ロードバイクのペダリングを強化しょう
趣味や健康維持のためにロードバイクを始められる方が増えてきています。ロードバイクの醍醐味と言えば、機械的なエンジンパワーに頼ることなく、体幹や脚力によって時速40キロメートル以上の高速巡航です。フレーム、タイヤ、漕ぎ方によっては、原付バイクを超す時速60キロメートルでの走行も可能。速く走る方法は、ロードバイク本体の重さを軽くしたり、変速段数を増やしたりする必要がありますが、基本はペダリングにあります。
ペダリングの基礎知識から上達のコツまで一挙公開
バイクライフをより上質なものにするには、ペダリングが非常に重要です。どんなに高価なフレームを使っていても、ペダリングがおぼつかないとスピードアップはおろか、数十分乗っただけでヘトヘトに。そこで今回はロードバイクのペダリングについて、基本の乗り方や漕ぎ方の種類など基本知識を紹介します。速く走るコツや疲れない走り方といった、上級者向けの情報も解説しますので、練習方法の参考にどうぞ。
ロードバイクペダリングの練習前はアップが必須
ペダリングの練習は、慣れないうちは筋肉疲労を激しく伴いますので、ケガや事故を防止するためにもウォーミングアップは欠かさず徹底しましょう。とくにヒルクライムを想定したハードな練習方法を取り入れる前は、しっかりウォーミングアップで体を温めて、本来の力を発揮していきましょう。
ウォーミングアップ①力を入れず徐々に加速
ウォーミングアップの目的は、心拍数と体温を高めて、本番や練習で本領発揮するために行います。よってウォーミングアップでは力をほとんど使いません。まずは軽いギアでゆっくり走行します、徐々に負荷を上げていき、辛いと感じる1歩手前でスピードアップをやめます。体が温まってきたらウォーミングアップはOKです。
ウォーミングアップ②一度心拍数を落ち着かせる
ウォーミングアップが完了して、そのままの状態で練習に入るのも良いでしょう。しかし一度小休憩を挟んで、心拍数を落ち着かせてから練習に入るのをおすすめします。一旦筋肉を休せることでパフォーマンスは上がりやすく、長時間練習しても疲れないメリットがあるので、ウォーミングアップ後は3分程度時間を休みましょう。ウォーミングアップにかける時間は人によってばらけますが、30~60分が平均的と言われています。
ロードバイクペダリングの基本の乗り方を紹介
ペダリングのいろはをお伝えする前に、まずは基本中の基本となる乗り方から解説していきます。正しい乗り方を覚えておくと、長く走っても疲れない姿勢を得ることができますし、転倒のリスクも減りますのでしっかり習得しておきましょう。
乗り方①グリップの握り方
一般的な街乗り用自転車と、大きく形が異なるロードバイクのハンドル。握り方には少しコツが要ります。縦長のブレーキレバーを親指以外の指でホールドしたら、そっと親指をハンドル上部に沿えると、自然と力が入りやすなり、グリップをしっかり握れます。ブレーキを安全にキャッチできていれば問題ないでしょう。
乗り方②漕ぎ出してからサドルに座る
ロードバイクのサドルは、直立したときの腰の高さより上にあります。停止状態で無理に乗る乗り方をすると、まずバランスを崩して乗れません。なので、バランスを安定させるために、まず片足をペダルに乗せて踏み込んでから座る乗り方をしてください。座る前に軽く漕ぐ乗り方によって、ロードバイクが前進するので、横への転倒を避けながら安定ポジションにつくことができます。基本の乗り方を覚えたら、次に漕ぎ方の種類をチェックしてみましょう。
