はじめに
登山キャンプ飯にも!メスティンで美味しい簡単炊飯
登山やキャンプの時のメインの食事は何を召し上がっていますか?手軽にアウトドアでも調理しやすいパンや麺類という方が多いようですが、山の上で食べる白米は日本人に生まれたことを感謝したくなるほどの美味しさを感じることができるでしょう。
アウトドアで炊飯をする方法といえば飯盒ですね。メスティンという少し変わった形をしたクッカーがあるのをご存知でしょうか。
これが初心者でも簡単にご飯を炊ける道具として話題となっています。
このメスティンの種類ごとのサイズやご飯の炊き方・火のタイミングや蓋を外すタイミング・蒸らし時間といった使い方とアウトドアでの炊飯の失敗しやすいこととその解決策などを一緒にご紹介します。
トランギアメスティンについて
トランギア社の紹介
トランギア社はスウェーデンの会社。創業は1925年。メスティンを発表販売をはじめたのが1970年。トランギアの商品は日本ではイワタニ・プリムスが輸入代理店となり販売されています。
メスティンの種類・サイズ・容量
現状トランギアの公式ホームページに掲載されているメスティンのサイズ・種類
は2種類。サイズ・容量はTR-210という型番が付いている一般的なもので17×9.5×6.2cmの750ml。米の炊飯量目安は1.8合。ラージメスティンは型番TR-209。そのサイズ・容量は20.7×13.5×7cmの1350mlで炊飯量は約3.5合となっています。【登山キャンプ飯】メスティン炊飯炊き方のコツ1.準備
登山キャンプの炊飯は家から準備をしていく
米を炊く炊飯という調理法が面倒だという声が多い理由のひとつに、米の浸水作業があります。研いでおいた米をあらかじめ水につけておくことでこれによってふっくらとしたご飯を炊飯することができるというもの。
キャンプで他の作業が忙しい中やっと設営や片付けが終わり、お腹がすいたという時に炊く前に数十分浸水のためだけにそんなに時間を取られ待つのは苦痛ですね。登山キャンプ飯に米を炊く場合家から準備して持っていくとよいでしょう。
準備の方法と手順
米は一人あたり1合もあればたくさん食べたいという方にも十分でしょう。米用カップで1杯すりきりではかり、ボウルなどに入れたあと水道水を何度か替えながら研いでいきます。
現在日本で精米された米であればゴシゴシと力を入れて研ぐ必要はありません。逆に米を割ってしまわないよう軽く手のひらで押すくらいの感じで撹拌し3度ほど水を交換すれば良いでしょう。
タンブラーやプラスチック製の容器など水分を入れて密封できるものに入れ、分量の水をそそぎそのままキャンプに持っていけば準備はOKです。
【登山キャンプ飯】メスティン炊飯炊き方のコツ2.リベットを目安に
リベットでの水加減方法
洗って浸水してあった米と水をメスティンの通常サイズの方に入れてください。
1合だけ炊飯するならラージサイズは不要です。1合であれば水の量はちょうど内側にあるリベット(取っ手を取り付けてある金具・内側に丸くポチッと付いている)を目安にするとちょうど良いように作られています。
ここでサイズを間違えてしまうと水加減が多くなってべちゃべちゃの炊き具合となるため、メスティンのサイズだけは十分に注意してください。
水分調整できたら蓋を締めてあとは加熱するだけ!
