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オオクワガタの産卵・繁殖方法!適した温度や時期から必要な準備を解説!

オオクワガタの産卵・繫殖方法をご存知でしょうか?オオクワガタの産卵・繫殖は温度や湿度管理、時期、必要なセットの用意など、様々な準備が必要です。今回はそんなオオクワガタの産卵・繫殖方法、必要な準備や知識などを解説していきます!
2020年8月27日
T・S
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オオクワガタの産卵・繫殖方法は?

オオクワガタの産卵・繫殖方法を知っている方はあまり多くありません。そもそもオオクワガタ自体が珍しい存在だったりもしますので、繫殖の知識を知っている方が身近にいるのは結構珍しいことと言えます。産卵・繫殖をさせる時はいくつも気をつけることがあり、また必要な準備も色々とありますので、今回は詳しく解説していきます!

オオクワガタの産卵・繫殖に使うアイテムは?

飼育ケース

まずは産卵・繫殖の為に使う飼育ケースを用意しましょう。産卵を終えた後は親と卵を離さなければいけませんので別で用意する必要があります。飼育ケースのサイズはMサイズからLサイズで大丈夫なのですが、Mサイズだと少し小さい可能性がありますのでLサイズが無難です。ただし、Mサイズの方が交尾が行われやすいという利点もあります。

きのこマット

地面に敷くマットはきのこマットを使います。きのこマットとはクワガタやカブトムシの幼虫の飼育、産卵によく使われている発酵マットのことで、多くのオオクワガタブリーダーの方が使っています。価格は10ℓで500円~1000円程度と安価になっています。

菌糸ブロック、産卵木、人工カワラ材

オオクワガタのメスが実際に卵を産みつける為の場所も用意しましょう。菌糸ブロックが一番簡単で、他にも産卵木や人工カワラ材といったものがあります。産卵木は自分で作る必要がありますが、人工カワラ材(クヌギの木などにカワラタケ菌を植菌したもの)は販売されており、産卵・繫殖がとても簡単に行えるようになっています。

昆虫ゼリー

成虫の育成にも使う昆虫ゼリーが必要です。ペアリングされたオスとメスを一緒にケースに入れて交尾させる時に、餌が切れることがないよう、ある程度の数を入れる必要があります。昆虫ゼリーは安価で販売されており、また使用期限も長いので安心です。

スプーン

少し長めのスプーンも用意しておきましょう。使い道は幼虫を取り出す時です。幼虫が生まれた後は菌糸ビンというビンに入れて大きく育てていくのですが、幼虫は菌糸を食べてすくすくと大きくなっていきますので、定期的に取り出して、新しいビンに入れてあげる必要があります。使いやすい大きなスプーンを用意して下さい。

菌糸ビン

幼虫を育てる為の菌糸ビンも用意しましょう。菌糸ビンはただのビンではなく、中に菌糸がたっぷり詰まったビンです。ペットショップなどで安価で販売されていますので入手も容易。この菌糸を沢山食べることで幼虫は大きく育っていきます。

止まり木

オスとメスを一緒なケースに入れてペアリング・交尾をさせる時も、オオクワガタが転倒したりしないよう止まり木などを入れて配慮してあげる必要があります。止まり木の他に、枯れ葉やチップなどを入れ、出来るだけ良い環境に整えてあげましょう。

オオクワガタの産卵・繫殖方法①産卵セット

繫殖初心者は産卵セットがおすすめ

オスとメスを交尾・産卵させる時は色々と準備するものがありますが、その為に必要なものをまとめた産卵セットが販売されています。ペットショップで見当たらなくとも、ネット上のお店によく販売されていますので、はじめての繫殖で心配な方は産卵セットを使ってみて下さい。菌床で産卵させる為のセットが大抵の場合入っています。

自分でセットを作ることも出来る

ある程度慣れてきた、または特に産卵・繫殖に対して不安が無い方は自分で産卵セットを作ってみましょう。正しい手順を踏めばそんなに難しいことではありません。産卵セットには産卵木を用意するパターンと菌糸ブロックを使うパターンがあり、その両方とも後述して作り方を紹介しました。是非参考にして作ってみましょう!

