スノーボード板のダリングについて徹底解説
スノーボードを購入した際にまずやる事とは皆さんなんだと思いますか。スノーボード板のワックスがけ、スタンスやアングルのセッティング、滑り方上達の為のイメトレなどさまざまありますが最初はダリングになります。
ダリングは初心者の方には聞きなれない言葉だと思いますが、エッジを削り落とす作業のことです。そんなダリングをする意味や重要性、やり方などについて解説するのでぜひ参考にしてください。
スノーボード板のダリングの必要性
ここではダリングの必要性について解説します。ダリングにはスノーボードの快適性を向上させるだけでなく安全のためにも必要な作業。ダリングを行わない時と、行ったときではスノーボードの楽しさが格段に違うといっても過言ではないでしょう。
そんなダリングの重要性について解説していきます。
ダリングの必要性①他人への怪我の予防
スノーボードのエッジは購入時には何も処理がされておらず非常に鋭利な状態です。そのため、誤って人とぶつかってしまうと相手に大けがを負わせてしまうリスクが非常に高くなります。
また、スノーボード初心者の方の多くはスノーボード板の操作・コントロールが難しく、上達するまでに姿勢を崩し、何度も転倒することでしょう。場合によっては人と衝突することもあります。つまり、初心者の方程ダリングは必要なものとなってくるのです。
ダリングを怠ったことによる事故が毎年のように発生
実はダリングを怠ったことによる事故はシーズン中に毎年のように発生しています。転倒してエッジが体に触れてしまい、切り傷を負ってしまったり、他人にけがを負わせてしまったり、といったことが発生しているのです。
また、リフトに乗車中、エッジが隣の人のスノーボードに当たってしまい傷をつけてしまった、ということもあります。初心者の方程、ダリングの必要性が高いのです。
ダリングの必要性②転倒の防止
ダリングをする前は余分な範囲までが尖っているため雪面に引っかかりやすく逆エッジなど不要な転倒を引き起こしてしまいます。転倒はスノーボードの滑り方・技の上達を妨げるだけでなく自身の怪我につながる可能性もあるのです。
そのため、スノーボードを快適に楽しむためにも、ダリングは行うことをおすすめします。
ダリングの必要性③スノーボード板の操作性の向上
新しいスノーボード板を購入したが操作が難しくてうまく滑れない、という経験はありませんか。その解決方法の一つにダリングがあります。反応が良すぎて自分と合わない場合、エッジを少し丸めることでターンの切り替えしがルーズになり、扱いやすくなるのです。
滑り方・技の上達には姿勢、スタンス、前振り、アングルなどセッティングは重要ですが、まずはスノーボード板を扱いやすくすることが大切です。
スノーボード板のダリングに必要な道具
ここからは自分でダリングする際に必要な道具について紹介します。また、ダリングのための専用の道具もありますが、お手軽な代用品も紹介するので参考にしてください。
新聞紙など
床が汚れないようにするために使用します。ダリングはエッジを削るため、削りカスなどが発生します。そのため、自分でダリングを行う際は床が汚れないようにするためにも必ず新聞紙などを床に敷いておきましょう。
また、削りカスを吸い込んでしまうと、体に悪いため、汚れてしまった際は掃除して綺麗にしておくことをおすすめします。
ファイル
ファイルとはエッジを削るための道具で金属製の平たいヤスリです。スノーボード専用のものは大体3,000円前後で購入できます。
代用もできるため、必ず用意しなければならない道具ではありませんが、自分で正確にエッジを削りたい、という方は購入しておくことをおすすめします。
紙やすり
ファイルの代用品として紙やすりを使用できます。紙やすりはホームセンターや100円ショップなどで非常に安価に購入することできるため、ファイルを購入するよりもお手軽ですよ。
なるべく粗目の紙やすりを使用すると、効率よくダリングができます。
テープ・マジック
滑走に影響する範囲のエッジである有効エッジとそれ以外の範囲を見分ける印をつけるために使用します。見分けられればいいのでテープやマジックなどなんでも構いません。
テープを使用する際は透明なセロハンテープよりも色がついているタイプのテープの方が分かりやすいため、おすすめですよ。
軍手
エッジは実は刃物のように非常に鋭利です。そのため、自分でダリングを行う際は作業中に切り傷を負う可能性もあります。そんな怪我を予防するためにも軍手などの手袋は忘れずに着用しましょう。
スノーボード板のダリングのやり方
自分でダリングを行う際、行う範囲は主に有効エッジ以外の範囲となります。有効エッジとは滑走する際に活用する範囲のことです。自分でダリングを行う際は基本的にこの有効エッジ以外の範囲を削ることになります。
