はじめに
ゴクラクチョウカ(ストレリチア)
漢字で書くと極楽鳥花というストレチアの花。他の多くの植物とは少し変わった形や印象的な色使いを持つ植物で、観葉植物として家具の雰囲気と合わせることでおしゃれな部屋のインテリアとしても活用できます。初めてこのような植物を育てるため育て方がわからずお困りの方へ。水やりや肥料といった日常のお手入れから植え付けや植え替えの方法や剪定といったちょっと慣れたきたら是非やって欲しいこと、種まきや株分けといった数の増やし方もわかりやすく解説していきます。
ゴクラクチョウカ(ストレリチア)について
育て方を解説する前にまずはこの花の基本的なことを知っておくとお世話に役立ちます。またその名前の由来や特徴を知ることでより植物への愛着も増すでしょう。
基本情報
科・属:ゴクラクチョウカ科ゴクラクチョウカ属
原産地:南アフリカ
英語名/学名:Strelitzia/Strelitzia
名前の由来と見た目の特徴
極楽鳥とは青い頭部にオレンジを基本としたカラフルな色の羽根・尾羽根は長く垂れ下がりその飛ぶ姿は英語圏ではBird of paradise楽園の鳥、日本では風鳥(ふうちょう)とも呼ばれるミステリアスな存在。この夢のような姿をした鳥が舞う姿に非常に近いことでこの名前が付けられました。青い部分が頭、オレンジが羽根と見立てるとそのままの姿をしているのがわかるでしょう。
気になる開花時期は
この植物は温かいところ原産で気温が合えば通年でも咲き続けてくれるとても開花時期が長いもの。日本の気候だと5-10月くらいが開花に適した季節といわれています。ただし条件が揃わないとなかなか花が咲かないというお悩みも。その要因はいくつかあるのでこれから解説するお手入れ方法の中でここはこうした方がよいということを細かくお話しながら進めていきましょう。
ゴクラクチョウカ(ストレリチア)の育て方1.日当たり
それでは早速ゴクラクチョウカの育て方を見ていきましょう。観葉植物として室内に置きっぱなしにしている・お店で室内管理できますよと言われて買ったという方も注意して欲しいのは日光にあてるということ。好きな日当たりやその注意点についてご紹介します。
ゴクラクチョウカに適した日当たり
日当たりはゴクラクチョウカの健康や成長にとってとても重要な要素で、日当たりが悪いと花が咲かない・葉が垂れ下がってくると大きく美しさを損ねてしますます。観葉植物として鉢植えで室内管理をされる方でもなるべく戸外に鉢ごとだして日光浴をこまめにさせてあげることで美しい姿に仕立てられるでしょう。
日当たりと葉焼け
日当たりが悪いと元気がなくなる植物ですが、強い日差しは葉焼けをひきおこします。そんな場合は寒冷紗などで日光を弱めた戸外に置くのがおすすめ。
日当たり・置き場所注意点
観葉植物は屋外だけでなく屋内での置き場所にも注意をしてください。特にリビングなど空調設備がある部屋に長時間置く場合その風が直接当たらないよう気をつけましょう。風は植物には成長ホルモンを分泌させたりと大きな影響を与えるものですが、それは天然の風の場合。同じ強さで不自然に当たり続ける風で植物も体調を崩してしまうでしょう。
ゴクラクチョウカ(ストレリチア)の育て方2.種まき
ゴクラクチョウカの種
花が咲いた後放置しておくとオレンジ色のひげが生えているとてもユニークな種を付けます。ゴクラクチョウカの種は市販ではあまり流通していないので、種まきをするなら友人知人から譲り受けたり自分で採取して手に入れてください。この種をまくことで株分けをせずとも実生苗として増やすことが可能です。
種まきの時期
この植物の発芽温度は20度以上。発芽まで2-3ヶ月かかりますので気温を考慮して初夏ころに植え付けるのが一般的です。温かい地域で秋になっても長く20度以上の気温が続くようであれば夏の終わりでも種まきすることができるでしょう。
用意する土
