オオクワガタの採集方法は?
初心者には難しいオオクワガタの捕獲
オオクワガタを捕まえたことがある方はあまり多くありませんよね。実はオオクワガタの捕獲は初心者には難しいのです。そもそも生息地、採れる場所を知っている方も少ないですし、捕まえた方を知っている方も多くありません。
また、オオクワガタは非常に臆病な性格をしており、何かあるとすぐに隠れてしまい、簡単には捕まえられないのです。
プロのハンターにとってオオクワガタ捕獲は簡単
初心者には難しいかもしれませんが、プロのハンターからすればオオクワガタの捕獲は簡単です。適切な時期に生息地に行き、採れるであろうポイントを正確に狙い、正しい方法で捕獲すればそんなに難しいことではないからですね。
誰にでも使えるコツや知識が色々とありますので、今回はそんなオオクワガタの捕獲方法やポイントなどを解説していきます!
オオクワガタの採集時期
一般的なクワガタは7月から8月頃に採れる
まず、クワガタを捕まえにいく時期ですが、一般的なクワガタの採集時期は7月から8月頃とされています。大体この時期に頻繫に動き回るようになるため、捕まえやすい時期となるのです。この頃は子供たちの夏休みとも被りますので、親子で楽しくクワガタ採集が出来ますよね。
オオクワガタは少し早めの時期に狙うのがポイント
一般的なクワガタ捕獲なら7月から行うのですが、実はオオクワガタ捕獲はもう少し前から狙うのがコツで、プロのハンター達は大体6月頃から狙いに行きます。6月というと、まだ子供たちからすれば夏休みが遠く感じる時期。
子供と一緒にオオクワガタ採集というのは難しいかもしれません。7月から8月も採れますが、出来れば早めの時期に動きたいところです。
オオクワガタはどこで採集できる?
クヌギやコナラ・ミズナラなどの木で採れる
次に、「どんなところにいるのか?」ということですが、ポイントは木の種類です。主にクヌギの木にいるのですが、他にもコナラやミズナラといった木によくくっつていますね。
クヌギの木がある程度生えている雑木林がお近くにあれば、そこに生息している可能性は十分にあります。クヌギの木がどんな木なのか、画像で見て覚えておきましょう。
オニグルミの木でも採れる
クワガタ採集と言えばクヌギの木というイメージが強いのですが、オニグルミという木にいることもあります。オニグルミはくるみのような実がなる木で、大体秋時期になると熟して落果します。
このようなクワガタがやってくる木をいかに見つけるかがポイントとなりますので、近所や行動範囲内で、どこに対象の木が生えているのかを把握しておきましょう。
風通しの良い雑木林
なんとなく、うっそうと茂った山奥にいるようなイメージを持つ方が多いかもしれません。ですが、実はそういったところにはあまりいないのです。
風通しの良い雑木林を好みますので、野性的な大自然というよりは、人間がある程度管理しているところの方が条件が一致することもあります。密林よりも風通しの良い雑木林を探しましょう。
高い木でよく採れる
今回の内容でもかなり重要ポイントとなるのが「高い木に生息している」ということです。木の種類ももちろん大切ですが、それと同時に覚えておきたいのが「5メートル以上の木を探すこと」です。
私たちが探す時に見ているのは、木の側面を2~3メートル程度ですよね。しかし、そのような低い所よりも、5m以上の高いところによくいるのです。
街灯などに飛来してきたところを捕獲する
対象の木を探すことを書いてきましたが、オオクワガタも昆虫ですので、光に寄ってくる性質があります。例えば、野生の個体が住んでいる近くに自販機などがあると、その自販機の光に寄せられて飛んでくることもあるのです。
野生のオオクワガタ産地として知られていない場所の自販機で見かけることもありますので、案外穴場だったりしますね。
自分でライトトラップを仕掛けるのも有効
木についている野生個体を探すのが王道ですが、捕まえ方はそれだけではありません。ライトトラップという捕まえ方があり、少し用意は必要ではありますが、簡単に捕獲することが出来ます。やり方は簡単で、白い布をライトで明るく照らしましょう。
その付近が生息地であれば、飛んでくる可能性は十分にあります。ある程度大きなライトを使いましょう。