米と水を分量どおり入れられたら、蓋をしっかり締めてください。蓋を締めたらこれでもう中身をいじることはありません。あとは火をつけご飯が炊けるのを待つだけです。火を弱めたりするタイミング調整の必要がないので初心者向けにピッタリ。
【登山キャンプ飯】メスティン炊飯炊き方のコツ3.固形燃料
熱源は固形燃料が初心者にはおすすめ
飯盒炊飯の用意ができたところで、ここでメスティンでご飯を作る炊き方のコツとしてどんな燃料を使うと良いのかを解説したいと思います。おすすめの熱源はズバリ!固形燃料です。
1個あればちょうど1合のご飯を炊くことができるのではじめて飯盒炊飯をするという人にとって簡単で使いやすいものと感じるでしょう。
固形燃料を使う方法は簡単・失敗なし
固形燃料のメリットとして着火しやすさがありますね。登山やキャンプでの火起こしはそれだけでとても時間がかかるもの。お腹のすいているときに長時間の火起こしに耐えられそうにないという場合にすぐに調理にかかることができるでしょう。
またある一定のタイミングまで火が燃え続けるため、鍋を下ろすタイミングを忘れて焦がした!ということが減ります。
固形燃料を使ったメスティン炊飯
メスティンで固形燃料炊飯をするには燃料と底との距離が大切。近すぎず遠すぎず、また沸騰したら一度蓋を開けてかき混ぜると炊きムラが少なく全体にふっくらと仕上がる炊き方となります。
蓋にふれるときはやけどしないよう耐熱のグローブなどでしっかり手をガードしてから蓋を持ち上げてください。
【登山キャンプ飯】メスティン炊飯炊き方のコツ4.放置
炊飯方法のコツは放置にある
一度蓋を開けかき混ぜた後は固形燃料の火が消えるタイミングまで重石を蓋の上に乗せ自然に蓋が空いてしまわないようにしたら、あとは放置です。固形燃料ですから火力の調整もできませんのでじっと放置するだけ。火が消えるタイミングまで待ちましょう。
重石はあったら乗せた方が良い
放置の間何もすることはないと申し上げましたが、実は重石を乗せることだけはしてください。この重石する方としない方がいますがその違いは蓋の様子によるでしょう。
もし中がふつふつと沸騰しており自然と蓋が開いてしまうようであれば、圧をキープするために蓋の上の重石が必要となります。開かないようであればこれは必要ないので無理に乗せる必要はありません。
【登山キャンプ飯】メスティン炊飯炊き方のコツ5.蒸らし時間
蒸らし時間の重要性
メスティンのような飯盒での米の炊き方には蒸らし時間が重要です。
炊飯器でも15分ほど蒸らすため放置するというタイミングを取りますが、メスティン炊飯の場合は炊くための蒸らし時間と考えるのですでに炊けている炊飯器の蒸らし時間とは少し考え方が違います。
要は炊飯器であれば最低蒸らさなくても食べることができますが、飯盒では蒸らし時間がないと白米ご飯として食べるのは難しくなってくる・食べても美味しくないということに。
蒸らし時間の目安
炊飯時の蒸らし方はまずは保温効果のあるカバーや厚手のタオル・毛布などでメスティンごとくるみます。タイミングは固形燃料の火が消えたらすぐくらいです。蒸らし時間の目安は10-15分。これは炊飯器での蒸らし時間と一緒なので家での米の炊き方を知っている方はわかりやすいでしょう。
【登山キャンプ飯】メスティン炊飯炊き方のコツ6.空気を入れる
飯盒炊飯の最後の仕上げ
簡単にできるメスティン炊飯。いよいよ蒸らし時間が終わったタイミングで最後の仕上げ、米に空気を入れるという作業をして美味しい白米ご飯に仕上げましょう。
簡単空気の入れ方!
飯盒炊飯に限らず、ご飯を最後まで美味しくいただくために炊きあがった米は全体をしゃもじでほぐして空気を入れふんわりさせます。よくアウトドア炊飯でしゃもじを忘れたという方がいますが、スプーンでも大丈夫。
箸では少しやりにくいですが、ご飯粒を潰さないようにしながら米つぶ同士を離す・押しつぶされがちな底の方の米粒をすくってほぐしておくという感覚でやると上手にできるでしょう。
メスティン炊飯で失敗しがちなこと・気をつけること
ご飯が硬い・柔らかい
米を飯盒炊飯した場合、家庭用の電気炊飯器と違い自分で火加減をしたり蒸らし時間を調整したりしなければいけません。
米の炊き具合は好みが個人差で分かれますが明らかに芯がある・べちゃべちゃでおかゆのようになってしまったというのは水加減の問題でしょう。
もう一度米の量と水分量の割合を見直してみてください。また米を測る時のカップも計量カップと米専用カップは大きさが違います。そこにも問題がないか確認しましょう。
ご飯が焦げる