ロードバイクペダリングの3つの漕ぎ方を紹介
普段使いのシティサイクルでは、自転車の漕ぎ方をいちいち意識することはなく、ただ踏んだり回転させたりする漕ぎ方が普通。ロードバイクのペダリングも、一見するとただ脚を回転させたシンプルな漕ぎ方に見えますが、追求してみると漕ぎ方にはいくつか種類があることに気づくでしょう。ここではそんなロードバイクの漕ぎ方について、3種類の漕ぎ方を解説していきます。
コンディションによって漕ぎ方を変えよう
ここで紹介する3つの漕ぎ方は「時速0キロメートルからの漕ぎ出し」「速度が安定してからの巡航」「坂道をグングン上る漕ぎ方」など、そのときのコンディションに合わせた漕ぎ方になります。その時々に応じた体の使い方をすることで、速く走れたり疲れない走行ができたりするメリットがありますので、確実に会得していきたいですね。逆に意識しないでいると、あっという間にライバルに先を越されてしまうので、ぜひ覚えていきましょう。
ロードバイクペダリングの漕ぎ方①初速
ロードバイクが停止しているときの、走り出しは最も筋力を使用するシーンです。初速では重たいペダルを押していく必要があるので、脚の中でも筋力が強い太ももの筋肉を活用していきましょう。360度回転するペダルが、一番てっぺんの位置にくることを「0時」と呼びます。初速で効率よくスピードアップするコツは、ペダルが0時の位置にあるとき、ももの筋肉を使って押し込むのがポイントです。
前傾姿勢で素早く加速しよう
初速からグングン加速していく間は、慣れているプレイヤーでも疲労する場面になります。ですので、安定速度に入るまでスムーズな加速が大事です。0時のタイミングでペダルを押し込むのと同時に、上半身の姿勢を意識します。風の抵抗を最小限に抑えるため、前傾姿勢をキープしてください。風の抵抗を少なくすることで、脚力の消耗を和らげて、すみやかに安定速度へつなげることができます。
ロードバイクペダリングの漕ぎ方②安定速度
初速の漕ぎ方は非常に体力を消耗するので、いつまでもこの漕ぎ方をしていては、経験者でもすぐバテてしまいます。なので巡航速度が25キロメートルほどに達したら、筋肉負担が少ない漕ぎ方に変えていきましょう。具体的な方法は、ペダルを押すから回す感覚に変えることです。初速では0時の位置でペダルを押し込んでいたのに対して、安定走行時は押す力は程々にして、6時の位置からのペダルを引き込む意識をします。
無駄な力を使わない
時速20~25キロメートルほどの速さでは緩やかに減速していくので、スピードアップを気にするのではなく、スピードダウンしないようにペダルを回転させるイメージを持ちましょう。腰やお尻はブレないように固定して、脚は自然と回転しているペダルの回転率に合わせて回す。このように、極力最低限のエネルギーで、現在の速度をキープし続けることがポイントになります。
ロードバイクペダリングの漕ぎ方③上り坂
3つ目の漕ぎ方は、登り坂を走行する際に役立つ方法です。ロードバイクを持っていない方でも、誰もが上り坂を走る辛さを経験しているでしょう。上り坂で疲労困憊してしまう原因は、脚力に頼った漕ぎ方をしているからです。ここで紹介する方法は、腰・お尻を利用した漕ぎ方になります。上り坂に入ったら、お尻を左右にフリフリ振るようにして、スピードアップしていきます。お尻の反動を使うことで、脚の負担を軽くして、きつい坂も上りやすくなるのです。
上り坂なのに加速もできてしまう
