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初心者でも楽しめる白馬岳の登山ルート3つ!その魅力やおすすめの装備もご紹介!

白馬岳登山の初心者向けコースは、白馬大池を拠点とする3ルートがあります。ロープウェイなどを使うことで白馬岳へのアプローチが早くなり、一泊もするため難易度は高くありません。7月中旬からの季節の花を愛でながら時間をかけて登る、白馬岳の登山情報についてご紹介します。
更新: 2023年8月29日
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白馬村周辺の6つの主要な登山エリア

Photo by wakaba-shinshu

後立山連峰山麓の長野県北安曇郡白馬村(はくばむら)と新潟県糸魚川市には、ロープウェイなどのあるスキーゲレンデや民宿とともに、登山ルートも整備されている6つのエリアがあります。

特に白馬村は昔からスキーと登山のメッカとして知られています。1998年の長野冬季オリンピック会場にもなり、さらに有名になりました。少しずつ時間をかけて登山の全ルート制覇を目指しましょう。(2021年1月31日時点の情報です)

初心者向け登山ルートは2エリア

Photo by tsuda

登山初心者向けコースがあるエリアは、長野県白馬村の「栂池高原」か、新潟県糸魚川の「白馬乗鞍高原」の2エリア周辺となります。

ほかの山麓エリアはすべて長野県で、冬期オリンピック会場にもなった「白馬八方」のほかに「白馬岩岳」・「Hakuba47」・「白馬五竜」の4エリアです。6エリアすべてが、スキー場や登山などのアウトドア拠点です。大雪渓ルートは、オリンピック会場になった白馬八方エリアに属します。

白馬岳はどんな山?

フリー写真素材ぱくたそ

中部山岳国立公園内の白馬岳(しろうまだけ:標高2,932メートル)は、飛騨山脈(通称:北アルプス)北部の後立山連峰の最高標高の山です。美しい姿は、白馬鑓ヶ岳・杓子岳とともに白馬三山として親しまれています。

白馬岳は花の名山としても有名で、高山植物の季節にはお花畑が目的の多くの登山者が訪れるのです。高山植物だけではなく、全長3.6キロメートル・標高差600メートル、日本最大の万年雪の大雪渓も名物です

後立山連峰とは?

Photo by Kumpei Shiraishi

後立山連峰は、飛騨山脈の黒部川から東側にある連峰です。白馬三山(白馬岳・槍ヶ岳・杓子岳)のほかに、五竜岳・唐松岳・小蓮華岳・乗鞍岳・旭岳・犬ヶ岳と続き、最後は新潟県の日本海に、親不知断崖となって沈んでいます

東北日本と西南日本の境目であるフォッサマグナの大断層が険しい地形をつくり、万年雪の白馬岳大雪渓が出来上がりました。後立山という呼称は富山県側から見て「立山」の後ろにある山々という意味なのです。

白馬岳の名前の由来

Photo byTsippendale

昔、白馬岳は山名がなく、地域の人たちは西にそびえる山とのことで「西山」と呼んでいたそうです。

現在の白馬岳(しろうまだけ)の名前の由来は、白馬大池ルートからの白馬岳手前にある三国境の南東面に、春先に現れる馬の雪形にあります。この馬の雪形が現れる季節を苗代を作る目安にし、苗代馬を代馬(しろうま)と呼んだのです。"白"は、地図製作のために陸地測量部が当て字したものといわれています。

白馬岳登山のおすすめの季節

Photo by coniferconifer

白馬岳のおすすめの季節は、高山植物の7月中旬から9月初旬です。石灰岩や蛇紋岩などの特殊な地質のため、シロウマの名前が付いたアカバナ・チドリ・リンドウなどの固有植物の種類も豊富。

白馬大池ではチングルマ群落、乗鞍岳の登りではツマトリソウ・ギンリョウソウなどが。小蓮華山から白馬岳周辺は、シナノキンバイ・ミヤマキンバイ・コマクサなど。白馬岳周辺ではシナノキンバイ・コマクサなどが季節になると観察できます。

白馬岳登山の難易度

フリー写真素材ぱくたそ

初心者向けの白馬岳登山ルートは3つですが、いずれも歩行距離が長いため日帰りの難易度は中級以上と考えましょう。初心者は一泊以上しないと体力的にきついため、登山計画は日帰りではなく、無理のないように一泊以上の予定を立ててください。