種まき用の土には清潔で養分のない土を選んでください。種まき用の土も販売されていますが高いので赤玉土を利用しても。栽培用の土ではないので腐葉土や肥料は加えません。
種まきのやり方
殻が硬いので一晩水につけてやわらかくしてから種をまきます。育苗箱などにポット上げを考慮して適度な間隔で1ヶ所に3-5個ずつまきましょう。発芽率があまりよくないためです。種の個数に余裕があるならば1ヶ所にまく数はもっと増やしても。2-3ヶ月して発芽したら成長のために間引きを2回程度して最終的に1ヶ所1株にして育てます。本葉が2枚開いたら1株ずつポット上げして育苗してから鉢や地植えに植え替えしていきましょう。
ゴクラクチョウカ(ストレリチア)の育て方3.植え付け
植え付けする時期
植え付け時期は4-10月のうちの猛暑日を避けたときに行えます。5月ころの十分気温があがった季節にするのがおすすめ。実生苗の場合は開花まで5-7年かかるといわれていますので、それほど植え付けに関しては神経質にならずに気候のよい時期を選んであげるという感覚でよいでしょう。
植え付けのやり方
ビニールポットにあげた苗の本葉が3-4枚まで増え、しっかり大きくなったら植え付けタイミングです。最初の鉢は4号程度でよいでしょう。大きすぎると水やりが大変ですし小さいと根が鉢を割るほどパワーがあるので予想外の植え替えをすることになってしまいます。
植え付けの注意点
植え付け用には栽培に適した土に変えてあげましょう。市販の観葉植物用の培養土が簡単で失敗も少なくおすすめ!また種まきから育てると成長に差が出てくる場合もありますので5月にこだわらず秋ころにやってもOK!ただしポットの底から根が見えてくるようならいそいで鉢に植え付けてあげてください。
ゴクラクチョウカ(ストレリチア)の育て方4.水やり
水やりの方法
植え替えや株分けなどをする以外の季節は、毎日のお手入れとして水やりは欠かせません。アフリカ原産の植物ですので水やりは一般的な植物よりやや乾かし気味にしていきましょう。特に室内管理に切り替えた冬の時期はより水は控えめに。土がしっかり乾いてから与えるようにしていくといいですね。
ゴクラクチョウカの水やり注意点
開花まで時間がかかりますが、株の成長は早い植物です。水やりはこの大きくなるのを見ながらやるのが失敗しらずの上手にお手入れするコツ。水やりをしてぐんぐん葉や茎が伸びてきているようであれば、土が乾くのを待って水やりを。逆に気温が低くなり成長が止まったら土が乾いても数日は水やりを我慢するといった感じでタイミングをとっていきましょう。
ゴクラクチョウカ(ストレリチア)の育て方5.肥料
肥料をあげる時期・タイミング
肥料やりのお手入れについても水やりと同様に考えてください。暖かく株が大きくなろうとする時のお手伝いと考えるとわかりやすいですね。固形肥料であれば2ヶ月に1度。水溶性肥料は水やりのついでに月に2回を目安としましょう。
おすすめの肥料
初心者にはあげやすい水溶性肥料がおすすめです。水やりのついでにあげられるのも良い所でしょう。室内に鉢を置く場合は特に固形肥料の独特のにおいが気になることも。そういった点でもあげやすさも考慮してアンプル型の観葉植物用も試す価値あり!逆にあまりお手入れできない方はにおいの少ない固形肥料を探してみてください。
肥やりの注意点
肥料はあげれば良いというものではなく、植物がほしくない時にあげてしまうと肥料負けという状態になってしまうことも。最悪の場合枯れてしまいます。特にあげないで欲しい時期は気温の低い冬場。水やりを控えめにすると同時に肥料やりも翌シーズンまでお休みです。
ゴクラクチョウカ(ストレリチア)の育て方6.植え替え
植え替えして大株に育てよう
鉢植えや苗で買ったゴクラクチョウカの花が咲かない場合、株がまだ充実していないということも考えられます。より大きく株を育てた方が花があがってきやすいです。そのためには定期的に大きな鉢への植え替えのお手入れが効果的!