そんな有効エッジ以外のエッジのダリングのやり方について解説するので参考にしてください。有効エッジのダリングに関しては自分で行うのではなく、専門店に持っていって相談してみましょう。
ダリングの作業手順①床に新聞紙など敷く
何度も説明していますが、スノーボード板のエッジを削る作業をダリングと呼びます。つまり、削った際に金属などのクズが出るのです。そのため、屋内で削る際は必ず床に新聞紙などを敷いて削りカスで室内が汚れないようにしましょう。
ダリングは屋外でもできますが、わざわざ道具を屋外へ持って行くのは面倒ですよね。
ダリングの作業手順②ダリングする範囲の特定
スノーボード板を平らな地面に置くと、ノーズとテールの部分が地面から浮いているのが分かるかと思います。有効エッジ以外とはこの時浮いている部分となります。
そして、削る範囲ですが、この有効エッジから、指一本分外側が削る範囲です。この範囲が分かるようにマジックやテープなどでマーキングしましょう。
ダリングの作業手順③エッジを削る
それでは実際にエッジを削っていきましょう。削るエッジ部分にファイルまたは紙やすりを斜めに当ててなでるように削っていきます。その際注意することは力いっぱい削らないことです。
力を入れすぎてエッジに当てているファイルがずれると怪我やスノーボード板のソールを傷つける原因となるので軽くなでるように削ってあげてください。ファイルの種類によって削る方向や角度があるため、ファイルに付属している取扱説明書をよく読んでおきましょう。
紙やすりを使用する際のダリングのやり方
紙やすりを使用してスノーボード板をダリングする際のやり方について解説します。使用する紙やすりは粗目のタイプがおすすめです。まず指で持ちやすい大きさにカットします。あとは半分に折ってエッジを削るだけです。
また、そのまま削っても問題ありませんが、何かに紙やすりを巻き付けて削るやり方も効率的ですよ。
ダリングの作業手順④削り具合の確認方法
削り具合の確認方法は軽く角が取れた程度、手でやさしくなでた際に抵抗がなくなめらかであれば十分です。また、ダリングをしていないエッジは爪を当てて軽くこすると爪が削れるほど鋭利となっています。
そのため、爪を当てても爪が削れない状態まで削れば問題ありません。
スノーボード板のダリングの注意点
スノーボード板のダリングは必ず必要ではありませんが、行えば、滑りやすくなることは間違いないでしょう。しかし、それは正しくダリングができていた場合に限ります。万が一、ダリングを失敗すると、取り返しのつかないことにもなってしまいます。
ここからはそんなダリングを行う際の注意点について解説します。
有効エッジのダリングは行わない
有効エッジについては前記で説明したので、すでに把握しているかと思います。スノーボードを行う際、非常に重要な箇所の1つが有効エッジです。そんな有効エッジに素人が何も考えずにダリングを行ってしまうと、エッジを立てた滑走ができなくなってしまいます。
それはスノーボードにおいて致命的でしょう。エッジが効かない、ということは板のコントロールができない、ということです。非常に危険なため、有効エッジにはダリングは行ってはいけません。
削りすぎないこと
有効エッジ以外の範囲のダリングでも削りすぎには注意しなければなりません。削りすぎてしまうと、スノーボード板が破損しやすくなるばかりか、滑りにも影響が出ることがあります。
滑走中に板が安定しなかったり、雪面をとらえきれずに転倒したりすることもあるのです。そのため、削りすぎには十分注意しましょう。
板の形状を把握すること
初心者の中には気にしない、という方もいるかもしれませんが、板の形状はスノーボードを行う上で非常に重要なのです。板の形状によって、滑りが全く違うものになります。ダリングを行う際にはこの、スノーボード板の形状について必ず把握しておきましょう。
形状が違うとソールの形状も異なるため、接雪面の広さが違うのです。把握していなければ、誤って有効エッジを削ってしまうこともあるため、注意しなければなりません。主に使用される形状について解説します。
キャンバー
キャンバーは板のセンターが盛り上がっているタイプのスノーボードです。板を踏みこむと接雪面が広くなるため、早めの速度でも比較的安定して滑ることができます。扱いやすいため、初心者の方にもおすすめの形状です。
ロッカー
アルファベットのUのように反りかえっている形状をしている板です。有効エッジが比較的狭く、逆エッジが掛かりにくい特徴があります。しかし、有効エッジが狭い分、滑走時の安定性には劣ります。
フラット
