検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

【猛毒危険】ヒョウモンダコの特徴をご紹介!噛まれた時の対処法も解説!

海に潜んでいる危険すぎるタコの一種、ヒョウモンダコを知っていますか?このタコは猛毒を持っていることで有名ですが、その特徴や生態は謎だらけ。怖いヒョウモンダコの特徴や、噛まれてしまった時の対処法まで、気になるところを解説します。
2020年9月23日
はぐれ猫
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

ヒョウモンダコを知ってる?

毒性がとんでもないタコ

毒性を持っているタコの代表格と言えば、世界的に見ても禍々しい容姿をしたヒョウモンダコで間違いありません。マダコ科のヒョウモンダコ属の4種類の総称がヒョウモンダコと呼ばれ、このタコは日本の近海に数多く生息する種類なので、休日にどこかの海に遊びに行けば遭遇するかもしれません。

毒の対処法が知りたい

非常に強力な毒性を持つヒョウモンダコなので、海水浴やシュノーケリングで出会ったら大変。じっくり観察しても良いですが、重大な危険性もあるだけに、距離を置いたり一目散に逃げるほうが賢明です。もし毒を受けてしまった場合はどうするのか、その対処法についてはも後ほど解説いたします。

ヒョウモンダコの名前

ヒョウモンとは

外見と同様に名前も興味深いヒョウモンダコですが、その由来は凶暴な肉食獣のヒョウに由来していました。漢字で書けば豹紋蛸となって、ヒョウの紋様が入ったタコという意味。確かに陸上の猛獣であるヒョウによく似た模様で、毒性を持つ怖い存在感からしっくり来る命名です。

ヒョウモンダコの別名は?

この見るからに危険性の高いヒョウモンダコ、怖さが知られて以降は、何とも直球な別名を持つに至りました。その名も、殺人ダコ。時にその毒性によって人が死んでしまう事故もおこることが、殺人ダコと命名されてしまった由来でした。

海外での名称

英語ではBlue ringed octopusと呼ばれますが、これはヒョウモンダコの青い模様が名の由来。通称ではブルーオクトパスと呼ばれたりもします。世界で用いられる学名は、ラテン語でHapalochlaena。中国のほうでも日本同様、豹紋蛸という漢字表記がされています。

ヒョウモンダコの生態①外見

大きさ

全体のスタイルを見れば、あたまの形から足の長さの比率も、マダコとよく似ている特徴があります。しかしマダコの種類とは言え、ヒョウモンダコは成体になっても10cm台の大きさにしかなりません。小さなサイズをと侮ると、痛い目をみる危険なタコなのです。

ヒョウモンダコの色

独特なのは灰色や黄色い全身に浮かび上がっている、ヒョウ柄の模様です。青とオレンジを基調としたリング状のヒョウ柄が、頭から足の先まで付いています。青いリングの模様と色は、環境や気分によって自在に変化する特徴があるから不思議です。

擬態するヒョウモンダコ

海底の岩場やサンゴに潜んでいるヒョウモンダコは、その海底の色はもちろんのこと、ゴツゴツ、トゲトゲした形状までそっくり真似て張り付いています。この時リング状だった豹紋はほぼ消えていたり、不定形に変化して目立っていません。擬態をする得意技は、外敵から身を潜めたり、獲物を狙うために使用されています。


ヒョウモンダコの生態②生息地

日本を含む西太平洋の熱帯~亜熱帯にいる

熱帯や亜熱帯などの、温かい海水を好んで暮らしているのがヒョウモンダコです。生息地は西太平洋が中心で、南はオーストラリア、西はフィリピン、北は日本までの広い海域で確認されます。近年は北部九州や浜名湖など、従来はいなかった海域でも確認されるなど、生息地域の広がりが報告されています。

浅い海に生息している

そんな暖かな西太平洋の海域でも、ヒョウモンダコの生息地は浅い海域に限定されています。例えば浅瀬の岩礁や砂礫底、そしてサンゴ礁も彼らの好む住処になります。そのため日本の海水浴場やシュノーケリングスポットで、遭遇率がかなり高まる傾向にあります。

