ヤマハでおすすめの250cc:はじめに
水冷2ストローク2気筒エンジンで他車種の追随を許さなかったRZ250、250ccの4ストロークエンジンで初めて45馬力に到達したFZ250フェーザー、ビッグスクーターブームの起爆剤となったマジェスティ、ヤマハの250ccのオートバイは歴史を常にリードしてきました。現在ヤマハが販売している250ccクラスの車種も独特で、他メーカーにはない美学が感じられます。
ヤマハの250ccバイクの種類
ヤマハの250ccのオートバイには①フルカウルスポーツ②ネイキッド③アメリカン④オフロード④スクーター、この4種類です。他メーカーと比較するとやや偏りを感じます。アメリカンバイクは現在販売されている車種になく、他社では必ずある種類のツアラーはこれまで販売されませんでした。国産モデルのセロー250とトリッカーの生産も終了。現在は、海外で生産されているヤマハブランドのオートバイを輸入販売するのがメインになっています。
モノづくりにこだわるヤマハ
ヤマハはオートバイメーカーながら自動車のエンジンも開発していました。名車トヨタ2000GTのエンジンルームにはヤマハのプレートが入っていますし、自動車レースの最高峰であるF1にエンジンを供給していたことを覚えているオートバイファンも多いはず。ラテンロックの雄カルロス・サンタナのギターに変幻自在なトーンを加えたのはヤマハ、アルベールビル五輪男子回転で金メダルを獲得したヤッゲのスキー板もヤマハでした。
旧型の中古車や海外モデルも視野に入れて
では本題!ここではヤマハでおすすめの250ccオートバイを種類別に紹介します。現行モデルのラインアップは少なくなりましたので、人気の並行輸入車や中古車価格がお買い得な旧車も含めて紹介します。おすすめポイントやモデルチェンジについても確認しながら、ヤマハのモノづくりに対する美学についても一緒に考えましょう。なお、この記事は2020年9月14日現在の情報をもとに作成しておりますことをご了承ください。
ヤマハの250ccを種類別におすすめ:ネイキッド
ネイキッド
ネイキッドというカテゴリー名を創出したのはヤマハです。FZ400Rのカウルレス版として1985年の3月に販売が開始されたFZ400Nの「N」はネイキッドを意味します。FZ400Nは「ネイキッド」という言葉をカウルレス車の総称としてバイク乗りの記憶に残し、人気を得ることなく絶版となりました。その4年後、カワサキのゼファー(400)が登場し、ネイキッドというカテゴリーが確立されたのです。
MT-25:新車で買える2020年現行車種
ヤマハのMT-25は後述するYZF-R25のネイキッド版として2015年の10月に新型として登場しました。2020年の3月にはデザインが一新され、倒立フォークに変更するマイナーモデルチェンジを受けています。スポーティでスパルタンなデザインでありながら、キャラクターはフレンドリーなネイキッドバイク。街乗りからツーリングまでこなす汎用性の高さがおすすめポイントです。スペックは標準的ですので、初心者でも扱いやすいネイキッドバイクだといえます。
XSR155:新車で買える2020年現行車種
ヤマハのXSR155はタイで生産されて、アセアン諸国で販売されているネイキッドバイク。2019年に新型として登場しました。街乗りメインにオートバイが欲しいけれど、ツーリングでは高速道路も利用したい…というネイキッドファンにおすすめです。残念ながら国内での正規販売はされておらず、日本では並行輸入車を購入するしかありません。メーカー保証だけでなく、リコールやサービスキャンペーンの対象になりませんので、信頼できるショップで購入しましょう。
ヤマハの250ccを種類別におすすめ:スポーツ
フルカウルスポーツ
ヤマハの250ccバイクで初のフルカウルスポーツは1984年の3月に販売が開始されたRZ250RRでした。アンダーカウルはオプション設定でしたが、サイレンサーの形状がレーサー風で、当時のバイク乗りは胸を熱くしたのです。RZ250RRは先陣をきってスタートダッシュしたものの、人気では後発のホンダNS250Rに追い抜かれて短命。ヤマハはTZR250で巻き返しを図りました。常に一歩先を進もうとするのがヤマハ流です。
YZF-R25:新車で買える2020年現行車種
ヤマハのYZF-R25はスポーティで美しいデザインと、接地感の高い操作性がおすすめポイントです。2014年の12月に新型として販売が開始され、2019年にデザインを一新して倒立フォークへ変更するマイナーモデルチェンジを受けました。よりスポーティな現行モデルに人気が集中していますが、新型と旧型のスペックの違いは僅かですので、旧型の中古車価格にはお買い得感があります。街乗りが楽しいのもおすすめポイントです。
YZF-R15:新車で買える2020年現行車種
ヤマハのYZF-R15はインドネシアで生産され、アセアン諸国で販売されている150ccスーパースポーツバイクです。エンジンは水冷SOHC4バルブの単気筒で、排気量は155cc。7400回転でバルブタイミングを切り替え、低中回転から高回転まで効率よくトルクを得られる可変バルブ機構を備えたエンジンです。XSR155と同様、国内正規販売モデルではありませんが、取り扱っているショップは多いですね。