おこげは美味しくて好きという方も多いですが、真っ黒になるくらいご飯が焦げる場合火加減が原因と考えられます。火加減には2つのポイントがあって、加熱時間が長い・熱源からの距離が近いです。
その点固形燃料であれば燃え尽きる時間はほぼ決まっていますので、時間が長いのは解決できるでしょう。そうすると残るは距離の近さです。
固形燃料によってどのくらい離して使うのか目安が書かれているはずですから、そこをもう一度チェックしてみてください。近すぎたら台・五徳などを使用して調整すると良いでしょう。
ご飯が臭い
炊き具合は良いのだけれど、食べてみると何だかご飯が臭いと感じるのであれば、それは炊飯前の準備に問題がある場合があります。
無洗米を使用したのでなければ、水に浸水する前に米をあらかじめ何度が水ですすいでおかなければ付着した糠(ぬか:米の外皮で独特の匂いがある)のせいで臭いご飯となるからです。
また米の種類によっても海外産の精米が不十分な米の場合、水で十分にすすいでもどうしても米からの匂いが残る場合があります。上記の方法を試しても米が臭い時は使う米を別の種類に替えてみてください。
トランギアメスティンの使い始め
メスティンの作りはやや荒い
日本製のアルミ鍋と比べるとスウェーデン製のメスティンの作りはそれほどユーザーに甘くなく、どちらかというと使う前に自分でいくつか手を加えないと怪我をしたりメンテナンスが大変になります。
これはスウェーデン製の商品が悪いわけではなく、日本製品がいたれりつくせりで商品の出来以上なサービスをしてくれているだけです。自分でできることは自分でしてできるだけするから安い値段で買えるという海外製品ならではの魅力でもあるでしょう。
怪我防止のバリ取り
トランギアのメスティンを買ったらまずやってほしいのが縁のバリ取りです。これを忘れると怪我をすることも。やり方は簡単で文房具屋などで簡単に手に入るサンドペーパーで縁をこすってなめらかなするだけです。
メスティンの洗い方
日本のアルミ鍋にはアルマイト加工というものが施されています。これは日本初の技術なので海外のアルミ製品にはあまり見ることができません。この加工は何なのかというとアルミ特有の使用後の酸化による黒ずみを防ぐ被膜加工。
メスティンがすぐ黒ずんでしまったというのはこの加工がされていないのにもかかわらず、使い始め作業が不十分だったせい。
アルマイト加工の代用として米の研ぎ汁を沸騰させた大きな鍋にメスティンをまるまるつけ15分ほど放置、そのあと水ですすげばOKです。
あると便利なメスティンの付属品
やけどを防ぐための持ち手
メスティンの持ち手には軽いカバーが付いていますがこれだけでは持ち手の安定も不十分で心もとなく感じるでしょう。グリップ力をあげるには別売りのカバーがあると良いですね。
もちろんシリコン製など滑りにくい防熱グローブを持っていれば、元々付いているグリップカバーだけでも良いですが、飯盒炊飯など吹きこぼれなどで慌てて素手で触った時にも熱くないよう火傷防止の持ち手カバーはあった方が良いでしょう。
蒸らし時間にも役立つカバー・ケース
炊飯には蒸らし時間というものが必要となります。通常の昔ながらの飯盒であればひっくり返して蓋を下にして底を叩いて…などと言う方法がありましたが、メスティンの場合そのコンパクトさを生かしてキルティング製カバーなど保温性のあるものでくるんで蒸らし時間を過ごします。
この蒸らし時間により米がふっくらと中まで火が通るためとても重要なポイント。持ち歩き用袋と兼用になるようなものが便利です。
後始末簡単!こびりつき軽減シート
これはメスティンの後始末が面倒という方におすすめ。絶対なければいけないものではないですが、あると格段に後片付けが楽になります。
要はシリコン製のシートを中に敷いてご飯を炊く方法なのですが、シートがあるため炊飯しても本体へのこびりつきはせ0(ゼロ)。
もちろんシートは洗わなくてはいけませんがメスティンを洗うよりもずっと楽に洗浄することができるでしょう。
まとめ
メスティンでアウトドア炊飯が簡単に!
メスティンでの簡単な炊飯方法とそのコツをご紹介してきました。今回ご紹介したのは通常サイズでの1合炊きの場合の方法・タイミングでした。サイズが違うものやご飯の量によって水分量などが変わってきますのでご注意ください。
初心者がメスティンで失敗なく炊飯するポイントは固形燃料を使う・蒸らし時間をしっかり取る・最後に米をふっくらと空気を入れることでした。屋外でメスティン炊飯をする際にお役に立てていただければ嬉しいです。
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