できれば山麓の宿泊施設で前泊または後泊もすることで、時間的にも気持ち的にもゆとりが持てます。宿泊施設はそれぞれに特徴があるので、いろいろチェックするのも楽しみの一つです。


白馬岳登山の服装・装備

服装

Photo byMaBraS

白馬岳はトレッキング感覚で登山できる山ではないので、装備と服装は原則的なものを必ず用意しましょう。初心者も比較的安心なルートもありますが、白馬岳は3,000メートルに近い高山のため油断大敵です。

山の天気は急変しやすく、気温も一気に下がります。重ね着のできる登山用の服装・防寒具・雨具、ハイカットの登山靴などの基本的な服装をご用意ください。白馬岳山中に一泊するため、着替えなども用意したほうが安心です。

装備

Photo bymaxmann

服装とともに装備も重要です。霧やガスが掛かると視界が悪くなるため、登山マップ・コンパスは必須です。大雪渓ルートでなければアイゼンは必要ありませんが、長距離歩行のためストックを用意したほうが安心です。救急用品などの装備も用意しましょう。

行程は最低でも一泊のため、ヘッドライトのほかに山小屋に宿泊するためのタオルなどの備品も必要です。念のために持ち物リストを作成し、忘れ物がないようにしてください。

登山初心者コースのおすすめ3ルート

白馬大池山荘が宿泊拠点

フリー写真素材ぱくたそ

初心者向けのコースは、白馬大池にある山荘(標高2,380メートル)を宿泊の中継地点にして白馬岳を目指すコースです。白馬大池までのルートは「栂池高原ルート」「蓮華温泉ルート」「風吹大池ルート」の3つです。

白馬大池までの時間は、それぞれ3時間超から5時間は掛かります。ルートによって歩行距離などの難易度が変わるので、細かくチェックしておきましょう。

中・上級者の宿泊施設

Photo by yari3180m

同じルートでも中・上級者の宿泊地は、白馬大池山荘ではなく、白馬岳から10分ほど先にある「白馬山荘」か大雪渓ルートに30分ほど下った「頂上宿舎」の場合が多いようです。

宿泊をこの2施設にすると、歩行距離が最長で8時間超となります。初心者には体力的にも技術的にもきついため、決して無理しないようにしましょう。

白馬大池から白馬岳は同一ルート

フリー写真素材ぱくたそ

白馬大池山荘から白馬岳までのルートは、「栂池高原」「蓮華温泉」「風吹大池」の3ルートとも同じです。「乗鞍岳」「小蓮華山」を経由して白馬岳です。

白馬大池は、季節の高山植物が咲き誇るルート上で人気の場所。白馬大池のあとは雷鳥坂に取付いて船腰ノ頭から、ガレ気味の登山道を小蓮華山(2,769メートル)に向かいます。富山県・新潟県・長野県分岐の三国境(2,751メートル)まで来れば白馬岳まではひと息です。

 

ルートの距離と所要時間

白馬大池山荘から白馬岳までの距離は5.2キロメートルで、標準歩行時間は4時間弱です。下山は3時間が目安です。

白馬大池山荘(2時間10分)→小蓮華山(35分)→三国境(1時間)→白馬岳到着

白馬大池

神秘的な雰囲気がただよう白馬大池(標高2,379メートル・周囲2キロメートル)は、北アルプスの雪解け水が池となった「天上の池」です。

池の周辺に咲くチングルマやイワギキョウ、ハクサンコザクラなどの高山植物の群落が見事で、まるで箱庭のようと称えられます。池の中に魚はいませんが、生息数が減少している夜行性の黒サンショウウオが生息しています。

1.栂池高原ルート

Photo by tsuda

ロープウェイなどで一気に標高を稼げる人気コースですが、宿泊する白馬大池山荘の到着時間に合わせて計画的に行動しましょう。

栂池高原駅(標高839メートル)→パノラマウェイ【ゴンドラリフト(20分)→ロープウェイ(5分)】で標高1,829メートルの栂池自然園に到着。栂池自然園登山口(1時間40分)→天狗原(2時間15分)→宿泊地:白馬大池山荘(2時間10分)→小蓮華山(35分)→三国堺(1時間)→白馬岳