ヒョウモンダコの生態③移動

遅い動き

危険性や派手な外見と対照的に、ヒョウモンダコは機敏な移動をしないタコです。その理由は筋肉量も少ない小さな体や、足の吸盤が小さくて弱々しいことにありました。ヒョウモンダコは毒性を持つためか、生息地で敵を追いかけ回したり逃げ回る必要性がないため、のんびりと海底の地形を這って移動するのが通常です。

泳ぎが苦手

海底を移動するのがゆっくりなのと同様、ヒョウモンダコは泳ぎのほうも上手ではありません。ヒョウモンダコが泳ぐときには全身を伸縮して移動しますが、筋肉が発達していないので泳ぎもゆっくりぎこちなく感じます。これもヒョウモンダコが毒の優位性を獲得し、泳ぎを重視しなくなったための退化と考えられます。

ヒョウモンダコの生態④繁殖

産卵期

繁殖期や産卵期には諸説ありますが、春の4月~6月、あるいは秋の頃であるとも言われています。オスとメスが交尾を行うと、1度あたりで50個ほどの卵を産みます。ヒョウモンダコの卵は、純白をした楕円形の小さな粒をしているのが特徴です。

産卵前のメスの行動

多量の卵を産んだばかりのヒョウモンダコのメスは、生息地で卵を触手で抱え込み、子育てを始めます。この時のメスの行動は特徴的で、完全に食事を取らない状況を、半年間も続ける様子が確認されていました。卵が孵化する頃には、メスは体力と気力の限界といった具合に死に至るとのことです。

ヒョウモンダコの生態⑤食事

擬態を利用して獲物を捕らえる

完全な肉食を貫くのが、危険な色したヒョウモンダコです。生息地の岩などにそっくりに擬態できる能力を利用して、獲物に近づく特徴があります。近寄った段階で素早く毒を吹きかけたりして獲物を麻痺させる、毒性のあるヒョウモンダコならではの独特な狩りが日常です。

ヒョウモンダコが好む生物


特にヒョウモンダコが好んで食べる生物といえば、海底に潜んでいて動きが鈍いカニやエビなどの甲殻類です。そして捕まえられそうな魚を狙うこともあります。自分よりはるかに大きな人間を襲うという危険性もあるので、彼らにとっては獲物の大きさは関係ないようです。飼育室という閉鎖環境では、共食いをすることでも知られています。

ヒョウモンダコの生態⑥毒性

毒性は人を死に至らしめるテトロドトキシン

一番気がかりなのは、ヒョウモンダコが有する毒性の種類です。ヒョウモンダコは皮膚や筋肉など全身に、テトロドトキシンという猛毒を生成する機能をもっています。これは青酸カリの1,000倍という、信じられないほどの強さの毒。フグ毒にも含まれる成分であり、生物が上位の捕食者から身体や卵を守ったり、獲物を取る目的で備わっています。

テトロドトキシンの症状

小魚がヒョウモンダコの毒を受けると、痺れた上であっという間に死に至ります。人間の場合にもしびれや頭痛や目まい、さらには呼吸困難や皮膚の潰瘍までも引き起こし、酷い時は死亡することも珍しくありません。成体のヒョウモンダコ1匹がひと噛みで出すテトロドトキシンは、人間7人を同時に殺すほどの威力を持っているというから、震え上がってしまいます。

ハパロトキシンも含む

さらにヒョウモンダコは、ハパロトキシンという別種の毒も有しています。これはテトロドトキシンが効かない、甲殻類に対して効果を発揮する毒。ハパロトキシンを水中に放出することで甲殻類の動きを止め、捕食に挑むとされています。

ヒョウモンダコの生態⑦攻撃方法

唾液による毒攻撃

この危険性の高いヒョウモンダコ、攻撃時には非常に珍しい方法を取ることが知られています。それが唾液を飛ばすという方法です。ヒョウモンダコの唾液にはテトロドトキシンがたっぷり含まれていて、それを至近距離でぶつけることで効果を最大限に発揮します。人間が素潜り中、この唾液攻撃を受ける可能性もあるので注意が必要です。

