四国の山は誰でも楽しめる!四国の登山スポット全紹介
四国はその昔、空海が修行の場に選んだ土地です。修行にふさわしく平地が少なく山がちな地域で、穏やかな山から岩山まで変化に富んだ山がたくさんあります。
登山者にとっては、それだけ登りたい意欲を掻き立てる山が多いということです。そういった登りたくなる山を選び、四国の東部、中部、西南部に分けて地域ごとに紹介していきます。
山ごとに難易度も違うので、登山レベルも合わせてみていきましょう。
四国の山地の構成はどんなの?
四国全体をみると、中央部分を東西に四国山地が横たわります。その東部の上下に讃岐山脈と海部山地が付属、西部の上下に高輪山地と四国カルストが付属する形です。
四国山地はさらに、東部の剣山系と西部の石鎚山系に分かれます。剣山系は堆積物の隆起、石鎚山系は火山活動と生い立ちが違っていて、山の様子も石鎚山系が険しい印象です。
こうした地域にはそれぞれ個性豊かな山があり、登山の楽しみに味付けをしてくれるでしょう。
四国東部のおすすめ登山ランキング3選
四国東部の登山ランキング①徳島の最高峰で人気の剣山
まず最初は四国東部の剣山(つるぎさん)で、徳島県の最高峰になります。
古くから山岳信仰の霊場で、あちこちに祠や神社が点在しています。山頂にはソロモン王のお宝が埋まっているとか、ノアの方舟が着いたのは剣山だとか、ツチノコの話まで伝説も豊富です。
日本百名山の一つで、登りやすいので夏から秋は登山者・観光客が非常に多くなります。
観光客から初級・中級・上級まで広い人気の剣山
剣山の頂上は名前とは違って非常になだらかです。登山コースは何通りかあって、難易度も違います。
登山口の見ノ越から途中の西島まで観光リフトがあるので、これを使えばスニーカーを履いた観光客・初心者でもハイキング感覚で簡単に山頂へ到達できます。
リフトを使わなければ足回りの装備が必要です。尾根を縦走するなら隣の次郎笈(じろうぎゅう)まででも片道1時間以上かかるので、中級上級向けの登山コースになります。
剣山でのビュースポット
登山口の見ノ越では霊場の本社・剣神社で安全祈願を。リフト終点の西島駅近くから山頂までにも、行者場や大剣神社、ご神水、宝蔵石神社などのパワースポットが点在します。
見どころは、頂上間近の二度見展望所でしょう。西隣にある次郎笈と剣山の両方の頂上が望めるビュースポットです。
最大の見せ場・剣山の頂上からは、360度の視界が広がる四国山地の絶景が見られます。四国には少ない冬の霧氷も有名ですが、見られるのは上級者に限られます。
剣山山頂へのアクセス
山頂へのアクセスです。見ノ越登山口からは、観光リフト15分、または徒歩50分で西島へ到着。ここからの登山コースは4つあります。
まずは60分の大剣道コースです。そして、傾斜が緩やかな遊歩道コースが80分。この二つは初級・初心者でも大丈夫でしょう。
そして最短の尾根道コースは40分ですが、急坂の連続なので山道に慣れた人向け。さらに80分の行者コースは難所の連続で、ここは体力がある中級以上向けです。
剣山
- アクセスJR穴吹・貞光・大歩危各駅から登山口見ノ越までバス便あり
/ただし冬季は運休
四国東部の登山ランキング②高知の最高峰・美しい眺望の三嶺
三嶺(みうね)は四国東部・徳島と高知にまたがる山で、剣山から次郎笈を通って尾根伝いに行く稜線縦走の登山ルートが人気です。
1,893mは高知県では最高峰になります。山の姿が堂々としていて、四国で最も美しい山といわれ知名度も抜群です。
三嶺も山頂付近は笹に覆われていて見通しがよく、四国山地の山々や剣山・次郎笈、逆方向には石鎚山まで見通せます。南には土佐湾を望み、眺望のよさでも大人気の山です。
