ハイキング・トレッキング・登山人気急増!
近年アウトドア関連のスポーツは軒並み人口を増やしています。少子高齢化の中にあって中高年の健康志向の流れがより強くなっており、健康や環境に配慮した生活やライフスタイルが推奨される時代に入っているからでしょう。
ハイキング、トレッキング、登山はそうした時代にマッチしたアクティビティでそれぞれに違った醍醐味や魅力があります。それぞれの醍醐味や魅力についてまとめてみました。(当記事は2021年5月1日現在の情報を基にして制作してあります)
ハイキング・トレッキング・登山の違い
ハイキングやトレッキング、登山の違いの意味は、もともと厳密な定義や意味があるわけではありません。一般的には大雑把に行動のレベルが比較的低いアクティビティーがハイキング、登山はレベルが高く、トレッキングはその中間という認識されています。
しかし具体的な項目に分けて見て行きますとおおよその違いが見えてきますので、今回、装備・持ち物、服装、歩行距離、標高差、難所の種類などに分けてまとめてみたいと思います。
ハイキング・トレッキング・登山の比較
概略で比較しました
前記しましたようにハイキング、トレッキング、登山の違いは厳密な定義があるわけではありませんがいくつもの情報やデータを集計してみてその違いを整理してみました。但し登山だけは登山届の提出が必須になっている所が違います。
登山は登る前に必ず所轄の警察署に登山届を提出(富士山だけは不要)しなくてはならないというルールがあります。岐阜県剣岳などは登山届を提出しないと罰せられますので要注意です。
比較表
ハイキング | トレッキング | 登山 | |
装備、持ち物 | 軽い装備・持ち物 | 軽い、少し重い装備・持ち物 | 重い装備・持ち物 |
靴 | 運動靴、トレッキングシューズ | トレッキングシューズ、登山靴 | 登山靴 |
服装 | 軽い服装 | 長距離が歩ける程度の服装 | レイヤ(重ね着)を基本にした服装 |
距離 | 約10km以内 | 約10km以内 | 約10km以上 |
歩行時間 | おおよそ3時間以内 | おおよそ5時間以内 | おおよそ3時間以上 |
標高差 | 300m以内 | 500m以内 | 500m以上 |
山頂 | 目指さない | 目指すときもある | 目指す |
難所 | ない | ある | いくつもある |
装備の違い
ハイキング、トレッキング、登山の違いが比較的よく分るのが装備、持ち物でしょう。初めての方もハイキングは軽い服装で歩きやすい恰好。靴はハイキングシューズ又はスニーカー、運動靴などです。
登山はハイキングと異なり、持ち物(ギア)が一挙に増えます。非常用の装備まで含んでいます。靴も頑強な登山靴、少々石に躓いたりこけても捻挫になりにくいです。テント泊ということになればもっと大変で何十キロという荷物を背負って歩くことになります。
歩行距離・歩行時間・標高差の違い
歩行距離や歩行時間(コースタイム)に正確な基準があるわけではありませんが、ハイキングで1日歩けばおおよそ10km(3時間~5時間)にはなるでしょう。
トレッキングもハザードを乗り越えて行かねばならないルートなら10km(3時間~5時間)あるいはそれ以下でしょう。登山は縦走となれば10km以上(5時間以上)で、もっと長くなる場合もあります。急登が続けば10km以内の場合もあります。標高差の違いはより高山を目指す登山は当然大きな数字です。
難易度の違い
ハイキング、トレッキング、登山の主に歩行の際の難易度の違いですが、ハイキングコースは通常歩行に障害となるものはありません。ほとんど起伏のない平坦な山道を歩きます。
トレッキングは逆に川沿いを歩いたり、渓谷の岩をよじ登ったり、厳しい山登りがあったりします。道が平坦で整備された道はほとんどありません。そういった障害物を走破していくことが目的であり楽しさであり魅力になっています。登山とは長い時間をかけて距離も長く高山を登ることです。
山の難易度とは
ハイキング、トレッキングと大きく異なるのは登山難易度の高い山を登る場合です。各県によって山のグレーディングという、いわゆる山の格付け表が作られていますが、この表により山の難易度を知ることができます。
山のグレーディングは山ごとに難易度を数字で表し、登山者が能力以上の山にのぼらないようにと指針として公表しているものです。遭難事故防止事業として行われていて各県のHPで確認できます。
ハイキングの特徴・魅力・醍醐味
①ハイキングの特徴
