はじめに
石鎚山とは?
四国の屋根として圧倒的な存在感をもつ石鎚山。風光明媚な石鎚山は『日本百名山』にも選ばれており、山頂からは穏やかな瀬戸内海の景色や対岸の本州や九州まで見渡すことが可能です。
また、石鎚山はまた信仰的な色合いが濃く『霊峰石鎚山』とも呼ばれています。そんな石鎚山の中腹には成就社と土小屋遥拝殿、山頂には頂上社があり、厳かな雰囲気が漂っています。
珍しい鎖場も
石鎚山には、全国でも珍しく鎖場が4ヶ所あります。4ヶ所の鎖場は垂直に近く、また険しい岩場を登るので技術と体力が必要です。登山初心者にはなかなか挑戦し辛い難所となるかもしれません。しかし、鎖場は別ルートがあり回避可能なのでご安心を。
2の鎖(65m)と3の鎖(68m)は本当に危険な場所で、石鎚山で発生する登山事故は、2の鎖と3の鎖での事故だとされています。挑戦される方は、くれぐれも気をつけて下さい。
石鎚山登山時の服装&装備は?
石鎚山に登る際、どのような服装で臨めばよいのでしょうか?また装備は?石鎚山は途中までロープウェイを利用することができるため、観光気分で登山をする人も多いとか。
しかし、山の天候は変わりやすいですし、予期せぬ出来事が起こる可能性もあります。日帰りだからといって馬鹿にせず、しっかりとした登山の準備をしたうえで登山をすることが大切です。ここからは、石鎚山登山のおすすめの服装などをご紹介します。
春夏秋の時期の服装
登山の服装は、トップは3層の重ね着&ボトムはロングパンツが良いと言われています。石鎚山登山でも例外ではなく、トップは3層の重ね着を心がけましょう。まず、インナーですが春秋は長袖のもの、夏は通気性の良いT-シャツでもOKです。
ミドルは春秋は天候次第では冷え込みことも考えられるので、フリースなど保温性があるものが良いでしょう。夏は脱ぎきしやすい長袖のシャツを一枚着ておくと良いかもしれませんね。アウターには、防風や防水機能が備わったソフトシェルタイプがおすすめです。
冬の時期の服装
冬登山の服装は準備するものも多くなります。冬の登山は他の時期に比べると難易度も上がるので、準備はしっかりと行いましょう。
まず、インナーには保温性が高くストレッチ素材の動きやすいものがおすすめです。ミドルには厚手のフリースやダウンジャケット、そしてアウターにはしっかりと風や雨を防いでくれるゴアテックス素材のハードシェルなどを準備しておきましょう。他にも、雪の反射から目を守ってくれる、サングラスやゴーグルもあれば良いです。
装備は?
下記には、石鎚山登山で持っておくと良い装備を紹介しています。石鎚山が位置する西条市役所のサイトで紹介されていたものですが、本格的な登山サイトでは、さらに詳しく服装や装備について解説されています。登山前には、確認しておくと良いでしょう。
準備しておきたい装備品
- 携帯電話(予備電池)
- 地図、コンパス、ラジオ
- ライター、ヘッドランプ、笛
- 予備食料品
- 救急医療品(絆創膏、包帯など)
- その他
石鎚山登山おすすめ時期は?
春夏秋冬と1年を通して人気の石鎚山登山ですが、おすすめやっぱり秋の紅葉の時期。澄んだ空気の中に、赤茶黄に色づいた木々の美しい絶景が楽しめます。石鎚山の紅葉は10月上旬頃から山頂付近から色づき初め、最も美しいのは10月中旬頃。石鎚山の麓では、11月中旬頃まで紅葉を楽しむことが可能です。
登山をしなくても、石鎚山中腹(標高1450m)にある石鎚神社成就社までは石鎚登山ロープウェイを利用すれば気軽に行くことができるので、石鎚山の紅葉時期にはぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?
石鎚山の登山ルート3選
それでは早速、石鎚山のおすすめ登山ルートを1つづつ確認していきましょう。登山初心者におすすめの日帰りルートや上級者向けのルートがあります。全行程の距離、標準所要時間、難易度なども記載しているので、石鎚山登山の計画にお役立て下さい。
①成就ルート
『成就ルート』は”表参道ルート”とも言われ、石鎚山登山のルートでは最も一般的なルートです。石鎚山の良いとこ取りのルートといっても過言ではありません。『成就ルート』は、ロープウェイで一気に標高1300m地点へ。
山頂成就駅から登山口となる石鎚山神社成就社までは約10分。そこから⇒遥拝所⇒八丁⇒夜明かし峠⇒弥山(石鎚神社頂上社)へ登っていきます。帰りは登って来たルートを下山。歩く距離は合計約8.7km、歩行時間は上り約3時間、下り約2時間10分の合計5時間程の日帰りにはぴったりのルートです。
難易度は?
