ロードバイクを安全に楽しむために重要なこと
憧れのロードバイクを購入して2年、休日にはサイクリングに出かけ、軽快な走りで気分も爽快です。でもロードバイクで快適に走り続けるには定期的にオーバーホールを行いバイクの性能を保つことが前提になります。使用頻度や走行距離にもよりますが、2年に1回は行うことをおすすめします。ここではオーバーホールとは何?という初心者の方にもわかりやすく、その内容や時期、費用の目安などをご紹介しています。
ロードバイクのオーバーホールとは?
徹底的に精査して修理、整備することをオーバーホールといいます。つまり、ロードバイクをパーツのレベルまで分解して、細かく点検、整備、修理を行うことです。実施後は、新品同様の性能に戻ります。オーバーホールという言葉は、ロードバイクのメンテナンスにのみ使用されるというわけではなく、自動車やバイク、エレベーター、小さいものでは時計などさまざまな機械の点検、整備に対して用いられる用語です。
ロードバイクのオーバーホールとはロードバイクの車検
みなさん、自動車の車検はご存じですよね?新車は購入から3年後、その後も2年に1回車検に出してパーツのチェック交換をします。車検は車両を常に良い状態に保ち、走行中の故障、事故を防ぐことを目的に行われる検査です。ロードバイク等スポーツ用自転車も走行中の故障を防ぐために、その機能や性能を最適な状態に保つ定期的な車両検査、整備は必要不可欠です。オーバーホールはロードバイクの車検ということですね。
ロードバイクのオーバーホールは大切
ロードバイクには大小さまざまなパーツがあり、使用年数の経過により劣化したり、乗っているうちに消耗していくパーツもあります。耐用年数を超えたパーツや消耗したパーツのまま乗っていることは、本来の機能や性能が発揮できなくなり、故障の原因にもなります。走行中の故障は事故にもつながる恐れがあります。ロードバイクには車検の義務はありませんが、安全快適に乗るためにオーバーホールを実施しましょう。
ロードバイクのオーバーホール①種類はあるの?
オーバーホールのメニュー内容はショップによりさまざまですが、大きく分けると、特にパーツが消耗しやすく、故障が事故に直結しやすい部分をメインにチェック、整備を行う部分メンテナンスと、すべてのパーツを外してバラバラにし、すべての部分をチェック、整備を行うフルメンテナンスがあります。作業にかかる日数や費用も異なってくるため、ロードバイクの使用年数や使用環境、乗る頻度、距離に応じて検討するとよいでしょう。
部分メンテナンスのオーバーホール
全パーツの分解は行わず、特に消耗しやすいブレーキパーツやチェーンなどをチェック、メンテナンスします。さらに、他に異常がみられる部分はないかチェックします。作業にかかる日数は数日~1週間くらいで、費用もフルメンテナンスに比べると少なくて済みます。オーバーホールしたいけれど、あまり時間がない、費用を抑えたいという場合は、部分メンテナンスを行って、次はフルメンテナンスで準備をすることをおすすめします。
フルメンテナンスのオーバーホール
本来のオーバーホールですね。パーツがフレームから取り外され、組み立てた状態では目に見えない部分の細かいパーツの消耗状態や破損などをチェックし、必要であれば交換して再度組み付け、調整が行われます。ショップに依頼の際に、カスタマイズを相談すれば、より快適な乗り心地にパワーアップすることもできます。ただし、作業には数週間~1か月くらいかかり、費用の面でも部分メンテナンスよりも当然ですが高いです。
ロードバイクのオーバーホール②どれくらいの頻度で行うべき?
オーバーホールは、ロードバイクの性能維持に重要であることがわかりましたが、どれくらいの頻度で行うかは、どれくらいの頻度でロードバイクを使用しているか、一回にどれくらいの距離走るか、どれくらいの年数乗っているのかで少し変わってきます。それは、パーツの消耗は使用頻度や走行距離に比例して早くなるためです。オーバーホールを行う頻度について、ロードバイクの使用頻度の違いと走行距離でそれぞれ見てみましょう。
使用頻繁で決めるなら
週に3日以上乗っている、通勤通学に使用しているなど頻繁に乗っているなら、1年に1回はオーバーホールを行うことを目安にしましょう。一方、週末、休日に乗るくらいであまり頻繁に乗らないという場合でも2年に1回くらいの頻度で行いましょう。年数の経過によりパーツを保護するグリスが流れてしまったり、乾燥したりと不足していきます。グリスが切れるとパーツの消耗が加速します。それを防ぐためにも早めの点検がよいです。
走行距離で決めるなら
頻繁には乗らないけれど、休日や休暇などにはサイクリングでかなりの距離を走るという人もいるでしょう。走行した距離を目安にする場合は、5,000㎞に1回オーバーホールすることをおすすめします。長くても10,000㎞走行したら行いましょう。人の病気も定期健診で早期発見、予防、治療を行うことが大事ですが、乗り物も同じで故障する前に定期チェック、整備を行っていくことで、長く付き合うことができます。
ロードバイクのオーバーホール➂時期はいつがよい?
ロードバイクのオーバーホールを行うのに都合のよい時期といえば、ロードバイクのオフシーズンと呼ばれる11月から3月の冬の時期です。なぜなら、全パーツを一旦取り外して行うので、整備完了までに数週間~1か月くらいかかり、その間ロードバイクには乘れません。冬の寒い時期は、ロードバイクで出かけにくいですし、ましてや雪が降ったら乗れません。冬の時期であれば、オーバーホールにじっくり時間をかけることができます。
ロードバイクのオーバーホール④費用はいくらかかる?その目安は?
