はじめに
国産のクワガタは何種類いるのか
子どもだけでなく大人も夢中になって採集する人気の虫にカブトムシやクワガタといった甲虫類があります。特に〇〇クワガタと呼ばれる種類はとても多くて、よく知られているものやあまり見かけない名前も聞かないレアなものまで多くて見分けが付かないという場合も。日本で見つけることができる国産クワガタの中でも特にファンが多いものから少しレアなものまで、7種をピックアップしてその生態や気になる方も多いオスメスの見分け方など詳しくご紹介しましょう。
クワガタについて
クワガタという虫
コウチュウ目・クワガタムシ科に属する昆虫で世界中では何と1500種類もの数が確認されています。小型なものから大きくなると12センチほどにも達するような見事な個体も確認されペットとして高価な価格で売買されることから大人も夢中になって採取したり飼育したりする方がいるほどです。色は多くは黒褐色から赤に近いようなものが一般的です。
突起物は角ではなくあご
クワガタといえば頭部に付いている見事な突起物。多くの生き物ではこのような突起したものは角と呼ばれますが、クワガタの場合あごと呼ぶので本などで調べるときに注意が必要。このあごはクワガタムシという名前の由来でもあり、日本の武将が身につける兜に付いている鍬形と呼ばれる飾りに似ているからだといわれています。
日本で見られるクワガタは何種類?
日本国内に生存が確認されているクワガタムシの種類は39種類(2020年8月現在)といわれていますが、亜種が多くて特にヒラタクワガタだけでも亜種含め12種類います。少しずつ性質や生態系が違ったりもしますが、今回ご紹介する7種を知っていれば多くのクワガタムシを見分け、オスメスの判別をすることも容易になるでしょう。
人気国産クワガタの種類や見分け方1.オオクワガタ
基本情報
【集まる木】クヌギの木などの広葉樹
【体長】約40-70mm
【寿命】2-4年(幼虫状態で3年過ごすものも)
サイズがビッグ!人気のオオクワガタ
名前の通り体が大きいのが特徴。日本最大級と言われており小さくても3センチ。大きくなると8センチクラスも見つけることができるでしょう。有名な種類ですがとても隠れるのが上手で見つけるのが難しいためレア度は高いでしょう。同じオオクワガタ属の仲間にヒラタクワガタがいますが、実はオオクワガタよりもヒラタの方が大きくなる個体が多いです。
オオクワガタの生態
子どもが甲虫類で遊ぶとき戦わせる虫ずもうは有名ですね。オオクワガタは体も大きく強そうですが、実はとても臆病であまり戦闘的ではありません。そのせいか住む場所も人の目を避けるような物陰が多く、それもあいまって自然界ではなかなか見つけにくいと言われています。多くの甲虫類が好む広葉樹で見つけられるでしょう。
オオクワガタのオスメスの違い
クワガタムシのメスは全般にオスよりも体が小さく、長い大アゴもないものが多いです。オオクワガタのメスはそれらの特徴プラス背中に縦じわが見られるので、似たようなクワガタのメスの中でもわかりやすいでしょう。
人気国産クワガタの種類や見分け方2.ノコギリクワガタ
基本情報
【集まる木】クヌギやコナラの他ヤナギやニレの木にも
【体長】約22-77mm
【寿命】2-3年(成虫のまま越冬する)
大きなあごで見分ける!ノコギリクワガタ
とても多く採取できるクワガタの種類でそのためレア度は低いです。大型のクワガタムシの中でも特にアゴの発達が顕著で胴体と同じくらいの大アゴを持っています。アゴで見分けにくい場合は色が赤っぽいのも見分けポイントとなるでしょう。
ノコギリクワガタの生態
ノコギリクワガタの生態の特徴は広葉樹に好んで住まうことの他に、山だけでなく里の方までたくさんいるということ。そのためとても採取しやすく数も多いです。ノコギリクワガタは北海道を除く本州と九州までに分布していますので、ほぼどこでも簡単に見つけることができる甲虫類といっても過言ではありません。
ノコギリクワガタのオスメスの違い
ノコギリクワガタのメスも色が他同様体が小さくアゴがほとんどないという特徴の他に、オオクワガタなどと見分ける大きなポイントとして色が赤っぽいというのがあります。また背中の線もありません。またノコギリクワガタは雌雄がとても仲良く一緒に行動していることも多いのでペアで捕まえられることも多いでしょう。
人気国産クワガタの種類や見分け方3.ミヤマクワガタ
基本情報
【集まる木】クヌギの他ナラやハルニレなど
【体長】約23-78mm
【寿命】2-3年
名前は深い山という意味のミヤマクワガタ
ミヤマという名前が付いたのは深い山(深山)にいることからと言われていますが、里山のような場所でも見かけることも少なくありません。自然界ではよくいますが、飼うとなると飼育や人工孵化は難易度が高い甲虫でしょう。
ミヤマクワガタの生態
ミヤマクワガタは他のクワガタムシはあまり生態が確認できていない北海道でも見つけることができるのが大きな特徴。しかしあまり暑さには強くないので涼しい場所を好みますので、涼しそうなところを狙っていくと発見率があがるでしょう。クヌギの木でよく発見されます。
ミヤマクワガタのオスメスの違い
