a179 CHA-C
チェーンルブ チェーンオイル
AZ 自転車用ワークスタンド
自転車のギアがうまく入らない!
スポーツバイクに乗っているとギアがうまく入らない、ギアチェンジをするとギチギチ音がするという不具合が出てくるかと思います。スポーツバイクは繊細な乗り物なのでママチャリのようにローメンテナンスで長く乗れるようには作られていません。
直し方を知っていれば大事な場面にあわせてコンディションを調整できますし、出かけた先でのとっさのトラブルにも落ち着いて対応できます。
何より自分の手をかけてメンテナンスをしていると、自分の自転車がもっと好きになれます。ぜひ日常のお手入れや簡単な不調の直し方を知っておきましょう。
一番簡単なギアの不調の直し方
ギアチェンジの不調の直し方で一番簡単なのはリアディレイラー終端のアジャスターボルトでワイヤーの伸びを調整することです。素手でできるので工具も不要です。
ワイヤーは長期間の使用で伸びてくるため、シフターで引き切ることができなくなりローに入らないようになります。
アジャスターボルトを奥側に回すと内側の筒が飛び出てきてアウターケーブルを押し出すことにより、ワイヤーの張りが強くなってローに切り替えやすくなります。
手前に回すとワイヤーが緩みトップに行きやすくなるので、ワイヤーの張り具合を調整しながらギアの切り替えがスムーズにできるポイントを探りましょう。この直し方でも最大、最低ギアまで入らないという場合は、後述の変速機の調整が必要になります。
自転車ギアの仕組み
後輪にはスプロケットという大きさの違う10~11枚の金属の円盤があり、チェーンを掛ける段を切り替えることでギアチェンジをします。
変速機からハンドルのシフトレバーまでそれぞれワイヤーが張られており、シフトレバーの操作でワイヤーを巻き取ったり緩めたりすることでリアディレイラーがスプロケットの上を動き、チェーンの軌道を切り替えてギアチェンジをします。
なお電動コンポーネントでは内臓されたモーターでギアを切り替えるため、基本的にギアが動かない、入らないということはなく、メンテナンスが必要になることはあまりありません。
ギアチェンジ不調の原因1.変速機の汚れ
変速機周辺は古いオイルと土埃で汚れがちです。歯の部分に汚れが詰まるとチェーンの掛かりが悪くなったり、うまく動かないためにギアが入らないという状態になります。
ギアチェンジ不調の原因2.ワイヤーの伸び
ワイヤーは常に強い力で引っ張られているためだんだんと伸びていきます。ワイヤーが伸びるとシフトレバーで引ききれなくなり、うまくギアが入らないようになります。
ギアチェンジ不調の原因3.チェーンのたるみ
チェーンは自転車の中で最も駆動するパーツのため摩擦による損耗が激しいです。チェーンのコマ同士をつないでいるピンの穴が摩擦で広がり、本来の長さより伸びることでかみ合わなくなりギアチェンジに支障がでます。
またママチャリなどは伸びた分チェーンがたるみ、カバーに当たって異音が出てしまいます。
自転車ギアの調整は自分でできる?
