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南米の怪魚「ドラド」はどんな魚?名前の由来や特徴、釣り方などをご紹介!

海の彼方の南米の大河には、黄金に輝くドラドなる魚が泳いでいます。この巨大サイズになる珍しい魚、他と違った独特な生態があり、世界中の釣り人を虜にしてきた存在です。ドラドの名前の由来から豪快な釣り方まで、わかりやすくご紹介します。
2020年10月20日
はぐれ猫
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ドラドをご存知?

南米の巨大魚ドラド

まだ日本では見たこともない人が多いという、気になる存在のドラド。この南米大陸にいる魚は、カラシン科のサルミヌス属に分類される淡水魚。ドラドはかなりのサイズを誇る魚ですが、小さくて獰猛なことで知られるピラニアが近縁種とは意外な事実です。

色んな意味で好まれる魚

その容姿が影響して、ドラドはいろんな意味で人々に好まれてきた魚です。釣りをすれば手応え抜群で釣れることが評判で、世界中の釣り人がドラドを求めて南米に集まります。その肉は美味と言われ、色んな料理に活用されていました。また、その派手な見た目もあって、観賞魚としても人気がある魚です。

ドラドの名前

ドラドの意味

かつて15世紀に始まった大航海時代には、南米のアンデスの奥地にエルドラド「黄金郷」があると言われ、スペイン人がこぞって探索に乗り出していました。ドラドという名はエルドラドと同じく、スペイン語の黄金に由来している名前です。成長を遂げたドラドの体色を見れば、誰もが納得してしまう由来ですね。

ドラドの別名

幾つかの違った呼び名も、ドラドには存在しています。川の虎とは、勇猛なドラドの称号のようなものです。英語圏ではゴールデンドラドと呼ばれることもあります。また、ジューカラシン(jaw characin)と、ユダヤ人に関係した奇妙な名前も。ちなみに学名では、Salminus maxillosusと呼ばれています。

シイラとは別物

この世の中にはもう一種、ドラドと呼ばれている魚がいます。それが温かい海域に生息する巨大魚のシイラ。海外ではマヒマヒの名で有名で、人の背丈を優に超えるまでサイズが巨大化します。体の表面が黄金に近い色合いを見せることからドラドの名が付いていますが、南米のドラドとはまったくの別物です。

ドラドの生態①生息地

南米の河川に生息している

ほぼ日本の真裏にあたる南米大陸で、有名な河川と言えば熱帯雨林に流れるアマゾン川です。ブラジル、ボリビアなど多国にまたがる川は、全長6,516km、支流1,100ヶ所、流域面積700万㎡というとんでもない規模の大河。ドラドはアマゾンの亜熱帯域より南にいる魚で、アルゼンチンに流れるラプラタ川流域にも生息しています。

アマゾン川の環境

大魚ドラドがいるアマゾン川流域は、世界で最も雨量が多く、川の水量は常に一定以上の豊富さを保っています。水生生物が2,000~3,000種類も存在しているという、驚くべき特徴がある場所です。ナマズの種類が半分を占める河川系で、獰猛なピラニアや、巨大魚の一種ピラルクなどと一緒にドラドが生息しています。

ドラドの生態②見た目

模様や形

全体の形状がサケに似た特徴を持つため、ドラドは頻繁にサケの仲間だと勘違いされてしまう魚です。成体に近づくと全身が黄金色に覆われるようになり、特に大きな頭部や腹がわの金色が顕著。各ヒレはやや赤みを帯び、尾ひれは黒い特徴もあります。こんな目立つ容姿なので、成体のドラドの見分け方なら間違える心配がありません。
 

サイズ

成体になると1mを超えるほどの大きいサイズになるのが、アマゾンにいるドラドです。最も大きいサイズでは1.3mを超えた記録があり、特にメスは巨大化すると知られています。過去のIGFA(世界ゲームフィッシュ協会)の大会でのワールドレコードでは、25.28kgという重量の個体も確認されていました。

ドラドの稚魚

ドラドは稚魚の頃から黄金なのだろうと考えてしまいますが、実はドラドは幼い頃はまだ黄金色ではありません。数十cmの稚魚の段階では全身が銀色をしているのが特徴で、ヒレは白や赤っぽい色合いです。ある程度成体に近づかなければ黄金色にならないため、稚魚はドラドではないと勘違いしてしまう人もいます。


ドラドの生態③食事

素早い動きで獲物を捕食

アマゾンが育んだ怪物なドラドは、完全なる肉食系の魚です。とても筋肉が発達している特徴があり、それを普段の捕食にも活かしています。水中で素早い動きができるのは勿論、空中の獲物に狙いを定めてダイナミックにジャンプするのも通常のこと。強力なアゴと歯によって、狙いを定めた生物を丸呑みにしてしまいます。

肉食で何でも食べる

水中に棲む生物だけでなく、ドラドは川に生息する色んな生物を食べてしまう特徴もあります。例えば水中の小型魚やエビなどの甲殻類をバリバリ食べるのは勿論、水面にいる大型のカエルも好物にしています。さらに水面にやってきた水鳥までも食べてしまうというから、川の虎の異名通りの凶暴さが理解できます。

