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八甲田山の登山ルートおすすめ5選!初心者でも楽しめるコースを難易度別にご紹介!

八甲田山は青森の象徴として親しまれている日本百名山の一つ。裾野を長く四方に広げ、清涼な自然林や湿原に生える植物を鑑賞しながら登山を楽しめます。ロープウェイも整備されていますので、登山時期と難易度別に初心者でも楽しめるおすすめの八甲田山登山ルートをご紹介します。
2020年11月28日
Meigen Oka
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八甲田山の概要

Photo by 雷太

八甲田山は、青森県の南に位置し、標高1,585mの大岳を主峰に、北八甲田と呼ばれる高田大岳、井戸、赤倉、前嶽、田茂萢、小岳、硫黄、石倉、雛という各10峰の連なりと、南八甲田と呼ぶ逆川、横、猿倉、駒ヶ峯、櫛ヶ峯、乗鞍(八甲田)、南部赤倉の7っの峰とで構成されたものを総称して八甲田連峰と呼び、那須火山帯の八甲田火山群とも呼んでいます。名前の由来は「新撰陸奥国志」によると「八耕(甲)田とは八峯あるよりの名なる」の記述からとされています。

八甲田山による気候の変化

Photo by freeheelskiing_2

八甲田山は青森県の気候にも大きく影響を与えていて、夏季は太平洋側から“やませ”という冷たく湿った季節風が吹き込みます。冬季は日本海側から湿った季節風が吹きこんで、八甲田の西側の津軽地方に大雪をもたらします。その厳冬期に明治35年(1902)1月日本陸軍第8師団歩兵第5連隊が冬季軍事訓練として八甲田山の雪中行軍を行った際に大遭難事故を起こしたことは有名な出来事です。反対に太平洋側は晴天が続き降雪も少なくなります。

八甲田山の自然

Photo by 雷太

八甲田連峰の山々は、多くは台形状かお椀を伏せた様な円錐状の形状を成していて、どれもがきれいに裾野を広げています。標高はどれもそれほど高くありませんが、寒冷地であることから山野草の宝庫でもあります。樹林帯も標高1,000m付近まではブナ林の植生で、その上はアオモリトドマツなどの針葉樹となり、標高が高い区域はハイマツ、ミヤマハンノキ、ナナカマドなどが混生します。また、湿地帯が点在していますので湿原植物の宝庫でもあるのです。新緑の時期は5月下旬から6月中旬頃、山野草の時期は6月中旬から8月中旬頃がピークです。火山地帯でもあることから温泉も噴出している個所もあります。

八甲田山の主要登山ルート

Photo by the.young66

八甲田山は数種ある峰々の総称で、八甲田山という名称の独立した山は有りません。標高1,585mの八甲田大岳が最高峰で、ロープウェイを利用することによって初心者でも容易に登山を楽しめるおすすめのルートがあります。ロープウェイを利用して大岳の登頂往復ルート、酸ヶ湯から反時計回りに大岳まで登るルートが一般的でおすすめです。その他酸ヶ湯を起点に仙人岱、大岳、上毛無岱、下毛無岱を経る反時計回りに一周するルート(逆回りも有)。ロープウェイ山頂駅から大岳を経て、ひとつは毛無岱を経て酸ヶ湯に、もうひとつは大岳から仙人岱を経て酸ヶ湯に至るルートなど、日帰りにも十分なコースタイムで初心者でも十分に楽しめるおすすめコースです。

八甲田山登山の注意点

Photo by maskimur

八甲田ロープウェイが開設されたことによって、登山初心者でも容易に登山が楽しめる様になり、主に夏季から紅葉時期の秋にはたくさんの登山客が訪れます。近年の登山ブームと相まって八甲田山も例外でなく高山植物などに悪影響が現れ始め、自然破壊が懸念されています。八甲田登山には登山道を外れて貴重な湿原地帯や植物生息地には入らない様に、採取などは禁止されています。また、天候の変化に伴って、道に迷ったりと不慮の事故などが発生しやすいので、夏場でも軽装は慎み、装備や服装は万全に、特にマップ・コンパスは必ず携帯する様におすすめします。