スポーツバイクは軽量化を重視して駆動部がむき出しになっており、汚れが付着しやすいため頻繁なメンテナンスが必要です。自転車のメンテナンスはちょっとした工具があれば自分でもできます。
ロングライド前や雨のライド後など、任意のタイミングで自分で整備ができた方が良いでしょう。また簡単な不調なら直し方を知って自分で対処できるようになっておいた方が良いです。
ただしギアチェンジの調整は変速の仕組みを理解していないと難しく、感覚によるところも大いです。まずは清掃やワイヤーの締め直しなどの軽いメンテナンスから自転車の仕組みを理解すると良いでしょう。
自転車ギアの調整を自分でするメリット
本格的なメンテナンスは複雑で難しい部分もありますが、自分でできるようになっておくと何かと便利です。
自転車屋さんにメンテナンスをお願いする場合、持ち込みや引き取りにかかる時間はもちろん、タイミングが合わずになかなか行けない場合もあり、サイクリングの計画を立てているときにはやきもきすることもあるでしょう。
また出先で突発的なトラブルに見舞われても、ある程度直し方を知っていれば慌てずに対応できます。自転車に良く乗るのであれば、ぜひ調整やメンテナンスは自分でできるようになっておきたいところです。
好きなタイミングでできる
自分でメンテナンスをできるようになっておけば、軽いメンテナンスを空いた時間に簡単に済ませておくことで長期間良い状態を保つことができます。また前日にしっかり調整してベストコンディションで大会やロングライドに望めます。
自転車の仕組みがわかる
自転車の構造は複雑なようで意外とシンプルです。変速機の本格的な調整では仕組みを理解していないと、よけいに手間がかかったり、最悪不調を悪化させてしまうこともあります。
メンテナンスで自転車に触れていると構造を理解できるので、本格的な整備もスムーズに行えるようになります。
自転車ギアのメンテナンス・調整に必要な道具
自転車の調整、メンテナンスには相応の工具が必要になりますが、専用のものはクリーナー、チェーンルブ等のケミカル類くらいで他は一般的な工具で問題ありません。
100円ショップのものでも大丈夫ですが、粗悪品はネジ穴をつぶしてしまうこともあるので追々品質の良い工具を揃えましょう。
ケミカル類も車用品と同じ棚で扱われていることもあるので大きなホームセンターであれば一式そろえられます。六角棒などは他のパーツの整備でも使うことが多いので、各サイズがセットになっているものを買うと良いでしょう。
そのほか汚れたパーツや小さなボルト等一時的によけておくためのトレイなどあると便利です。
手袋
オイル汚れは落ちにくく臭いも強いので、手袋をして行いましょう。手にフィットする滑らないタイプの手袋がおすすめです。
メカニックグローブなど専用のものがありますが、ホームセンターなどで売っている使い捨てのニトリル手袋でも大丈夫です。
ウエス
汚れをふき取るための布です。すぐボロボロになってしまうので使い古しのタオルや雑巾など捨てずにとっておくと良いです。
自転車・バイク用クリーナー
a179 CHA-C
容量 | クリーナー:330ml、ルブ:180ml |
---|
自転車・バイク用の洗浄クリーナーを用意しましょう。泡タイプのものとスプレータイプのものが一般的ですが、どちらでも問題ありません。
自転車・バイク用チェーンルブ
チェーンルブ チェーンオイル
容量 | 180ml |
---|
チェーンの動きをよくするための潤滑油です。こちらも自転車・バイク用のものを使用しましょう。
5mmアーレンキー(六角棒)
ワイヤーを止めているボルトを外すのに使います。変速機周りのボルトは大抵5mmの六角棒で外せます。六角棒は自転車の整備では各所で使う必需品なので早めに揃えておくと良いでしょう。
プラスドライバー(2番)
変速機の調整では必要ですが、その他に使用する場面はあまりありません。一般的なもので大丈夫です。
AZ 自転車用ワークスタンド
スタイル | ワークスタンド |
---|
自転車を動かないように固定するためのスタンドです。逆さにしてサドルとハンドルで立たせてもOKですが、直立状態の方が調整ネジなどは回しやすいためあると便利です。
自転車の日常的なメンテナンスの仕方
本格的なメンテナンスはチェーンやホイールを外して行うため時間がかかりますが、簡単な清掃やワイヤーの伸びを調整する程度であれば短時間でできますし、複雑なところもないので初心者でも安心して行えます。
変速機周辺は簡単なメンテナンスでもこまめにやっておくとスムーズなギアチェンジを長持ちさせられるので、なるべく日常的に行うようにしましょう。またこの時にブレーキの効きやタイヤの消耗状態なども点検しておくと安心です。
下記で短時間でできる不調の直し方や日常的なメンテナンスを紹介します。15分程度でできるのでぜひやってみてください。