三嶺への登山コースは体力も必要
三嶺へのアクセスは徳島からも高知からも登山ルートがあり、時間的にも日帰りできます。ただ、日帰りでは最短でも往復6時間ほど山道を歩ける体力が必要でしょう。
人気の縦走路は10時間以上かかるので、途中1泊しないと無理なルートです。
体力的には山ですが、高度が上がるにつれて視界が開けます。四国山地を見渡す眺めの良さは抜群なので、ぜひおすすめしたい登山スポットです。
三嶺
- アクセス徳島側:登山口名頃駐車場までJR大歩危駅からバス・車は国道32号大歩危から県道32号・国道439号で名頃まで
高知側:登山口光石駐車場まで南国ICから車
四国東部の登山ランキング③讃岐平野で一番目立つ飯野山
山がちな四国で、最も平野が多いのが香川県です。その讃岐平野には、太古の火山岩が風化・浸食されてできた富士山型の山が多く、その最高峰が421mの飯野山になります。
讃岐七富士の代表格だけあって、堂々とした姿には風格が感じられます。年に2回ため池に映る「ダブルダイヤモンド讃岐富士」は、多くの人が集まる本格的な名所です。
讃岐富士の頂上からの展望は
飯野山は富士山型の独立峰なので、頂上からは遮るものがない素晴らしい眺めが楽しめます。瀬戸内海はもちろん、天気がいいと愛媛県の山まで見える眺めです。
この景色を見るためには登山が必要ですが、標高が低く初心者・登山初級でもハイキング気分で1時間余りで登れます。
アクセスは3コースありますが、丸亀野外活動センターからのコースが登りやすくておすすめです。
飯野山
- アクセス丸亀駅前からコミュニティバス丸亀東線「飯野山登山口」下車約1時間20分で頂上あと飯山町と坂出市からの登山口もあるが、わかりやすく登りやすいのは丸亀市から
四国中部のおすすめ登山ランキング4選
四国中部の登山ランキング①西日本の最高峰・石鎚山
石鎚山は西日本の最高峰で1,982mあります。百名山に数えられ、また修験道の山で日本七霊山の一つです。山頂にある弥山には石鎚神社があり、すぐそばの天狗岳がピークになります。
多くの人が利用するロープウェイは登山口の成就社駅へ着きます。そこから見える瀬戸内海と石鎚山系は、感動ものの絶景です。
石鎚山系は紅葉の名所でも知られます。頂上近くの岩壁は10月には絵に描いたような赤や黄色に染められ、四国でも1、2を争う感動的な絶景スポットです。
石鎚山の登山道は厳しい修行道でもあった!
石鎚山は修験道の山でもあるので、普通の登山道ではありません。特に山頂近くにある鎖場は修行目的で作られ、かなり長くて体力と気力が必要です。
危険も伴うので、少しでも不安を感じたら回り道を利用しましょう。3ヵ所とも危険のない階段道が用意されています。
さらに、弥山から天狗岳までは切り立った崖路です。ここも注意しながら登りましょう。
石鎚山へのアクセスは複数ルートあり
石鎚山へのアクセスでは、一般的なルートは西条市からロープウェイを使って成就社駅へ着き、そこから登山道へ入ります。初級者はこちらがおすすめです。
もう一つは松山市から国道11号、494号で面河渓へ、そこから土小屋経由と面河山経由に分かれて山頂へ向かいます。
後の2つは傾斜はゆるやかですが歩く距離・時間とも長くなるので、中級・上級向けのコースです。
石鎚山は冬山登山も可能
暖かい四国でも石鎚山にはスキー場があって、ロープウェイは年中動いています。冬の石鎚山は樹氷が絶景なので、それを見に行くことも可能です。
山頂の山小屋も開いていて、休むこともできるでしょう。ただし雪があるので初級中級の人は危険です。
冬山の経験があって装備を持つ上級者でないと、山頂まで行くのは難しいでしょう。
石鎚山
- アクセス松山道いよ西条IC→国道11号→194号→県道12号でロープウェイ駅へ