部分メンテナンスは、消耗しやすい部位の部分的なチェックになるため、予算としておおよそ15,000円くらい準備しておきましょう。一方、フルメンテナンスは、おおよそ30,000円くらい準備しましょう。ただし、ショップにより整備内容、費用に違いがあり、多少前後することはあります。さらに、費用にはパーツ代は含まれていませんので、パーツ交換が発生した場合は、別途パーツ代が追加になることを覚えておきましょう。
ロードバイクのオーバーホール⑤どんな内容?
フルチェックを行うオーバーホールで行われる作業は、実際どのような内容なのでしょうか。オーバーホールの内容は、おおむねパーツの取り外し、洗浄、パーツのチェック、交換、注油、再組付け、調整の工程で行われますが、ショップに作業の依頼をする際に、どんな作業が含まれているのか、または、含まれていないのか確認して、納得の上お願いするとよいでしょう。オーバーホールの内容の詳細についてご紹介します。
オーバーホールの内容①パーツの取り外し、洗浄
まず、フレームから取り付けられているすべてのパーツを外します。そのパーツの数は、細かい物も含めると100点以上になります。パーツが取り外された後、フレーム内部やフロントフォークに亀裂がないかのチェックをします。フレームも使用年数が経つと紫外線や、サビなどにより経年劣化するため、しっかりチェックを行います。次に分解したパーツを洗浄します。この時、油汚れのあるパーツは専用クリーナーで油を落とします。
オーバーホールの内容②パーツの交換、注油、組み付け、調整
パーツの洗浄が終わったら、後でサビの原因となる水分が残らないように十分に乾燥して、普段チェックすることができない細かい部分まで入念にチェックを行います。消耗の激しいパーツは交換し、その後注油やグリスを補充します。最後にワックスがけをしてピカピカになったフレームにパーツを再び組み付けて、それぞれのパーツを最適な状態に調整を行います。生まれ変わったその仕上がりはまさに新品同様になります。
オーバーホールは自分でもできる?
ロードバイク好きの人の中には、自分でロードバイクのオーバーホールを行う人もいます。自身で行う場合、当然ですが工費はかからないので、ショップに依頼するよりも費用は安くできます。ただし、事前にロードバイクの知識をしっかり学んで理解しておく必要があります。さらに、パーツによっては専用の工具が必要なものもありますので、初回は必要工具購入や専用洗浄液などの費用等も含めると、結構費用がかさむ可能性もあります。
日頃から知っておきたいロードバイクのメンテナンス
いつも快適にサイクリングを楽しむために、オーバーホールのように1~2年に一度、大々的なメンテナンスを行うことは大事ですが、日頃からも汚れやほこりを落とすための洗車や乗る前のパーツの点検、整備を行うことも重要です。ロードバイクに乗るなら日頃から知っておくべき整備内容にはどんなものがあるのでしょうか。ロードバイクを安全に楽しむために、日頃から知っておくべき整備項目をいくつかご紹介します。
ロードバイクを自分で整備する①タイヤ、チューブのチェック
ロードバイクで最も消耗しやすいパーツといえば、タイヤとチューブです。走行距離が長くなればなるほど消耗していくパーツです。タイヤの耐用年数は1~2年ですが、タイヤとチューブの交換は、走行距離を目安とした方がよく、交換の目安は、走行距離3,000~5,000㎞です。しかし、いつもよりタイヤの空気が抜けやすくなってきたら交換時です。安全に乗るために、タイヤの空気圧は乗る前に必ずチェックしましょう。
ロードバイクを自分で整備する②ブレーキ、ワイヤーのチェック
ブレーキ部分の整備は重要です。ブレーキシューの擦り減り具合は月に1~2度はチェックして、ブレーキシューの溝が無くなっていたら交換です。また、ブレーキワイヤーが緩んでいるとブレーキの効きが悪くなるので調整が必要です。その他、変速ワイヤーも乗っているうちに伸びてきて、張りがなくなると変速しずらくなったり、異音がしたりとシフトチェンジに影響を及ぼします。ワイヤーアジャスターを回して調整できます。
ロードバイクを自分で整備する➂チェーンのチェック
チェーンは、クランクの回転を後輪に伝えるパーツであり、このチェーンが汚れてサビていたり、潤滑オイルが無くなっていると、走りにも悪影響を及ぼします。走行距離100~200㎞毎を目安に注油するようにしましょう。チェーンの交換は、使用年数よりも走行距離を目安に交換しましょう。走行距離3,000~5,000㎞で交換時期になります。また、チェーンが伸びて緩んできていないかもチェックし、伸びていたら交換です。
まとめ
オーバーホールとは、ロードバイクの車検です。ロードバイクには車検の義務はありませんが、定期的に行うことにより、常に快適に乗ることができます。少なくとも2年に1回はオーバーホールを行うことをおすすめします。また、不具合や故障による急な修理がなくなり、時間的にも費用的にも効率的です。お気に入りのロードバイクと長く快適にお付き合いできるよう、オーバーホールはしっかり行っていきましょう。
ロードバイクのセルフメンテナンス方法が気になる方はこちらをチェック!
ロードバイクのセルフメンテナンス方法をチェックしたい方は、下記のロードバイクのタイヤ・チューブの交換方法をわかりやすく説明している記事、ロードバイクのチェーンの交換方法を詳しく解説している記事、自転車ギアのの調整方法とメンテナンスについて詳しく説明している記事もチェックしてみて下さい。工具の使い方や日常的なメンテナンスのやり方も解説しているので、ぜひこちらも参考にしてみてくださいね。

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