八甲田ロープウェイ

八甲田ロープウェイは通年運航されていて、終点の田茂萢岳山頂駅からは青森市街や陸奥湾、岩木山など雄大な景観が見渡せます。初夏の新緑、秋の紅葉、また、冬季はスキーなどで賑わい、登山ルートの起点にも利用されて高山植物なども鑑賞できます。

  • 住所
    青森市大字荒川字寒水沢1-12
  • 電話番号
    017-738-0343
  • アクセス
    東北自動車道「黒石IC」より30分

八甲田山登山ルート①/ロープウェイ~大岳【難易度低】

Photo by Real Estate Japan Photos

八甲田山登山ルートの内ロープウェイを利用して5時間ほどのコースタイムで日帰りができる難易度も低い初心者向けのおすすめコースです。春から秋にかけての時期が通常の登山に適した時期で、湿原地帯の高山植物を楽しみ、ルートマップをチェックしながら爽やかな空気と景色が美しい稜線を歩いて大展望の大岳山頂を目指します。

ルート概要

八甲田ロープウェイ山麓駅から10分ほどで山頂公園駅に着き登山をスタートします。登山マップに従って田茂萢湿原(たもやちしつげん)の可愛らしい山野草を楽しみながら進み、田茂萢岳、赤倉岳と開かれた稜線を歩き、噴火口跡を見せる井戸岳からは正面に小さく大岳避難小屋が見え、その真上に大岳の雄大な山容が聳えています。八甲田大岳山頂に登頂して雄大な展望を満喫したら往路を戻り、ロープウェイで下山します。

アクセスルートDATA

【登山ピーク時期:5~10月、日帰り、難易度:低レベル】
【アクセス情報:距離約8.5km、標高差922m】
【ルートマップ参考コースタイム:約5時間20分】八甲田ロープウェイ山麓駅スタート⇒(10分)山頂公園駅⇒(90分)赤倉岳⇒(45分)大岳ヒュッテ⇒(35分)八甲田大岳山頂⇒(25分)大岳ヒュッテ⇒(30分)赤倉岳⇒(75分)山頂公園駅⇒(10分)山麓駅ゴール

八甲田山登山ルート②/酸ヶ湯~ロープウェイ【難易度中】

Photo by 雷太

酸ヶ湯温泉から湿地帯の仙人岱を経て八甲田大岳に登頂した後、北側の登山道を下り大きな噴火口が見える井戸岳と、やはり雄大な景観が楽しめる赤倉岳に登ってから、秋の時期には草紅葉が美しい田茂萢湿原(たもやちしつげん)を辿り山頂公園駅からロープウェイで山麓駅に下山するコースタイム約5時間半の難易度ではやや中レベルですが初心者でもOKのおすすめルートです。

ルート概要

酸ヶ湯温泉八甲田山登山口の標識がある薬師神社の鳥居をくぐってスタート。樹林のなかをしばらく登って視界が広がり、硫黄の臭いが立ち込める地獄湯ノ沢のガレ場に注意して登ります。秋の時期には紅葉の名所にもなる所です。湿原地帯の仙人岱の木道から正面に八甲田大岳のどっしりとした山容が見えます。大岳に登頂後は大岳ヒュッテに下り、マップに従って分岐を井戸岳、赤倉岳方面に向かって、途中初心者は特に稜線のガレ場に注意して歩き、ロープウェイ山頂公園駅から山麓駅にゴールします。

アクセスルートDATA

【登山ピーク時期:5~10月、日帰り、難易度:中レベル】
【アクセス情報:距離約7.5km、標高差526m】
【ルートマップ参考コースタイム:約5時間20分】酸ヶ湯温泉スタート⇒(100分)仙人岱⇒(60分)八甲田大岳⇒(30分)大岳ヒュッテ⇒(30分)赤倉岳⇒(80分)山頂公園駅(ロープウェイ)⇒(10分)山麓駅ゴール