ハイキングの特徴は、あくまで主観によって異なることをご承知ください。ハイキングの特徴はあまり起伏のない山道を気楽に歩きながら楽しむことを言います。
歩く山道には木製の道や丸太の階段などで整備がされ歩きやすくなっています。例えば尾瀬沼などは木道で整備され起伏もなく自然観察が容易にできます。レベルはトレッキングより低いです。因みに食事が目的の場合はピクニックというジャンルのアクティビティとなります。
②ハイキングの魅力
ハイキングは四季の自然を楽しむのが目的の1つです。森の中を歩いて普段気が付かなかった鳥のさえずりや自然の音が気が付くようになり、感性が磨かれるのはハイキングの魅力の1つでしょう。
春の植物の息吹、夏の緑濃い自然、秋の紅葉、銀世界の冬、四季ごとに魅力があります。自然の中を歩いているとその癒し効果の高さに驚くことでしょう。冬のスノーシューで行く白銀の世界ハイキングは魅力にあふれています。
③ハイキングの醍醐味
ハイキングの醍醐味(本当の面白さ)は新緑のかおる時期、高山植物の群生、紅葉の季節、四季折々の風景を鑑賞できる楽しさです。山にはいろいろな種類の魅力が溢れています。
いろいろな楽しみ方があり季節ごとの風景を観たり、絶景写真を撮ったりあるいは感動の景観をスケッチするのもいいですね。まは日頃の運動不足を解消するには最高の方法です。
トレッキングの特徴・魅力・醍醐味
①トレッキングの特徴
トレッキングの特徴は登山のように山頂を目指すということが主目的ではありません。山頂は目指さないのですが、山頂も含めてその先の平原のポイントを目標としているかもしれません。
登山よりも少しレベルが一段低いアクティビティの意味と思ってください。ただ領域は非常に広く、山岳地帯を行く山岳トレッキング、川の浅瀬や川沿いを歩くリバートレッキング、そして水に入らない渓流トレッキングなどいろいろな種類の魅力的なアイテムがあります。
②トレッキングの魅力
トレッキングとはそもそも直訳すると「移動」という意味で、A地点からB地点まで自然の中を歩いて移動すること、専門的な道具を使わないで山登りしたり山麓を歩いたりすることがトレッキングと言われています。
種類は登山とハイキングの中間的な感じで、いづれにしても、トレッキングは平坦な道を行くハイキングと異なり、色々な障害を乗り越えてゆく障害物競争の趣があり、そしてその先の目標に到達すれば十分な達成感が得られるというわけです。この達成感が魅力でしょう。
③トレッキングの醍醐味
トレッキングルートにはいくつもの山や峠、鎖場や梯子場、岩場やガレ場、積雪や残雪、渓流や谷越えなど様々な種類の難所があります。こうした障害となるポイントをクリアーしていくことが特徴であり、醍醐味であるわけです。
当然危険が伴うコースもありますから初めての方は経験者と同伴するか、初級と評価されたコースを選んで挑戦しましょう。危険と思われたポイントに出会ったらう回路を探すか、ある地点まで引き返す勇気も必要です。
登山の特徴・魅力、醍醐味
①登山の特徴
登山の定義(登山とは)、特徴ははっきりしています。山頂を目指して山を登る事です。明確ですね。明確な目標があるから、登頂達成の時は感動が深いわけで味わいがありいろいろな魅力に満ちています。
北アルプスの難易度上級レベルではロープやカラビナなど専門的なギアーを使って登ったりすることがありますが初めての方はギアー類の使い方をしっかりマスターしてからのトライとなります。たくさんの魅力を秘めた登山です。自分だけの山の楽しみ方を探求しませんか。
②登山の魅力
登山の魅力は大自然の非日常空間に浸ったり、何時間も登る苦しみをを味わい、登頂した時、その頂に立って、苦労して登った人しか得られない感動や達成感が味わえることです。特に初めての方には感動がより深く新鮮なものとなるでしょう。
③登山の醍醐味
登山はハイキング、トレッキングと比べて難易度が増し、生命への危険が及ぶ場合があります。そこで事故の多い高山を抱えた自治体10県が同じ評価システムで各県に属する登山対象の山、全てを評価して山のグレーディングとして公表しています。
ご自分の登山スキルが山のグレーディングの技術度、体力度などと合っているかどうかを確認してください。無理のない山の選択が登山の醍醐味を知る第一歩です。選んだ山を征服した時大きな感動が得られます。これが醍醐味でしょう。
ジャンル別おすすめスポット
おすすめのハイキングスポット尾瀬沼
ハイキングコースと言えばその代表格は群馬県の尾瀬でしょう。本州最大の高原湿原、国立公園に指定され、広大な湿地内には木道の遊歩道が設置され、ところどころにベンチもあります。コースは大変多く、年齢に合わせて自由に選択できます。