実は身近な木にもいたりするオオクワガタ
風通しの良い雑木林などを探すのが最もベターな方法なのですが、実は他にも採れる場所があります。例えば、田舎に行くといきなり大木が一本だけ生えていることがありますよね。そういう場所をよく見てみると、案外野生個体がいたりすることもあるのです。
意外と民家に生えている木に来てることもあるので、田舎に住まわれている方は是非、ご自分の家の木も見てみましょう。
オオクワガタの採集方法
①まずは大きなクヌギの樹のウロを探す
ここからは捕まえ方です。まずはよく野生個体が潜んでいる大きなクヌギの木を探しましょう。ある程度大きな木に生息していることが多く、電柱二回り分程の太さがあり、かつ高さも5m以上ある木が理想的です。
そういった木のウロ(穴)の中に隠れていることが多いので、対象の木を見つけたらウロの中を探してみましょう。
オオクワガタを捕獲しやすい環境条件
捕まえ方も大切ですが、狙う時間帯や環境条件も大切なポイントです。まず、時間帯に関しては早朝に行くか日が沈んでから行きましょう。基本的に夜間に活動が活発になりますので、狙う方は日が沈む時間帯から捕まえに行く場合が多いですね。
また、風が強く吹いていない、気温が25度以上ある、新月の時なども捕まえやすいと言われています。
②見つけたらピンセットや棒などで採集する
木のウロの中に、掻き出し棒を突うづるっこんでやると、クワガタが引っ張り出されて気持ちがいい。
— Tomo(53) (@dorcus_ahonics) July 16, 2018
実際の捕まえ方ですが、多くの場合は木のウロで見つけることになりますので、木のウロの中からオオクワガタを取り出すことになります。その際に必要になるのがピンセットやかき出し棒と言われるアイテムです。その他にも色々と持っておきたいアイテムがありますので、下記で紹介していきます。
オオクワガタ採集グッズ①網
採集グッズ一つ目は「網」です。ただし、普通の虫取り網ではなく、出来るだけ長めの網を購入しましょう。地面を歩いていて、ある程度高いところにへばりついているのを確認した際に使うことが出来ます。
よく捕獲しに行く方は手作りの長い網を持っていることもあり、5m級の網を持っていることも珍しくありません。本気で捕まえたい方は作ってみましょう!
オオクワガタ採集グッズ②懐中電灯・ヘッドライト
次に持っておきたいグッズが「懐中電灯やヘッドライト」です。基本的に日が沈んでいる時間帯に探すことになりますので、懐中電灯は必須アイテム。
また、捕まえようとして木から野生個体が落ちてしまった際に、懐中電灯を使って探すことになります。両手が塞がっていることも多々ありますので、ヘッドライトもあると便利ですね。
オオクワガタ採集グッズ③ピンセット・かき出し棒
少し先述しましたが、実際にウロの中から取り出す為に「ピンセットやかき出し棒」も購入しておきたいところです。まず必須なのがかき出し棒ですね。かき出し棒でウロの中に隠れているオオクワガタを出しましょう。かき出し棒だけでは上手く捕まえられませんので、ピンセットを使って掴みましょう。あまり強く掴むとオオクワガタが怪我をしますのでご注意下さい。
オオクワガタ採集グッズ④脚立
高い木のウロにいますので、木登りが上手でない方は「脚立」も持っておきましょう。脚立さえあれば5m、10m級のクヌギの木でも難なく登ることが出来ます。下を歩いて探すよりも高いところを探した方が効率的に野生個体を捕まえられます。脚立を使う際は足元をしっかり確認し、怪我をしないよう気を付けて下さい。
オオクワガタ採集グッズ⑤ケース
ルアーケースが結構使える:baby_chick:
— まつDら (@matudair123) July 17, 2017
それにしてもバッファローのノコギリはかっこいい:baby_chick:
色がもうね、いいよね。
ハサミも太いしね。
クワガタの共進会開かないとだよこれ pic.twitter.com/nOhMtMWV9S
最後に、捕まえた個体を保管する為のケースです。初心者の方は、よくペットショップなどで販売されている普通の飼育ケースを持っていきますが、何匹か捕まえると、中で野生個体同士が喧嘩をしてしまうことがあります。ですので、おすすめは釣りで使うルアーのケースです。これなら一頭ずつ、仕切りで分けて保管出来ますので喧嘩の心配がありません。