ルート内容と難易度

難易度は、ルート上に危険個所がないことと、白馬大池までの標高差は551メートルなので、決して高くありません。樹林帯のジグザグ道を進むと、木道が敷かれてある美しい高層湿原の天狗原に到着です。乗鞍岳へのガレ場の取付きは、身体全体で慎重に登りましょう。

雪渓を渡りますが大雪渓ルートのようにアイゼンは必要ありません。少し登ると広めの台地の乗鞍岳に到着です。大きなケルンから下りになり、白馬大池に到着します。

駐車場

バス停と駐車場は同じ場所で、すぐ目の前から栂池自然園へ行ける栂池パノラマウェイ(ゴンドラリフト&ロープウェイ)があります。駐車場は広くて夜間も開放されています。駐車場は約400台、料金は1日500円。トイレ・飲料水もあります。

栂池自然園

栂池自然園は、植物が何層にも高く積もってできた日本有数の高層湿原です。ミズバショウ湿原やワタスゲ湿原、浮島湿原などがあり、5.5キロメートルの園内を4時間ほどで一周できます。

万年雪による冷たい風が吹き出す風穴もあり、自然の神秘に驚かせられます。園内内からは白馬連峰も一望できるので、絶好の写真スポットにもなっているのです。

白馬村:栂池自然園

栂池高原スキー場(Tsugaike Kogen Ski Resort)

  • 住所
    〒399-9422
    長野県北安曇郡小谷村栂池
  • 電話番号
    0261-83-2515(栂池高原観光協会)
  • 公式サイトURL
    https://www.nsd-hakuba.jp/lp/tsugaike/
  • アクセス
    車:長野IC、安曇野ICより90分。JR長野駅から特急バスで90分、南小谷駅からバスで25分。
  • 駐車場
    あり
    無料:第1(120台)第2(200台)チャンピオン(30台)

2.蓮華温泉ルート

運上の露天風呂で有名な標高1,470メートルの蓮華温泉へ、バスで一気に標高を稼ぐルートです。泊まりは、中・上級者は白馬山荘か白馬頂上宿舎が多いですが、初心者は無理せずに白馬大池山荘にして疲れを取りましょう。

蓮華温泉(1時間40分)→天狗ノ庭(1時間20分)→宿泊地:白馬大池山荘(2時間10分)→小蓮華山(35分)→三国境(1時間)→白馬岳

ルート内容と難易度

難易度は、ルート上に危険個所がないので決して高くありません。蓮華温泉から宿泊地の白馬大池までは標高差905メートルあり、初心者には少しきつく感じるかもしれません。

樹林帯をジグザクに登っていき、尾根先を乗り越すように回りながら樹林帯に入ると、天狗ノ庭に到着。季節には、ハクサンシャジンやムシトリスミレなどが観られます。高度が上がると樹木のない一直線の登山道に出て、少し頑張ると白馬大池に到着です。

白馬蓮華温泉

蓮華温泉は、上杉謙信によって発見されたという伝説のある秘湯です。山の中に露天風呂の蓮華七湯が点在し、源泉地では地獄を思わせるような湯気が立ち込めています。

新潟県糸魚川方面からの連絡バスがあるのでアクセスもよく、白馬岳や朝日岳登山の拠点としても人気です。大きな内湯がある近代的な温泉ロッジで、登山の前泊や疲れた身体を休める後泊もおすすめです。

白馬岳蓮華温泉ロッジ

  • 住所
    〒941-0067
    新潟県糸魚川市横町5-5-14
  • 電話番号
    白馬岳蓮華温泉ロッジ 直通衛星電話 090-2524-7237(3月中旬~10月20日)
  • アクセス
    最寄り駅/JR平岩駅・JR糸魚川駅糸魚川バス白馬岳登山バス(蓮華線):糸魚川駅アルプス口始発で午前と午後各2本・糸魚川駅南口始発で午前と午後各1本(復路も同数)料金1,790円
  • 駐車場
    あり
    車利用の場合も、平岩駅前の無料駐車場を推奨。平岩駅からも白馬岳登山バス利用(1,210円)
糸魚川観光ガイド:糸魚川白馬岳登山バス

