奥多摩でおすすめの絶景登山ルートをご紹介
奥多摩は、東京の西部に位置する山岳地帯です。東京都の水源林として整備されたため、標高の高いエリアに自然林が残り、稜線の散策が楽しい山が多いことでも知られています。また、多摩川によって削られた急峻な山々でも知られるクライマーに人気のスポットでもあります。そんな奥多摩の山域は、東京や埼玉、山梨や長野に及ぶ秩父多摩甲斐国立公園の中でも東部に位置する地域で、奥多摩町を中心に、雲取山から鷹ノ巣山、三頭山から陣馬山、御岳山や大岳山のあたりの一帯とされています。多くのルートがあり、日帰りでも初心者でも、難易度に応じて楽しめるルートばかりです。今回は、そんな奥多摩でのトレッキングやハイキングを楽しめるおすすめのルートや穴場のルートをご紹介します。
奥多摩登山のおすすめ時期とは?
奥多摩のおすすめの時期は春と秋です。夏は暑さが厳しく、登山には適しませんが、沢沿いの登山道では滝めぐりのハイキングが楽しめます。夏の時期には登山よりも水辺のアクティビティがおすすめです。冬の時期は雪が降り、朝の最低気温もぐっと下がるため、本格的な冬山用の装備が必要となります。初心者の方はおすすめの時期である春や秋に奥多摩登山を目指しましょう。
奥多摩の春の楽しみ方
奥多摩の春の時期は、東京の都心から少し遅れて訪れます。春を知らせるのは3月中旬ごろから道端に先始めるスミレで、6月ごろまで楽しめます。また、サクラは4月の初旬ごろからはじまり、さまざま品種のサクラが5月ごろまで楽しめます。4月中旬から下旬には、奥多摩湖のそばに位置する御前山のカタクリの群生が有名で、同じころからミツバツツジ、5月上旬にはシロヤシオ、初夏にはツツジが美しく、特に有名なのが七ツ石山のあたりの千本ツツジです。この時期の奥多摩は、花便りをチェックしながら計画したいです。
奥多摩の秋の楽しみ方
秋の時期の奥多摩には、ぜひ登山で訪れたい絶景が待っています。登山道には赤や黄色に紅葉する美しい木々が並び、自然林の多い稜線にはありのままの自然の美しい景色を満喫できます。奥多摩のハイキングコースとして知られる都民の森のあたりは10月下旬ごろから紅葉を迎え、都内の紅葉スポットとしても知られています。雲取山の登山道も11月ごろから黄葉が美しくなるほか、奥多摩湖から御嶽渓谷や氷川渓谷などの紅葉もはじまり、多くの観光客でにぎわいます。この時期の奥多摩は、紅葉情報などをチェックしてから行きましょう。
難易度の低い奥多摩の人気&穴場登山4コース
①ふれあい森林浴コース【難易度:初心者、日帰り、2時間】
このコースはJR奥多摩駅からスタートし、奥多摩町役場手前の階段から日原川沿いを散策し、北氷川橋から多摩川沿いへ出て、吊橋を渡って森林浴を楽しみ、JR奥多摩駅まで戻ってくるというコースです。2時間ほどの水辺の森林浴を楽しめるコースで、初心者でも子ども連れでも楽しめます。アクセスがよく、それなりに自然の景色を楽しめます。
②大多摩ウォーキングトレイル【難易度:初心者、日帰り、3時間】
多摩川沿いの8.3kmのウォーキングルートがこちらです。JR奥多摩駅から古里駅までとアクセスがよく、車道と遊歩道を進んでいきます。途中、もえぎの湯という温泉もありますので、温泉でゆったりと過ごしながら散策してみてはいかがでしょうか。3時間ほどの日帰り散策を楽しむことができる人気のコースとなります。涼を楽しみながら気楽な散策を満喫したい方におすすめのコースです。
③三頭山~都民の森ハイキングコース【難易度:初心者、日帰り、3時間】
三頭山は、3つの頂がある山で、日本三百名山などで知られる奥多摩の山です。この山の中腹にある都民の森には、初心者でも日帰りで楽しめる人気のハイキングコースがあります。およそ3時間程度の歩きやすいハイキングコースで、鞘口峠から見晴らし小屋があり、山頂へと通じています。山頂にはベンチがあり、富士山や東京で最も高い雲取山が見えます。下りは三頭大滝でマイナスイオンを浴びながら都民の森へと戻ります。もう少し自然の景色を楽しみたい方におすすめのコースとなります。
④奥多摩むかし道【難易度:初心者、日帰り、4時間】
奥多摩駅から奥多摩湖までの川沿いを行くルートがこちらです。その昔、江戸と甲州をつなぐ生活道だった旧青梅街道で懐かしい雰囲気が楽しめます。奥多摩駅近くには、癒しの湯であるもえぎの湯があるほか、定員3名の吊り橋で、紅葉の絶景ポイントでもあるしだくら橋などの見所があります。初心者でも無理なく歩ける日帰りコースです。
