと併せて見ていきましょう。

野菜によって適した酸度がある

Photo bydbreen

pH値は全ての野菜に共通する数値があるわけではなく、育てる野菜によって適した数値が違います。

その畑で何を作りたいのかを決めたら、野菜ごとの数値をチェックして酸度調節を行いましょう。以下に主な野菜の適正pH値を一覧にしたので、土作りの参考にして下さい。

pH値 野菜の種類
6.5〜7.0 えんどうまめ、ほうれん草など
6.0〜6.5 白菜、レタス、ネギ、きゅうり、トマト、ナスなど
6.0〜6.5 小松菜、玉ねぎ、カブなど
5.5〜6.0 ジャガイモ、さつまいもなど

酸性をアルカリ性に変える方法

酸性をアルカリ性にするには、土作りのときに「消石灰」や「苦土石灰」を混ぜ込みましょう。

石灰を混ぜ込むと土は一定期間アルカリ性になりますが、雨が浸透すると一緒に流れ出てしまうので定期的に酸度測定器を使って数値を確認し、適切なpH値になるように微調整する必要があります。

アルカリ性を酸性に変える方法


アルカリ性の土を酸性にしたい場合、土作りの段階で「ピートモス」という改良用土を混ぜ込む方法が一般的です。

ピートモスとは水苔を使って作られた用土で、酸度無調整のものと調整済みのものがあります。土を酸性にする場合は無調整タイプを使用しましょう。また、肥料を入れるときに「硫安」や「硫加」を入れても調節可能です。

土作りの時期は冬が最適!

出典:https://unsplash.com/photos/r53rNKb_7s8

野菜を美味しく育てるための土作りに最適な季節は冬です。野菜のプロである農家の人々も、多くが冬は土作りのシーズンとしています。

耕してからpH値を調節し、元肥を入れて畝を作るという作り方や手順は変わりませんが冬に土作りを行う場合は酸度調節までを1ヶ月前までに済ませて、しばらく畑を寝かせる時間を作りましょう。

冬は育つ野菜が少ない

多くの野菜は春から秋にかけて成長、収穫時期を迎えます。冬になると身がなったり葉が茂る植物が減り、必然的に家庭菜園の畑でも使わない場所が増えてくるでしょう。

畑での土作りは、なるべく広い範囲を一気に行う方が効率的です。そのため、休眠している範囲が広い冬場土を改良するのに最適なシーズンなのです。

寒気で病原菌が害虫を減らせる

冬に土作りを行う場合、畑を耕す時に「天地返し」を行うことをおすすめします。天地返しとは、30cm程度深く掘った土を表面にひっくり返すように耕す方法です。

少し深めに土を掘り返すことで乾燥や寒気、日光によって土中を消毒し、病原菌や害虫を減らせる効果があります。掘り返した土は平らに均さず凸凹した状態にしておくことで、表面積が広くなり消毒の効率がアップします。

土が凍って隙間ができやすくなる

冬の間に土を耕して固まった土壌をほぐしておくと、春に柔らかく水通しがいい畑が出来上がります。土の中には常に一定の水分があり、冬はその水分が凍ったり溶けたりを繰り返しています。

凍った水分が溶けるとその部分に隙間ができます。凍結と解凍を繰り返すことで春先には適度な隙間がある柔らかく細かな土に変化するのです。

良い土を作って家庭菜園を楽しもう

出典:https://unsplash.com/photos/FwW5fhFKM6k

良い土を作るというのは家庭菜園で野菜を作るときの基本にして、最も重要な工程です。土作りを丁寧に行えば野菜はすくすく育ち、美味しい自家製野菜がたくさん収穫できるでしょう。

pH値や栄養、土の三要素を意識して自分だけの肥沃な畑を作ってくださいね。

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