噛み付きによる攻撃

そしてもう一つの方法が、ヒョウモンダコの噛みつき攻撃です。ヒョウモンダコはこの噛みつきにより、獲物を捕獲した後に口内の唾液の毒を注入し、確実に仕留めるというわけです。人間がヒョウモンダコに遭遇し、何らかの理由で攻撃されるときにも、噛みつかれる危険性があります。

死骸であっても危険性が高い

海に潜った時やビーチを散歩した時、稀にヒョウモンダコの死骸に遭遇することがあります。死んでいると言っても触ってはいけないのは、ヒョウモンダコの唾液や皮膚のテトロドトキシンは、分解されにくいのでそのまま高濃度で残留しているためです。死骸を見つけたら近寄らない、或いはスコップで地面に埋めるなどの対処が必要です。

ヒョウモンダコの毒の対処法

絞り出したり紐で縛る対処法

手っ取り早い処置の方法は、ヒョウモンダコに指で噛まれた部分を強くつまんで、毒を外に出すこと。テトロドトキシンを体外にできるだけ排出して、毒の影響を減少させる効果があります。手や指の場合は、刺された場所より上の部分で紐を強く縛るという措置もできます。早めに行動するほど、命が助かる可能性を引き上げるのは確実です。

対処法では吸い出し厳禁

もしヒョウモンダコから唾液や噛みつきによる毒を受けてしまった場合、吸い出すことは厳禁です。テトロドトキシンを口で吸うことにより、口腔粘膜や消化器官からも体に毒が回る可能性があるためです。もし口で吸ってしまった場合には、ひとまず海水や真水で何度もうがいをしたり、胃の内容物を吐き出したりする必要があります。


すぐ近くの病院で治療を受ける

噛まれてから数分経過して応急処置を施しても、ヒョウモンダコの毒は既に全身に回っている状態です。そうなったら、とにかくすぐ近くの病院へ駆け込むのがおすすめです。毒の体外排出や洗浄などを専門的にできる上、テトロドトキシンの毒を中和する抗毒素血清がある病院もあります。病院の治療が早まるほど、毒の悪影響を回避できるわけです。

イイダコとの見分け方

イイダコとは

姿かたちがヒョウモンダコに似ている種類として、イイダコがいます。イイダコは、マダコ科の危険性がないタコ。日本の浅瀬に棲むなど生息地も同様で、小型であるなどヒョウモンダコと似た特徴が多く、見分け方が難しいことがあります。イイダコと間違えて素手で触らないためにも、見分け方は覚えておきたいものです。

模様からの見分け方

まず体の表面に特徴的な豹紋があるかどうかが、イイダコとの見分け方の第一です。ヒョウモンダコは釣り上げるとコンクリや岩場の色に擬態するため、よく確認する必要があります。成体はイイダコのほうがやや大きいこと、両眼の間にある長方形の模様、起こった時の黒い帯模様など、イイダコの見分け方のポイントは覚えておくと良いです。

墨での見分け方

特徴的な模様や色のほか、墨で両者を区別する見分け方もあります。イイダコは釣り上げると墨を吐くことがありますが、猛毒のヒョウモンダコのほうは決して墨を吐かないからです。これはヒョウモンダコの、墨を作る機能が退化しているのが原因。釣り上げたら墨を勢いよく吐くならイイダコなので、安心して素手で触れるというわけです。

ヒョウモンダコには気をつけよう

対処法を確実に覚えておこう

夏の海に潜るなら、どうしてヒョウモンダコをには注意したいのか、理由が明らかになってきました。ヒョウモンダコの唾液などの猛毒を食らってしまえば、命の危機も隣り合わせです。対処法を覚えることや、とにかく近づかないことを優先して、海水浴やマリンスポーツに興じてみたいですね。

タコが気になる方はこちらもチェック!

当サイトでは猛毒で怖いヒョウモンダコの他にも、海に生息する動物の情報をまとめています。他のタコの色や生態や釣り方が気になる方は、チェックしてみてください。