⑤奥多摩湖~倉戸山~奥多摩湖【難易度:初心者、日帰り、3時間】
倉戸山は、奥多摩湖の湖畔そばにそびえる山です。見事なヤマザクラで有名な山で、春先の登山では美しい絶景に出会えます。都内から1カ月ほど遅れてから花が咲くため、二度目のお花見を楽しむことができる楽しい穴場のコースとなっています。このコースは、奥多摩駅から女の湯バス停まで向かい、そこから登山がはじまります。道標もしっかりとしているため、安心して登山ができます。山頂は開けていて、景色がとてもきれいです。下山は温泉神社を目指し、奥多摩湖へと下りていきます。
難易度中レベルの奥多摩の人気&穴場登山コース
①奥多摩湖~三頭山~都民の森【難易度:中級者、日帰り、6時間半】
このコースは、奥多摩湖から三頭山へ向かう人気のコースです。奥多摩駅から奥多摩湖までバスで向かい、麦山宇木橋を経て三頭山登山口を目指します。登山口からは、奥多摩山域特有の急な勾配が続きますが、イヨ山、ヌカザス山を経由し、三頭山へと向かいます。山頂の景色を堪能した後は、ムシカリ峠、三頭大滝へと下ります。吊り橋からの絶景を満喫した後は、都民の森へと戻っていきます。下山ルートはいろいろありますので、どのポイントから帰るのが都合がいいのかなどを考慮しながら、穴場ルートを探るのも楽しいです。
②奥多摩湖~御前山~栃寄大滝~境橋【難易度:中級者、日帰り、6時間】
御前山は、花の百名山に数えられる山で、奥多摩山域でも人気の山です。御前山へのコースは、奥多摩湖から登るコースがおすすめで、難易度に応じていくつものコースがあります。ここでは、奥多摩湖からサス沢山へ向かい、奥多摩湖の絶景を楽しみながら、ブナの尾根道を楽しみながら惣岳山を経由して御前山へと向かいます。途中、展望の景色がすばらしい場所があるのでぜひ立ち止まってみましょう。御前山を越えてから、下りは栃寄大滝でマイナスイオンを感じながら、境橋へと下りていきます。境橋にはバス停がありますが、奥多摩駅までは歩いて40分程度です。なお、御前山からの下山ルートは、体力に応じて鋸山から奥多摩駅へと下りるルート、鋸山から大岳山を経由し、散策しながら下山するコースなど、さまざまな穴場ルートがあります。
③鳩の巣駅~御岳山~御嶽駅【難易度:中級者、日帰り、6時間】
JR鳩ノ巣駅を下りると地図があります。この地図を参考に、大樽峠へと向かっていきます。大樽峠から勾配がゆるい登山道を御岳山へと進んでいきます。御岳山では御嶽神社への参拝をはじめ、余裕があれば散策をしたいです。東京でも有名なパワースポットなので興味のある方はぜひ産安社へも足を運びましょう。展望で絶景を楽しめるポイントもいくつかあります。疲れたらケーブルカーやバスを使って下山も可能です。
④高尾山から陣馬山【難易度:中級者、日帰り、7時間】
このコースは、京王高尾線の高尾山口駅からスタートし、好みのルートで高尾山の山頂を目指します。高尾山山頂から一丁平を経由して小仏城山へ。絶景を存分に満喫したら、小仏峠を経て、景信山、堂所山へ。分岐が多いけれど、道標があるので従っていくと、明王峠を経て陣馬山へと続きます。陣馬山に着いたら、山頂に特徴的なモニュメントがあります。陣馬高原下バス停へと下山し、高尾駅に戻ってきます。なお、高尾山は紅葉で有名ですので、秋の時期には人気のルートとなります。
⑤奥多摩滝めぐりコース【難易度:中級者、日帰り、4時間半】
夏の暑さがキツイ奥多摩ですが、滝の美しい景色を楽しむコースもご紹介したいと思います。こちらは、武蔵五日市駅からバスで払沢の滝入り口バス停まで向かいます。払沢の滝を見学し、北秋川を上っていくと茅倉の滝が見えます。さらに千足バス停から天狗滝、綾滝、千足分岐を富士見台方面へ進み、大岳山の大滝分岐から大岳鍾乳洞へと下りて行きます。鍾乳洞の見学の後、上養沢バス停から武蔵五日石駅へと戻ります。なお、大滝分岐から大岳山へと進んでいくコースもありますが、上級者のコースとなりますので、体力と時間を考えてコースを選びましょう。
難易度の高い奥多摩の人気&穴場登山コース
難易度の高い奥多摩で人気の登山コースは、登山経験を積んでから、無理なく行うようにしましょう。それまで見たことのない景色、行けなかった絶景と出会えるはずです。