チェーンのメンテナンス1.清掃
チェーンを下から支えるようにウエスで持ち、チェーンクリーナーを吹きかけます。ウエスで包むようにして前後にぬぐって汚れを落としましょう。これをチェーンを送りながら一周するまで繰り返します。
チェーンのメンテナンス2.注油
汚れを落としただけだと潤滑油も落ちてしまうため、新しい油を注します。クリーナーと同じように、ウエスで支えるように持ちながらチェーンのコマにノズルを差し込み、一コマずつ吹きかけるように細かくチェーンルブを吹いていきます。
その後、チェーンを送りながら一周したら何度かクランクを回し、チェーン全体に油を馴染ませます。
自転車のメンテナンスの注意点
チェーンルブは非常に滑りやすく洗剤でも落ちにくいです。地面に付着すると滑って危険なので、屋外、屋内にかかわらず新聞紙やレジャーシートなどを下に敷いてからメンテナンスをしましょう。
またブレーキにつくと滑りによりブレーキが効かなくなり大変危険です。周りのパーツに飛散しないよう気を付けましょう。
ワイヤーはローにいくほど強く引っ張られるようになるため、アジャスターボルトが固くなります。無理に回すと壊れる恐れもあるので、アジャスターボルトが動かない場合は一度トップに切り替えてから回しましょう。
ギアの調整:リアディレイラー
トップやローのギアでリアのチェーンが外れてしまう場合は、リアディレイラーがスプロケットの外側まで動いてしまうために起こります。チェーンが頻繁に外れてしまう場合はディレイラーの可動域を調整しましょう。
ディレイラーの「H」「L」のネジを回すことでトップ、ローそれぞれの最大可動域を調整することができます。チェーンが通っていると引っ張られてリアディレイラーが動かないので外す必要があります。
もちろん後で付け直すので正しい掛け方を覚えておきましょう。とくにプーリーの部分はややこしく掛け間違えるとクランクが動かないので写真などを撮っておくと安心です。
リアディレイラーの調整1.トップ側の可動域
「H」のネジを時計回りに回すと車体側に、反時計回りに回すと外側にガイドプーリーが移動します。ガイドプーリーが一番外側のスプロケットの直線状にくるように調整しましょう。
リアディレイラーの調整2.ロー側の可動域
ギアをローに切り替え、ガイドプーリーが一番車体側のスプロケットの直線状に来るようにします。「L」のネジで調整しますが、トップとは回す方向が正反対になるので注意しましょう。
ギアの調整:フロントディレイラー
フロントディレイラーはリアディレイラーほど頻繁な調整をすることはありませんが、シフトレバーが重い、ギアが動かないと感じたら調整をしましょう。フロントディレイラーはチェーンをかけて調整をします。
またリアディレイラーを切り替える必要があるので、両方の調整をする場合はリアディレイラーの調整を先に済ませておきましょう。
注意点としては、チェーンガイドがチェーンリングと並行になっていないと音鳴りや切り替え不調の原因になります。フロントディレイラーの位置を確認してから調整作業に入りましょう。
フロントディレイラーの調整1.インナー側の可動域
リアディレイラーを一番軽いギアに切り替えておきます。フロントディレイラーの「L」のネジを時計回りに回すと、チェーンガイドが外側に反時計回りに回すと車体側に動くので、チェーンとチェーンガイドの内側がぎりぎり接触しないくらいに調整しましょう。
フロントディレイラーの調整2.アウター側の可動域
リアディレイラーを一番重いギアに切り替え、フロントをアウターにします。調節ネジを回して、チェーンの外側とチェーンガイドがぎりぎり接触しない程度に隙間を空けます。
インナーとは調節ネジの向きが反転し、時計回りに回すと車体側に動きます。
フロントディレイラーの調整3.微調整
アジャスターボルトを締め、クランクを回したらインナーからアウターに切り替えられるか確認しましょう。チェーンがアウターに乗り切らなければワイヤーの張りを強めます。
少しずつワイヤーの張りを強めながら、スムーズに切り替わるポイントを探ります。
ギアの調整の注意点
調整ネジは少し回しただけでも変速に大きく影響します。可動域が変わるのでワイヤーを巻き取る間隔も変わる上、広すぎればチェーンが外れやすくなり、狭すぎれば最大・最小ギアに入らないようになります。
またとても微妙な動きのため目視では動かないように見えるかもしれません。大胆に回すことはせず、90度程度に位置を確認しながら調整するようにしましょう。
調整後は車通りの少ない平坦な道路など、安全な場所できちんとギアチェンジができるか確認しましょう。いざというときにギアを切り替えて強く踏み込もうととしたらチェーンが脱落した、となっては大事故につながりかねません。
調節ネジってややこしい!
