乗鞍岳とは
飛騨山脈の南側に位置する日本百名山のひとつ
乗鞍岳は、長野県側のエコーラインと岐阜県側のスカイラインが交わった場所に位置した雄大な山。23個の峰と7つの池からなる日本を代表する乗鞍岳は、日本百名山の1つとして知られる「剣ヶ峰」がそびえ立ち、標高は3026メートルもあります。その剣ヶ峰の山頂からは数キロメートルに渡って火口湖の「権現池」が広がり、その希少性も含めて日本百名山のひとつとなっています。
乗鞍岳の周りには手付かずの自然がたくさん
標高2000メートルを超える乗鞍岳は、辺り一面に高山植物の群生が広がっています。高山植物は「ハクサンイチゲ」と「ミヤマキンポウゲ」が花の絨毯となって咲き誇り、7月には「乗鞍岳自然観察教室」も開催。参加費は無料となっていて、運が良ければ天然記念物の「雷鳥」を見ることもできます。乗鞍岳は、その自然の豊かさからも分かるように、手付かずの自然がたくさん群生する山々です。
乗鞍岳が鮮やかに色付く紅葉の見頃時期
標高も高くて手付かずの自然が広がる乗鞍岳は、夏から秋へと季節が移る頃に、辺り一面の木々が黄色や赤へと変化します。季節の移り変わりに鮮やかな色合いを魅せる乗鞍岳の紅葉を鑑賞するために、乗鞍岳の木々が色づきはじめる時期と紅葉が見頃のピークを迎える時期をご紹介します。
紅葉の始まりは9月の中旬
乗鞍岳に自生する多くの木々は9月に入った頃から色づき始めます。標高2500メートルを越えた場所から色づき始める高山植物は、「カラマツ」と「ナナカマド」と「シラビソ」を中心に木々の色が変化。まだ色が変化していない「ハイマツ」と相まった赤と緑の紅葉の絶景は、9月の中旬から見ることができます。
紅葉の見頃は10月の上旬
乗鞍岳に色づく紅葉の見頃は、10月の上旬です。この時期にはほとんどの木々の色が紅葉へと変わり、黄色や赤の鮮やかな色合いを求めてたくさんの観光客や登山者が訪れます。気候の状態にもよって変わりますが、年によっては山頂付近に雪が降り積もり、「紅葉」と「雪化粧した山々」を同時に鑑賞できる10月の上旬に、乗鞍岳の紅葉が見頃のピークを迎えるでしょう。
乗鞍岳の紅葉が観られる絶景スポット
スカイラインとエコーラインが合流した先にある乗鞍岳では、鑑賞ポイントによって紅葉の見え方が異なります。そのため、事前に絶景が観える名所を把握しておくのおすすめです。目に焼き付くほどの美しい紅葉や、乗鞍岳だからこそ観られる絶景スポットをご紹介します。
山頂から観られる雄大な自然が織りなす絶景
乗鞍岳で最も人気の紅葉スポットは「山頂」です。遮るものもなく、雄大な自然を見下ろせる山頂は、季節によって木々の色付きが異なり、朝日や日没間際には光に照らされた紅葉が輝いています。ただし、山頂まで辿り着けなくても、中腹に色付く雄大な山々の紅葉は絶景です。
西側に位置する畳平の湖
乗鞍岳の西側には、1年間を通して雪が溶けずに残る「不消ヶ池」があります。高山特有の環境によって雪が残る不消ヶ池は、畳平駐車場から富士見岳の山頂へと続く登山道から観ることができ、ここから観られる絶景はハイキングや登山者の撮影スポットとしても大人気です。
北アルプスが眺望できる遊歩道沿いの池
畳平駐車場から遊歩道沿い歩いた場所には、北アルプスの山々を鏡のように映し出す「鶴ヶ池」があります。標高の高い場所に位置する鶴ヶ池は、広々とした駐車場に大型の観光バスも停車。連日たくさんの登山者や観光客が訪れています。鶴ヶ池は、北アルプスの山々を鏡のように魅せる景色と花々を眺望できる絶景スポットです。
畳平の駐車場に隣接した神社
畳平駐車場のもうひとつの絶景スポットは「乗鞍本宮」です。駐車場に隣接した山にそびえ立つ乗鞍岳本宮は、ハイキングや登山に訪れた方達が数多く参拝に訪れ、登山やハイキングの安全を祈願しています。さらに乗鞍岳本宮では、登山の安全祈願と合わせて御朱印も大人気です。