ヤマハの250ccを種類別におすすめ:アメリカン
アメリカン
ヤマハのアメリカンバイクは普遍的なデザインやゴージャスな雰囲気に人気があります。アメリカンバイクを国内で初めて生産したのはヤマハ。XS650SPが日本のアメリカンバイクの元祖です。並列2気筒でステップがシートの真下にある車種は「ジャメリカン」と揶揄されることもありましたが、日本の道路事情を踏まえると解釈は正解。その後、125ccから1100ccまで車種を広げたビラーゴシリーズで本格的なアメリカンバイクの生産が始まりました。
ドラッグスター250:中古車在庫が豊富な車種
ヤマハのドラッグスター250は2000年の6月に新型として販売が開始され、2016年モデルまで生産された250ccのアメリカンクルーザーです。2005年にウインカーをクリアレンズに、2008年に当時の排出ガス規制に対応するためのマイナーモデルチェンジが施されています。おすすめポイントは軽量な車体。全長は長いものの、キャラクターはストリートバイクに近いですね。コンディションがいい中古車は多く、価格にもお買い得感があります。
XVビラーゴ250:中古車在庫が豊富な車種
ヤマハのXV250ビラーゴは先述したドラッグスター250のベースとなった車種です。国内では1988年に新型として販売が開始され、1996年モデルまで生産されましたが、米国では今も新車で販売されています。1992年に電装系を変更するマイナーモデルチェンジが施されたものの、スペックに大きな変更点はありません。ドラッグスター250よりコンパクトな車体サイズがおすすめポイント。プルバックハンドル仕様と、フラットハンドル仕様があります。
ヤマハの250ccを種類別におすすめ:オフロード
オフロード
ヤマハはオフロードバイクに対して強い熱意を持ったオートバイメーカーです。トレールバイクDT-1は国内でも爆発的な人気を集め、モトクロスレースでも活躍しました。軽量でハイパワーなDT200WR、エンデューロレースでも人気だったTTR250、TZR250のエンジンを搭載したモンスターマシンTDR250など、極限まで性能を追求するヤマハの姿勢はその後も引き継がれ、オフロードバイク史上に名を残す名車がリリースされました。
セロー250:新車で買える2020年現行車種
ヤマハのセロー250は2005年の4月に新型として販売が開始され、2020年モデルまで生産された250ccのオフロードバイクです。2008年モデルでインジェクションするマイナーモデルチェンジ、2018年モデルでキャニスター(気化するガソリンを大気放出させない装置)を追加するフルモデルチェンジが施されました。高いトレッキング性は街乗り性でも秀逸。難所アタックからロングツーリングまで人気があります。生産は終了されましたので、今は新車で購入できる最後のチャンスです。
トリッカー:新車で買える2020年現行車種
トリッカーは2004年の3月に新型として販売が開始され、2019年モデルまで生産された250ccのオフロードバイクです。セロー250の兄弟車で、マイナーモデルチェンジやフルモデルチェンジは同時に施されています。フロント19インチ、リヤ16インチのホイールは未舗装林道から街乗りまで幅広く対応し、おしゃれなストリートバイクとしても人気です。セロー250と共に生産が終了されましたので、新車を購入するなら今!安い新車価格にも魅力があります。
ヤマハの250ccを種類別におすすめ:スクーター
スクーター
ヤマハのマジェスティがビッグスクーターブームの起爆剤となった要因はスポーティな走行性能。ビッグスクーターという種類でホンダのフュージョンに先を越されたものの、当時はレーサーレプリカ時代を知るバイク乗りは多かったので、走行性能に優れたマジェスティは人気を集めました。ところが、ビッグスクーターブームが到来するとデザインが重視されるようになり、ホンダのフォルツァシリーズと張り合うことに。そのすきを狙って、スズキのスカイウェイブ250に人気を奪われました。
XMAX:新車で買える2020年現行車種
ヤマハのXMAXは2018年の1月に新型として販売が開始された250ccのビッグスクーターです。トップブリッジとステアリングステムで2本のフロントフォークを支える、MT車と同様のフロントサスペンションが操作性をスポーティにしています。新車で購入できるビッグスクーターは少なくなりましたし、ヤマハの250ccのオートバイにはツアラーが存在しませんので、ツーリングクルーザー的なXMAXは稀有な存在だといえます。
マジェスティS:新車で買える2020年現行車種
ヤマハのマジェスティSは2013年の3月に新型として販売が開始された150ccのスクーターです。2018年の2月にはヘッドライトをLED化するマイナーモデルチェンジが施されました。150ccクラスのスクーターでもっとも大きい車体や、元気のいいエンジンがおすすめポイントです。国内販売モデルでステップボードがフラットな150ccスクーターはマジェスティSのみ。125ccスクーターの派生車種ではないのも特徴です。