オオクワガタの産卵・繫殖方法②交尾

後食が終わった成虫を交尾させる

産卵セットを用意したら、ケースに成虫を入れて交尾をさせます。その際に気をつけたいのが「成熟」していることです。オオクワガタは成虫となってから初めて餌を食べるまでに少し期間が空き、初めて餌を食べることを「後食」と言います。この後食が終わると交尾可能な「成熟」状態となります。成熟したペアをケースに入れて下さい。また、交尾をさせる時期は気温が20度以上ある暖かい時期に行いましょう。

交尾前はペアリング個体にタンパク質を与える

気をつけたいのが、ペアリングする個体が十分に体力があるかどうかです。交尾や産卵といった行動は非常に体力を使う行動ですので、ペアリングする予定のオスとメスには、事前に高タンパクな昆虫ゼリーなどを与え、体力をつけておきましょう。また、3年以上齢をとった成虫は体力が無いことも多いので、繫殖させるなら若い個体を使うのがおすすめです。

交尾期間は一週間


産卵セットを準備して、オスとメスを同じケースに入れたら、一週間ほど様子を見ます。大体これくらいの期間、同じケースに入れておけば交尾が完了しているはずです。交尾が完了すると、次にメスは産卵行動に移るのですが、その際にオスがいると産卵行動を邪魔してしまうことがありますので、別のケースに移動させましょう。

オオクワガタのペアリングは安心?

ヒラタクワガタなどは、ペアリングさせようとした時にオスがメスを殺してしまう場合があります。しかし、オオクワガタのオスはメスを殺すことがほとんどありませんので、あまり心配せず、いきなりケースに一緒に入れてしまって問題ありません。

冬眠してからの方が産卵数が増えるオオクワガタ

これはある程度慣れてきたらで構わないのですが、オオクワガタは成熟してすぐよりも、一度冬眠を経てからの方が圧倒的に産卵数が増えます。ですので、より繫殖させたい方は一度越冬させましょう。秋時期になり、15度を下回ると少し活動が鈍くなり、マットの中などに隠れるようになります。そのタイミングで、暖房の入らない温度変化の少ない部屋に移し、乾燥だけしないように管理しつつ、昆虫ゼリーが切れないよう見守ります。

オオクワガタの産卵・繫殖方法③産卵

産卵時の管理

一週間の交尾期間を経て、オスを別のケースに移したら産卵活動です。産卵前のメスは体力をつける為に餌を沢山食べるようになります。昆虫ゼリーが切れないように気をつけましょう。また、温度管理も大切で、大体25度くらいの温度を保つのがベストです。28度くらいまでなら問題ありませんので、その間の温度になるよう調節して下さい。

メスを産卵セットから取り出す

一ヶ月程度様子を見ると、メスは穴を開けて産卵しますので、菌糸ブロックや産卵木が穴だらけになっているはずで、そうなっていれば産卵完了です。産卵が完了したらメスをケースから取り出すか、もしくは菌糸ブロック・産卵木をケースから取り出しましょう。メスが幼虫を食べる危険性がありますので、念の為離しておきます。

オオクワガタの産卵・繫殖方法④割り出し

割り出しとは?

ある程度の期間が経ち、幼虫が孵化して成長してくるタイミングで「割り出し」を行います。割り出しとは産卵セットを割って、幼虫を取り出す作業を指します。菌糸ブロックなどの柔らかいものであれば手で簡単に崩せますので、幼虫を傷つけたりしないよう慎重に割り出ししましょう。

幼虫が見えてきたら割り出しのタイミング

割り出しをいつ行うのかですが、幼虫の姿を見つけることが出来たタイミングで行います。早すぎると卵のままの可能性がありますので、焦らずじっくり待ちましょう。

卵が出てきたら?

割り出しを行ってみて、沢山の幼虫が出てくる中で「卵」が出てくることもあります。この場合は待つ必要がありますので、卵をケースに戻して、もう少しの間管理してあげましょう。また、小さな容器にきのこマットを敷き詰め、指でくぼみを作り、そこに卵を移して管理するのも良い作戦です。フタをする時は空気穴を開けて下さいね。

幼虫のタイミングでオスメスが分かる

割り出しをすると沢山の幼虫が出てきますが、実はこのタイミングでオスメスの判断が出来ます。幼虫の体は白くて透き通っていますので、体の中にあるオレンジ色の卵巣が見えるのです。お尻の方の背中側にオレンジ色の斑点があればメスで、無ければオスです。ただし、オスでもオレンジ色の斑点が見えることがありますのでご注意下さい。

オオクワガタの産卵・繫殖方法⑤幼虫飼育

幼虫の餌は菌糸

割り出しが終わったら幼虫飼育が始まります。割り出した幼虫は、用意しておいた菌糸ビンに入れましょう。中に入っている菌糸が、幼虫にとっての家であり餌でもあります。因みに、この中身は広葉樹などのオガクズをきのこ菌が分解したものとなっており、幼虫が好む栄養価の高い餌となっています。成虫は樹液を餌にしますが、幼虫は木を食べるのです。