その名の通りスノーボード板が平らな形状をしているタイプです。ノーズとテール以外は平らになっているため、有効エッジが広く、滑走中の安定性も抜群です。しかし、グラトリなどを行う際には板の反発が無いため、不向きなタイプだといえるでしょう。
スノーボード板のチューンと保管
スノーボード板のダリングについて解説しましたが、ダリングだけでは快適なスノーボードを行うためには不十分です。そのため、ダリングの他にもチューンナップが必要となります。
ここからはそんなスノーボードの定期的なチューンナップ方法について解説していきます。中にはダリングとセットで実施することがおすすめのチューンナップ方法もありますよ。
ソールのクリーニング
ソールとはスノーボードの裏の部分で、滑走する際に雪面に直接触れるため、非常に重要な箇所です。そのため、常に清潔にしておかなければ、スノーボード板が滑りにくくなり、快適なスノーボードが楽しめません。
定期的にクリーニングをして清潔にしておきましょう。クリーニングの際にはリムーバーと呼ばれる専用の汚れ落としを使用しましょう。やり方は非常に簡単で、リムーバーをソールに垂らして、キッチンペーパーなどで、ふき取るだけです。
ワックスを塗る
ソールのクリーニング後はワックスを塗りましょう。ワックスを塗ることで、ソールの滑りがよくなり、滑走力を上げることができます。
本来なら固形のワックスをアイロンで溶かしてソールに塗るのですが、最初のうちは簡易ワックスと呼ばれる簡易的なワックスでも十分効果が期待できます。
シーズンオフのチューンナップと保管方法
シーズンオフにスノーボード板を使用することはほとんどないでしょう。来シーズンの約1年間保管しておくことになるはずです。そのため、雑に保管すると来シーズン、スノーボードに行こうとしたら、スノーボード板が変形していたり、錆びてしまったりしてしまいます。
シーズンオフのチューンナップと保管方法はスノーボード板の寿命を延ばすためにも以上に重要なことなのです。
ビンディングは外す
まず、ビンディングは必ず外しましょう。ビンディングを付けたまま保管すると、常に板に負荷がかかっている状態になり、変形の原因にもなります。また、ネジ部分が錆びることもあるため、ビンディング自体を保管する際も潤滑剤などを使用しておきましょう。
汚れやワックスを落とす
保管する前にソールの汚れやワックスを落としておきましょう。汚れは長時間放置すると定着して落としにくくなります。そのため、保管する前には必ずソール部分の汚れを落としましょう。
汚れを落としておけば来シーズンのスノーボードを気持ちよく始められますよ。
高温多湿な場所や直射日光が当たる場所には保管しない
スノーボード板を保管する際の大前提ですが、高温多湿の場所や直射日光が当たる場所では保管してはいけません。湿気のせいで、スノーボード板にカビが繁殖する可能性がある上、歪みの原因にもなります。
また、直射日光は板の寿命を縮めるため、絶対に直射日光が当たる場所では保管してはいけません。
ダリングはスノーボードを楽しむためのマナー
今回は滑るシチュエーションによって細かくダリングの説明をしましたが、ダリングをする一番の理由は他のスノーボードを楽しんでいる方にケガをさせないことです。もちろん自分自身の怪我の予防のためでもありますが、それよりも危険なのは他の人なのです。
自分自身と他の人が気持ちよくスノーボードを楽しむためにもダリングを行ってからゲレンデでスノーボードを楽しみましょう。
スノーボード板の選び方やメンテナンスに興味がある方はこちらもチェック
スノーボード板のおすすめの選び方や板のメンテナンス方法に興味がある方はこちらの記事もチェックしてみてください。スノーボード板の適切な選び方は、初心者の方は必ず把握しておかなければならないことです。
また、メンテナンス方法についても同じ板でスノーボードを行っていくためには必ず必要な作業となります。スノーボード初心者の方はぜひ参考にしてください。
スノーボード板を選ぶときの4つのポイント!人気ブランドと特徴もご紹介!
スノーボードの板を選ぶときの基準ってサイズだけだと思われてる方大きな間違いです!サイズや形状、固さやビンディングの位置まで様々な選び方のある...
スノーボード板の長さ目安は?身長に合わせた適正サイズの選び方を解説!
スノーボードをやる人なら一度は悩む板の長さ。自分の身長に合わせた場合の適正サイズと言われるのは色々ありますが、それが自分に本当に合っているサ...
スノーボード板完全版!選び方やおすすめの板、メンテナンス方法まで徹底解説!
スノーボードをする時は、板にこだわることが大切です。本記事では、スノーボード板の選び方やおすすめ商品、メンテナンス方法まで、さまざまな情報を...