ヤマハの250ccを種類別におすすめ:中古車
中古のMT車
オートバイの価格は年々上昇傾向にあり、予算が追いつかず中古を検討しているバイク乗りも多いことでしょう。ヤマハの250ccのオートバイには数多くの名車が存在しますので、選択肢は豊富です。今もなお輝きを失っていない車種や、比較的に中古車価格が安いオートバイを紹介します。
TW225E:中古車在庫が豊富な車種
ヤマハのTW225Eは2002年の6月にTW200のフルモデルチェンジとして販売が開始され、2007年モデルまで生産された250ccのオフロードバイクです。TWシリーズは非常にモデルチェンジが少ないオートバイ。TW225時代は一度もモデルチェンジされていません。ストリートカスタムの火付け役となったTW225E、ブームが去っても、その輝きは開拓者の魂を揺さぶります。なお、米国では今も新車で販売されています。
WR250R:中古車在庫が豊富な車種
ヤマハのWR250Rは2007年の11月に新型として販売が開始され、2017年モデルまで生産されたオフロードバイクです。理論上の最高速度は151.0km/h(6速10000rpm)、オフロードバイクで最速です。シート高は高いものの、ローダウンキットは多数存在します。かっこいいのでアスファルトオンリーのツーリングでもOK!逆輸入車の新車も購入可能です。今も人気があるため、中古車価格は高めで推移しています。
マグザム:中古車在庫が豊富な車種
ヤマハのマグザムは2005年の4月に新型として販売が開始され、2015年モデルまで生産された250ccのビッグスクーターです。2007年に排ガス規制に対応するマイナーチェンジが、2010年に小変更のマイナーチェンジが施されています。おすすめポイントはロー&ロングなスタイリング。ブームが去っても存在感のある美しいシルエットは輝きを失っていません。ツーリングクルーザーとして楽しむのもありです。比較的に安い中古車価格にも魅力があります。
余談:トリッカーからヤマハの250ccを考える
トリッカーから感じるヤマハの美学
ヤマハが新車販売している現行車種の250ccのオートバイを並べると、常に一歩先を進もうとする信念が見え隠れします。理想を現実にするための技術を磨く姿勢もヤマハならではです。現行車種でヤマハの美学が顕著なのはトリッカー。需要を見据えて新ジャンルを築こうとしたヤマハに敬意を表したいですね。
トリッカーは何者?
トリッカーはオフロードバイクに種類分けされますが、実際のキャラクターはストリートに近いですね。トリッカーの種類分けは市場にゆだねられたのではないでしょうか。操る楽しさを追求し、若い世代へとオートバイの楽しさを伝える…そんなヤマハの願いが込められた印象を受けます。
トリッカーとTWシリーズ
セローとの関係性、レアサイズのタイヤ、オフロードからストリートまで楽しめる守備範囲の広さなど、トリッカーはTWシリーズとの共通項が多いでですね。既存のタイヤでは求める走行性能が実現できない、レアサイズのタイヤはそんな場合に用いられます。しかし、ユーザーはタイヤの選択肢で悩むことになります。
ヤマハのモノづくり
新しい種類のオートバイは異物扱いを受けがちですが、トリッカーは幅広い層から人気を集めました。それは、トリッカーの開発に妥協がなかったからだと考えられます。「まるで自転車」といわれるほどの車体サイズと車両重量、現行車種ナンバーワンのトルクウエイトレシオ(59.307kg/Kgf・m)、新しいのに親しみを感じられる美しいシルエットなど、ヤマハのモノづくりに対するこだわりがトリッカーに凝縮されています。
ヤマハでおすすめの250cc:まとめ
トリシティシリーズはヤマハの新しい挑戦
ヤマハの250ccクラスの現行車種に目を向けると、トリッカーのように新しい種類のオートバイとしてトリシティ155が挙げられます。フロント2輪リヤ1輪は理にかなった構成。オートバイはフロントタイヤの安定感が安心感につながる乗り物です。オートバイにも安全性が求められる現在、トリシティ155はオートバイの進むべき方向性を示唆しているのではないでしょうか。
妥協しないヤマハ
トリシティ155の開発にヤマハは時間とコストを惜しみなく投入したことでしょう。それでもヤマハはトリシティ155を開発する使命を感じたのです。そのチャレンジ精神こそヤマハの美学。250ccスーパースポーツの方向性を決定づけたYZF-R25や、扱いやすさの重要性を世に知らしめたセローシリーズなど、ヤマハの妥協しないモノづくりの理念は250ccのオートバイにも流れています。
250ccが気になる人はこちらをチェック!
他社の250ccオフロードバイクを紹介する記事もチェックしましょう。ヤマハはオフロードバイクへのこだわりが強いオートバイメーカー。他社と比較することで見えてくる何かがあります。また、ヤマハの250ccで最後の国産オートバイとなったセロー250やトリッカーを徹底検証した記事もチェックしてくださいね。
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