③樹液の匂いでオオクワガタを探す
「捕まえ方は分かったけど、どこにいるのかが分からない」という方は、樹液の匂いを辿って探してみるのも手です。樹液が出ている木があれば、そこにいる確率は高くなります。樹液には独特な匂いがあり、慣れてくれば匂いを辿って探すことが出来るはずです。
樹液は昆虫ゼリーのような匂いがする
樹液の匂いを嗅いだことが無い方は、よくカブトムシやクワガタ飼育で使う「昆虫ゼリーの匂い」を思い出してみましょう。全く同じという訳ではありませんが、似たような匂いです。雑木林を歩いていてその匂いがし始めたら、近くにいる可能性があります。
オオクワガタは飛び回らないから難しい
大きなクヌギの木のウロを探すのが一番おすすめですが、一つ一つ探していくのは大変ですよね。また、ウロの中に隠れた野生個体を出すのも大変に感じるかもしれません。そんな方におすすめな捕まえ方は、ウロではなく木の外側にへばりついているオオクワガタを捕まえることですが、色も黒く、飛び回ったりもしないので結構難しいですよね。
ボクトウガを頼りに探す
お手軽な捕まえ方・探し方として「ボクトウガ」を目安にするという手があります。ボクトウガとは樹液に群がる蛾のことで、ボクトウガを見つけられたなら樹液のある木が付近にある可能性が高まります。そしてそこにはクワガタがいる可能性が十分にあります。
周辺の木を懐中電灯で照らして、樹液をなめている野生個体がいないかチェックしてみましょう。
木登りが出来るとより捕まえられる
先述した採集アイテムの中に脚立がありましたが、他にも持っておきたいアイテムはいっぱいあり、脚立は結構かさばってしまいますよね。ですので、プロのハンター達は木登り出来ることが多いのです。
木登りがささっと行えれば捕獲効率はグッと上がりますよね。本気で捕まえたい方は木登りしやすい格好をして、怪我しにくいよう軍手などもしておきましょう。
オオクワガタを採集できるエリア
山梨県
日本で一番有名な野生個体の生息地と言えば「山梨県」と答える方が多いのではないでしょうか。事実、過去の実績も高く、環境も整っている場所です。テレビなどでもよく採れる場所だと紹介されてきたため、知名度もとても高いですよね。ここには大きなクヌギの木が沢山生えており、最高の環境となっています。
採れると噂になりすぎて数が減っている
環境はとても整っているのですが、生息地として有名になりすぎた為に、沢山の人が捕獲しに来てしまい、現在は数が激減してしまいました。
今でもシーズンになれば捕獲しに来た家族やプロの方と鉢合わせになることが多いのですが、プロの方々が獲りつくした後に初心者の方が獲るのはかなり難しいですよね。生息地ではありますが、現在はあまりおすすめではありません。
大阪府
実は大阪府もオオクワガタの生息地として有名な場所です。オオクワガタの生息地を調べると真っ先に出てくることもありますね。ただし、こちらも残念ながらハンターが沢山来てしまった為に数が激減。絶滅してしまったとも言われており、初心者ハンターではほぼ見かけることが出来ない程となりました。残念ですね。
佐賀県
佐賀県もオオクワガタを捕まえられるポイントとして有名です。佐賀県産のオオクワガタには特徴があり、アゴがとても太く、また頭が広いのが特徴です。もちろん全ての個体がそのような形をしている訳ではありませんが、比較的そういった形となっています。
佐賀県産と偽ったオオクワガタが大量に出ている?
他の有名生息地同様に、佐賀県のオオクワガタもかなり乱獲されてしまい、数が激減してしまいました。本当に天然の個体はもう中々見つけられない存在となってしまったのです。
しかし、何故かネット上には佐賀県産のオオクワガタが沢山販売されており、知識があまり無い方をだましている可能性もあるのだそうです。だまされて買ってしまわないようにご注意下さい。
千葉県
有名生息地をご紹介してきましたが、現在では絶滅級に数が激減してしまった為に、行っても採れるかはかなり微妙なところです。そういった場所よりも身近なところにいる可能性もありますので、近辺を探してみましょう!