リアディレイラーの「H」は締めると車体側で緩めると外側、「L」は締めると外側で緩めると車体側、さらにフロントディレイラーはリアディレイラーの反対、とてもややこしいですね。
微細な動きでギアの切り替えを制御しているためうっかり回しすぎると直すのが大変です。そこで簡単な覚え方をご紹介します。
ディレイラーの調節ネジは「締めるとスプロケット/チェーンリングの中心に向かって動く」と覚えておきましょう。このように覚えておけばどのディレイラーのどの部分であっても少し考えればどちらに回すべきかわかります。
自転車ギアの調整がうまくいかないときのポイント
一通り調整したのにうまくギアが入らない、という場合によくありがちなミスを紹介します。焦らずに一つ一つ手順を確認しながらやり直しましょう。また何度調整してもうまく入らない場合はチェーンの伸びやパーツの故障ということも考えられます。
例えばパーツのゆがみなどは一見しただけでは気づきにくいですし、交換以外に直しようのないこともあります。
変形に気づかず無理な調整を重ねると車体に負担がかかるので、直し方がわからない不調が出たりどうしても動かない場合は割り切って自転車屋さんに持ち込むことも考えましょう。
うまくギアチェンジできない
ギアがうまく入らないのはワイヤーの引きが甘いのが原因の場合が多いです。ワイヤーを張る際に何かに引っかかっていないか確認し、しっかりワイヤーを引っ張り伸びていることを確認して固定しましょう。
クランクを回せない
クランクが動かない場合はチェーンの掛け方が間違っている可能性があります。特にプーリーの部分には脱落防止のための爪が何か所かついていて掛け間違えることが多いです。
調節ネジが回らない
調整したい箇所にギアが無い状態で調節ネジを回していませんか?例えばローの可動域を調整したいのにギアがトップにあるとアームは動かないです。
チェーン・ワイヤーの交換目安
変速機に関連するパーツでもチェーン・ワイヤーは消耗品ですが、消耗具合は環境によって変わるので一概には交換の目安がつけにくいです。しかし消耗したまま使用し続けると変速機の寿命を早めるばかりか修復困難な故障につながることもあります。
ワイヤーはほつれが出始める時にはかなり危ない状態になっているので、そうなる前に交換したいところです。調整をしても違和感が残る、すぐに不調になるようであればワイヤー交換をしましょう。
チェーンは伸びが目安になります。0.75%が交換目安で1%以上は使用不能とされます。メンテナンス時にチェーンチェッカーやノギスでチェックしましょう。
自転車ギアの調整をして快適に乗りこなそう!
スポーツバイクは意外と手間のかかる趣味です。とくに変速機周りは不調が出やすいので、こまめな調整が必要になります。長距離ライドでは少しでもギアが動かないと、普段は気にならないレベルでも集中できなくなりがちです。
大事なライドの前は良いタイミングでベストコンディションにしておきたいですね。
また不具合の直し方を知っていればライド中の不安も軽減するでしょう。自転車の調子は徐々に下がっていくものなので、特別不調を感じていなくても清掃や変速機の調整をすることで驚くほど快適になります。
ぜひセルフメンテナンスを覚え、ベストコンディションで自転車を楽しみましょう。
自転車のメンテナンスが気になる方はこちらもチェック!
ロードバイクを手に入れたら安全に走行するためには点検とメンテナンスが不可欠。セルフメンテナンスのポイントを押さえておきましょう。
ロードバイク初心者のためのメンテナンス講座!正しい点検と整備方法を解説!
ロードバイクを購入し安全に走行するためにはメンテナンスが必要になります。初心者でもロードバイクのメンテナンスを行う際見るべきポイントを紹介し...
自転車のブレーキ調整・メンテナンス方法!工具の使い方もご紹介!
家でもできるブレーキの調整・メンテナンス方法を解説します。「最近ブレーキが利きにくくなった」「レバーが固い・戻らない」なんて状態のまま自転車...