四国中部の登山ランキング②東赤石山・西赤石山
石鎚山から北東へ伸びる山系が、東赤石山と西赤石山です。石鎚山系の分派といった位置関係で、東赤石山が最高峰で標高1,706mあります。四国でも指折りの人気が高い山系です。
露出した岩肌が赤っぽく見えるので赤石と呼ばれますが、これは、岩に鉄分が多いから。
西赤石山は野生のツツジの群生地として知られ、春から初夏のシーズンには多くの登山客が訪れます。
赤石山系の登山は一泊コース
赤石山系へのアクセスは新居浜市からになります。昔銅山で栄えた別子山へ向かう県道47号で筏津登山口まで行き、そこから登山開始です。
初日:登山口→東赤石山→八巻山→山小屋・赤石山荘まで3時間半かかります。東赤石山頂での360度のパノラマが絶景です。
二日目:山小屋→西赤石山→銅山越え→日浦登山口着の行程になります。四国でも冬山は積雪があるし気温も平地より10度下がるので、上級者向けのコースです。
赤石山系
- アクセス松山道新居浜ICから国道11号・県道47号で筏津登山口まで
四国中部の登山ランキング③瓶ケ森
瓶ヶ森は愛媛では3番目に高い山です。山頂のピークは2つあり、男山と女山と呼ばれます。女山が最高点で1,897mあり、四国では5位の高峰です。
女山の頂上はなだらかな丘陵状で、一面ササで覆われています。ところどころに針葉樹の林が点在し、立ち枯れた幹が並ぶ白骨林があったりする独特の景観です。
展望は360度のすばらしい眺めで、四国最高峰・石鎚山の威容を始め四国山地から瀬戸内海、太平洋までが一望できます。
瓶ヶ森は四国一の雲海の名所
瓶ヶ森の愛媛県側は雲海が発生しやすい場所です。四季を通じてよく見られ、出会う確率は四国一という話もあります。
出やすいのは、愛媛側で気温が低くなった早朝です。見どころは登山口から山頂へ向かう途中と、男山の近くにある岩のあたりからの眺めです。
アクセスは西条市と高知県いの町からほぼ等距離
瓶ヶ森への登山口は、西条市といの町を結ぶ国道194号から瓶ヶ森林道(UFOライン)に入り約45分ほどのところにあります。
いよ西条IC、伊野ICからそれぞれ1時間半程度で着くでしょう。駐車場からは約1時間ほどで女山まで行けます。
高山なのに比較的楽に行ける距離なので、超初心者でもOK。初級から上級まで誰でもすばらしい眺めが楽しめます。途中のUFOラインも眺望が効く絶景で、ここは特におすすめです。
瓶ヶ森
- アクセスいよ西条IC、伊野ICから県道14号線→瓶ヶ森林道でそれぞれ1時間半~2時間
四国中部の登山ランキング④伊予富士
伊予富士は瓶ヶ森のすぐ東側にあります。同じような場所ですがここからの眺めも素晴らしく、瓶ヶ森に負けない人気の山です。標高は1,750mで、日本三百名山に数えられています。
山頂はこのあたりの山らしく笹に覆われていて、360度さえぎる物のない眺めは絶景そのもの。石鎚山や赤石山系が西に見え、北には瀬戸内海、南側は太平洋、東には剣山系と、四国の頂点に立ったみたいです。
伊予富士の登山道は初級向けと中級以上向けの2つある
伊予富士への登山口は、西条市といの町を結ぶ国道194号から瓶ヶ森へ向かう林道の途中にあります。
UFOラインと呼ばれる絶景の林道に入り、旧寒風山トンネルの出口に駐車場があります。ここが中級者向けの登山口で、山頂まで3時間ほどかかります。
もう一つは中級以上の登山口を過ぎて約9㎞進みます。カーブに沢があるところが登山口で、ここから山頂までは約1時間ほどで到達できる初心者コースになります。
伊予富士
- アクセス登山口まで西条市、いの町から約80分
四国南西部のおすすめ登山ランキング3選
四国南西部の登山ランキング①鬼ヶ城山