大きく成長させるか早めに羽化させるか

菌糸ビンの中に入れたら見守るだけになりますが、実はこの時、温度管理でその後が左右されます。18度から20度の低い温度で管理をすると大きなオオクワガタになる可能性が高まり、25度くらいで管理をすると早めにサナギになり、羽化が早まります。羽化が早まるということは小さな成虫になるということでもあり、どのようなオオクワガタにしたいかで温度を決めましょう。

菌糸が減ってきたら交換する

菌糸便に入れてある程度期間が経つと、大分菌糸ビンの中身が減っているはずです。かなり減ったと感じるタイミングで新しい菌糸ビンに移し変えてあげましょう。この時に、事前に用意した大きめのスプーンを使います。幼虫は非常に弱々しい状態ですので、決して傷をつけることのないよう、慎重に行って下さい。

幼虫の時期にどれだけ大きくなれるか

温度管理で大きくなるか早く羽化するかが変わることを先述しましたが、実はオオクワガタは幼虫期間の間にどれだけ大きくなれるかで、その後のサイズが決まります。オオクワガタは脱皮を行わないので、幼虫の時のサイズがそのまま成虫のサイズとなるのです。大きく育てたい方は幼虫期間にしっかり愛情をかけましょう。

成虫になるまでの期間


幼虫期間は長く、大体10ヶ月から17ヶ月ほどを菌糸ビンの中で過ごします。ですが、25度くらいの暖かい温度で管理をすれば、大体半年ほどで羽化します。温度で期間が大きく変わることが分かりますね。その間数回ほど菌糸ビンを交換することになりますが、大体の目安として、2ヶ月から3ヶ月に一回交換をすることになります。3回から5回ほど交換をするイメージですね。

菌糸ビンの質

菌糸ビンはペットショップなどで500円から1500円程度で販売されていることが多いのですが、ビンには質の違いがあり、美しいガラス瓶のものはやはり高価です。反対にポリ製のものは安価なことが多いですね。ガラスの方が透明性がありますが、落とした時に割れる可能性がありますので、安価で軽いポリ製をおすすめします。

オオクワガタの産卵・繫殖方法⑥サナギ

幼虫期間が終わりに近づくと、体は動くのに手足と口が動かなくなり、次第にサナギとなっていきます。このサナギ期間に入ることを「蛹化(ようか)」と言います。サナギになったあとは特にやるべきことはありませんので、1ヵ月から2ヶ月ほどの間、そっとしておきましょう。

オオクワガタの産卵・繫殖方法⑦羽化

サナギ時期が終わるといよいよ羽化です。しかし、いざ羽化して成虫となっても、はじめは全然動きません。はじめて餌を食べるまでは大体一ヶ月ほど期間が空きますので、その間も見守りましょう。羽化してしばらくすると自力でビンから出てきます。昆虫ゼリーを食べたら成熟したとみなすことが出来、また親個体として繫殖させることが出来ます。

オオクワガタの産卵・繫殖方法⑧産卵木

産卵木となるクヌギ材を用意

ここからはご自分で産卵セットを作る際に使う「産卵木」の作り方を解説します。まず、産卵木として使うのは、オオクワガタが大好きな「クヌギ材」がベストです。こちらはホームセンターやペットショップ、無ければネットショップなどで購入出来ますのでチェックしてみましょう。出来ればほんの少し柔らかいものを使いたいですね。

産卵木を水に浸す

買ってきたクヌギ材を、まずは水に浸します。水に浸す時間は10分程度という方もいれば、1日浸すという方もいます。より一般的なのは一日浸す方ですので、そちらをおすすめします。水に浸したら日陰で6時間ほど干しましょう。穴の空いたカゴやザルなどの上に乗せると上手く滴ってくれますよ。

クヌギの皮を剥く

水が浸み込んだクヌギ材の皮を剥いていきましょう。必ずしも剥かなければいけない訳ではありませんが、剝いた方がメスが産卵しやすくなります。手では剥けませんのでステーキナイフのようなものを購入して、皮と木の間にナイフを入れるようにして剥いていきます。剥き方に指定はありませんので、上手く剥ける方法で行いましょう。また、水が染み込んでいますのでカビが生えることがありますが、オオクワガタにとっては何も問題ありませんので気にしなくて大丈夫です。

きのこマットのガス抜きと加水

産卵木の用意をしている間に、周りを囲むきのこマットのガス抜きと加水をしましょう。きのこマットを購入したら、大きい容器、またはビニールシートなどに中身をあけて1日から7日間ほど放置しガスを抜きましょう。マットが山の土のような匂いになるまで放置します。次に少しずつ水を加えて混ぜます。きのこマットを握った時に水がにじまず、また少し形が残る程度がベストです。