坂を上る際、普通の漕ぎ方では低速でジワジワと走行するイメージがあるでしょう。しかしお尻を活用した走り方になると、勾配の厳しい坂でさえも、まるでエンジンを積んだバイクのように加速することが可能です。初心者はいきなり真似することはできませんが、徐々に乗り方を覚えてくると、ヒルクライムでもグングン加速させることができます。最初は体が左右にぶれやすいので、公道で練習する際は周囲に十分注意しましょう。
ロードバイクペダリングの速く走るコツを紹介
ロードバイクの楽しみは、人力だけで高速移動ができる点につきます!上手くいけば、瞬間最高速度を60キロメートルまで伸ばすことも可能。ここからはスピードアップに重点を置いた、ロードバイクのペダリングのコツを解説していきます。風を切って高速巡航するのは非常に気持ちよい瞬間ですが、事故に危険を伴うので、ヘルメットの着用と道路状況にしっかり注意して巡航を楽しみましょう。
ロードバイクが低スペックでも速く走れる
ここで紹介する速く走るコツを実践すれば、10万円以下の安いロードバイクでも、時速30キロメートルを長時間キープするといった走り方ができるようになります。主な方法は、変速ギアの正しい使い方と、基礎体力の向上によるものです。速く長く走れるようになれば、走行時のストレスを軽くしながら、より遠くへのツーリングも叶います。ロードバイクライフをエンジョイするためにも、速く走るコツを覚えておきましょう。
ロードバイクペダリングの速く走るコツ①ギア調整
速く走るコツは無駄のないギアチェンジにあります。初動、坂道、市街地などゆっくり走る時は、フロントギアは軽いインナー、リアギアも軽いローギアにチェンジすると効率よくスピードアップします。平地で速度が安定したときは、フロントは重いアウターにして、リアを中間に置くと筋肉疲労を抑えながら高速走行を維持できます。下り坂では、フロントもリアも重い位置にチェンジすると、驚くほどのスピードアップが期待できます。
重い設定が速く走れるわけではない
軽いギア設定だと、回転数が速くなり初速の加速がつくだけで、スピードアップは望めません。なので速さを求めるには重いギアにチェンジする必要がありますが、単純に限界の重さにするだけでは逆効果になってしまいます。べダルが重いと一回転で進む距離が長くなり、結果スピードアップに繋がりますが、自分の筋力が追いつけない場合は、ただ重く苦しい思いをするだけで、回転数は上がらずスピードアップは期待できません。回転可能数とギアの重さのバランスが重要になります。
ロードバイクペダリングの速く走るコツ②筋トレ
正しい乗り方と、スピードアップを目的としたギアチェンジを実践しても、思うような速さにならない時は他の対応が必要になります。ロードバイク本体をグレードアップさせるか、筋トレで自分自身をアップデートしてみましょう。ここで紹介するのは自分自身を強化する筋トレ。筋力アップにより、スピードアップ効果と長く走れる持久力アップ効果の、2つのメリットを得ることができます。
筋トレ方法を紹介
ロードバイクのペダリングは全身を使っていくので、上半身と下半身の両方を鍛えていきます。まず筋トレの方法ですが、おすすめはマシントレーニングです。腕立て伏せやスクワットでは、多少の筋力アップは望めますが、本格的に筋力アップをするならマシンを使った重量トレーニングがベター。上半身を鍛えると、体のブレを抑えて安定走行力が高くなり、下半身を鍛えると、重いペダルの重力を動かす原動力アップに繋がります。
体重が増えても速く走れるのか?