鬼ヶ城山は四国の南西部・宇和島市の東側にある山です。直近に標高1,000m級の高月山、三本杭などが連なっていて、ひとくくりに鬼ヶ城連山と呼ばれることが多いようです。
宇和島周辺は四国でも雪が降りやすく、鬼ヶ城連山が冠雪すると宇和島の人々は本格的な冬の訪れを感じます。
登山道からは眼下に宇和島市街、宇和島城が望め、その向こうに広がる宇和海、佐田岬半島、天気がよければ大分の鶴見岳、由布岳まで見ることが可能です。
鬼ヶ城山へのアクセスは宇和島市内からもOK
鬼ヶ城山、鬼ヶ城連山へのコースは、宇和島市内にある野川登山口からスタートします。四本松、尻割山、鹿のコルを経由して鬼ヶ城山に到着。
低山なので山頂からの眺望は今一つ。途中の尾根から見る景色が絶景です。帰りは猪のコル、八面山を経て元の道に合流、下山します。
所要9時間、約16㎞あるので、初級の人は厳しい道かもしれません。
鬼ヶ城山
- アクセス登山口:宇和島バスセンターから1.4㎞の宇和津彦神社を目指す。神社に突き当り左へ100m行くと入り口の看板あり
四国西南部の登山ランキング②笠取山
笠取山は四国山地の南西部、四国カルストにあり大川連峰の最高峰になります。大川嶺や美川峰と同じ稜線でつながっていて、トレッキングなどを楽しむ人が多く訪れます。
初夏のころには稜線にあるツツジの群落が開花し始めます。それを見に訪れる人で、狭い道路が混みあうほどの人出です。
稜線上は一面の笹原で見通しがよく、所どころに四国カルストらしい石灰岩が顔を出します。周りを見渡すと四国カルストや石鎚山系の山なみが一望できる、絶景エリアです。
大川嶺登山口のアクセスは車で楽々
笠取山へは松山から高知へ向かう国道33号から、久万高原町内で県道328号に入ります。
美川スキー場を過ぎ、約35分で登山口の駐車場到着。歩いて約10分で大川嶺、1時間ほどで笠取山山頂に着きます。
この間、登山口の標高が1,485m、笠取山が1,562mなので、高低差がほとんどありません。ここは登山とは言いにくく、すごく楽なハイキングです。
笠取山
- アクセス松山道松山ICから駐車場まで約80分
四国西南部の登山ランキング③篠山(宿毛市)
篠山は宿毛市の北側、高知と愛媛の県境にある山です。古くから山岳信仰の山として知られ、頂上には篠山神社が祀られています。
日本三百名山の一つで、1,065mの山頂に立つと宇和海や沖の島が見られ、天気がいい日には九州の山まで望めます。
古来聖域とされたため人家も少なく、豊かな植生が見られます。特に初夏に咲くアケボノツツジが見事で、ミヤコザサの群落でも有名です。
篠山はアクセスしやすく短時間で到達
篠山までは、宿毛から県道4号線を愛媛・愛南町方向へ24㎞進み、案内看板に従って県道332号線に入ります。
約9㎞地点に2ヵ所ある駐車場に車を止め、そこから登山道です。1㎞ほどの距離で280mを登り、30~40分ほどで山頂に着きます。
坂道ではありますが、足元も悪くなく楽なハイキングコースです。初心者でもまず大丈夫でしょう。
篠山
- アクセス宿毛駅から車で50分→徒歩40分
四国の登山スポットは登る人を選ばない!
四国でおすすめの登山スポットをみてきました。四国四県どこにも魅力的な山があり、春夏秋冬それぞれに楽しめます。
また、観光客や初心者から上級登山者まで、だれでも登れる山が多いのも四国の特長でしょう。夏でも冬でも、行けば必ずそれぞれの見どころがあります。
最低限の装備や服装には気を配ったうえで、積極的に四国の登山を楽しみましょう。
四国には山以外のお楽しみスポットもこんなに!
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