マットを5㎝ほど敷いて産卵木を中に入れる

ガス抜き、加水をしたきのこマットを、ケースに5㎝ほど詰めます。その上に準備しておいた産卵木を入れ、周りにマットを追加で入れて固定させます。産卵木の半分くらいの高さまでマットを入れましょう。この時、産卵木に穴をあけたり傷をつけたりしておくと、メスが産卵しやすくなるのでおすすめです。

昆虫ゼリーを入れて産卵セットの完成

最後に昆虫ゼリーを入れて成虫をペアリングさせれば産卵準備完了です。成虫ゼリーは少し多めにセットしておきましょう。少ないとあまり上手くいかない傾向があります。

産卵木の場合の割り出し

メスが産卵木に産卵をし、幼虫が見える、または幼虫になっていることが分かったタイミングで(食痕など)、割り出しを行います。産卵木の割り出しはマイナスドライバーを使うのがおすすめです。ただし、中身が見えませんので、かなり慎重にやらないと幼虫を殺してしまいます。ご注意下さい。

オオクワガタの産卵・繫殖方法⑨菌床

菌床産卵のメリット

産卵木より初心者におすすめなのが菌床産卵です。菌床産卵はセットするのも楽ですし、割り出しも手で出来ます。また、はじめから菌床を使っていますので、孵化したばかりの幼虫にいきなり栄養価の高い菌糸を食べさせることが出来ます。ただし、産卵木の方が産卵数が多い傾向があるとも言われていますので、どちらを優先させるか決めて行いましょう。

菌糸ブロックを丸ごと入れる

ガス抜き・加水したきのこマットをケースに3㎝ほど詰めて、購入した菌糸ブロックを丸ごと入れましょう。菌糸ブロックがケースに入りきらない場合は削って入れます。入れたら周りをきのこマットで埋めて、三日間ほど様子を見て下さい。ガス抜きがちゃんと行われていないと発熱します。発熱が無ければセット完了です。


昆虫ゼリーと成虫を入れる

菌糸ブロックを入れたら、あとは昆虫ゼリーと成虫を入れてペアリングさせればセット完了です。菌糸ブロックはきのこマットで埋められてしまってますので、小さめの止まり木などを設置し、転倒しないように配慮してあげましょう。

オオクワガタの産卵・繫殖の注意点①

直射日光と風はNG

まず気をつけて頂きたいのが、直射日光をあてないことです。温度管理は非常に重要で、日光は温度をかなり上下させる要因となります。体力を奪ってしまいますので直射日光は避けましょう。また、温度管理をする為にエアコンを使う機会が多くなるかと思いますが、直接エアコン風をあてるのもNGです。

昆虫ゼリーを切らさないこと

オスメスのペアリング時期は昆虫ゼリーを切らさないようにしましょう。オオクワガタは他のクワガタと比べて共食いの危険性が少なめですが、昆虫ゼリーが切れてしまえば話しは別です。ペアリング時期は特に餌が切れないようにして下さい。

オオクワガタの産卵・繫殖の注意点②

乾燥しないようにする

乾燥した環境も産卵・繫殖活動にとってNGです。乾燥しているかは見た目で分からないこともありますので、時々マットを触ってチェックしてみましょう。乾燥していたら霧吹きをかけて加水してあげます。

コバエ対策

オオクワガタのケースにはよくコバエが入ることがあります。そこで、通気穴の空いたディフェンスシートや、新聞紙などをあててあげるとコバエが侵入しにくくなります。また、そういった対策をすることで乾燥しにくくなり、加水の手間が減るのでおすすめです。

オオクワガタの産卵・繫殖に関するTwitter

放置して我慢あるのみ

こちらは産卵セットを作ったあとの状態が紹介されています。あとはペアリングして交尾させるだけですね。気がはやるものですが、焦っても仕方ありませんので、放置してじっくり待ちましょう。

カビは仕方がない

こちらは産卵セットにカビが生えた様子が書かれています。産卵木は加水するとほぼカビが生えます。ですが、オオクワガタには全然影響はありませんので、そういうものだと思って放置しましょう。私たちから見て嫌な感じがするだけです。

まとめ:オオクワガタの産卵・繫殖方法

今回の「オオクワガタの産卵・繁殖方法!適した温度や時期から必要な準備を解説!」はいかがでしたでしょうか?

繫殖時期や、菌糸ブロックなどの使用するアイテムなどを解説させて頂きましたが、誰でも行える内容でしたよね。ただ、慣れていない内は沢山の準備は大変かと思いますので、販売されている産卵セットなどを使うのがおすすめです。大体の流れが掴めてからご自分で産卵セットを作るとやりやすいですよ!

オオクワガタの産卵が気になる方はこちらもチェック!

今回はオオクワガタの産卵・繫殖方法を解説しましたが、他にもオオクワガタに関する記事が沢山あります。気になる方は是非見てみて下さい。