筋トレをして筋肉量が増えると当然体重も増加します。重い体でロードバイクを走ったら、スピードが遅くなると懸念する人もいるでしょう。しかし正解は道路のコンディションによって変わります。勾配のないほぼ平地な道路では、体重が重い人の方がペダルを漕ぐパワーが強いので、スピードの伸び良くなります。反対に軽い体重では、初速の加速は速くスムーズですが、パワー不足なので最高速度は重い体重の人より不利になります。
ロードバイクペダリングの疲れない走り方を紹介
「スピードは20~30キロメートルといったそこその速度を保ちながら、疲れないツーリングをしたい」ビギナークラスの方なら、誰もが望む走り方でしょう。ペダリングの練習次第では、時速40キロメートルをキープしながら、疲労感を最小限に抑えることが可能です。ここからは、疲れないペダリングのコツ・走り方を紹介していきます。しっかりマスターして楽しいロングツーリングを楽しみましょう。
疲れない走り方は体調管理が大前提
どんなに安定感の高いスキルでペダリングしても、体調管理が良くないとすぐに疲れを感じてしまいます。ペダリングによって失うエネルギーは糖質と水分です。長距離ツーリングになればなるほど、栄養補給などの体調管理が必要になってきますので、疲れないペダリングの練習する前にしっかり糖質と水分を補給しておきましょう。また練習最中も、時間を決めて軽食小休憩などを挟むことが大事です。
ロードバイクペダリングの疲れない走り方①平地
勾配のない平地で疲れないペダリングをするには、ペダルが5時の位置で脚をまわす巻き足、7時の位置で脚を引く引き足を活用します。スピードアップに重要な漕ぎ方は0時の位置でペダル押すことでしたが、疲れないペダリングでは、押す力は控えるか全く押さないで脚をまわすことに意識しましょう。慣れないうちは低速してしまいますが、巻き脚と引き足で速度を保てるようになると、長距離を走っても疲れない走りができるようになります。
軽いギアから練習しよう
ペダルを押すのではなく回すペダリングは、疲れないメリットがありますが低速になるデメリットがあります。速度を上げるにはギアを重くして一定の回転率をキープする必要がありますが、始めからトップギアで引き脚や巻き足を実践すると、重くてほとんど動かすことができないでしょう。なので、始めのうちは軽いギアにしてゆっくりな速度でいいので、押すのではなく回すを意識したペダリング練習をしましょう。
ロードバイクペダリングの疲れない走り方②坂道
ロードバイクで街を滑走中に最も疲れるスポットは上り坂です。坂道では全体重をフルに使って、ペダルをグイグイ押し込んで上るイメージがあるかもしれませんが、疲れない走行にするには坂道でも引き足や巻き足が必要になります。上り坂でペダルをまわすのは、かなりハードな漕ぎ方になりますが、押し脚と引き足をバランスよく使えるようになると上り坂でも疲れにくい安定した走りができるようになります。
背筋を伸ばしたブレない姿勢が重要
坂道を走行中に疲労を感じるのは、脚の疲れだけではありません。いちいち上半身がブレるたびに、体勢を直すために体力が奪われてしまいます。猫背だと、風の抵抗を受けて体がブレる原因になるだけでなく、肩こりなどの疲労に繋がってしまいます。なので疲れない走りを意識するなら、ペダルの回し方と背筋を伸ばしたブレの少ない姿勢に注意することが大切です。
ロードバイクペダリングの効率的な練習方法を紹介
最後に効率性を高めたペダリングの練習方法を紹介していきます。公道でロードバイクに乗れる時間は、人それぞれ異なり時間も限られているでしょう。もっと練習メニューの幅が広がれば、効率よく練習できるはずです。ここでは普通の練習方法とは一味違ったやり方を紹介します。
ローラー台を使った脚の位置確認
ローラー台というロードバイク専用の練習アイテムでは、ロードバイクを固定させることができ、その場でペダリングの練習が行えるようになります。実際に屋外を走るわけではないので、屋内でも利用可能で効率性が高まります。具体的な練習方法は、主に脚の位置を確認したり回転の仕方をチェックしたりします。押し脚や引き足など、停止した落ち着いたコンディションで確認できるて効率的です。
ゲーム感覚で楽しめる高効率なトレーニング
ローラー台は既に様々な種類の商品が開発されており、中にはPCと連動することによって、バーチャル空間を疾走できるゲーム仕様の高効率練習メニューもあります。オンラインでは、遠く離れたプレイヤーと一緒にツーリングに出かけることもできるので「家に帰ってからもロードバイクに乗りたい」といった効率性を求める方におすすめです。
まとめ
ペダリングのコツは、路面状況に合わせたギアチェンジ、スピードアップなら押し脚、長距離の安定走行なら引き脚や巻き足。などなど一概には言えない部分が多く、ペダリングは知れば知るほど奥が深いことが分かりますね。どんな走り方を理想とするのか、自分の中にイメージするスタイルを確立できるように、ペダリング技術を向上させていきましょう。
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