『成就ルート』は中級者向けの登山ルートと言われていますが、迷うことが少ないルートなので初心者でもチャレンジはしているようです。注意する箇所は、八丁を過ぎた傾斜や鎖場。
ただし、鎖場は、先程もご紹介したように別ルートで回避可能です。また、弥山からは、さらに高い標高1982mの天狗岳に向かうこともできます。両サイドがゴツゴツとした岩場の崖を進み登山の醍醐味を味わえますが、初心者の方は無理せず弥山で終える方が良いでしょう。
登山口までのアクセス方法
『成就ルート』の登山スタート地点は中腹にある成就社。成就社まではロープウェイ利用となりますので、石鎚山登山ロープウェイまでのアクセス方法をご紹介します。石鎚山登山ロープウェイまではバスや車でアクセス可能です。
車の場合は最寄りのICは「伊予西条IC」。ICから石鎚山登山ロープウェイまでの時間は40分です。バスの場合は、JR伊予西条駅から”せとうちバス”が運航しています。運行時間などは石鎚山登山ロープウェイかせとうちバスの公式サイトで確認してみて下さい。
②土小屋ルート
石鎚山登山のルートの中で最短ルートが『土小屋ルート』。標高差が少ないため比較的登りやすく、また尾根沿いを歩く場所もあるので絶景も楽しめます。
『土小屋ルート』は標高1492mにある土小屋登山口からスタート。その後は休憩所⇒馬の背⇒2の鎖⇒3の鎖を経て弥山山頂を目指します。鎖場は“成就ルート”と同様に回避することが可能。下山は同じ道を降りていきます。距離は合計約9.2km、所要時間は上りは約2時間~2時間30分、下りは1時間30分~2時間程です。
難易度は?
『土小屋ルート』の難易度は中級者向けです。ただし、石鎚山登山の口コミなどを見ていると、アップダウンが少ないため”成就ルート”よりは難しくないともありました。ただし、足元が木の道が多いため、雨などが降った後には滑りやすくなるため注意が必要です。
登山口までのアクセス方法
『土小屋ルート』の登山口となる土小屋までのアクセス方法をご紹介します。松山方面から土小屋へアクセスする場合は、松山自動車道「川内IC」を降りて、国道11号線、国道494号線、そして石鎚スカイラインを経て土小屋を目指すと良いでしょう。
ただし、石鎚スカイラインは冬期は通行止めとなるので、訪れる時期によっては注意が必要です。このルートが利用できなかった場合には、松山自動車道の「いよ小松IC」で下車し、国道11号線、国道194号線、そして県道40号線を経て土小屋までアクセスが可能です。
③面河(おもご)ルート
『面河ルート』は、石鎚山の南側から山頂を目指すルートです。面河渓谷の美しい景色が楽しめると、登山客にも人気のルート。特に面河渓谷の神秘的なコバルトブルーの川と切り立った岩は、訪れる人々は魅了しています。
『面河ルート』は、面河渓谷駐車場からスタートとし面河登山口⇒面河山⇒愛媛大学山岳会石鎚小屋⇒弥山へ。下山も同じ道を下ります。歩く距離は14.8km、所要時間は上りは5時間40分、下りは4時間5分です。
難易度は?
『面河ルート』は歩く距離が長いことや、また登山口からすぐにゴツゴツとした岩場を歩いたりするので上級者向けのルートです。『面河ルート』は日帰り登山も可能ですが、距離が長いため冬以外は山頂で一泊するのも良いでしょう。
山頂には“頂上山頂”という山小屋があり、予約制ですが5月初旬から11月初旬までは宿泊が可能です。朝一番、静まり返った石鎚山山頂からの眺めも格別ですよ。
登山口までのアクセス方法
『面河ルート』の登山口までは、松山自動車道「松山IC」を降りて、国道33号線⇒県道12号線⇒国道494号線を経て約1時間20分ほどでアクセス可能です。距離にして約63km。
駐車場は、無料の駐車場が50台分完備されています。面河渓谷は夏は涼を求めて、秋には紅葉スポットとして人気です。また、キャンプ場も併設されています。道はけして広くないので、他のドライバーとのすれ違い時などには注意が必要です。
石鎚山系の山々の登山もおすすめ
石鎚山をはじめ石鎚山系には、登山初心者から上級者まで楽しめる登山ルートがたくさんあります。上記で紹介した石鎚山登山ルートの難易度は中級者~上級者向きとなっているので、登山初心者には少し躊躇してしまうかもしれません。そんな時には、石鎚山系の山々もおすすめです。
瓶ヶ森もおすすめ
例えば「瓶ヶ森」。「瓶ヶ森」は、石鎚山、笹ヶ峰とともに伊予の三名山とも呼べれる山で、愛媛県と高知県にまたがる山です。難易度も低くハイキング感覚で楽しめるとか。距離は約3km程で、所要時間は2時間ほどなので子供さんや登山初心者にはぴったりです。しかも、石鎚山の絶景も楽しめます。
「瓶ヶ森」登山は瓶ヶ森駐車場駐車場からスタート。登山口までは松山自動車道「伊予西条IC」より、国道11号線と194号線経由で約1時間30分程です。石鎚山が不安な方は、まず「瓶ヶ森」から初めてみてはいかがでしょうか?