他のメスと比べてアゴが少し大きめなのがミヤマクワガタのメスの見分け方です。色は少しこげ茶がかった黒色。メスの大きさはオスと違ってどれも似たりよったり(種類さというよりも個体差と思える範疇)なので見分けにくいという方も多いですが、その中ではミヤマクワガタのような特徴的なものは判別が楽でしょう。裏返すと足の付根にオレンジ色が確認できるのも目印(オスにもあります)。
人気国産クワガタの種類や見分け方4.アカアシクワガタ
基本情報
【集まる木】ブナの木
【体長】約21-58mm
【寿命】1-2年
名は体を表すアカアシクワガタ
特徴は何といっても足の付け根の赤い部分です。ここを見て赤ければまずこのアカアシクワガタと思って間違いないでしょう。人が多くいる場所に出現するため比較的レア度は低い甲虫。
アカアシクワガタの生態
ヤナギの樹液が好物なので、そこによく集まりますがなければ他の甲虫類と同様にどんぐりの木(クヌギやコナラ)にもいます。クワガタムシの中では珍しく寒さにも強いので北海道でもよく見つけることができるでしょう。
アカアシクワガタのオスメスの違い
アカアシクワガタは他のクワガタムシのメスと表側では見分けるのは少し難しいでしょう。あまり特徴らしい特徴が表側にはないからです。しかしオスと同様に裏返してみると足の付け根が太く発達しており色も赤っぽいのが見分けポイント。人でいうところの太ももが立派といった感じのアカアシクワガタがメスでしょう。
人気国産クワガタの種類や見分け方5.オニクワガタ
基本情報
【集まる木】ブナの木の他トチノキにも
【体長】25mm程度
【寿命】1週間程度(成虫)
レア度が高いオニクワガタ
短いながらもいかついあごが付いているのがこの甲虫の特徴です。オニという名前が付けられたのも、そんな見た目に由来するのではないでしょうか。レア度が高めなのは住んでいるところに由来します。特徴的な短く太いアゴが付いているので何かのメスと間違えられる場合もあるクワガタです。
オニクワガタの生態
オニクワガタが生息するのはブナやミズナラといった木。これは標高の高い場所に生えていることが多いので、オニクワガタの生息地も山の高い場所となってしまいます。成虫になってからの寿命が1週間程度ということで越冬はしません。
オニクワガタのオスメスの違い
オニクワガタのオスメスは少し見分けが難しいでしょう。オスも小型でありアゴの大きさも小さいからです。メスもオスとほとんど同じような姿をしています。正確な見分け方ではありませんが、多少体の大きさが小さなものがメス。幼虫時期からであれば、胴体の線など模様によってオスメスの見分けをつけることができるでしょう。
人気国産クワガタの種類や見分け方6.コクワガタ
基本情報
【集まる木】川沿いのヤナギやアキニレ
【体長】約17-57mm
【寿命】1-2年
小さくてかわいいコクワガタ
レア度も低く体が丈夫で取りやすい・育てやすいと甲虫初心者の採取・飼育におすすめの小型のクワガタの種類。名前の通り小型の種類で小さな瓶の中などでも育てることが可能。
コクワガタの生態
コクワガタは寒さにも比較的強く長生きする種類なので2-3年生きるものも珍しくなく、大きくなると小型種とはいえ5センチくらいになるものも珍しくありません。クヌギやコナラに集まりますが、街中でも公園の木などにも生息しており夜はコンビニなどの明かりに集まることも珍しくないでしょう。
コクワガタのオスメスの違い
コクワガタのメスも他の種類と比べると一回り程度体が小さいのが特徴。オスとの違いはもちろん大アゴの有無ですが、背中を触ってみるとザラザラしているのもコクワガタのメス特有のポイントとなるでしょう。
人気国産クワガタの種類や見分け方7.ヒラタクワガタ
基本情報
【集まる木】クヌギ・コナラの他アキニレやオニグルミなどにも
【体長】約19-111mm
【寿命】1-3年
レア度は低め?ヒラタクワガタ
クワガタの特徴的なあごのデザインやバランスが美しく、ペットとしても楽しめるでしょう。名前の由来は平たいその体から。レア度は低くよく見かけることができます。ヒラタクワガタはオオクワガタ属の甲虫で日本では最大級と言われるのは実はこのヒラタクワガタ。ギリシャ神話のティターンに由来する小型種も亜種の中に存在するくらい海外でもポピュラーな種類の多い甲虫類です。
ヒラタクワガタの生態
ヒラタクワガタは熱帯地域が原産地の甲虫類。そのため水辺など少しジメジメとした場所を好んで住んでいるのが特徴です。本州や九州・四国に見られますが温かい地域の方が大きさも大きいという面白い差もあります。とても性格が好戦的で噛まれやすいので注意が必要。
ヒラタクワガタのオスメスの違い
ヒラタクワガタという名前は体が平たい(厚みがない)から来ています。これはオスメス共通ですが、オスに比べてアゴが小さく、ツルンと光沢がある体をしているのがメスの見分け方です。他のクワガタのメスとも体の厚みで見分けが付きやすいでしょう。
まとめ
人気のレアな種類も!国産クワガタは数が多い
大きくて立派なあごを持つものはどうしても目立つため人気が集まりやすいですが、国産のクワガタは種類も多くサイズが小型でもあごと体のバランスが良かったりと美しいものもたくさんあります。小型のものは得てして飼育しやすいものが多いので、初心者が飼うのにも向いているといえるでしょう。
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