ドラドの生態④行動

普段は単独行動

南米の河川にいるドラドは、普段は完全に単独行動をしているという特徴もあります。ひっそり単独行動をしている間、川の一定の区間にとどまっています。それぞれが間隔を保って、周囲のエサを捕食しながら暮らすのが通常です。

時期が来ると群れで長距離移動

しかし特定の時期が来れば、単独だったドラドは次第に集まって群れを成して行動します。それは水温が高まって小魚も増加しはじめる、初夏(南半球の春は9~11月、夏は12~2月)の時期。ドラドは南米の河川を遡って400kmも上流へ移動してしまうという、驚きの生態が知られています。

ドラドの生態⑤誕生と寿命

ドラドの繁殖


そんなドラドが数多く集まる初夏の頃は、ドラドの繁殖の時期でもありました。ドラドはアマゾン水系など、河川の上流に近い場所を好んで産卵するのが、群れで一生懸命に遡上する理由でした。卵から孵化したばかりの銀色の稚魚は弱々しい存在ですが、小さい頃から水面上に飛び跳ね、羽虫を捕食する特徴が見られます。

ドラドの寿命

大きな肉体を持つドラドは、成熟するまでに4~5年ほどをかけます。金色に輝くドラドの寿命は、平均で9年ほど。しかし個体によっては長い期間生息するものがいて、水槽で飼われている大きなサイズの場合、15年を超えるほど長寿になる魚です。長寿な魚を求める人には無視できない存在かもしれません。

ドラドは絶滅危惧種

数を減少させているドラド

豪快な生き様が際立つドラドですが、実は近年は絶滅危惧種にも指定されています。アマゾン川やラプラタ川の流域では、過去に比べて生息数がめっきり減ったことが分かったからです。釣れる個体のサイズも以前に比べて小さいものが目立ち、釣れる数自体も少なくなり、南米のフィッシング事情も変化してきています。

ドラドが絶滅に向かう理由とは

絶滅に進んでしまった最大の理由は、人間が色んな理由で乱獲していることにありました。ドラドはゲームフィッシュと認定されているために釣り人が世界中から押し寄せるし、食料として根こそぎ捕獲されてしまうこともありました。この他にも南米各地でダムの建設があり、環境を変えられてしまったことも数を減らしている要因です。

ドラドの釣り時期と釣り人の移動

ドラドが釣れる時期とは

そんな絶滅に近づいているドラドですが、南米での釣り事情については触れておかねばなりません。日本から南米へはるばる移動してドラドに挑むなら、南米が乾季の後半となる8月から9月が一番釣れると言われます。11月から翌年にかけては、乱獲を避けるための長い禁漁期間に入るのも覚えておきたいポイントです。

日本から南米までの移動


まずドラドが釣れる場所でロッジなどの宿泊施設に予約し、移動することが先決です。日本から南米各地の空港までは、直行便でも丸一日、乗継ぎ便なら移動に3日もかけるのが通常のこと。さらに現地までセスナで数時間かけて移動したり、ボートや車を乗り継いだり、ロッジまでは一苦労です。予算も必要な釣り旅になります。

ドラド釣りの有名ポイント

宿泊之場所を決定する前に、南米で有望なドラドが釣れるポイントを検討することです。ブラジルならパンタナル・マトグロッセンス国立公園の、釣り船が有名です。ボリビアならばアスンタに近い、ゴリエンテス川の水源地域もおすすめ。アルゼンチンの場所を選ぶなら、ドラドが釣れることで有名なウルグアイリバーです。

現地の釣りショップやロッジの特徴

釣れることで有名な場所には、世界中からドラドを求める釣り人が集まっています。観光地なので宿泊のロッジには釣りショップも併設した特徴もあり、ドラドのフライやルアーやエサ釣りのタックル、ボートのレンタルを用意していたりもします。多くの場所では英語が通じますが、日本語で挑むなら現地ガイドを雇うのがおすすめです。

ドラドのルアータックルと釣り方

ドラドにぴったりなルアータックル

やり慣れたルアータックルの釣り方でも、ドラドが狙えます。ドラドはたいへん引きが強い魚なので、ルアー釣りではショックを吸収できて対応しやすい、頑丈なロッド、あるいは怪魚ロッドを選びます。剛性が高い大型リールを選び、ラインは強度のあるPE、リーダーにはナイロン製を用いることが一般的です。

ドラドが釣れるルアーとは

ドラドが水中でも目を付けやすいよう、ギラギラと光る大型ルアーを選び出します。ルアーに食いついたドラドは、猛烈な圧力をかけながら泳ぎ回るため、水面から水底まで強力に対応できるルアーが必須。日本から持ち込むなら、釣り針などの構造が頑丈な、マグロやヒラマサ釣りに使うルアーも良さそうです。