3.風吹大池ルート

日本アルプスで最も大きい風吹大池がある、風吹登山口(標高1,778メートル)まで車で一気に標高を稼げるルートです。白馬大池山荘までは約5時間掛かるため白馬岳を目指す人はあまりおらず、静かな山歩きとなります。天狗原で栂池高原ルートと合流です。

風吹登山口(3時間)→天狗原(2時間15分)→宿泊地:白馬大池山荘(2時間10分)→小蓮華山(35分)→三国堺(1時間)→白馬岳

ルート内容と難易度

難易度は、ルート上に危険個所がないので決して高くありませんが、白馬大池山荘まで約5時間のため初心者はきつく感じるでしょう。単独登山は避けたほうがベストです。

樹林帯を進むと美しい天狗原に到着です。乗鞍岳へのガレ場に入るので身体全体で慎重に登ります。雪渓がありますが、大雪渓ルートのようにアイゼンは必要ありません。少し進むと広い台地の乗鞍岳に到着し、大きなケルンから下り、やがてゴールの白馬大池です。


風吹山荘

  • 住所
    〒399-9422
    長野県北安曇郡小谷村北小谷風吹国有林内
  • 電話番号
    080-5340-7635
  • アクセス
    車/糸魚川駅から99分
  • 駐車場
    あり
    風吹登山口(土沢登山口・林道土沢線終点標高1095m地点)/無料

風吹大池

風吹山荘は、日本アルプスの北東端にある風吹大池(標高1,778メートル)のそばにあります。風吹大池とは、風吹岳(標高1,888メートル)の麓にある北アルプスで最も大きな池で、一周もできます。

オオシラビソやダケカンバが茂る風吹大池の周りには、個性的な小敷地・血の池・神の田圃・科針池などの衛生湖もあり、神秘的なたたずまいを深めているのです。

下山はルートを変えてみる

フリー写真素材ぱくたそ

初心者向けの白馬岳コースは白馬大池を経由する3ルートですが、下山は違うルートを選択するのもおすすめです。往路に「栂池高原ルート」を使った場合の下山は、「蓮華温泉ルート」の温泉ロッジでの湯浴みや、「風吹大池ルート」の風吹山荘で後泊し、翌日は風吹大池散策を楽しむのもよいでしょう。

「蓮華温泉ルート」や「風吹大池ルート」を使った場合は、「栂池高原ルート」で栂池自然園を楽しむのも楽しいはず。

大雪渓コースは中・上級者向け

フリー写真素材ぱくたそ

大雪渓ルートは、登山者の力量によって3時間から5時間は掛かる、全長3.6キロメートル・標高差600メートル、日本最大の万年雪の大雪渓があります。装備は、急な大雪渓を登るアイゼンや落石を避けるためのヘルメットも必要です。

山頂近くにお花畑もあり、登山の醍醐味が感じられるため人気のルートですが、初心者にはきつい登山となります。登山の経験を十分に積んでから挑戦しましょう。

コースの内容と難易度

フリー写真素材ぱくたそ

白馬岳登山拠点の猿倉(標高1,250メートル)から、ほかの初心者向けのロープウェイなどを使うコースとは違い、自力で登山となります。猿倉からしばらくはゆるい登りで、山小屋のある御殿場から登山道です。白馬尻を超えて3号雪渓と2号雪渓も比較的ゆるやかですが、超えるといよいよ大雪渓です。

猿倉(1時間30分)→白馬尻小屋……【白馬大雪渓(3時間~5時間)】→頂上宿舎(20分)→白馬山荘(15分)→白馬岳

白馬岳登山は白馬大池拠点ルートで!

フリー写真素材ぱくたそ

初心者の白馬岳コースは、白馬大池山荘で一泊する3ルートがあります。最も人気があるのは、リフトとロープウェイで1,829メートル地点まで一気に上がる栂池高原ルートです。下山後の湯浴みが楽しみな秘湯の蓮華温泉ルートも人気です。距離がありますが、風吹大池ルートは静かな山歩きが楽しめることでしょう。

おすすめの季節は、高山植物が咲き誇る7月中旬から9月初旬。服装と装備をしっかり準備して登山してくださいね。

白馬のほかの山が気になる人はチェック!

白馬岳などで登山の経験を積んだあとは、同じ後立山連峰の五竜岳や唐松岳登山にも挑戦してみましょう。詳しい情報が紹介されてあるので、ぜひ参考にしてくださいね。