下山後のお楽しみ!おすすめ日帰り温泉3選
下山後の楽しみといえば温泉。石鎚山さん周辺には、おすすめの日帰り温泉が数多く点在しています。最後に、石鎚山からも近いおすすめの日帰り温泉施設を3選ご紹介しておきましょう。ぜひ、上質の温泉で石鎚山登山の疲れた体を癒やしてみてはいかがでしょうか?
①湯之谷温泉
“湯之谷温泉”は、JR石鎚山駅からは歩いて12分程の場所にあります。敷地内から温泉が湧いているので、お湯たっぷりの源泉かけ流し温泉が満喫できます。泉質はナトリウム-塩化物泉-炭酸化水素塩冷鉱泉。
肌触りが優しくぽかぽかと体の芯から温めてくれるので、冬の登山にはおすすめです。日帰り入浴は大人500円ですが、湯之谷温泉は宿泊施設も完備しています。遠方から石鎚山登山に行かれる方には、おすすめの宿にもなるでしょう。
湯之谷温泉
- 住所〒793-0053
愛媛県西条市洲之内甲1193 - 電話番号0897-55-2135
- アクセス松山自動車道「いよ小松IC」、「いよ西条IC」から約12分
- 公式サイトURLhttp://yunotani.cside.com/
②石鎚山温泉 温泉旅館京屋
石鎚山の登山客に人気の温泉といえば”石鎚山温泉 温泉旅館京屋”。”石鎚山温泉 温泉旅館京屋”は石鎚山登山ロープウェイのすぐ近くにあり、下山後にすぐにさっぱりと出来るのもポイントが高いでしょう。露天風呂はありませんが、内湯の窓からは美しい渓谷の景色が楽しめ秘湯感も味わえます。
泉質は含二酸化炭素-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉で、ヌルっとした白濁の湯が特徴です。宿泊施設も併設されているので、石鎚山登山の前後に利用する登山客も多いとか。日帰り温泉だけなら料金は500円となっています。
石鎚山温泉 温泉旅館京屋
- 住所〒793-0215
愛媛県西条市西之川甲下谷106 - 電話番号0897-59-0335
- アクセス松山自動車道「いよ小松IC」、「いよ西条IC」から約30分
③東予温泉いやしのリゾート
”東予温泉いやしのリゾート”は、西条市内にある日帰り温泉施設です。石鎚山登山ロープウェイからは車で40分程でアクセス可能。アジアンリゾートな雰囲気が漂う”東予温泉いやしのリゾート”では、大浴場をはじめサウナ、薬湯、信楽風呂、ジェットバス、寝ころび湯、歩行湯とお風呂の種類が充実しています。
料金は大人600円、65歳以上ならシルバー割引があり550円となります。営業時間は6:00~24:00迄ですが、23:00が最終受付時間です。
東予温泉いやしのリゾート
- 住所〒799-1371
愛媛県西条市周布687番1 - 電話番号0898-64-0080
- アクセス今治小松自動車道「東予丹原IC」から車で2分
- 公式サイトURLhttp://www.touyoonsen.com/
石鎚山登山のまとめ
石鎚山の登山ルートを、周辺の日帰り温泉施設と一緒にご紹介しました。石鎚山は西日本の最高峰となり、圧倒的な存在感を醸し出しています。また、昔から信仰の山と崇められ神秘的な雰囲気も。
そんな石鎚山にはさまざまな登山ルートがあります。今回ご紹介した3つのルートは中級者以上となっていますが、危ない箇所を回避すれば初心者でもチャレンジ可能です。ぜひ、『霊峰石鎚』に登ってみてはいかがでしょうか?
四国の登山スポットが気になる方はこちらもチェック!
四国には、石鎚山以外にも登山スポットがたくさんあります。下記の記事では、四国の登山スポットが紹介されています。子連れ登山、登山初心者、また上級者にもぴったりの山が見つかることでしょう。石鎚山の次は、ぜひ四国の違った登山ルートを楽しんでみて下さい。
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