ドラドの釣り方

ボートからのトローリングの釣り方は勿論、陸っぱりからドラドを狙う釣り方もできます。ドラドを釣るにはキャスティングしてリールを巻いてルアーを動かし、おびき寄せる作戦が通常です。食いついたドラドはその場所で飛び跳ねたり縦横無尽に動く行動をしますが、それに耐えて徐々に引き寄せつつ、疲弊させるのが基本です。

ドラドのフライタックルと釣り方

ドラド向きのフライタックル

ずっと昔からドラド釣りでは、フライフィッシングの釣り方が一般的でした。それはドラドが空中の獲物を狙って、ジャンプして食いつく習性を利用できるためです。フライでは大型魚に対応する、最大サイズのフライロッドを選ぶのが基本。リールも大型のリールを採用し、ラインやリーダーやティペットは太い頑丈なものを選び出します。

ドラドが釣れるフライとは

とにかく巨大なドラドをフライで釣るなら、手のひらほどもある、ふさふさとした大型のドライフライを使うのが基本です。地元で見かけるものは黄色やオレンジや赤などカラフルな色合で、水中のドラドからもよく目立つ色が中心で、釣り針も大型魚対応の巨大なもの。こうしたフライは、釣り場所でも購入できる場合があります。

ドラドの釣り方

フライでの釣り方も、トローリングが一般的。キャスティングの後、ドライフライに繋がるラインを手で操作するのが基本です。リールを適度に巻きながら手で生きた昆虫のように移動させると、ドラドは間髪入れず川から飛び出します。食いつき時はフッキングのタイミングを合わせ、後の釣り方ではドラドを暴れさせて疲弊させる格闘を続けるのみです。

ドラドの飼育

難しいドラドの飼育

街の熱帯魚ショップを訪ねれば、銀色や黄金のドラドを販売している場所も珍しくありません。ドラドは一応飼育可能な淡水魚なので、熱帯魚好きならば飼育を試してみたいもの。しかしドラドの生態が関係して、一般人の水槽で生息させることはたいへん難しいとも言われています。

ドラドの飼育が難しい理由とは

とてもパワフルなドラドなので、水槽は頑丈なものが必要です。飼育した人の中には、稚魚に水槽を割られたと報告する人もいます。体長は1mを超えるサイズになるため、エサ代が過剰になりやすく、2m以上の大型水槽が必要です。他の魚との混泳すると死亡寸前まで攻撃し続けるなど、凶暴さゆえに飼育の難しさは様々にあります。

ドラドを飼育する方法


大型水槽や酸素ポンプやクーラーなどを準備した後、他の魚と混泳させるならドラドが攻撃しない魚を見極める必要があります。熱帯魚なので水温は30度を超えても生息に問題がなく、特別な透明度は必要ないので屋外の池での飼育も可能です。エサは小魚や熱帯魚用の肉系飼料など何でも良いので、お金をかけないために安いものを求めると良いです。

ドラドを食べる

ドラドの南米料理を食べる

飼育でも釣れることでも夢中にさせてくれるドラドですが、南米の諸国では人が食べるのも好まれています。サケに似ているせいなのか、食べると味はサケにそっくりと評判。地元ではグリルで塩焼きにしてレモンをかけて食べるのが一般的です。さらにトマト添えムニエル、塩味やトマトのスープなどの料理も人気があります。

日本料理で食べる

一方で日本ではまるで料理として馴染みがないドラドですが、美味しい日本料理にして食べることもできます。新鮮なものなら刺し身としたり、寿司として食べるのも良いです。さらにサケのような味を活かして炊き込みご飯にもできそうだし、煮付けや酢の物で食べるのも行けるとのことです。

ドラドが見られる日本の水族館

サンシャイン水族館

都心で確実にドラドを鑑賞できる場所と言えば、池袋のサンシャイン水族館です。1978年に誕生した日本初の屋上水族館で、かつてはウーパールーパーのブームを巻き起こしたことで有名になりました。この場所は近年リニューアルし、天空のペンギンなどユニークな展示も人気。ドラドの独特な展示も待っています。

ドラドの見どころ

屋上には故郷が同じドラドとアロワナがいる巨大水槽があり、ここはサンシャイン水族館のフィーディングタイムのショーが見れる場所です。飼育員さんが空中にエサを用意すると、中規模サイズなドラドがジャンプしてエサを食べる瞬間に遭遇します。ドラド捕食の生態が見られる貴重な場所なので、サンシャインシティでは見逃せません。

基本情報

サンシャイン水族館

  • 住所
    〒170-8630
    東京都豊島区東池袋3−1 サンシャインシティワールドインポートマートビル屋上
  • 電話番号
    03-3989-3466
  • 営業時間
    9:30~21:00
  • 公式サイトURL
    https://sunshinecity.jp/aquarium/

ドラドを見てみたい

ひとまず各地の水族館で見よう

黄金色でアマゾンに生息するドラドが、どんな生態を持っているか分かってきました。ドラドは釣り人を夢中にさせる存在ではありますが、絶滅危惧種なのは気がかりなところ。日本ではひとまずドラドを展示している水族館を探して、じっくりとその黄金色に見入ってみたいものですね。

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