初めてのハイキングに尾瀬を選択する人も多く、色とりどりのハイカーの服装が池塘の水面に映えます。コース上の見どころも多く、湿原に咲く水芭蕉をはじめ多くの高山植物の群生が至る所で観察でき魅力にあふれてます。
尾瀬沼の詳細
国内でもっとも人気が高く醍醐味たっぷりの尾瀬ハイキングの標準コースの1つを参考までに挙げておきます。
尾瀬ヶ原一周コース
標準コース | 1日目鳩待峠起点ー山ノ鼻ー牛首ー東電小屋 2日目ー東電小屋ー見晴ー赤田分岐ーヨッピ吊橋ー牛首ー山ノ鼻ー鳩待峠 |
歩行距離 | 19.5km |
歩行時間 | 1日目2時間30分、2日目3時間50分 |
標高差 | 約200m |
アクセス | 新幹線上毛高原駅下車バス沼田駅ー鳩待峠 |
シーズン | 4月下旬~10月下旬 |
山小屋 | 東電小屋他多数 |
問合せ | JR東日本問合せセンター050-2016-1600 |
おすすめのトレッキングスポット熊野古道
全国にはおすすめしたいトレッキングスポットがたくさんあります。今回は中でも根強い人気を誇るトレッキングの世界遺産熊野古道伊勢路コースをご案内しましょう。速玉大社、本宮大社、那智大社に詣でる参詣道の内大辺路、中辺路、伊勢路を総称して熊野古道といいます。
今回は伊勢路の総延長170kmの中の馬越(まごせ325m)峠をご紹介します。馬越峠は尾鷲市と紀北町の境に位置しトレッキングコースとしての特徴を持っています。石畳の古道が続き、誰でも登れます。
熊野古道の詳細
ルート | 道の駅海山ー(600m)ー馬越峠登山口ー夜泣き地蔵ー石橋ー馬越峠ー里塚ー河涼園桃乙の句碑ー桜地蔵ー馬越公園ー尾鷲神社(登山口)ー尾鷲駅 馬越峠から30分ほどで天狗倉山(522m)頂上 |
歩行時間 | 約2時間30分 |
距離 | 約5km(道の駅海山ーJR尾鷲駅) |
標高 | 325m |
アクセス | 紀勢自動車道海山ICより5分(道の駅海山)、JR尾鷲駅下車徒歩20分で尾鷲神社登山口 |
連絡先 | 熊野古道センター0597-25-2666 |
おすすめの登山スポット塔ノ岳
日帰りできる塔ノ岳(丹沢山塊)
都心から日帰りできる本格的な山、神奈川県の西北部に位置する丹沢山塊をご紹介します。初めての方から上級者まで楽しめる山で関東では人気の山です。丹沢山塊の主峰は丹沢山(1567m)、最高峰は蛭が岳(1678m)になります。
今回登るのは同じ丹沢山塊の中の塔ノ岳(1491m)、塔ノ岳山頂からは富士山の雄姿をはじめ相模湾など360度開けた展望が魅力です。丹沢山まで行こうとすると初めての方では日帰りでは難しいため、このコースが設定されています。
初心者でも登れる塔ノ岳コース(詳細)
登山の対象となる丹沢山塊の中の1つです。トレッキングとして楽しめるコースもたくさんありますが頂上を極めるという意味でおもしろい山です。
初心者標準コース | ヤビツ峠(登山口)-護摩屋敷の水ーニノ塔(1144m)-三ノ塔(1206m)-烏尾山(1136m)-正次郎ノ頭ー新大日(1340m)-木ノ又小屋ー塔ノ岳(1491m)-金冷シー花立山荘ー茅場平ー小草平ー駒止茶屋ー雑事場の平ー観音茶屋ー大倉(ゴール) |
歩行距離 | 13km |
歩行時間 | 約10時間 |
標高差 | 1379m |
アクセス | 小田急小田原線秦野駅下車バス約48分、東名秦野中井ICから県道71,72号線15km |
連絡先 | 秦野市観光協会0463-82-8833 |
まとめ
ハイキング、トレッキング、登山などアクティビティはいずれも手軽にできる種類のスポーツです。アウトドアスポーツが盛んになるにつれて、トラブルが増え、心ないエチケット違反も増加しています。ハイキングもトレッキングも登山もそれぞれ大自然の中の楽しみでそれぞれに醍醐味や魅力があります。その前提は最低限、山のエチケットやルールは必ず守る事です。これができていない人が少なくありません。また登山届提出は必須条件です。
ハイキング、トレッキング、登山が気になる方はこちらをチェック!
ハイキング、トレッキング、登山共にアウトドアアイテムとしてはすっかりポピュラーになりました。全国いたるところにコースが設定され、整備も進んでいます。
台湾や韓国では高山は軍事的な施設ということで登山やトレッキングは大きく制限されています。そういう意味では日本は幸せです。レベルに合わせて自由に楽しみましょう。
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