八甲田山登山ルート③/ロープウェイ~酸ヶ湯【難易度中】

Photo by 雷太

八甲田ロープウェイを利用して山頂公園駅からスタートし、八甲田大岳に登頂後上・下毛無岱を通って酸ヶ湯温泉にゴールする、マップ通りに歩けばコースタイム約6時間の難易度中レベルですが、余裕のある山行を計画すれば初心者でもOKのおすすめルートです。田茂萢湿原(たもやちしつげん)や毛無岱(けなしたい)の湿原地帯を歩きますので、時期が合えば高山植物や草紅葉の美しい紅葉などが楽しめます。

ルート概要・その①


八甲田ロープウェイ山頂公園駅をスタート。田茂萢湿原の爽やかな空気のなかをしばらく進むと赤倉岳に到着。赤倉岳の左側は切れ落ちた断崖となり噴火口が見えます。稜線を歩いて井戸岳から大岳ヒュッテを経て八甲田大岳登頂。

ルート概要・その②

登頂後大岳ヒュッテに戻り、分岐を毛無岱方面に向かいます。滑らない様に注意しながら木道を進んで、まずは2段構えになっている上毛無岱から下毛無岱の紅葉時期は絶景となる大湿原地帯を歩きます。後ろには通ってきた大岳、井戸岳、赤倉岳が見えています。樹林帯を過ぎて酸ヶ湯温泉にゴール。

アクセスルートDATA

【登山ピーク時期:5~10月、日帰り、難易度:中レベル】
【アクセス情報:距離約9.5km、獲得標高差:登り561m、下り965m】
【ルートマップ参考コースタイム:約6時間】ロープウェイ山頂公園駅スタート⇒(90分)赤倉岳⇒(50分)大岳ヒュッテ⇒(40分)八甲田大岳山頂⇒(35分)大岳ヒュッテ(分岐)⇒(50分)上毛無岱⇒(30分)下毛無岱⇒(60分)酸ヶ湯温泉ゴール

八甲田山登山ルート④/酸ヶ湯~毛無岱周回【難易度中】

Photo by 雷太

歴史ある酸ヶ湯温泉をスタートして仙人岱(せんにんたい)を経て八甲田大岳に登頂。その後北方向大岳ヒュッテに下って分岐を毛無岱方面に向かい、上毛無岱から下毛無岱周辺の湿原地帯の高山植物(特に秋の紅葉時期は絶景)を楽しみながらスタート地の酸ヶ湯温泉に戻る難易度中レベルのコースタイム約5時間半の周回コースです。これは反時計周りコースと呼びますが、逆に毛無岱から大岳、仙人岱を経て酸ヶ湯に戻る時計周りコースと呼ぶルートもあります。約10kmほどの距離をアップダウンを繰り返すコースとなりますので、難易度はやや中レベルで初心者は足に自信のある方向けにおすすめです。

ルート概要

酸ヶ湯温泉をスタート。しばらくは清々しい樹林帯の緩やかな登山道を登ります。春から夏の時期には高山植物を見ることができます。樹林帯を抜けるとガレ場となり硫黄の臭いの立ち込める地獄湯ノ沢を通り仙人岱へ。ルートから少し右にそれて仙人岱ヒュッテでトイレと水の補給をして八甲田大岳登頂。頂上からの展望を楽しんだら大岳ヒュッテ分岐まで下り整備された木道を歩いて広々とした湿原地帯が広がる上毛無岱、下毛無岱を通り、約5時間半のコースタイムで酸ヶ湯温泉にゴールします。

アクセスルートDATA

【登山ピーク時期:5~10月、日帰り、難易度:中レベル】
【アクセス情報:距離約9.71km、標高差1,215m】
【ルートマップ参考コースタイム:約5時間20分】酸ヶ湯温泉スタート⇒(100分)仙人岱⇒(60分)八甲田大岳山頂⇒(30分)大岳ヒュッテ(分岐)⇒(50分)上毛無岱⇒(30分)下毛無岱⇒(50分)酸ヶ湯温泉ゴール

国民保養温泉地 酸ヶ湯温泉旅館

約300年の歴史を誇る標高約900mの場所に位置する温泉です。清涼な大自然に囲まれて四季折々に美しい風景にも富んでいます。特に紅葉時期は多くの湯治客が訪れます。青森の銘木総ヒバ造りの「ヒバ千人風呂」は圧巻。酸性硫黄泉で、リュウマチ、神経痛、胃腸病、婦人病などに効能があるとされています。