畳平の駐車場南側に咲き誇る高山植物
「鶴ヶ池」と「乗鞍本宮」で知られる畳平駐車場には、夏の時期になると、絨毯のように咲き誇る「高山植物」が見頃を迎えます。満開に咲き始めた頃の畳平では、参加費無料で「自然観察教室」も開催。畳平駐車場から見下ろすと、目の前には神秘的な火口湖が広がり、高山植物が色づいた紅葉と相まった壮大な景色は絶景です。
蚕玉岳から見下ろす神秘的な火口湖
乗鞍岳最高峰の剣ヶ峰から30分の道のりにある蚕玉岳では、見下ろすと「権現池」が広がっています。日本有数の火口湖としても知られる「権現堂池」は、辺り一面に鮮やかな高山植物が咲き誇り、神秘的で美しい景色を作り出す権現池は、登山に訪れた人達の絶景スポットとしても大人気です。
8月中旬まで雪が残る広大な大雪渓
乗鞍岳の絶景スポットの中でも、真っ白な景色が観られる「大雪渓」は、8月の中旬まで雪景色に包まれています。周辺には、高山ならではの隆起した岩肌と植物の群生が広がり、辺り一面の雪景色と秋の紅葉は絶景です。長い期間行きに包まれる「大雪渓」では、8月までスノーボーダーやスキーヤーがたくさん訪れています。
乗鞍岳の観光名所①乗鞍一ノ瀬園地
遊歩道から観られるミズバショウ
乗鞍岳の1500メートル地点には、60万平方メートルに渡ってミズバショウの緑地が自生しています。辺りを見渡すと高くそびえる山々と湿原が絶景を作り出し、水面に映るミズバショウは幻想的な人気の観光名所です。さらに乗鞍一ノ瀬園地の奥には、雄大な景色を見ながらキャンプを楽しむこともできます。
子供も楽しめるサイクリングコース
乗鞍一ノ瀬園地には、ハイキングを楽しむ遊歩道の他にサイクリングコースがあります。きれいに整備されたサイクリングコースは、高原地帯でありながらとても平坦で、お子さまと一緒にみんなで楽しめる観光名所です。水面に映るミズバショウやキャンプと合わせて一ノ瀬園地を満喫してみましょう。
乗鞍岳の観光名所②三本滝
日本の滝100選に選ばれた乗鞍高原北部の滝
乗鞍高原から流れ落ちる「三本滝」は、本沢の滝と黒い沢の滝と無名沢の滝の3つの滝から構成される雄大な滝。特徴の異なる3つの滝は、水量が豪快な「本沢の滝」に三段階に流れ落ちる「黒い沢の滝」、水量は少ないが岩肌をゆっくり流れ落ちる「無名沢の滝」と、乗鞍岳でしか観られない日本100選に選ばれた人気の観光名所です。
乗鞍岳の観光名所③乗鞍高原温泉
乗鞍岳の登山口にある天然温泉
乗鞍岳はハイキングや登山者がたくさん訪れることから、登山口には複数の温泉施設が「乗鞍高原温泉」と称して営業。その中でも「湯けむり館」は弱酸性の単純硫黄泉が湧き出し、登山者の疲れた体を癒してくれます。疲れた身体に癒しを与える乗鞍高原温泉は、白濁しているのが特徴で、観光名所として大人気の温泉施設です。
休暇村が運営している温泉施設
乗鞍高原の「天峰の湯」は、休暇村によって平成15年にオープンしました。宿泊施設も完備している温泉施設の休暇村は露天風呂が完備され、こじんまりとした露天風呂の作りから、時間帯によっては天然温泉を独り占めすることも可能です。さらに「天峰の湯」では、秋から冬にかけて「雪見風呂」も堪能できる人気の温泉施設となっています。
乗鞍岳の登山コース①畳平コース
登山が初めての人でも登れる畳平~剣ヶ峰コース
乗鞍岳の登山コースの1つ目は、初めての人でも登山が楽しめる「畳平コース」です。全長7キロの畳平コースは、片道1時間半とハイキング気分で気軽に登ることができます。登山コースの途中には、抜群の透明度と青くてきれいな「鶴ヶ池」や、冬に見頃を迎える「大雪渓」を鑑賞でき、最終到着地の「剣ヶ峰」へと続く登山道に観られる名所数々は、見どころ満載です。
乗鞍岳の登山コース②乗鞍岳登頂コース
本格的に登山者向けの乗鞍高原~乗鞍岳登頂コース