関東で探すなら千葉県だと言われており、かなりの数がまだ生息していると言われています。
群馬県・茨城県
関東では千葉県だけではなく、群馬県や茨城県、神奈川県にもかなりの数の野生個体が生息していると言われています。時期になれば捕獲出来る可能性がありますので、関東圏に住んでいる方、またお近くの方であれば是非狙ってみましょう。
採集する際の注意点
乱獲しすぎに注意
捕まえ方を知り、いざ捕獲しに行く前に心に刻んでおきたいのが「乱獲しすぎないこと」です。良い場所を見つけると、調子の良い日では何匹もとれてしまうことがありますが、乱獲しすぎは絶滅に繋がりますのでご注意下さい。
また、本気で捕まえる方の中には煙幕を使う方もおり、煙幕を使ったあとのウロにはしばらくクワガタが来なくなってしまいます。付近の生態系を荒らしてしまうのでこういった捕獲法は決して行わないようにしてください。
公園の林にいるのは天然ものではない?
公園にたまたまいることがありますが、それは野生個体ではない可能性があります。養殖された個体を購入して飼育していたものの、飼いきれなくなってしまい公園に放してしまう方がかなり多いからですね。そもそも中々見つけられない昆虫ですので、もし簡単に捕まえられた場合は野性のものでは無いかもしれません。
天然ものと養殖ものとの違い
天然のものと養殖のものには見た目に違いがあります。飼育下で育てられたものは十分すぎる栄養を与えられているため、羽がかなり膨らんでおり、その為にしわや水ぶくれがあったりします。
野性の個体はしわがなく、見た目もスリムで締まった印象があるのです。有名な生息地にわざわざ養殖ものを放している方もいますのでご注意下さい。
オオクワガタの情報をTwitterでチェック
オオクワガタの活動時間帯
2匹飼ってるオオクワガタ。
— タモリ(本物) (@norobo_norobo) October 22, 2016
1匹はオオクワガタには珍しく随分活発的で昼間も地上に出てずっとゼリー吸ってる。もう1匹はオオクワガタらしく臆病で人目がある時間帯はずっと木の裏にくっ付いて隠れてる。
後者の方が面白味はないけど、体力使ってないから長生きするんだよね。
こちらはオオクワガタが私たち人間が活動する時間帯にはあまり動かず隠れていることが書かれています。飼育下の個体でも上記のように臆病に隠れていますので、野性のものを探すとなればかなり大変であることが分かりますよね。
特にウロなどの穴は隠れる場所としては最適です。捕まえる時は活動的な時間帯に探しましょう。
活動時間帯にはタイプがある?
オオクワガタは,夜間遅くになって飛来する個体と早めの時間帯に飛来してライトの下の影などにとどまり続ける2タイプが存在するといわれています.
— 〆 (@Carabus___1225) July 12, 2016
今回はどうやら遅くの時間帯の方だったのだと思います.
少々気になってしまい質問致しました,ありがとうございました.
こちらは活動時間帯が違う二つのタイプがいることが書かれています。多くの個体は夜の時間帯から活動的になりますが、日が暮れる時間帯から灯りの付近に居続けるタイプもいるのです。ライトトラップもかなり有効な手段ですので、是非試してみましょう。出来るだけ大きなライトを使い、白い布に当てると効果的ですよ。
オオクワガタが幻の存在だった時代があった
【オオクワガタ】
— くわ太郎 (@Kuwatarou1123) September 9, 2016
実はオオクワガタも飼育しています。今から来年のブリードが楽しみ(^^)/。ちなみにオオクワガタが「黒いダイヤ」と呼ばれていた時代、某池袋のショップで500万で販売されているのをこの目で見ました笑。飼育歴長いです笑 pic.twitter.com/S4kxKRjeci
こちらは超高価格で取引されていたことが書かれています。今では飼育下での繫殖も進み、養殖ものであれば気軽に買えるようになりましたが、かつてはとても珍しく、本当に高い価格で取引されていたのです。とはいえ、乱獲が進んだ今も幻の存在と言えますね。絶滅しないよう配慮しましょう!
まとめ
今回の「オオクワガタ採集方法!採れる場所や狙うポイントなど捕まえ方のコツを解説!」はいかがでしたでしょうか?
捕まえ方、狙う時期や時間帯、具体的な方法などを解説してきましたが、今すぐ捕まえに行きたくなった方も多いかもしれません。高いクヌギの木のウロを探すことが一番のポイントとなりますので、是非チャレンジしてみましょう。くれぐれも乱獲には注意し、自然を壊しすぎないよう配慮して下さいね。
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