  • 住所
    〒030-0197
    青森県青森市荒川南荒川山国有林酸湯沢50番地
  • 公式サイトURL
    https://www.sukayu.jp
  • 電話番号
    017-738-6400
  • アクセス
    青森空港から車で1時間青森駅前(アウガ駐車場横) から無料シャトルバス運行
  • 駐車場
    あり
    無料
  • 営業時間
    午前7時~午後5時30分(但し午前8時~9時は女性専用時間)

八甲田山登山ルート⑤/谷地温泉~酸ヶ湯【難易度高】

Photo by Real Estate Japan Photos

約400年の歴史があり日本三秘湯と言われる谷知温泉から高田大岳、八甲田大岳を登頂。大岳ヒュッテから大湿原地帯の毛無岱を経て酸ヶ湯温泉に至る縦走ルートです。距離が長く、谷地温泉から高田大岳までは急登があり、また仙人岱分岐まではアップダウンも多く、登山道は時期によってはぬかるみが多くありますので、初心者向けよりは難易度は高レベルの健脚者向けにおすすめのルートです。

ルート概要・その①


コースタイムも長く要しますので、早朝に秘湯と言われる谷地温泉をスタート。ロングコースであることと遊歩道などに迷い込む恐れがありますので標識をしっかり確認しましょう。当然マップ・コンパスは必携アイテムです。ぬかるみのある滑りやすい登山道でヤブ漕ぎ(低木や繁った草地などをかき分ける仕草)が必要な個所もあります。ハイマツ帯の急坂を登りきると高田大岳(標高1,559m)です。小岳に向かって湿原地になっているコルに下り、ヤブ漕ぎをしながら登り返し展望の良い小岳山頂に到着です。

ルート概要・その②

小岳で小休憩したら20分ほど歩き酸ヶ湯温泉ルートの分岐を八甲田大岳に向かいます。神秘的な湖面を見せる鏡沼を眺めて八甲田大岳山頂に到着。広々とした山頂から広大な展望を満喫したら大岳ヒュッテに下り、井戸岳、赤倉山ルートの分岐を毛無岱方面へと向かいます。湿原に設営されている木道を進んで上毛無岱、下毛無岱と夏の時期は高山植物、秋の時期には美しい紅葉と自然が広がる広大な湿原地帯を辿って酸ヶ湯温泉にゴールします。

アクセスルートDATA

【登山ピーク時期:5~10月、日帰り、難易度:中の上レベル】
【アクセス情報:距離約12.1km、累積標高差:登り1,337m、下り1,239m】
【ルートマップ参考コースタイム:約8時間20分】谷地温泉スタート⇒(150分)高田大岳⇒(40分)田代平分岐⇒(60分)小岳⇒(20分)縦走路分岐⇒(50分)八甲田大岳山頂⇒(30分)大岳ヒュッテ(分岐)⇒(50分)上毛無岱⇒(30分)下毛無岱⇒(60分)酸ヶ湯温泉ゴール
 

谷地温泉

約400年の歴史を誇り、日本三秘湯の一つとして良く知られています。38度の「下の湯」は霊泉と言われ、「上の湯」は白濁した42度の二つの異なった泉質の湯があります。腰痛やアトピーに効能があるとされ、多くの湯治客や、八甲田山への登山者にも人気のある温泉です。

  • 住所
    〒034-0303
    青森県十和田市法量谷地1
  • 電話番号
    0176-74-1181
  • アクセス
    JR青森駅よりバス利用約120分(車)黒石ICより約60分
  • 公式サイトURL
    https://www.yachionsen.com/

まとめ

フリー写真素材ぱくたそ

冬季は有数の豪雪地帯となる八甲田山ですが、ベテラン登山者であれば装備もしっかり整え、マップ・コンパスを携え、天候を判断して登れば見事な樹氷を眺めることができる冬山踏破も可能です。ご紹介したルートは春から夏、紅葉の美しい風景が楽しめる難易度もそれほど高くない初心者の方向けのおすすめルートを挙げてみました。登山道は滑り易かったり、ガレ場も歩かなければならない個所もありますので登山用の装備を用意し、無理なく注意して臨みましょう。

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