全長11キロの「乗鞍岳登頂コース」は、三本滝バス停を出発して剣ヶ峰の頂上を目指すコースです。片道で約3時間かかる乗鞍岳登頂コースは、自分の体力に応じてスタート地点を選べ、自信のある人は三本滝バス停から、自信のない方はなるべく頂上に近いバス停から登山を始めましょう。
登頂コースから観られる絶景
剣ヶ峰の頂上への道のりでは、日本の滝100選に選ばれた名爆「三本滝」や、天気の良い午前中に観られる山にかかる「雲海」、9月中旬から黄色や赤に色づく「紅葉」と、登山中に自然が織りなす絶景を堪能できます。「乗鞍岳登頂コース」は、頂上に向かうほど絶景スポットのスケールが壮大です。
乗鞍岳のハイキングコース①一の瀬園地周遊コース
乗鞍高原の雄大な自然を感じるおすすめコース
乗鞍岳の「一の瀬園地周遊コース」は、全長4.3キロの歩きやすく整備されたハイキングコース。約2時間で巡る周遊コースは、木材で作られた道路や遊歩道の整備など、訪れる人達が楽しめる散策コースです。散策中には、絨毯のように咲き誇る「ミズバショウ」に、水面に映る「乗鞍岳」など、絶景と紅葉を同時に鑑賞できます。
乗鞍岳のハイキングコース②神社と御池巡りコース
伝説の御池と神社を巡るハイキング
乗鞍岳の「神社と御池巡りコース」は、全長3キロのハイキングコース。約1時間半のハイキングコースには、竜が棲んでいた言い伝えの「御池」に、乗鞍岳の山宮として建てられた「梓水神社」があります。最大の魅力は、梓水神社の鳥居から観える絶景で、ハイキングコースでは大人気の撮影スポットです。
乗鞍岳の混雑情報
休日や大型連休は大混雑
乗鞍岳は、23個の峰が集まる雄大な自然が広がっていることから、紅葉や自然が織りなす絶景を求めて、たくさんの人達が集まります。最大の混雑時は9月の紅葉とお盆の時期で、混雑のピーク時にはバス乗り場で長い時間待つ覚悟が必要です。乗鞍岳を訪れる際には、時間にゆとりを持って行動しましょう。
乗鞍岳へと続く2本の道路
乗鞍エコーライン
乗鞍岳には、長野県側の「乗鞍エコーライン」と岐阜県側からの「乗鞍スカイライン」の2つの道路があります。長野県側のエコーラインは、7月から10月までの時期だけ通行でき、7月8月9月は6時から、10月は7時からと時期によって開通時間を変更。乗鞍エコーラインは雪解けが遅くなった年は開通も遅れるため、事前の確認が必要です。
乗鞍スカイライン
岐阜県側から乗鞍岳へと繋がる「乗鞍スカイライン」は、5月から10月まで通ることができる期間限定の道路です。季節によって通れる時間が異なる乗鞍スカイラインは、5月6月10月は7時から開通し、7月8月9月の夏場は朝の3時半から開通します。乗鞍スカイラインは元々有料道路ではありましたが、2003年に自家用車の通行が禁止され、無料となりました。
乗鞍岳では紅葉と一緒に絶景を楽しもう
乗鞍岳には、山頂から観る紅葉や水面に写る逆さ乗鞍岳と、紅葉と一緒に絶景が楽しめるスポットがたくさんあります。見どころ満載の乗鞍岳は、自家用車では通れない「エコーライン」や「スカイライン」の2つの道路によって繋がり、紅葉時期には混雑のピークを迎え、待つ覚悟が必要です。事前に乗鞍岳へと続くスカイラインとエコーラインの混雑情報を把握し、紅葉と一緒に絶景を楽しみましょう。
乗鞍岳へのアクセス情報を知りたい方はこちらをチェック!
暮らしーのでは、乗鞍岳の紅葉の見頃だけではなく、初心者が登山を楽しむための、おすすめルートやアクセス情報をまとめています。紅葉シーズンに乗鞍岳を訪れる方は、ぜひチェックしてみてください。
初心者も楽しめる「乗鞍岳」登山!その魅力とルート・アクセス情報をご紹介!
乗鞍岳は北アルプスの南端に位置しており、3,026mと非常に高い山です。高さだけでなく、高山植物の時期にはとても美しいお花畑でも有名です。今...