①奥多摩駅~鴨沢~雲取山【難易度:上級者、1泊、12時間】
こちらのコースでは、奥多摩駅から露天バスで鴨沢バス停まで行き、登山口からスタートします。トータルで12時間のコースとなるため、雲取山の小屋で1泊します。山頂までは5時間半ほどかかります。鴨沢から小袖乗越駐車場を経由して杉林を進み、堂所まで行きます。七ツ石小屋という山小屋に到着します。七ツ石神社から七ツ石山を経由するか巻き道を進み、ブナ坂から稜線の登りがはじまります。景色のいい稜線を進み、テント設営可能な五十人平、先には奥多摩湖小屋が見えてきます。さらにヨモギノ頭に向けて登り、小雲取山、雲取山へと進みます。雲取山の頂上には避難小屋があり、また、富士山や奥秩父、大菩薩嶺や丹沢のあたりまでの絶景が楽しめます。
②奥多摩駅~大仁田山~川苔山~百尋ノ滝~鳩ノ巣駅【難易度:上級者、日帰り、7時間】
川苔山のコースは、アクセスがいいこともあって、人気の高いコースですが、実にさまざまなコースがあるため、王道のコースや穴場のコースなど、楽しみ方が多岐にわたります。中級者レベルであれば、奥多摩駅から本仁田山を経由して、川苔山へと登頂するコースを選んでみてはいかがでしょうか。まず、奥多摩駅から大仁田山方面へ登山口に向かいます。安寺沢から本仁田山山頂まではかなりハードですが、山頂からは東京の都心が見渡せる景色が広がります。本仁田山から川苔山へと進み、大ダワ、舟井戸と悪路を含む登山道となります。川苔山の山頂は展望が開け、広大な景色を楽しめます。帰りは、百尋ノ滝の絶景を楽しみながら鳩ノ巣駅へと戻ります。
③峰谷~鷹ノ巣山~奥多摩湖【難易度:上級者、日帰り、7時間】
鷹ノ巣山登山は、奥多摩駅からバスで峰谷バス停まで行き、登山口からスタートする穴場のコースです。途中、水場があるので休憩しつつ、鷹ノ巣避難小屋を経由して、鷹ノ巣山へと向かいます。頂上からは時間と体力があれば、六ツ石山から水根へ下り、奥多摩湖へと戻ってみるのもおすすめです。ただしこの下りは岩が多いため、時間に余裕のない方は、来た道を戻った方がベター。奥多摩駅近くにはもえぎの湯という温泉があります。帰りに日帰り温泉に立ち寄って、疲れを癒してから帰路に着くのもおすすめです。
④日原~一杯水~蕎麦粒山【難易度:上級者、日帰り、7時間】
蕎麦粒山は、奥多摩の日原から仙元峠を越えた向こうにそびえる山です。一般に、奥多摩駅からバスで日原バス停で下車し、そこから登山がスタートします。滝入ノ峰へ向かい、ヨコスズ尾根を渡って一杯水避難小屋へと進みます。ここに水場がありますが、涸れていることもあるので要注意です。この分岐から仙玄峠を経て、蕎麦粒山頂上へと向かいます。来た道を戻るか、桂谷ノ峰から日向沢ノ峰の絶景を楽しみながら、川苔山を経由して、百尋ノ滝の絶景を満喫しつつ、川乗橋のバス停まで下りてくるというルートもあります。ただし、分岐が多く、道が入り組んでいるため、迷わないように注意しましょう。なお、蕎麦粒山登山は訪れる登山者が少なく、穴場のコースとなっています。
奥多摩での登山では人気&穴場のコースで絶景を楽しもう
奥多摩には、実にさまざまな表情を持った山々がたくさんあります。ご自身の体力や登山経験に合わせて、難易度を調整しながら、いろいろな人気ルートや穴場ルートに挑戦してみましょう。春や秋の見所の多いおすすめの時期に登山経験をしておくと、夏場の水辺のトレッキングなども楽しくはじめることができます。ただし、山には危険も伴いますので、必ず無理をしないように時間に余裕を持って楽しい旅を続けましょう。
奥多摩の登山ルートや立ち寄りポイントが気になる方はこちらもチェック!
奥多摩登山のさらなる登山ルートのほか、立ち寄りたい日帰り温泉や観光スポットなど、もっと奥多摩エリアについて知りたいという方は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。登山中、立ち寄りたいスポット、帰りに立ち寄りたい日帰り温泉などの情報が十分に得られるはずです。そして、しっかりと計画を立てて、さっそく次の休みに奥多摩へ出かけましょう。春や秋の時期だけではなく、夏も冬も天候によっては十分に楽しめます。
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