植え替えの時期
植え替え時期は植え付け時期と同様で真夏を除く4-10月が適期。土の上が伸びてくるのと同様に太く丈夫な根が付く植物なので上ものの大きさに合わせて鉢を選ぶとよいでしょう。地植えなら株分けのタイミングで。鉢植えなら成長期なのにあまり大きくならないと感じた時が植え替え時です。
植え替えのやり方
鉢植えなら鉢のサイズを1つ大きくして植え替えます。土は植え付けに使ったのと同じ観葉植物の培養土で。鉢底石を入れたあと少し土を入れて底上げをして軽く土をほぐした株を中央へ。株元の部分が鉢の高さより少し下くらいの位置がベスト。グラつかないよう土をまわりに足してたっぷりと水やりをしたら植え替えは完了です。
植え替えの注意点
土をあらかじめ少し置くのがポイント。これで株の高さを調整します。鉢の高さぎりぎりまで土を入れるのはNG。土の表面から鉢の上部までウォータースペースという空間を必ず作るようにしてください。
ゴクラクチョウカ(ストレリチア)の育て方7.剪定
ゴクラクチョウカの剪定時期
下から葉や花の茎が伸びてくるタイプの植物ですので切り戻し剪定などはおこないません。剪定が必要となる時期は花が咲く温かい季節がメイン。花がまだ咲かない幼い株の場合は剪定をおこなう必要はほとんどないので手がかからない植物といえますね。
剪定のやり方
ゴクラクチョウカの剪定方法は簡単で、枯れた葉を取り除く・終わった花を切り取るのふたつの剪定のみ。初心者の方でも見た目でタイミングも判断できるので迷わずできるでしょう。清潔な剪定ハサミを用意して株元から終わった花の茎や枯れた葉を切ってしまいましょう。
剪定の注意点
日当たりが悪い・水不足などの他にあまり葉が剪定するほど枯れるということはないでしょう。見た目が悪いからと少し葉色が変わった程度の葉を切りすぎてしまうと光合成不足になってしまいます。メインは終わった花を茎ごと切り取るお手入れのみとして、初心者の方はあまり葉には触らないでおくのがおすすめ!慣れてきたら葉の剪定にも挑戦してみると良いですね。
ゴクラクチョウカ(ストレリチア)の育て方8.株分け
最後にご紹介するのはゴクラクチョウカの株の増やし方です。これ以上大きくなってほしくない・株の数を増やしたいという場合に有効な株分けというやり方がこの植物に向いている方法。時期ややり方を見ていきましょう。
ゴクラクチョウカは株分けで増やす
剪定した葉茎から根が出ることはないので、増やし方は株分けにておこなうのが一般的なやり方です。難しい作業ではないので気に入ってたくさん鉢が欲しいというときは是非チャレンジしてみてくださいね。
株分け時期とやり方
株分け時期は4-9月。鉢植えや地植えにしたものを掘り起こして、2-3個になるよう株の根本から分けてそれぞれ鉢に植え替えていきましょう。地植えにしていた場合も最初の冬は鉢植えで室内管理がおすすめ。翌年や翌々年の植え替え時期に地植えに戻してあげるのが安全策です。
株分けの注意点
株分けで失敗する場合はほとんどがその後の気温の問題です。植え付けや植え替えと同様に、株に変化を与えるのはこれから大きくなろうとする成長期が適期。寒さに強くない植物の場合は、まだ暖かい時期ではあっても秋に株のパワーを必要とする大きな変化を加えるお手入れするのはあまりおすすめできません。
まとめ
ゴクラクチョウカ(ストレリチア)はお手入れも楽な植物
色鮮やかなカラーと羽ばたく鳥のような姿が印象的なゴクラクチョウカ(ストレリチア)。花を咲かせるには大きく育てたりよく日に当てたりする必要がありますが、そのお手入れは決して難しいことではありません。むしろ初心者の方でも管理が楽なおすすめの観葉植物!おしゃれなお部屋へのイメージアップアイテムとしてもぴったりなグリーンを育ててみてくださいね!
植物の手入れが気になる方はこちらもチェック
植物にはそれぞれに合ったお手入れ時期や方法があります。新しく花や木を購入した場合は、まずは作業スケジュールを確認するといざというときに困らずにすみますよ!暮らし~のではたくさんの植物の栽培方法をご紹介していますので是非参考にしてくださいね。
グラジオラスの育て方!球根の植え付け〜開花まで元気に育てる秘訣とは?
立ち姿が美しく、折り重なる花が豪華でボリュームのあるグラジオラス。今回は、グラジオラスの球根の植え付けから開花(収穫)までの方法をご紹介いた...
イキシアの育て方・栽培方法まとめ!植え付けから増やし方まで詳しくご紹介!
イキシアは、針金の様な細く長い茎からは、想像できない豪華絢爛な花が咲きます。今回はそんなイキシアの育て方はもちろん、球根の保存方法などもまと...
日々草の栽培方法と育て方!剪定や植え付け・切り戻しのコツもご紹介!
日々草の育て方をご存知でしょうか?夏に楽しめる元気いっぱいの花と言えば日々草です。日々草はとても丈夫な花であり、剪定・切り戻し・摘芯といった...